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丁寧に生きる (心をこめる)

メルマガ再録 (2009年4月27日) 第88号


丁寧に生きると言うことは「人生観」です。丁寧に生きると言うことは「仕事観」です。今一度、自分の生き方を見直してみてはいかがですか?

          < 丁寧に生きる >

1.はじめに

 今回は、「丁寧に生きる」という言葉を考察してみます。
 この言葉は、九州小国町の陶芸家/北川八郎先生からお聞きした言葉で
す。
 何気ない言葉ではありますが、大変深いものがあると思います。
 それを分解して、役立つものにするのが今回のメルマガのテーマです。

2.丁寧の語源

意味:注意がゆき届き、念入りであること。
   言動が礼儀正しく、心がこもっていること。
語源:丁寧は、金属製の楽器に由来する。
   昔、中国の軍隊で警戒や注意を知らせるために鳴らした楽器を「丁
   寧」と言った。そこから注意深くすることを「丁寧」と言うように
   なった。

3.沸騰都市にみる丁寧なる生き方

 以前、NHKスペシャルの「沸騰都市」という番組で「バングラデシュ/
ダッカ」の巻を見ました。
 そして先日「沸騰都市のそれから」という続編の番組をやっていました。
 1年で風景がまるで違ってしまった世界各都市の状況を伝えていました。
 その内容についての記事がありましたので、アレンジして引用します。

 不況の連鎖は、「分散投資」を飲み込む容赦のなさで世界中を覆ってい
ることがあらためてよく分かりました、
 使われなくなった工作機械が安値で売られていくドバイ。
 トラファルガー広場でのロシアフェスティバルが中止になったロンドン。
 今夜のおかずを手に入れようと埠頭で釣り糸をたれる人が連なるイスタ
ンブール。
 一方で「商売の調子はいいよ。不景気って何の話?」と忙しそうな最貧
国バングラデシュのマーケット。

 ドバイ、ロンドン、イスタンブールに見るように、一時のバブル景気に
乗せられて行け行けでやっていた都市は、今回の金融危機などの激震によ
り、すっかり崩壊してしまいます。
 が、丁寧にしっかりと地に足をつけてやってきた都市の作戦は、そうい
うことに左右されず、地道ですが、スローに確実に成長し続けています。
 丁寧に生きるとはこういうことを言うのだと、あらためて思いました。

 さらに後日談として、景気が底を打つと、それまでじっとしていた投資
家達がまた動き出し、プロジェクトを始動させ、かた活況を呈するように
なって行きます。
 経済活動、生産活動とはこうしたように生き物のようにうねっているん
だなあとあらためて感じました。

4.日常を大切にする

 とあるブログからの引用です。
<ここから>
 金子由紀子著「毎日をちょっぴり丁寧に暮らす43のヒント」、この本
と出会ったのはタイムリーだった。
 43のヒントが書かれているのだが、すべてに共通するのは、自分の日
常こそ大事にしようという精神だ。
 つまり、特別なことを企画するのではなく、日々の暮らしを心地よくす
ることが一番大事だというのだ。
 衣食住の根幹に沿って、ごく当たり前のことながら、忙しいからという
理由で手を抜いてきたようなことにも触れられている。
 思っていても、どこから手をつけたらいいやら迷ううちに月日が経って
いたのも事実。
 ここに書かれているような生活を実践されていらっしゃる方々は、ブロ
グ仲間に多いと思う。だから、いまさら必要ないといえばないのかもしれ
ないけれども、私には、まさに自分が考えている時期に出会った貴重な本
だ。
<ここまで>
 う~~ん、読みたくなりましたね、この本。
 丁寧に生きるとは、自分を大切にするということにも通じますね。

5.「雑に生きる」から学ぶ

 逆に、「雑に生きる」ということを考えてみれば、何かヒントがあるか
も知れません。
 雑とは、散らかって整然としていない様子でしょう。
 雑に生きるとは、自分の言動・行動に責任を持たず、やりっぱなしにす
るという状態ですね。
 つまり、先を急ぐ余り、しっかり足元を固めず、次のことに目移りして
しまい、結局は何も得られないということになります。
 雑の反対語は丁寧と言うことでしょうから、丁寧に生きるとは、整然と
していて、責任を持ち、しっかり地に足をつけて進むということに他なり
ませんね。
 進歩をあせると、ろくな事はありません。
 あせると物事は大雑把になり、すべきことを見逃しミスを連発します。
 平常心で、1つ1つを吟味しながら丁寧に仕事すれば、そんなことはあ
りません。

6.やりっ放しにしない

 丁寧に生きる上で大切なことは、やりっ放しにしないことです。
 1度あることは2度ある、2度あることは3度あると考えて、一つの教
訓を次に生かしていくことが大切です。
 やりっ放しにする人は、大抵1度切りと考えています。
 終わったからそれでええやん、と考えます。
 丁寧な人は、必ずそのことがまたあると考え、しっかり受け止めて、教
訓にします。
 極端に言えば、マニュアル化します。
 そうして、ひとつひとつ物事に対し取り組んでいくと、先々大きな差が
生まれてくるのです。
 これが、効率と言うものに変化します。
 丁寧に生きるとはその時は遅いようですが、加速度が付いてきて、結局
はスピーディで間違いがなく、凄く賢く生きるということにつながります。
 あせりは禁物です。
 やりっ放しにしないという良いくせを付けて、あせりを封じ込める努力
をしましょう。

7.返事をきっちりする

 メールでの返事をきっちり返す人と、そうでない人の差は大変大きいで
しょう。
 また、お世話になっている人に、時々近況報告をする人と、しない人と
の差も大きいものがあります。
 緊急事態の時だけお願いしてくる人と、悪いことも良いこともきっちり
と報告してくれる人との信頼性は大きく違います。
 どちらが良いかはわかりますよね。
 しかし、それができていない人が余りにも多くいます。
 それを指摘すると鬱陶(うっとう)しいと嫌がられたりしますが、本来、
出来ない人がいけないのであって、嫌がられる筋合いはありません。
 まっ、言い方もありますがね。

 FAXでの返事も同じです。
 FAXの場合、FAXで返事をするのはたいそうです。
 相手の携帯かパソコンメールアドレスを知っていれば、それで「FAX
確認しました」の返事で良いでしょう。

