| 実践技術
スタッフ活性化ワークショップ (社員向け参加型気付き教育)
メルマガ再録 (2009年3月23日) 第86号
ワークショップは、グループワークの仕様を作り、実際に意見交換や行動を共にさせることで気付きを与え、スタッフの自発性を開発するための強力な人材育成のツールです。
< スタッフ活性化ワークショップ >
1.はじめに
さて、今回はスタッフ活性化の研修内容について考えてみます。
今回書く内容は全て私が考えて、実際にサロンで実践しているノウハウ
です。
皆さんのサロンでも使える内容が続々と登場しますので、是非参考にし
て頂ければいいかなと思います。
2.テーマ<1>「自分たちに出来る社会貢献」
対象:スタッフ全員
回数:1回
目的:社会貢献意識を高めて、お客様との会話に活かす。
準備:チャート用紙、マジックインキ、色鉛筆
指示:4~5人のチームに分ける。
自分達で社会貢献できる内容を出来るだけ考え出すように指示する。
マインドMAP形式で書くので、その描き方を教える。
作業:
社会貢献意識マインドMAPを作成する
用紙中央に社会貢献のイメージイラストを描き、そこから枝をはや
す様に自分達に出来る社会貢献の内容を書き足していく。
完成したら、お互いのチームのものを発表し、共有する。
ポイント:その中から、自分達が出来る内容を考えて1ヶ月間実行してみ
る様に指示します。良ければすっと継続してやることを徹底します。
3.テーマ<2>「環境を守ろう!」
対象:スタッフ全員
回数:3回コース
目的:ポスター作成&グッズ制作を通し、環境に対する意識を高める。店
内に貼り出すことにより、お客様との会話にも活かす。
1回目=ポスター作り、2~3回目=環境保全アピールグッズ作り
<1回目>
項目:ポスター作成
準備:チャート用紙、古雑誌、マジックインキ、色鉛筆、のり、ハサミ
指示:4~5人のチームに分ける。
地球環境保護に関するポスターを制作することを伝える。
作業:コラージュ形式にする場合は、古い雑誌や広告を準備し、そこから
イメージに合うものを切り出し、構図にマッチする形式で貼り付け
て行く。
完成したら、そのポスターの意図とデザインについて発表し、共有
する。
<2回目>
項目:環境保全アピールグッズ制作1回目
準備:A3用紙
指示:4~5人のチームに分ける。
目的に沿った企画を行う様に指示する。
作業:どんなものを作るかを検討する。
それを絵コンテにする。
準備物を書き出す。
<3回目>
項目:環境保全アピールグッズ制作2回目
準備:前回決めた準備物(紙、はさみ、のり、台紙 など)
指示:前回と同じチームとする。
企画書、絵コンテにそって、制作をおこなう。
作業:作業分担し、制作を行なう。
大人数分は作れないので、適当な人数分を作る。
お客様にお渡しする方法を決める。
出来上がったら、各チームの自慢を行う。
ポイント:環境問題は美容室も避けて通れないテーマです。自分達も環境
保全・改善に協力しているという意識を持たせてください。また、
お客様にもアピールして協力して頂くことを認識させて下さい。
4.テーマ<3>「美容師魂に火をつけろ」
対象:アシスタントクラス全員
回数:3回コース
目的:美容師としての表現したいことを、自分達で創作して楽しむ。それ
がまた自分達の成長の糧にもなる。
1回目=企画・台本作り、2回目=練習日、3回目=発表日
<1回目>
項目:企画・台本作り
準備:記録用紙
指示:目的と3回コースで発表までを行うことを伝える。
進行者側から演技時間は10~15分とする。
4~5名のグループに分ける。
作業:発表テーマを決める。
その内容と詳細を決める。
ラフな台本を考える。
<2回目>
項目:練習日
準備:前回決めた企画書・台本等
指示:仕込を行い、しっかり練習する。
作業:時間内に納まるように徹底的に練習する。
<3回目>
項目:発表日
準備:ステージで使用するもの
幹部用審査シート
指示:練習の成果をしっかり発表するように伝える。
発表順位を抽選で決める。
審査員はしっかり見極めて採点するようにお願いする。
作業:決めた順位通り、チームパフォーマンスをおこなう。
入れ替え時間・次のセッティングを素早く行う。
全チームの発表が終わったら審査表を集計し、表彰を行う。
ポイント:アシスタントクラスは、営業ではスタイリストの指示に沿って
技術をこなすという仕事をしています。美容師としての楽しみは日
常の中ではなかなか味わえません。そこで、そういうストレス発散
の意味も含めて、こういうイベントを開催することは大変有意義で
モチベーションをアップすることが出来るでしょう。
5.テーマ<4>「パーソナルブランディング」
対象:スタッフ全員
回数:2回
目的:個人の魅力をアピールできる15秒CMをつくる。
撮影完了後、全員のものを1つのDVDに編集して各店に配り、お
客様に見て頂く。
1回目=企画、2回目=動画撮影
<1回目>
項目:企画
準備:記録用紙
指示:4~5人のチームに分ける。
個人の魅力がアピールできるような15秒CMをつくるので、本日
はその原稿を考え、グループでお互いに確認すること。
次回、そのCMを実際に録画する。
作業:企画、台本作り。
自分の魅力とは何か?
