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リンクの達人 その1 (ヒントを得る)

メルマガ再録 (2009年1月12日) 第81号


リンクとは、何かを見て、それをヒントとして取り込んで、自分または仕事に生かせるように噛み砕いて落とし込むことです。簡単に言うと「パクる」ことです。初回の内容は、「 1.ワークシェアリング、2.那覇マラソン、3.ミステリーショッパー、4.ツノちゃんハートマーク、5.中小企業定年退職者の再雇用」です。

         < リンクの達人 その1 >

1.はじめに

 「リンクの達人」とは、臥龍(角田識之)先生が本気塾で使っておられ
る造語ですが、これはいけると思い、使わせて頂くことにしました。
 私は先生から直接この指導を受けたわけではないので要領は違うかも知
れませんが、以下、私なりの解釈で説明します。
 「リンク」とは、私の言う「アナロジカルシンキング」、俗に言う「ベ
ンチマーキング」のことです。
 何かを見て、それをヒントとして取り込んで、自分またはサロンに生か
せるように噛み砕いて落とし込むことです。
 簡単に言うと「パクる」です。
 しかし、表面的にパクるのではなく、きっちり応用できる形にして落と
し込むことが大切であることは言うまでもありません。そうでないと上滑
りになって逆効果になるので注意が必要です。
 リンクとは、アナロジカルシンキングの、本質・機能を重視して利用す
るというよりももっと気軽に「あっ!これ使えるかも?」という様な感じ
でヒントにして、つなげていくという発想法です。
 こちらがリンクする視点・能力を持っていれば、見るもの聞くもの全て
ヒントです。
 ということで、リンクの達人を目指して実例を挙げてみます。
 気が付くもの手当たり次第という感じなので、脈絡はありません。
 そんなんあり?、無理やりやなぁ?というものもあるでしょうが、頭を
柔軟にして読んで下さい。
 ひょっとしたらマジ使えるかも?というヒントがいくつかあれば幸いで
す。

2.今回のリンクテーマ

 1.ワークシェアリング
 2.那覇マラソン
 3.ミステリーショッパー
 4.ツノちゃんハートマーク
 5.中小企業定年退職者の再雇用

3.「1.ワークシェアリング」

<説明>
 現在、金融危機のせいで世間は大混乱の状況です。派遣などの臨時雇い
はもちろんのこと、正社員のリストラも相次いでいます。
 社員を辞めさせず、経営危機を乗り越えるという考え方の中に、ワ-ク
シェアリングという考え方があります。
 ワークシェアリングとは「従業員同士で雇用(仕事)を分け合うこと」
です。
 臥龍先生のメルマガに以下の文章がありましたので引用させて頂きます。
 「これを聞いた松下幸之助氏は「解雇は絶対にだめだ」と反対し「ひと
りも解雇せず、工場での労働時間を半分にし、賃金は減らさない代わりに、
休日を返上してでも全従業員全員が力を合わせ、在庫を売り切る」という
方針を示します。この方針を伝え聞いた従業員の士気は文字通り燃え上が
り、その旺盛な販売力に支えられた「大量生産コストダウン」で、さらに
市場を拡大したのです。」
 これって逆境に強い思考法ですよね。
 減った仕事量を現状の人数で再配分して組み直す。解雇はしない。
 但し、全体としての収入は減っているので、その方も会社全体で見直し
て我慢するという考え方です。
 松下幸之助さんは、ワクシェアリングをするだけに留まらず、さらに逆
境をバネにして会社の成長につなげたというお話は、さすがに経営の神様
としか言いようがありませんね。
<活用>
 バグジーの久保先生は言います。
 「私のサロンでは、スタイリストは手が空いていたらアシスタントの仕
事をどんどん手伝います。昔のように、「後はやっといてな」と言って奥
でタバコを吸っているというサロンは繁盛しません。今は、仕事を全員で
こなすという姿勢が必要です。」
 皆様のサロンでも、仕事の分担、責任範囲、会議のあり方などを再考し
てみてはいかがですか?

4.「2.那覇マラソン」

<説明>
 京都の美容室クンクンルーホー(KKLH)が、スタッフ全員15名で
12月の繁忙月にもかかわらず、那覇マラソンに参加しました。
 前日、当日、翌日の3日間は店を閉めなければなりません。12月の忙
しい時期に、ちょっと信じられないイベントを敢行したものです。
 当日のビデオを見せてもらったのですが、お客様の寄せ書き一杯の旗(
のぼり)を持ったミヤティ(オーナー夫人)の姿を見て感動しました。
 寄せ書きをされるということは、お客様からの直接の応援です。
 つまり、頑張ってきてねというメッセージです。
 実際に走ったスタッフの声を聞くと、やはり「お客様の応援や関係者の
支援が大きな支えとなり、完走できました」ということでした。
 帰ってからも、ブログでの各人感想報告や、お客様が来店されての会話
が弾む弾む。もうみんな、英雄扱いです。そのためだけに来店されるお客
様も多くあったそうです。
 本当に愛されているサロンなんだなあと、感心しきりです。
<活用>
 これを見て感じたのは、「サロンを休まない」ことが大事なのではなく、
お客様は、そのサロンが何をしようとしているのか、サロンの姿勢、志向
性を見ていて応援されるのではないかということです。
 つまり、このKKLHに見る例として、感動は共有するものであり、皆
で作り上げていくものなんだなあと思いました。
 当然、ここまでのサロンになるには前振りがかなりあったはずです。
 その前振りを考え、実行し、小さいイベントを企画し、実行し、徐々に
大きなイベントに持って行くというプロセスをここで学ぶべきだと思いま
す。
 信用が集まり信頼になり、お客様は熱烈ファンになって行きます。
 ここに一つの成功店事例を見ることが出来るのではないでしょうか!