 何か頼まれごとをしてそれが完了したときの報告も、きっちりすべきで
す。そういう基本が、丁寧に生きるのベーシックです。

8.記録する

 丁寧に生きるとは、丁寧に仕事するということでもあります。
 会議などで話し合ったことは後日のために記録を残す。
 イベントがあれば写真を加工して皆に配布する。
 セミナーに参加すればレポートを作成する。
 本やDVDを見れば感想文を作成する。
 お客様からの依頼事項には、次回提案書にしてプレゼンする。
 記録や資料はきっちりファイリングして取り出せるようにする。

 こういうことは、確かに面倒くさいことです。
 しかし、それを地道にやり続けることが、丁寧に生きるということです。
 一度に多くを望まない。
 私はそうしています。
 野望を持っても出来なければ悔しいだけです。
 それより、積み上げ型で行く方が私には性にあっています。
 スローかもしれませんが、結局は早いのかも?
 多分、今の時代に求められている「心の時代」とはそんなことの実践で
はないでしょうか?

9.準備する

 予習は大事です。
 議題と資料をしっかり準備し進行まで考えて行う会議と、準備もなしに
寄って来て、「今日の議題は何かありますか?」という会議の効果・効率
性はどうでしょう?
 前者が優れているのは言うまでもありませんよね。
 出来ていますか?
 会議のアウトプットを先に考えていないからこんなことが起きるのです。
 準備の状態がそのまま結果になってしまいます。
 本当にしっかりした結果を求めるなら、準備に時間を掛けましょう。

10.復習する

 復習するとは、結果を再確認する意味もありますが、ここではノウハウ
を積み重ねるということにポイントを置きましょう。
 現場の意見や結果は大変貴重なものです。
 それを右から左に受け流すことはしてはいけません。
 受け流していては何も残らないからです。
 ではどうするか?
 ナレッジとして積み上げ、全員でシェア(共有)していくことです。
 積み上げる方法としては、1つのテーマに対して集中して話し合うこと
です。総花的に話していると、結局何も残りません。
 一点に集中することです。
 そうすれば、深く検討できます。
 その中に、「キラッ!」と光る原石の意見があります。
 それを見逃してはいけません。
 それは、丁寧に聞いていないと聴き逃してしまうからです。
 丁寧に生きるとは、丁寧に観察する(観る、聴く、感じる)と言うこと
です。

11.急がば回れ

 英語では、「ウォーク・ドント・ラン」です。
 昔、ザ・ベンチャーズの曲にありましたね。
<引用です>
 「急がば回れ」という言葉は、いろんな場面で耳にしますね。
 急ぐときには、危険がある近道を通るよりも、多少遠回りになっても
安全、確実な道を通るほうが結果的に早く到着する。だから、確実な方法
をとりなさい。」というのが「急がば回れ」の意味ですね。
 では、この言葉の語源はなんでしょう。
 室町時代の連歌師に、柴屋軒宗長(さいおくけん そうちょう)という
人がいました。
 その人が詠んだ歌にこのようなものがあります。
 ”もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋”
 「もののふ」というのは武士のことで、「矢橋の船」というのは「矢橋
の渡し」と呼ばれていた、東海道の草津宿(滋賀県草津市矢橋港)~大津
宿(大津市石場港)の琵琶湖を横断する湖上水運のことです。
 そして、「瀬田の長橋」というのは日本三大名橋のひとつ、「瀬田の唐
橋」のことです。
 当時は、京都に行くときは、矢橋から船に乗って琵琶湖を横断するほう
が、瀬田の唐橋経由の陸路より速かったのですが、比叡山から吹き降ろす
「比叡おろし」という突風で、遭難する船も多かったのです。
 そこで、武士が京都へ駆けつけるとき、速いけど危険がともなう海路よ
りも、安全で確実な「瀬田の唐橋」を回って行くべし、というわけです。
 ここから、「急がば回れ」という慣用句になったわけですね。
 いくら速いといっても、遭難してたんじゃあ意味が無いですからね。
<ここまで>
 あせらない、あせらない。
 手っ取り早いことには、リスクが付きまとうということです。
 丁寧に行きましょう。

12.最後に

 丁寧に生きると言うことは、人生観です。
 丁寧に生きると言うことは、仕事観です。
 今一度自分の行き方、生き方を見直してみてはいかがかな?

 では、また次回お会いしましょう!

ボーダーレス (境界線のない考え方)

メルマガ再録 (2008年11月10日) 第77号


ボーダーレスとは、直訳すると「境界がない」ということです。自分の心にバリアを張らない、フリーな考え方をしていくという意味とそのメリットについて考察してみます。

           < ボーダーレス >

1.はじめに

 ボーダーレスとは、直訳すると「境界がない」ということです。
 ここでは、自分の心にバリアを張らない、フリーな考え方をしていくと
いう意味として、そのメリットについて考察してみます。
 先日、梅澤千雅子さんの講演でも「心のバリアを取り除けば、自由で楽
しく生き生きした生活が送れますよ」と言っておられました。
 そんな生き方のヒントを探して、早速取り掛かります。

2.ボーダーレスのメリット

 ボーダーレスになれると「本音で話せる」「友人(ソウルメイト)が増
える」「深い人脈が出来る」「人生が豊かになる」などの効果があります。
 そうなれば何が良いのでしょうか?
 それは、気を遣わなくて、ストレスのない楽しい生活が出来るからです。
 では、高いボーダーを作ってしまうとどうなるのでしょう?
 それは、全く上記とは逆の減少が起こり、閉じこもり、引きこもり、う
つ病、精神異常などに悩まされます。
 「オープンマインド」「オープンハート」であれば、精神的、身体的、
生活上、仕事上に必ず好影響を与えます。
 そのためには、周りに流されないように、しっかり自分を持ってやって
いかなくてはなりません。
 ではどこに気をつけて、どれくらいの枠・規制を作ればよいのかと言う
と、これだというものはありません。
 だけど、きっとそれは本能が教えてくれます。
 合わない人は嗅覚で分かります。また近寄ってもきません。そこは自分
の五感を信じてもらってよいでしょう。

