| 実践技術
リンクの達人 その5 (ヒントを得る)
メルマガ再録 (2009年3月9日) 第85号
今回のテーマは、「19.LED照射バランス、20.鰻料理「野田岩」、21.リニアモーターカー、22.WBCワールドベースボールクラシック」です。
< リンクの達人 その5 >
1.はじめに
このCKENメルマガ「心と技のあいだ」流に言う「リンクの達人」と
は、そのモノの持つ基本機能(コア)に迫り、その機能が他に応用できな
いかと考える「アナロジカルシンキング」を基本のアプローチ方法として、
その機能の利用・活用方法を定義する訓練を言います。
2月のIDL個人能力開発講座でこの勉強をしましたが、出来る人と出
来ない人では凄い開きがあります。
若い時からこの考え方を知ることで必ず大きく成長できます。
読者の方で、リンクの達人を実践している人に限り成長は約束されます。
さてあなたは実践していますか?
2.リンクテーマ
さて、1回~4回では次の18の題材を取り上げました。
<その1> 1.ワークシェアリング
2.那覇マラソン
3.ミステリーショッパー
4.ツノちゃんハートマーク
5.中小企業定年退職者の再雇用
<その2> 6.チャンイーモー
7.孟子
8.ガラスの法則
9.コンビニ
<その3>10.デジタルフォトフレーム
11.家電芸人
12.松下幸之助さんの眼鏡
13.サンパイプ
<その4>14.時間差攻撃
15.デコりマスク
16.スタータクシーシール
17.鳥の巣
18.プラシーボ効果
<その5>今回は次のテーマを考察します。
19.LED照射バランス
20.鰻料理「野田岩」
21.リニアモーターカー
22.WBCワールドベスボールクラシック
2.「19.LED照射バランス」
<説明>
先日の朝日新聞に次の記事がありました。
”京都市の農業ベンチャーと発光ダイオード(LED)メーカーが共同
で、葉もの野菜に赤、青、緑のLEDをバランスを変えて照射する実験を
行っている。赤色は光合成を促し、青色は植物の形づくりに効果的といい、
色の組み合わせによる、栄養価が高く形の良い野菜づくりを模索している。
野菜工場は蛍光灯栽培が主流だが、全面的にLEDを使った省エネ型野菜
工場の実現が目標という。
<活用>
「色の組み合わせによる、栄養価が高く形の良い野菜づくりを模索」こ
の部分が、リンクして下さいといわんばかりではないですか!
つまり、赤、青、緑のLEDをバランスを変えて照射することにより栄
養価が高く形の良い野菜づくりが出来るということですよね。
LED=教育の要素、野菜=スタッフと置き換えて読んでみると、これ
は使えるでしょう。
個々のスタッフに対し、教育の要素をバランスを変えて行うことにより、
より効率的に能力の高いスタッフが作れるということです。
スタッフ本人が持つ能力を伸ばすには、同一の教材、指導内容でも本人
向けにアレンジしていくことがポイントであるということです。
ということは、本人をよく見て、個々の成長スピードに合わせた教育カ
リキュラムが必要であるということですから、指導する側のやり方をもっ
と考えないといけないということでしょう。
そんなことを感じた記事でした。
3.「20.鰻料理「野田岩」」
<説明>
先日TVを見ていたらこんな番組をやっていました。
料理の老舗、港区東麻布にある「野田岩」は今5代目が経営しています。
その主人のこだわりと言ったら凄まじいものがあります。
その一つとして、「土用の丑の日は休み」があります。
その理由は、5代目に言わせると「忙しすぎて丁寧な仕事が出来ない」
からだそうです。
昔は意地を張って、天然モノが入荷しない日は店を閉めていたとも言っ
ておられました。
頑固にその店の暖簾(のれん)、やり方を守る、これが一流のこだわり
だと感心しました。
しかし一方、フランスにも出店し、コース料理を出しています。またそ
こで培ったノウハウを日本に持ち帰り、日本流にアレンジしてコース料理
としてメニュー化しています。
「守る」「攻める」「改める」を見事な調和でこなしています。
5代目は言います。「職人と言うものは、先輩の背中を見て育つことだ。
そのためにも、まだまだ現役で頑張ります。」
<活用>
皆さんのお店、または個人として、これだけは譲れない、負けないとい
うものを持っていますか?
1つでいいです。持ちましょう。
その1つを守るためには、犠牲にしないといけないことも発生するでし
ょう。困った問題も発生するでしょう。
しかし、そのこだわりが強いほど、困難を乗り越えていけることになる
のです。それがエネルギーとなり、解決していけるものなんです。
野田岩は、160年の歴史があります。
そんなお店は、完全にその地域に溶け込んでいるというか、必要とされ
ているから存続できているわけです。
皆さんのサロンも、地域から何十年と愛され、必要とされるサロン作り
のコンセプト、こだわりは確立出来ていますか?
