能力開発メールマガジン 心と技のあいだ vol.032

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 【心と技のあいだ】
    vol.032 2006.12.25
   発行者:有限会社シーケン社 経営実務コンサルタント 谷口隆
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           【【【 未来工業 】】】

 12月17日の読売新聞朝刊の「編集手帳」に次の文章が掲載されてい
ました。
  DOIT!のVol.86でも登場している未来工業に関する記事だっ
たので、思わず読みました。抜粋して掲載します。
<ここから>
  電気設備資材などを製造する未来工業という会社が岐阜県にある。
  従業員は男性が570人、女性が215人。全員が正社員でもある。
  未来工業の今度の正月休みは、23日から来月10日まで19連休を予
定している。
  何しろ、年間の休日が140日もある。しかも、1日の労働時間は7時
間15分。残業は基本的に禁止だ。
  この4月からは定年を70歳に引き上げた。
  70歳までの10年の幅で、社員が自由に退職時期を選ぶことが出来る。
  60歳を過ぎて雇用を継続する場合、賃金を大幅に下げる企業が多いが、
同社の制度では60歳時の賃金が維持される。
  低賃金に長時間労働では社員にやる気が起きるわけがない。会社のため
に努力しようという気にならない。こうした理念に基づいている。
  これで業績が悪ければ説得力に欠けるが、何年も経常利益で二桁の伸び
を続ける優良企業でもある。
  (中略)
  企業の生き残り競争は厳しいが、大事なのは目先の勝利ではなく長期的
な発展だろう。
  同社の奇跡が今後も続くのか、実に興味深い。
<ここまで、>
  もう一つ、DOIT!のガイドブックに掲載されている(株)ベルウェ
イ研究所の山崎宣次氏の記事を抜粋しましょう。
<ここから>
  企業が市場に提供する新たな価値として、以下の4つの方向が考えられ
ます。
  (1)新しい利用場面価値を生み出す新商品や新サービスの開発
  (2)業務の改善、革新による価格メリットの提供
  (3)さらに便利で親切なサービス提供システムの開発
  (4)顧客との共感を深め、絆の強化をはかる
<ここまで>
  どうですか?
  「考える」ことの重要性が見えてきますよね、
  真似ではなく、考えて出た答は「オリジナル」です。
  「オリジナル」には独自性があります。これを差別化のツールにするわ
けです。
  「オリジナル」は源泉です。そこからどんどんいろいろなものが湧いて
出てきます。だから成長するし、そんな会社・店が新しい価値を提供出来
るわけです。
  皆さんの店でも、問題解決型の会議ではなく、理想追求型の夢会議をし
て、開発心に火を点けてみませんか?

 さて、前回のメルマガは「人材育成」について書きました。
  人を育成するには、まず自分を磨く、そして辛抱強く見守る、支援する
ことの重要性を書きましたが、お役に立ちましたか?
  では、今日のテーマに行ってみましょう。

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 本題に入る前に「心と技のあいだインジケータ」で今回のテーマの位置
付けを確認しておきましょう。
<考え方の技術>  <考えを行動に移す技術>  <行動の技術>
    「心」→→→→→→→→→→→●→→→→→→→→→「行動」
このあたりでしょうかね。あくまでも私の主観ですので参考までに!

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           < チームワーク >

1.はじめに

 チームワークの良い店とか言いますが、本当にはどういうことなのでし
ょう?
  「チームワーク」を英和辞典で調べたところ、「協力・共同作業」と出
ていました。
  私は、「仲間意識」「協力関係」「団結力」とかの意味だと思っていまし
たが、良く考えると、チームとワークが引っ付いた言葉なんですよね。
  つまり、チームの仕事、チームで働くということに他ならないわけです。
  だから、共同作業ということです。
  しかし、日常使うチームワークという言葉の意味は、私が思うような意
味で使っているひとがほとんどでしょう。ここに何かのヒントがありそう
なので、そのあたりから考えてみましょう。

2.レーバーとワーク

 調べ物をしていたら「レーバーとワーク」についての文章を見つけまし
た。
  「人のあらゆる活動の仕方は、観察すると外から見た形は同じでも、二
種類の活動に分けられます。
  【レーバー/Labor】
     奴隷的・機械的活動。やらされている気持ちが強い。
  【ワーク/Work】
     人間的・創造的活動。自ら目標を立てて実行できる。」
  チームワークは、ワークなのですから、チームでこの創造的活動をして
いくということになりますね。