3.大項目

 次の様に大きく区分して考えてみます。
   (1)自己開示
   (2)プラス思考
   (3)自信とプライド
   (4)仲間意識と愛
   (5)囚われない気持ち
   (6)楽しいことが好き
 人間は、ホメオスタシス(恒常性)という自分を守ろうとする意識が自
然に働きます。
 この保守する働きをボーダーレスにしていくには、ちょっとした工夫が
必要です。
 では、大項目に従い、ボーダーレスのコツ&ポイントについて考察して
いきましょう。

4.(1)自己開示

 自己開示とは、自分のことをオープンにするということです。
 他人から見て、分かりやすい自分になるということです。
 分かりやすいということは、敷居が低く入って来易いので、すぐに友達
になれるという効果があります。
 そのためには、「本音」で話すことが大切です。
 飾った自分は、建前です。本当の自分は「本音」です。
 「出来ないことは出来ない」とはっきり言います。
 営業で答に窮した時は「勉強不足で申し訳ありません。次回までに調べ
てきます。」と言えばいいのです。
 責任の範囲を言う時は「ここまでは出来ますが、後は経験がありません
ので時間が掛かったり、予算が掛かったりしますが、よろしいでしょうか
?」というように対処します。
 そこで、分かった振り、出来る振りをして虚勢を張ると、後でえらいめ
にあうので、本音でぶつかって下さい。
 建前を使っていると、後でしんどいですから。
 また、自然体でいると、多く人から多くのことを教えてもらえるので、
幅広く多くのことが吸収できます。
 つまり、「本音=素直」であることです。
 それが、自己開示してボーダーを作らないポイントともいえます。

5.(2)プラス思考

 プラス思考は、本メルマガでも何回も取り上げているように、物事を正
面から捉え、全ての出来事は自分にとってプラス(良い方向)に働いてい
るという認識の元に考えることです。
 自分にとってマイナスな出来事が発生した時でも、この出来事から何を
学ぶべきなんだろうか?と考えた時、見方が変わり、自分にとって良いこ
とに変化します。
 このプラス思考は、マイナスの事柄から目をそむけ、苦労を避けている
ように見えますが、マイナス思考で泥沼に入るより、どうせなら楽観的に
考えて難局を突破する方が良いのは分かりきったことですよね。
 そんな、プラス思考が出来るようになれば、ボーダーレスな心の持ち方
も簡単に出来るようになるでしょう。

6.(3)自信とプライド

 「自分は、生きていく上で何と言われようが、自分は自分である」とい
う自信とプライドが必要です。
 自信とは、何が来ても怖くないという勇気です。
 プライドとは人間の尊厳です。
 ここでプライドについて考えてみましょう。
 プライドは結構ですが、得てして、プライドの高い人は自己顕示欲が強
く、扱い難いものです。
 プライドのあり方は、柳の木に習うべきです。
 柳の木は、あんなにナヨナヨしているのに、強風に吹かれても逆らうこ
となく風を受け流し、倒れません。
 あのしなやかさに学ぶことです。
 心の奥底に秘めたプライドは格好いいのです。
 表面はブライドなどどこにも無さそうに見せて、きつい言葉も、辛い仕
打ちも柳に風と受け流せば、ボーダーの高さは段々低くなります。
 人から何でも言ってもらえるようになれば、それをプラス思考で切り替
えしていけばいいので、どんどん吸収できます。
 問題点、課題を指摘してもらえることは大切なことです。
 その様に、聞き入れ易い雰囲気を作っていけるように心掛けましょう。

7.(4)仲間意識と愛

 人類皆兄弟、沖縄で言う「イチャリバチョーデー」(出会えば皆兄弟)
という感覚も同じでしょうが、ボーダーレスを実践する上では、仲間を大
事にする気持ちを持つことが大切です。
 折角友達になっても大切にしないと、その友達との付き合いは希薄にな
って離れていきます。
 大切にすると、仲間が仲間を呼んで、どんどん輪が広がっていきます。
 ボーダーを作らないということは、仲間になれる可能性のある人は誰で
も入ってこれる環境が出来ているということですから、自然と仲間が増え
ていきます。
 だから、仲間を大切にするということ自体がボーダーを作らないという
精神そのものであるということです。
 仲間を、人を大切にする気持ちは、人類愛に通じています。
 「全ての人は基本的には善人であり、悪人はいない」という性善説に
従い、人を信じて、人を愛して、触れ合うことで人類愛の実践が出来ます。
 どうしても仲間になれない人もいます。
 その人達とは、一定の距離を置いて、幸せを願ってあげることです。
 なんか宗教じみてきたので、この辺にしておきましょう。
 つまり、仲間を愛する気持ちとその実践は、ますます自分をボーダーレ
スにして、自分を磨けることになっていくわけです。

8.(5)囚われない気持ち

 何かに囚われていると、自分の気持はふさぎ込むものです。
 心配ごと、不安がある、上手く行かない・・・そんな状況では、心は平
常心を無くし、只事ではなくなります。
 また、宗教や国籍、政治や団体などの思想に囚われていると、自分の心
情は、必ずボーダーを作ってしまいます。
 これが一番という偏った囚われの気持ちがあると、人は近づきにくいも
のです。
 自分の主義、主張が強すぎることは寄り付きにくいのです。
 あくまでもフラットに、フランクにという立場をとることが、ボーダー
を作らない必須のアイテムとなります。
 では宗教に入っているとボーダーレスになれないのか?というとそうで
はありません。
 あくまでも、その宗教や政治観を相手、仲間に絶対押し付けないという
ことが前提であれば、仲間は出来ます。
 要は、人は一つに限られたくないのです。
 押しつけられたくないのです。
 自分の意志で選択したいのです。
 そんな心理を読んでおかないと、「あれっ?これって勧誘やったん?!」
と途中でトラブルになるので要注意です。

9.(6)楽しいことが好き

 ボーダーレスには、楽しいことが好きという要素は欠かせません。
 楽しいことはプラス思考につながります。
 暗いこと、悲しいこと、寂しいことは陰陽の考え方からすると必要な時、
仕方のない時もありますが、概してマイナス方向です。
 皆と共有するなら笑いがあって、楽しい方がベターですね。
 楽しいこと、笑いのあるところ、明るいところには皆が集まってきます。
 だから、意識的にその様にしていくことで、仲間が増えます。
 また笑いは身体にも良い効果をもたらすので、必要な要素です。
 楽しいことは共通点が多くあり、どんどんエスカレートして、話が弾み
ます。
 仲間で楽しい企画をしてどんどん深い友達になっていき、心の友達を多
く持って人生を豊かにする、そんなボーダーレスな思考を身につけていっ
て欲しいと思います。

10.最後に

 ボーダーレスは両刃(もろは)の刃(やいば)かもしれません。
 しかし、これが出来るようになれば、人生は大きく前が開けます。
 少しずつでも心をオープンにして、このボーダーレス感覚を身につけて
下さい。
 困った時はお電話を!