是非、野田岩にはあって自分のサロンにはないものをリンクして下さい。
4.「21.リニアモーターカー」
<説明>
1964年10月1日、世界で最も速い列車「夢の超特急」東海道新幹
線が営業を開始した。その2年後に、別の夢の超特急を思い描く5人の国
鉄技術者が「超高速鉄道研究同好会」を立ち上げた。
そして「リニア父」といわれる京谷好泰が、磁石で浮いて走る超特急を
作ればいいと考えた。
「車輪がない電車なんてバカじゃないか」と言われながらも、1972
年3月、お風呂ほどの車両が走った。世界初の走行だった。
そして、1979年無人ながら最高時速517キロを達成し、有人走行
にも成功した。
関秋生は、開業後の新幹線のトラブル解決を担ってきた。関にとって開
発途上のリニアは「トラブルの宝庫」だった。
関らは外部のメーカーの力も結集し、実用化に向けて動き出した。関は
周知を集めて考えるというやり方を貫いた。
山梨実験線では、2003年有人で世界最速の時速581キロを達成し
た。そしてこの時、JR東海は2025年にリニア新幹線を東京・名古屋
間に走らせると表明した。
今、開発チームを率いる白國紀行は「いつでも営業運転できる」と胸を
張る。予定通りに出来たとして、あの同好会から60年の長い夢になる。
<活用>
そうか、リニア新幹線に乗りたいなあ。
開業時は私は76歳ですなあ。
600キロ近いスピードって、今の新幹線の速度の約2倍ですよね。
どんな景色の流れ方するんやろ、G(重力加速度)はかかるんやろか、
揺れはどんなもんやろ、乗り心地は?等々、一杯体感したいことがありま
すね。
それはさておき、リンクをしなければ・・・
ここでのポイントは2つあります。
1つ目は「夢を諦めないという精神力」、2つ目は「実用化に向けてあ
らゆるメンバーを集めての組織作り」というところでしょう。
「夢を諦めないという精神力」については、もう耳にタコが出来るくら
い聞かされていると思いますが、この60年と言う年数は凄いですよね。
この研究者達は、一生リニアの研究に捧げているわけですからね。
この人たちは、出来ると信じてやっていますね。
まず信じる・・・そしたら道は開ける・・・まず信じることですね。
信じると、疑いがなくなる。
そうして努力すると、その褒美としてその物事が達成できる。
達成は、その人(チーム)が信じて頑張った結果と言うことです。
そういうことをスタッフに教えてあげて欲しいですね。
2つ目に、「実用化に向けてあらゆるメンバーを集めての組織作り」と
いうポイントです。
1つの故障は、設計から材料、製造(加工)、組立、実用時まで、どこ
でどんな状況で発生しているかわかりません。
設計も加工も上手く行っているのに、組み立てると上手く性能が出ない
などということは日常茶飯事起こります。
そういう意味からも、関係者全員で連携して1つの問題に取り組むとい
う姿勢が大切です。
自分のところは関係ないという発想では良くなりません。チームとして
お互いに考えの及ばないところを補い合うという考え方をしましょう。
このことって、非常に大切な要素を含んでいます。
サロンでも、1つのクレームに対し、全員で考えてシェア(共有)し、
対策を考えてより良いサロン作りに邁進して下さい。
5.「22.WBCワールドベースボールクラシック」
<説明>
第1回は2006年に開催され、日本がキューバに10対6で勝ち、初
代チャンピオンに輝きました。
今年はその2回目です。
3月5日から24日までの間、16チームが参加し優勝を目指します。
日本選手は34名がリストアップされ、28名に絞られました。
外れた6名の選手も腐るのではなく、「頑張って欲しい」とエールを贈
っていたのは清々しかったですね。
私の年代はサッカーより野球の方が熱が入りますね。
オールスターゲームよりもまだ強い、世界に散らばった現役一番のメン
バーをほとんど全て帰国させてのチーム作りですからね。力も入ろうとい
うものです。
アメリカなどは、ペナントレースの方が大切だとかで、こちらの方には
余り力が入っていないようですが、日本はカンカンですね。
練習試合から、強化試合まで、まるで緊張感が凄いです。
選手は言います。「こんな緊張感の中で試合できるのは幸せです。」
第1戦は、中国に辛勝しました。
7日(土)の第2戦は宿敵韓国でしたが、あろうことか、14対2でコ
ールド勝ちしました。
しかし、痛快と喜んでいられないように思います。
大勝した後の試合は点が入らないというジンクスがありますから、要注
意です。
ガンバレ! サムライ・JAPAN!
<活用>
ここでのネタは、最強のチーム作りと緊張感ですね。
最強のチーム作りのため、目的のためには手段を選ばないという強硬な
姿勢も大切です。
しかし、その裏にはそれをしっかり理解しているスタッフがいないとい
けません。
単に強引なだけでは、チームになりません。
選ばれたメンバーも、落ちたメンバーも相互が理解し合い、その分も出
場選手は頑張るということで、報われるのですから。
もう一つは、緊張感ですね。
練習のための練習ではなく、本番のための練習でなければ練習は意味を
なしません。
だから、プロは真剣です。
ここにアマチュアとプロの違いを見ることが出来ると思います。
美容師もプロになると、見るもの全てがデザインであり、スタイルに見
えるはずです。
そういう意味では、「リンクの達人=プロフェッショナルの視点」とい
うことが言えるかも知れませんね。
7.最後に
今回でリンクの達人は終了とします。
もっと数いけると思ったんですが、22タイトルしか書けなかったです
ね。
一つが長過ぎるということですね。
まっ、これもこのメルマガらしいということでご勘弁を!
皆さんも是非このリンクの達人、やってみて下さいね。
次回からのネタ、また新に探さねば・・・
では、また次回お会いしましょう!