3.チームワークの実効的側面

 また、インターネットにこんな内容もありました。効果を期待するチー
ムワークの発揮の仕方についてよくまとまっている文章なので、私なりの
考察(*)を加えながら掲載してみます。
(1)「すべてのチームメンバーが、グループのゴールを理解した上で、
    ゴールに対するコミットメント(公約)をもっている。」
   *これは、そのチームに与えられたミッションが明確で、メンバ―個
    人個人もそのミッションを良く理解して、自分のすべきことに落と
    し込んでいる状態、と言うことですね。
(2)「チームメンバーがお互いのアイディアについて建設的なフィードバ
    ックをしている。」
   *効果的・支援的・発展的ミーティングをきっちりしている状態で、
    ファシリテーション(議事進行)も当然上手に出来ているという状
    態でしょう。
(3)「グループの業績の基準や方向性に従うことに対して、メンバーが
    無理を感じていない。」
   *目標およびそれを達成した時の評価・報奨に対して納得している状
    態です。共通のものさしの目盛がマッチしているということです。
(4)「グループ内のコンセンサス(意思統一)に従うことを強制される
    のではなく、反対意見も受け入れられている。」
   *上司・強力メンバーの意見だけが通るという様なチーム運営ではな
    く、各人の意見を取り入れて、全体として意見が反映・調整された
    チーム運営が出来ているということです。
(5)「メンバー間に活発なコミュニケーションがみられる。」
   *雰囲気の良いチームであるということです。自由な雰囲気とけじめ
    のあるチーム内組織がきっちり出来上がっていれば、メンバー間の
    意志の疎通が出来て、心が通うチームになります。
(6)「重要な決定を下すための責任や権利はチーム全体に与えられてい
    る。」
   *チームに対するエンパワーメント(権限委譲)の範囲が明確である
    ということです。細かいことまでいちいち相談しないと動けない様
    では即応性がなく、機会損失が発生することがあります。さらにそ
    のチームの機動力を生かすには、決定権がそのチーム内部にあると
    いうことは必須条件となります。
(7)「すべてのメンバーが自分の意見を表現できるチャンネル(回路)
    が開かれている。」
   *全てのメンバーの意見が取り上げてもらえ、それが他の意見と同じ
    重さで検討してもらえる保証があるということです。また、そんな
    シチュエーション(場面)をきっちり設けている必要もあります。
(8)「メンバーには、自分の仕事に必要なスキルやトレーニングを受け
    るチャンスがある。」
   *チームには、メンバーに対し、そのミッション達成に必要なノウハ
    ウ供給や技術訓練の場と時間を提供することが求められます。育成
    と言う意味では、短期と長期の計画が必要です。
(9)「メンバーは全員平等に扱われている。」
   *押しの強い人の意見が通りがちですが、全ての人の意見ウエイトは
    同等だという思想を持ち、平等に扱うことが必要です。行動1つも、
    意味があるので、よくその本人の意図を汲み取り理解し、成長につ
    なげます。
(10)「チームリーダーの指示がなくても、メンバーがお互いにサポー
    トし合っている。
   *サポートというのは、言われてするものではありません。上が下の
    面倒を見る、下が上に対し報告・連絡をきっちりする等々、自主的
    なサイクルを定着させる風土を作ることが大切です。
(11)「チームの業績と同時に個人の業績も評価されている。」
   *チームの達成度合いは、設定した目標の達成率により図られますが、
    個人としてもそれは同じです。ミッション達成過程で学んだ事項を
    しっかり認識し、今後に役立つこととして習得するということにも
    ポイントを置くべきです。
(12)「グループ内で、さまざまな業務を遂行するための責任や役割が
    はっきりしている。」
   *チームだからと言って、横一列、同好会やサークル的なチーム運営
    は、順調な時は問題ありませんが、いざ逆風となった時は、力を発
    揮することが出来ません。縦型組織や、職務分担を明確にすること
    により、よりチームが力を発揮することが出来るのです。
  どうですか?
  チームワーク構築のためにかなり内容が濃いものがありましたね。