 では、また次回お会いしましょう!

人間力向上(後編) (人の根っこ作り)

メルマガ再録 (2008年10月27日) 第76号


前半テーマは、素直力、勤勉さ、思考力・向上心・勉強力、責任感、集中力、意志力・継続力、判断力・決断力。後編は、協調性、表現力、行動力、計画性、統率力・リーダーシップ、指導力、自主性。

         < 人間力向上(後編) >

1.はじめに

 前回は、人間力向上の前編として次の大項目について書きました。
 [前編]
  ( 1)素直力
  ( 2)勤勉さ
  ( 3)思考力・向上心・勉強力
  ( 4)責任感
  ( 5)集中力
  ( 6)意志力・継続力
  ( 7)判断力・決断力
 今回はその後編として、以下のテーマを考察します。
 [後編]
  ( 8)協調性
  ( 9)表現力
  (10)行動力
  (11)計画性
  (12)統率力・リーダーシップ
  (13)指導力
  (14)自主性
 今回も長くなりそうです。
 気を引き締めてお読み下さい。

2.(8)協調性

 「自分勝手」「共有出来ない」
 そんなスタッフをちょくちょく見かけます。
 なぜそうなのでしょう。
 今までそんな学校、家庭環境で育ってきたのでしょうね。
 しかし、そのままにしておくことは出来ません。
 で、その対策としてのポイントを考えました。
 ・全員参加のイベントを実行する。
 ・納得させる。
 ・気付かせる。
 ・相手のことも理解するように教える。
 ・意見交換する。
 ・皆で話し合う。
 ・全員で目標を作る。
 ・ルール(ガイドライン)を分からせる。
 ざっと、こんな感じのキーワードが役に立ちそうですね。
 いわゆる気付き教育が必要です。
 その意味では、サークル活動やワークショップを通しての共同体験がい
いですね。
 特に共に苦しみ、感動体験を共有するというのが近道でしよう。
 だから、そんなことを仕組んだレクレーションやゲームを多用して協調
性を養っていくようにして下さい。

3.(9)表現力

 「自分からは決して意見を言わない」「人前で必要以上にものが言えな
い」「意見を求められて指名されても黙ってしまう」
 慣れてないから言えないというレベルをはるかに超えて、ものが言えな
いスタッフがいます。
 どうしたらいいでしょうか?
 確かに、勤続年数が増えるとそれなりに言える様にはなります。
 しかし、今の瞬間に最低限自分の意思表明は出来るようにしないと、お
客様との会話さえ困ってしまいます。
 特に美容室はサービス業なので、それでは困ったものです。
 結果的には時間が解決するものだと思いますし、そういうスタッフが店
内にいることで優しくもなれますが、早く一人前にしゃべれることに越し
たことは無いですよね。
 ということで、ポイントを考えて見ました。
 ・言わない、言えない理由を考えてみる。
 ・本人が囚われている内容を聞きだして、解決してあげる。
 ・店以外でもコミュニケーションの場を設定し、しゃべれるムードを作
  って上げる。
 ・日頃から理解・尊重して上げる。
 ・質問したり、話題を振って話をさせる。
 ・責任を持たせて、報告させる。
 ・発言のルールを作る。
 ・対等な立場でものが言えるようにする。
 ・会議の仕方を工夫する。(ブレーンストーミングやバズセッション等
  を利用する)
 ざっとこんな感じのことが考えられます。
 いずれにしても、周囲の皆で支え合ってその本人の成長を見守ってあげ
ることが大切ですね。

4.(10)行動力

 「実行しない」「実行できない」「報連相できない」
 取り掛かりが遅い、行動が鈍い、言うべき時に言えない、期待通りの結
果が得られないということはよくありますね。
 その底に流れる問題点はなんでしょうか?
 私は、イメージ不足だと思います。
 行動にはイメージが先行しないと、上手く行くはずがありません。
 イメージしていないと、いきなりそのことが眼前に現れて、咄嗟に対処
することになります。
 心積りができていないものに上手く対処・対応することは至難の技です。
 ということは、つまり、行動に先立つイメージ作りをいかにさせるかと
いう命題に置き換えて考えることが出来ます。
 それであればその物事のロープレなどを多用し、シミュレーションをさ
せる、反復練習をさせる、人前で発表をさせるなどの工夫が考えられます。
 もっと細かくは以下のアイデアを参考にして下さい。
 ・義務感を与える。
 ・期限を決めてさせる。
 ・達成感を味あわせる。
 ・言われながらでもさせる。
 ・手帳、ノートを利用させる。
 ・俊敏(しゅんびん)さを身に付けさせる。
 ・メモを取らせる。
 ・出来ないところを見つける。
 ・有言実行させる。
 ・その事の意味をわかってもらう。
 ・チェック/アドバイスする。
 ・言いやすい雰囲気を作ってあげる。
 ・伝達のつながりを確認する。
 ・グループメンバーで企画させる。
 ・要するに、「するか」「しないか」であることを認識させる。
 ・「くそったれ、やったらええんやろ!」と良い意味の居直りの意識を
  持たせる。
 いかがですか? ヒントにはなりますよね。