5.「3.ミステリーショッパー」

<説明>
 ミステリーショッパー調査とは、「訓練された調査員」や「一般の消費
者」がお客さまの立場で、実際にサービスを体験することにより、現場で
の改善課題を明らかにしようとするものです。いわゆる「覆面調査」の一
分野です。
 ミステリーショッパー調査には下記の特長があります。
 当該サービスに精通した調査員が担当することにより、各拠点ごとの具
体的な改善課題が明らかになります。
 一般の消費者(弊社のモニター)を使用することにより、より消費者に
近い視点からサービス水準を評価することもできます。
 調査を開始するにあたっては、予備調査をおこない評価基準を統一する
ので、各拠点のサービス水準が客観的に把握できます。
 定期的に実施することでサービス水準の時系列比較が明らかになります。
 また、競合他社比較も可能です。
 モニタリング結果を表彰制度などにいかすことで、各拠点間に良い意味
での競争意識が芽生え、サービス水準の全体的な向上がはかれます。
<活用>
 これはもうその通りで、美容室として必要なことでしょう。
 覆面調査なしに、自店のサービスレベルを他店と比較することは大変困
難です。
 そんな時に、このミステリーショッパーを活用することで自店の分析が
出来ます。
 サロン側がお客様に直接するアンケートなどは、なかなか正直に答えて
もらえないという傾向があるので、この調査の方が正味の内容を知ること
が出来ます。
 また、生身でやってもらえて、プロ、または素人の目で感想が聞けるの
で、改善課題を見つけるには良い方法だと思います。
 そんな会社ともお付き合いがあるので、要望の節はお知らせ下さい。

6.「4.ツノちゃんハートマーク」

<説明>
 熊本県西原村の観光施設「阿蘇ミルク牧場」で、額にハート形の模様が
あるホルスタイン牛「ツノちゃん」(雌、4歳)が人気を集めています。
 入園者から「ハートマークがある牛はなんという名前?」と指摘され、
施設側も気付きました。
 今年の干支の丑(うし)にちなんで、年賀状用の写真にと人だかりが出
来たそうです。
 広報担当者は「ツノちゃんの担当になった後、結婚した飼育係もいる。
触るといいことがあるかも知れません」とPRしています。
<活用>
 ほんわかした話題ですね。
 ただ牛がいただけでは話題になりませんが、たった額(ひたい)の部分
にハートマークの白い柄があるだけで、テレビざたになるわけです。
 こんなことやったら無理やりでもありかと思います。
 以前、小説で読んだのですが、道路にしみがあり、それがキリストの処
刑の時のシルエットに似ているということで、勘定高い連中が、それを観
光地にしてしまうというものでした。
 そんなことを考えると、何かにこじつけて、それをアピールしまくれば
宣伝になるということかもしれません。
 要するに、その強烈な根性があるかないかでしょう。
 あなたのサロンのネタ探し、やってみては?

7.「5.中小企業定年退職者の再雇用」

<説明>
 先日、NHK-TVの再放送の「ルソンの壺」で東海バネ工業(渡辺良
機社長)を取り上げていました。
 どんなバネでも1個からオーダーメードで作るという「多品種微量生産」
で業績を伸ばしてきたという経営方針にも感心しましたが、さらに驚いた
のは、技術を持って定年退職した人を技術指導のために再雇用していると
いうことです。
 しかも、その人には若手に技術を教えるだけで、絶対に生産にタッチし
てはいけないというのです。それが社長の方針だからです。
 余談ですが、「ルソンの壺」はモノ作りに関係している方には必見の番
組ですね。プロジクトXの小型版みたいな感じです。
 http://www.nhk.or.jp/luzon/schedule/backnum/index.html
<活用>
 これはもうリンク見え見えですね。
 そうです。美容経験者を再雇用するということです。
 現場に入ってもらうというのもいいですが、この会社のように技術を教
えるだけの目的で採用するというのもありだと思います。
 問題なのは、技術、特にスタイルは日進月歩で、一度現場を離れた美容
師さんの泣き所は、流行に付いていけていないということです。
 であれば、ベーシック技術や接客マナー、心構え、フロント業務、バッ
クヤードでの仕事などを手伝ってもらうというのもありだと思います。
 経験者だから教える必要もないし、手際は良いわけです。
 そうすれば、ベテランのノウハウが継承できていくことになるでしょう。
 そんな候補者をリストアップしておくと、いざと言うときに役に立ちま
すよ、必ず!

8.最後に

 このリンクの達人は、また何回かのシリーズで書いてみます。
 やりだしたらこれって無限にありますよね。
 どれだけ本当に活用・実用する気があるかですね。
 洒落心で一つ、やってみては?

 では、また次回お会いしましょう!

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