4.チームワークの精神的側面

 上記項目は、チームの実効的側面(発揮の仕方の工夫)について考察し
ましたが、この項ではチームワークの精神的側面について考えてみます。
  精神的側面とは、チームメンバーの内面のことで、協力関係を作る源泉
であるメンバーの心のあり方はどうあるべきなのかということを考えてみ
ようということです。
  以前、伊藤豊先生が書かれた「美容業におけるコンピテンシー」の中で、
先生は、「技術が出来る、接客が出来るという顕在部分は氷山の1角です。
本当に出来る人は海中にある潜在部分が素晴らしいのです。」と言われて
いました。
  氷山の海上に出て見えている部分は全体の7分の1と言われていますか
ら、14%くらいしか見えていないことになりますね。
  つまり、チームで接している日常の部分は14%なわけです。
  ということは、潜在部分をもっともっと大きく、そしてさらに磨けば、
14%がもっともっと大きくなり、光ってくると言うことになりますね。
  そこで、チームに対する貢献、チームワークに対する協力の源泉とは何
かについて考えてみると、その人の発想の原点に迫っていくことになりま
す。
  「自分が一番」と思っている人は、なかなかしんどいですね。
  メンバー各人が適役と考えれば、全ての人が輝いて見えます。
  相手を尊重し、大切に思う気持が基本にあれば、優しさが湧いてきます。
  「優しさ」が、根本にあれば、チームは素晴らしいものになるのです。
  「それより成果だ」とお叱りを受けそうですが、成果は一時的なもので
す。一時的な成果は、長続きしないのです。
  「成果」と「優しさ」は相反するように思われますが、決してそうでは
ありません
  優しさ(86%)の上に成果(14%)が乗っかっているのです。
  14%の部分を増やすには、86%の部分を大きくすることが大切なの
です。
  この原理がわからないで、14%ばかりに目が向いているチーム(サロ
ン)が多く、前のめりな営業をしているところは、いつまでも人が育たな
いのです。
  だから、心を磨くことにもっともっと力を入れて欲しいと思います。

5.シナジー効果

 人が寄ると、1+1が3にも4にもなるとよく言われますよね。
  二つ以上の有効なものが重なり合うことでそれ以上の効力を発揮するこ
とをシナジー効果(相乗効果)と言います。
  チームワークが良くなると、このシナジー効果が期待できます。
  つまり、チームで考えることにより、思わぬ斬新なアイデアが出たり、
チームのモチベーション・テンションが上がり、期待以上の実績が出るな
どの現象が現れます。
  団結力は、シナジー効果の最たるものです。
  優しさ、お互いの理解、目的・目標意識の統一、集中実行、フォロー等
の段階を経て、チームワークが高まり、個々の能力が最大限に引き出され
て目標を達成するという成功までのプロセスがあります。
  この1つの成功体験が元になり、団結力がますます強くなり、次の成功
へとつながって行きます。
  良く聞くのが、伏見工業高校の話です。
  とんでもなく弱いチームが、一つの負けをバネにして、高校一番のラグ
ビーチームになるという物語です。
  団結力は何物にも代えがたいものです。

6.最後に

 ここまでをまとめてみると、「優しい気持〜目的意識〜ノウハウ供給〜
技術習得〜団結力」の流れがチームワークを向上し、仕事の成果を促進さ
せるということです。
  どうすれば、このサイクルがきっちり廻せて、しっかりした成果が出せ
るのかをみなさんのサロンで、話し合ってみて下さい。
  心をオープンにして、本当に素晴らしいサロン作りに向かって前進され
ることを期待します。

7.次回案内

 では、次回の案内です。
  次回は「キャリアプラン」です。
  キャリアプランとは、永年勤続を前提とした各種職務・ポストを準備し、
スタッフはそれがあることによって安心して働けるという仕事上の道しる
べとなる職業人生計画です。
  CSよりESという今の流れ、日本流の経営スタイルの見直しが叫ばれ
ている昨今において、このテーマは重要です。
  次回もまたお役に立てるメルマガを目指して、作文します。
  応援よろしくです。

                 ではまた次回もお会いしましょう!

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■講師:有限会社シーケン社 代表取締役 谷口隆
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ポートプロジェクトに参加しています。
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●編集後記

 先日Aさんから、「谷口さんみたいに人脈を広げようとしたらどうすれ
ばよいのですか?」という質問を受けました。
  私は言いました。
  私「何か自分でこうしたいと宣言することです。それを声を大にして言
えば言うほど人は協力してくれるようになります。」
  A「なぜですか?」
  私「それは、熱い志・夢を持った人はオーラを放つのです。そのオーラ
    に引付けられて、吸い寄せられて来るのです。」
  A「なぜですか?」
  私「多分、その志・夢をかなえて上げたい、一緒になって叶えたいと言
    う気持が芽生えるのでしょうね。」
  A「なんでかなあ?」
  私「人間、そう出来ているのでしょう。自分もそうありたいけどなかな
    か出来ないので相手に夢を託して協力しようとするのでしょうね!」
  A「そうですね。」
  ま、ざっとこんな会話でした。
  「する」と「しない」とでは紙一重です。
  やってしまえば、その人はやれる人なわけです。
  さあ、やれる人になりましょう。そうすると、人生、楽しいですよ。
  来年のセルフテーマに、そんなイメージの言葉を入れてみましょう。
 
  今年、1年、ありがとうございました。
  また来年も継続して頑張りますので、よろしく。

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