5.(11)計画性

 「計画を立てられない」「物事を段取りよく出来ない」「イレギュラー
に対処できない」
 初級者には1~3ヶ月、中級者には1年、上級者には3~5年の計画を
立てさせるというのがサロン内の計画つくりのセオリーです。
 出来る範囲の出来る限りの計画を精密に立てさせることによって、実績
の精度が向上します。
 「計画は未来の先取り」であることを認識させ、適切なデータを駆使し
て計画させるように指導しましょう。
 以下のようなキーワードが参考になるでしょう。
 ・事前のデータ、情報を知る。
 ・目標に対する方向付けをする。
 ・ミスを気付かせる。
 ・自分の中だけで廻っているので段取りが悪いことを気付かせる。
 ・企画、計画を立てる方法を知らないので教える。
 ・計画を作らせる。
 ・「夢」からのブレイクダウンをさせて気付かせる。
 ・改善点を一緒に考える。
 ・幅広く話し合う。
 ・意識の弱さを注意する。
 ・シミュレーション、シナリオライティングする力を付けさせる。
 段取りを上手くできるようになれば一人前で、次のステップに進めます。
 段取りも、イレギュラーへの対処も、経験を積むことが一番ですが、行
動力の項でも取り上げた「イメージする力」と「シミュレーションする力」
を身に付ける様に指導すれば、即効性が発揮できます。

6.(12)統率力・リーダーシップ

 「リーダーになりたがらない」「陰に隠れようとする」「まとめ方がわ
からない」
 チームを引っ張っていくには何が重要なことかが分かっていない。
 技術者からスライドしてサロンの幹部・オーナーになったという人は大
方、この悩みを抱えています。
 当然でしょう。
 そういう勉強をしていませんからね。
 しかし、習わなかったからと言って、出来ないでは済みません。
 そこで、この統率力のポイントを考えてみましょう。
 何のために仕事をしているのかを考えれば自然に分かりますよね。
 「お客様のきれい」のために仕事しているんですよね。
 そしてスタッフには、働きやすい環境を作ってあげて伸び伸び仕事をし
てもらいたいわけですよね。
 それをストレートに伝え、それが出来た時はさらにどんな環境を作って
いこうかと言う夢を語っていけばいいわけですよね。
 そうです。
 それで良いんです。シンプルです。
 しかし、原点を忘れて、目先のことばかりを追いかけるようになればど
こかの歯車がギクシャクして、円滑に行かなくなります。
 その「原点に戻る」ということを考え直してください。
 そうすると、全てがはっきり見えてくるでしょう。

7.(13)指導力

 「下の面倒をみない」「指導が適切でない」
 自分が出来ることと、指導するということは別物なんですね。
 下のアシスタントの育成にかかわることは、自分もそうしてもらったよ
うに美容室としては自然の流れです。
 技術しかり、接客しかりですが、指導の仕方が分からないという先輩を
見ます。
 確かに、インストラクターという一つの分野があるように、指導という
ものも一つの技術であることは言えると思います。
 しかし、上手に教えようとか、早く仕上げてやろうとか思わずに、自分
が教えてもらったまま素直に教えればそれでいいのです。
 また、もっと上のクラスになり、指導しなければと思うと逆にヘマをや
ってしまうことがあります。
 だから、余り窮屈に考えるのではなく、自然にやればいいわけです。
 教育より共育、指導より志導を考えて、本人の力を出し切るためのサポ
ート役として、部下を支えていくようにしましょう。

8.(14)自主性

 「自分からしたがらない」「言われてもしぶしぶしかしない」
 自主性は、全ての項目のスタートであり、エンドです。
 自主性がなければ何も始まりません。
 自主性がなければ全て受身になります。
 一度、全て受身でやってみて下さい。
 面白くないですよ。
 嫌々になりますよ。
 やらされ感満タンですよ。
 そんな生き方って、つまらないですよ。
 自分から何かをやっていくという姿勢が発揮された時が、生きているっ
て実感できる瞬間(とき)です。
 人は誰もが良い気分で生きて行きたいのです。
 生きているというライブな感覚が欲しいのです。
 それが味わえないから、ひきこもったりするのです。
 だから、そんなスタッフの気配を感じたら、ステージに押し上げること
です。
 楽しくやろうと、舞台に上げることです。
 初めはシャイに振舞っていても、徐々に慣れてきて、きっと楽しさが分
かってきます。
 「今、この瞬間にこれをしておかないと後から後悔するよ」ってささや
いて上げて下さい。
 周囲がこんな優しい幹部、上司なら、きっと素晴らしいサロンが出来上
がるでしょうね。
 そんなサロン創りを期待しています。

9.最後に

 何をするにも、その本人の志向性・指向性・思考性がしっかりしていな
いと積み上がりません。
 ここに書いていることからさらに各店でコア(本質的)な部分に入り込
んで対策することを望みます。
 しかし、なんか、結構最後の方は自分の世界にはまった感じがありまし
た。
 まっいっか!

 では、また次回お会いしましょう!

人間力向上(前編) (人の根っこ作り)

メルマガ再録 (2008年10月13日) 第75号


全ては人が考え、実行することです。その人材の基礎を磨くことに対して、14の項目をリストアップして、その一つ一つに関して向上させるための考察を試みています。

         < 人間力向上(前編) >

1.はじめに

 「サービスはマニュアルでするものではありません。心から湧き出てく
る思いでさせて頂くことが本当のサービスで、それをホスピタリティーと
言います。」
 と、説明されても?
 仕事はそこそこ出来るが気配りになると?
 技術は出来るが、愛想がもう一つ?
 などというサロンスタッフさんの悩みを聞くことが多いですね。

 「こういう問題は個人にかかわることなので・・・」と言われるサロン
と、「いや本当、どうにかしたいのですが・・・」というサロンの2つの
パターンに分かれますね。
 その人間性などというエリアに入りたくないというサロンは、ビジネス
と割り切ってやっていくことになり、面貸しのサロンの方向に行きます。
 後者の「どうにかしたい」というサロンは、いつも悩んでいます。
 その悩みのポイントをいくつかに大別して、それについて細かく分析し、
対策を考えてみましょう。
 大項目は以下の通りです。
 ( 1)素直力
 ( 2)勤勉さ
 ( 3)思考力・向上心・勉強力
 ( 4)責任感
 ( 5)集中力
 ( 6)意志力・継続力
 ( 7)判断力・決断力
 ( 8)協調性
 ( 9)表現力
 (10)行動力
 (11)計画性
 (12)統率力・リーダーシップ
 (13)指導力
 (14)自主性
 上記は、厳密に言うと「人間力」という部分と「能力」という部分に分
かれるのでしょうが、一体となっているので、ここではあえて同等の扱い
をすることにしましたのでご了承下さい。