どういう表現方法でCMを作れば効果的かを各自で考えて、チーム
内でアドバイスし合う。
<2回目>
項目:撮影
準備:撮影に際して必要な小道具を持参する
指示:順番を決め、1人づつ撮影を行う。
作業:カメラマン、タイムキーパー、AD役を決めて順次撮影する。
次のものは、チーム内で事前にリハーサルを行う。
人数が多い場合は、撮影チームを2~3チーム作る必要がある。
ポイント:スタッフにおいて、自分をしっかりアピールすることはなかな
か出来ていないように思えます。
それで、映像でそれを記録してお客様に見て頂くという事は、大変
意味のあることだと思います。
お客様がこの映像を見られることにより、他のメンバーのことも良
く分かるようになり,事前情報にもなります。
また、スタッフにとっては、あの時代はこんな感じだったんだなあ
という思い出にもなります。
次のリクルート(採用)にも使えます。先輩として立派に働いてい
る姿を見せるのは、採用のツールとしては最高です。
こんな有意義なスタッフ映像、もっともっと記録映像を残し、活用
することをやってみてはいかがでしょうか?
6.テーマ<5>「ゲーム作り」
対象:スタッフ全員
回数:1回
目的:テンションが上がるゲームとチームワークが向上するゲームを開発
する。
準備:記録用紙。アイスブレイキングゲーム本などを用意する。
指示:4~5人のチームに分ける。
目的とするゲーム2種類を考えて作り、実演まで練習する。
作業:上記2種類のゲームを考える。
アイデアが出ない場合は、本を参考にする。
実際にやってみて、効果を確かめる。
出来たら皆の前で披露する。
他のチームも真似てやってみる。
やり方を覚えて帰り、各サロンで実際に使用する。
ポイント:テンションが上がらないと苦情を言っていてもテンションは上
がりません。上げる工夫を考えましょう。
チームワークも良くないと言っているだけでは良くなりません。ゲ
ーム感覚で楽しく明るいサロンムードを演出しましょう。
7.テーマ<6>「リンクの達人」
対象:スタッフ全員
回数:1回
目的:常にリンクを考える視点を作る。
準備:リンクの達人記入用紙
指示:4~5人のチームに分ける。
例題を説明し、リンクするという考え方を教える。
その後、記入用紙を配布し、考えさせる。
作業:各人で記入用紙にリンクできると思うタイトルと説明・活用方法を
記入する。
それをチームで確認する。
各自よりその内容を発表し、全員で共有する。
ポイント:これはもうよくご存知の通りですね。リンクを考えることは、
初心者はなかなか難しいようです。しかし、少しでも彼らの頭の隅
にでも残っていれば、今後きっと役に立つでしょう。
8.テーマ<7>「自己紹介作り」
対象:スタッフ全員
回数:1回
目的:初対面の場で、自分をしっかり分かってもらえるために、完璧な自
己紹介を作る。
準備:自己紹介用記入用紙
指示:4~5人のチームに分ける。
目的と自己紹介記入用紙の記入方法を説明する。
ショートバージョン15秒、ロングバージョン60秒とする。
作業:自己紹介記入用紙に自分の内容を記入する。
出来たら、各チームでタイムを計りながら発表して内容を修正する。
チーム内発表が終わったら、全員の前で自己紹介する。
リーダーは修正コメントを入れる。
ポイント:たかが自己紹介、されど自己紹介です。第1印象で60%以上
の印象が決まると言われています。第1印象は良いにこしたことは
ないですよね。自分だけでなく、サロンの格も判断されるので、是
非しっかりした自己紹介は身に付けるべきでしょう。
9.最後に
いかがでしたか?
いろいろなワークショップの例があるでしょう。
毎回これを考えるのに苦労しますが、その分皆がレベルアップすると思
うと力が入ります。
このメルマガ内容とリンクしているものもあります。
そういう意味では、相互作用しているので、読者の皆様には分かりやす
いかと思います。
是非、あなたのサロンでも実施してみて下さいね。
次回は、リーダーのサロン内育成で実際にやっている研修内容を紹介し
ます。
お楽しみに!
では、また次回お会いしましょう!