2.(1)素直力

 素直に勝るものはなし。
 しかし、これがなかなか出来ないですね。
 「素直になれ」と言っても、なかなか「我」が強くてなれない。
 自分を持っているということは大切だし、良いことだと分かっていても
なれない。頭じゃ分かっているが、行動がともなわない。
 さて、どうしましょう?
 そういう人には、こちらがメンターになってあげることが大切ですね。
 メンターは、以前にも本メルマガでも取り上げましたが以下の様に3つ
の要素に要約できます。
 1.見本になる(相手を~したければ、まず自分が~することである)
 2.信頼する(本人のパワーを引き出す力になる)
 3.支援する(相手を思いやる気持ちを持つこと)
 こちら側が相手の気持ちを本当に理解し、同調・協調して、育成してい
くというスタンスをきっちり持つことですね。
 本人は素直になりたくてもなれないというジレンマを持っているはずで
す。そこをしっかり見据えて、じっくり育成に取り組みましょう。

3.(2)勤勉さ

 「遅刻する」「手を抜く」「レッスンしない」
 彼らは、どう思ってそれをしているのでしょう。
 心のコンディションが100%ではないのでしょうね。
 ということは、その満たっていない不足分を自分で気付かせて、埋める
ように導いてあげることですね。
 こういう場合にナイスなテクニックがコーチングです。
 「最近どう?」、そう、例のやつです。
 軽い感じで話し出し、その原因をソフトに引き出し、本人のセリフで次
の行動を決めてもらうようにします。
 絶対にこちらから答えを言ってはいけません。あくまでも自主性を尊重
しなくてはなりません。
 長い目でみたら我慢も必要ということです。
 そして日頃から注意を払い、気にしているよと言うゼスチャーをしてあ
げることも考えてください。
 そういうこちらの行動が、本人の支えになるものです。

4.(3)思考力・向上心・勉強力

 「問題意識がない/薄い」「考えようとしない」「考え方を知らない」
こんな彼らをどの様に導くか?
 「考える気がない」と「考えたいけど考え方が分からない」とでは、表
面的には似ていますが非なるものです。
 「考える気がない」人には、考えることの楽しさを教えます。
 意見を言ってもどうせ取り上げてもらえないという過去の経験から閉じ
こもっていることがあります。
 その扉を再度こじ開けて、仕事の本質を教えて理解させ、一緒に楽しん
でいくことを訴えましょう。
 「考え方が分からない」人には、心と技のあいだのスキルを教えて下さ
い。
 ナタを持っていないと藪・雑木林は前に進めません。そんなツールを持
たせることにより、推進力が身に付くでしょう。

5.(4)責任感

 「最後までしない」「すぐ人に仕事を振る」「結果に対する責任を取ろ
うとしない」
 これらは自分の自信の無さから来ていますね。
 自信を持たせるための方法を考えましょう。
 責任とは、職務・使命に伴う果たすべき役割のことです。
 責任能力とは、職務・使命を果たすべき能力のことです。
 責任感とは、責任を重んじ、それを果たそうとする気持ちです。
 「責任を果たしていない」ということは、その役割を全うしていないと
いうことです。
 責任感が不足している人は、その職務・使命に対する認識が甘いという
ことなので、しっかりその部分を教育する必要があります。
 また、自信不足でそれができていないのなら、段階を追った責任の持た
せ方を工夫すべきです。
 つまり、過度の責任はそのプレッシャーで本人がつぶされてしまうこと
があるのです。
 サロン内ではこのケースを何回も見てきています。役職を任命した翌日
に、田舎に帰ってしまったということさえあるのです。
 だから、役職・責任を与える場合は、よく事前に話し合って、適切な範
囲の負荷に調整しておかないといけないと思います。
 責任を押し付けるのではなく、責任を全うできるようにサポートしてい
くことが大切です。
 そして、徐々にその範囲を増やして行き、しっかり責任の取れる人を作
っていきましょう
 細かいテクニックについては以下のキーワードが役に立つでしょう。
 ・自信を持たせる。
 ・随時、聞いて上げる。
 ・上の者がその人に合った仕事をやらせ、自信を持たせる。
 ・次の段階のことを考えさせる。
 ・繰り返し注意する。
 ・始めに宣言させる。
 ・皆で後押しする。
 ・言いやすい雰囲気を作って上げる。
 ・段階的にやらせる。
 ・良いところは誉める。
 ・仕事を振った後の自分の責任を考えるように言う。
 ・小さい企画からやらせてみる。
 ・教える側が粘り強く共育する根性が必要。

6.(5)集中力

 集中力が散漫だと、折角良いアイデアが浮かんでも、良い実行計画にな
りません。
 集中することにより、レベルが向上します。
 集中することにより本気になります。本気に勝るものはありません。
 本気になると、何も怖いものがなくなります。
 そんな、集中する方法を教えます。
 簡単に集中できるのは、自分の発想が一番冴える場所に座り、目を閉じ
ることです。
 そして、その課題をひとつひとつひも解き、書き出していきます。
 その関連性を線で結んだりしてイメージを具現化します。
 そうしてから一つづつの改善をじっくり考え、行動に落としていくとい
う方法が良いでしょう。
 集中できない時には集中しないことです。
 しかし、よく考えて下さい。
 締め切り前は集中しますよね。
 それは、他の要件を無視せざるを得なくて、それだけに集中せざるを得
ないという強制的環境がそこにあるからです。
 締め切り前にその環境が作れるように努力しましょう。

7.(6)意志力・継続力

 「すぐあきらめる」「途中で投げ出す」「わすれてしまう」などという
傾向の人がいます。
 そこで「夢のリフレッシュ」という言葉を作りました。
 宝石だって、ハサミだって、鏡だって、磨かないと光らないし、使い物
にならないのです。
 夢も目的も、磨かないと鈍るし、光らないのです。
 「夢のリフレッシュ」してますか?
 全ては酸化して鈍るのだということを念頭に入れておきましょう。
 さて、意志が弱い人、継続力がない人に共通するものはなんでしょう?
 やり遂げる気が薄いということでしょう。
 それをやったからといって、やらなかったからといって、余り実害や達
成の報奨、やったった感がないということでしょう。
 それなら逆に、厳しいペナルティや豪華な達成賞品を提供すればやるで
しょうか?・・・やらない人はやらないのです。やれないのです。
 結局は、続け方を知らないのです。
 意志が弱いと片付けてはいけません。
 続ける方法を教えてあげてください。
 続ける方法ですか?・・・それは、「夢のリフレッシュ」です。

8.(7)判断力・決断力

 「判断出来ない」「優柔不断である」「判断・決断が遅い」そんな傾向
の人に対する対策です。
 判断力・決断力に欠けるという人は、日頃からの考え方のクセだと思い
ます。
 大概ですが、「この対策が最高のものとは思えない」「他にもっと良い
ものがあるのではないか」「今これに決めると後で後悔するのでははない
か」などと、現状に目を向けず、将来のベター、ベストに気を取られてい
る傾向にあります。
 この考え方は、「そりゃ、そうです」。
 現状におけるベストは、未来からみたら駄アイデアかもしれません。
 しかし、そればかりに囚われていると、機を逸します。
 だから、今のベストを信じることです。
 駄案かも知れませんが、皆でそれを信じて磨き上げることによって、
素晴らしい実行案にもなるのです。
 相手を信じ、チームを信じ、サロンの皆を信じて判断・決断すること
により、皆のパワーが結集し、思う以上の成功が待っているのです。

9.最後に

 一回で書けるかと思いましたが、またまた長文になってしまったので、
前後編に分けることにしました。
 では、また次回お楽しみに!

環境と人 (成長のきっかけ)

メルマガ再録 (2008年7月14日) 第69号


「人の性格は環境に左右される」という様な考えがありますが、本当にそうなのだろうか?」「人が変わるとはどういうことなのか?」 などの課題について考察しています。

           < 環境と人 >

1.はじめに

 今回は、「環境」と「人」の関係について考えてみます。
 「人の性格は環境に左右される」という様な考えがありますが、本当に
そうなのだろうか?」「人が変わるとはどういうことなのか?」などとい
う大それた課題について考察してみたいと思います。
 私には多くを語る資質はありませんが、そこは度胸でいつものようにC
KEN流に切ってみたいと思います。

2.いろいろな言葉

 人と環境に関する言葉をいくつか探してみました。
 「A.環境が人をつくるのではない」(ジェームズ・アレン)
 「B.人は内側から動機付けられる」(ネッツトヨタ南国㈱横田英毅)
 「C.人材育成ではなく、人材解放である」(臥龍/角田識之)
 「D.信頼されるには師匠を持つこと」(バグジー久保華図八)
 「E.人は自分の考えたことは実行する」(CKEN谷口隆)
 「F.場を与えると人は成長する」(CKEN谷口隆)
 では、いつものように上記の命題に対し考えて行きましょう。

3.「A.環境が人をつくるのではない」

 「環境が人をつくるのではない」とジェームズ・アレンは言います。
 この本「原因と結果の法則」のこの文章を読んで、ビックリしました。
 エッ! 今まで、「人は環境によって作られる」と周囲は言うし、私も
そう信じていたからです。
 その本は今貸し出し中でよくは覚えていませんが、「環境が自分を変え
るのではなく、あくまでも変わるのは自分の意志だ」ということだったと
記憶しています。
 これはなかなかグッと来ましたね。
 環境が自分を作ってくれるという甘ったるい考え方を払拭し、自分の頭
で、自分の信念で、自分の足で進まないといけないと、自立心を煽られま
したね。
 そういう本の中の一行でハッと気づくことってありますよね。

 似たような経験で、コーチングの本で「プラス思考はマイナスを意識し
ている」って書いていました。
 だから、本当のプラス思考は、そういうことを意識しないで普通にやれ
ている状態、ナチュラル思考(谷口造語)を目指すのが、究極のコーチン
グであるというニュアンスのことを書いていましたね。
 そう。深い。

4.「B.人は内側から動機付けられる」

 ここ2回ほど、ネッツトヨタ南国㈱横田英毅会長さんのお話を聞く機会
がありました。
 横田さんは、失礼な表現になりますが、表向きはボーとした感じですが、
すっごく考えておられて、味のある方です。面白いんですよね。
 ショールームでボーと座って観察している。そうすると何か気になるこ
とが目に入ってくる。そしたら、そのことを咎(とが)めるのではなく、
「彼女がそうすることには理由があるはずだ」「なぜそうしたのだろうか
?」「どうしたらそのことを直すことが出来るだろうか?」と考えられる
そうです。
 全ては原因主義というか、なぜなぜと問いかけて、それを根本的に直し
ていくという源流改善主義的な考え方をしておられるのだなあと感心する
わけです。
 大久保寛司さんも、伊那フォーラム2008のパネルディスカッション
で、そのあたりのことを「凄い考え方ですね」と感心されていました。

 さて、横田さんは「人は、内側から動機付けられる」と言われています。
 そうですね。この表現は前項のジェームズ・アレンの言葉と同じではな
いでしょうか。
 「人は内側から動機付けられる」ということは、「人は外側から動機付
けられるものではない」と言い換えれますよね。
 自分がその気にならないとしないと言うことです。
 いくら美味しい食べ物を用意されても食欲がないと手を付けないし、い
くら高価な装飾品を見せられても興味がなかったら欲しいとも思わないで
すね。

 横田さんは、「問題対処ではなく、問題解決が大切である」とも言われ
ています。
 問題対処はマニュアル的であり、問題解決は自分の頭で考えて解決して
いくのでそれがどんどん経験となり、より賢くなっていくということです。
 こういう考え方を進められているのは、「人は内側から動機付けられる」
ということを実践していることに過ぎません。
 マニュアルは外から与えられたものであり、問題を解決する方法を身に
つけることは、自己を高める欲求に合致しているからです。

5.「C.人材育成ではなく、人材解放と考えるべき」

 感動経営コンサルタント臥龍(角田識之)先生は、「人材を伸ばすには、
育成ではなく、解放である」と言われています。
 育成とは、「やしない育てること、育て上げること」と広辞苑には書い
ています。
 開放は、「解き放つこと」「束縛を解いて自由にすること」です。
 この2つの意味の差は大きいですね。
 メルマガ第57号に書いた「サヴァン」を思い出してください。
 ちょっと、振り返ってみます。
<ここから>
 (前略)
 サヴァンは知的障害が「あるにもかかわらず」ではなく、「あるからこ
そ」能力を発揮する。アラン・スナイダー豪シドニー大教授(脳学者)は
「人はみな同様の能力を潜在的に持つが、普段は封じ込めている」とみる。
サヴァンの場合は障害のため鍵が外れ、脳がのみ込んだ情報を抽象化も取
捨選択もしていないナマの状態で出し入れできると言うわけだ。実際、脳
機能の一部を抑える実験でサヴァン的才能が現れた。
 ニコラス・ハンフリー英ロンドン大教授(進化心理学)は「進化の過程
で人類はサヴァンのような能力を積極的に放棄した」と考える。人類は集
団を形成するようになったが、社会生活を送るうえで「あまりに大きな能
力」はかえって邪魔になる可能性がある。人類は、より抽象的で総合的な
言語能力、対人能力を優先させたというのだ。
 (後略)
<ここまで>
 ということで、元々持っている能力を開放するという考え方の方が、自
己成長が早いと思われます。
 教えるのではなく、引き出す。
 これが教育のポイントでしょう。

6.「D.信頼されるには師匠を持つこと」

 バグジーの久保華図八先生は、「信頼される人になるには、師匠を3人
持つことだよ!」と言われています。
 自分がだんだん出来るようになり、上の立場になると傲慢になっていく
ので、それを戒めるためにも師匠を持つべきなのです。

 先日の横田会長の講演の中で「卒啄同時(そったくどうじ)」という言
葉を知りました。
 気になったので、調べてみたところ、なかなか味わいのある言葉でした。
 師匠と弟子の関係で、なかなかテーマ的にはマッチしそうなので、ホー
ムページから抜粋してみます。
<ここから>
 (卒啄同時)
 卵の中からヒナが殻を破って生まれ出ようとする瞬間、内側からヒナが
殻をつつくのを「そつ」、外から親鳥がつつくのを「啄」という。
 このタイミングが合わないとヒナは死んでしまう。
 この自然の不思議さを表現した言葉が「卒啄同時」である。
 「卒啄の迅機」ともいう。
 禅の世界では、師匠と弟子の間で佛法を相続、伝授するときに使われる
大切な言葉である。
 師匠から弟子へと伝えられている佛法を、コップの水に例え、「一器の
水を一器のうつわに移すがごとく」と表現している。
 弟子の器が小さ過ぎると水(佛法)はこぼれてしまう。
 器が大き過ぎると物足りないものである。
 絶妙のタイミングが要求される。
 師匠の悟りの力量と弟子の悟りの力量が、同等でなければならないので
ある。
 ヒナに力がないとき、親鳥が啄(つつ)けばヒナは死んでしまうのであ
る。反対に親鳥に啄く力がないときも、ヒナは死んでしまうのである。
 ここで問題となることは、タイミングを間違えるとどちらの場合も、ヒ
ナが死んでしまうということである。弟子の立場からいえばたまったもの
ではない。
 しかし、どう理屈を並べようが、どうしようもない立場なのである。師
匠は師匠であり、弟子は弟子である。
 この立場が混乱してしまい次のような逸話も生まれてくるのである。
 ある修行僧は師匠のもとへ押しかけ「悟りの機が熟しました。どうか、
啄いて、殻を破ってください」と言った。
 師匠は「啄いても良いが、命は大丈夫か」と問うと、生意気にも「弟子
の私が悟らなければ、師匠のあなたが物笑いになりましょう」と答えた。
 師匠は途端に「未熟もの」と一喝した。
 この一喝が師匠の「啄」であったのである。
 師匠の一喝は、慈悲心の表れである。
<ここまで>
 凄く含蓄のあるお話でしょう。
 高度な次元での教育話ですが、師匠を持ち、勉強する環境は必要ですね。

7.「E.人は自分の考えたことは実行する」

 私は常に、「人は自分の考えたことは実行する」ということが基本中の
基本として考えています。
 この考え方は、前項のジェームズ・アレンや横田会長さんの思想と同じ
ではないかと思います。
 動かない、動けないのには理由があります。
 人から教えられて、そうした方が良いのは分かっているが、なぜか一歩
踏み出せない。二の足を踏んでしまう。
 次の問題にぶつかった時に、自分の中から解決策が出てくると思えれば
前進するし、やっぱりそのことが自分の中から湧いてこないと思っている
間は足踏み出せない。
 それは、自然な姿です。
 だって、自信のないことは出来ないですよね。
 その源流には、以前も書きましたが「ホメオスタシス(恒常性)」があ
るのだと思います。
 これは人間の特性そのものです。
 だから、そういうことであるということを前提に物事を考えれば、次の
やり方が見えてきます。
 その物事について、自分が納得して自分のものになった瞬間から人間は
行動をスタートさせるということです。
 次の行動のイメージが湧いてくる状態で初めて行動が伴う、と言うこと
をよく認識して、育成指導していきましょう。

8.「F.場を与えると人は成長する」

 「環境が人をつくるのではない」「人は環境によって作られるものでは
ない」ということはいえますが、場を与えると人は成長すると思います。
 この「環境」と「場」の違いを説明します。
 環境は、家庭内や職場上のベースメント(基盤)です。
 場は、直接的なテーマです。
 例えば、給料は環境で、感想文を発表するのが場です。
 給料を高くしても、その場はモチベーションが上がりますが、やがてま
たもっと欲しいという不満になります。
 その点、問題を解決したり、知識が向上したり、人間性が磨かれたりす
る課題には、生き甲斐、やり甲斐を感じて、自己の成長意欲はなくなるこ
とがありません。
 そういう意味で、自己研鑽の場が大切と言うことです。
 場の活用をもっとすべきだと思います。
 目的・目標は設定しますが、一般的に、場の設定が足りていません。
 なぜなら、場が人を成長させるのです。
 そこには発表があり、そこには賞賛があり、それによって学びがあり、
成長があります。
 もっと、「場」を研究し、結果から手順を作るという手法を開発して、
現場に生かす方法を考えべきだと思います。
 この発想は、ひょっとしたら相当NEWかも知れませんよ!
 是非、誰か実践した例を報告して下さい。

9.最後に

 人材の開放~場の提供までを考えていく本質的な教育論を提案しました
が、理解して頂けましたか?
 なんか今回のメルマガはまた新しいトーンで書いた感じがします。
 全く前後の脈絡を考えず、各項目に集中して書いたので、つながりを感
じないかも知れませんが、勘弁してね。

 では、また次回お会いしましょう!

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