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DOHOW (実践上のノウハウ)

メルマガ再録 (2008年9月22日) 第74号


実行ロスをなくすための工夫のことです。プラン時点で確実に実践に結びつくA→D変換手法や、上手な報連相の方法、効果策定の方法などについて言及しています。

          < DOHOW >

1.はじめに

 DOHOWは行動上の実行効率を向上するためのノウハウのことです。
 意外や、過去のメルマガタイトルの中で取り上げていなかったので、今
回はこのタイトルにしました。
 また、9月6日に開催したIDL個人能力開発講座でこの「DOHOW」
をテーマとしたこともあり、丁度タイミングも良いので、その時に説明した
内容にちょっと味付けして考察してみます。

2.PLAN

 まず、PLAN(計画)時点での注意点から考えてみます。

(1)目的・目標が明確に分かっている<継続性向上>
 ・目的がしっかり理解できて、目標が明確になっていることです。
 ・目的は、すべてのことに優先し、それがモチベーションの継続につな
  がります。
 ・目標は、自分の行動レベルまでしっかりブレイクダウンされているこ
  とが重要です。

(2)計画書を作成している<書面化>
 ・計画は必ず書面にします。
 ・出来るだけシンプルに、分かり易く作成します。
 ・骨子(要項)の部分をTOPに持ってきてインパクトを与えるなど、
  資料作りの工夫に付いて少し勉強が必要です。
 ・資料は一人歩きすることを考えて、社外秘などにする場合もあります。
 ・数字などの部分には特に注意を払って記載してください。

(3)テーマを実行レベルに落とす
 ・全体としての計画は分かるが、自分自身は今からすぐ何をすべきなの
  かが分かっていないというケースをよく見掛けます。
 ・ありがちなパターンです。
 ・改善のアイデアが出たらそれで出来たと思いがちです。
 ・ここが大きな落とし穴になっています。
 ・ここが成功するかどうかの分かれ道です。
 ・もっともっと掘り下げて、行動に落とさなければなりません。
 ・この部分にもっと時間を割り当てて、徹底的に行動に落とします。
 ・その時に必要なのがA→D変換のテクニックです。
 ・必ず数字を入れた表現にすることです。
 ・どうしてもデジタル化(評価できる形)に出来ない場合は、周囲のア
  ンケートを取って評価を得るなどの方法まで考えます。
 ・行動計画表の最終欄には、行動日程~フォロー者~効果測定という項
  目を作って記入するようにしましょう。

(4)結果を図れる共通のモノサシを作る<効果測定>
 ・結果の測定は、実績が出たから評価するのではありません。
 ・目標との照らし合わせが必須です。
 ・結果の評価とは、目標(行動の具体化)と実績の差を知る作業なわけ
  です。
 ・実績自体が物語るのは、事実のみです。
 ・その事実を評価するには、対象となるしっかりした目標があってこそ
  評価になるわけです。
 ・そこのところを良く考えてください。
 ・だから比較できるように最初から仕組んでおくことが肝心なわけです。
 ・それが共通のモノサシであり、効果測定項目です。

(5)晴曇雨対策を事前に考えておく<コンテンジェンシープランニング>
 ・計画は上手く行くということを前提に考えがちです。
 ・計画通り進んだらこんな楽しいことはありませんね。
 ・しかし、現実は厳しいものがあります。
 ・必ずと言っていいほど、予想しなかったことが発生します。
 ・その時が勝負です。
 ・その時にあたふたしないように、事前にそのリスクと対策までを考え
  ておくと言うのがこの「コンテンジェンシープランニング」という考
  え方で、リスクマネジメントの一つの手法です。
 ・リスクマネジメントは、一般に保険と言う考え方ですが、この考えは
  あくまでも中間時点での対応策を事前に計画に織り込んでおくという
  ものですので、サロンでもしっかり計画に入れて下さい。

3.DO

 意外に難しいのがこの実行中のフォローです。
 では、実行中のDOHOWについて説明します。

(1)見守る<メンター>
 ・実行している時は本人の自主性に任せるしかありません。
 ・ということは、その自主性をフォローアップしてあげることについて
  指導者側はもっと考えるべきではないでしょうか。
 ・そう考えた時に参考になるのがメンターです。
 ・メンターは、このメルマガでも取り上げましたが、福島正伸先生がな
  んと言っても第1人者でしょう。
 ・メンターとは、心の師匠とも言うべきその対象者のメンタル面の良き
  理解者であり、良き指導者であるということです。
 ・安心して伸び伸びと仕事に取り組める環境こそ、その本人の成長を促
  すものはありませんからね。

(2)教育に生かす<コーチング/OJT>
 ・現場は最高の教育の場です。
 ・意外にこの場をスルーしている上司が多いですね。
 ・と言うのは、しっかりしたOJTテクニックを身につけていないから
  です。
 ・単に注意するというだけではOJTではありません。
 ・報告を聞いたときに、次の課題をその場ですぐさま与えることがポイ
  ントです。
 ・だから、常日頃、対象者本人の長所・不足点を認知し、どの方向に導
  いて行くかについて指導要領をまとめておき、咄嗟に対応するという
  ことをしていくことが出来ないといけないわけです。
 ・しかし、それが強制ではなく、コーチングテクニックを使って、自主
  性を引き出していくというのは言うまでもありません。

4.CHECK

 成果を出すにはこのチェックは欠かせないものです。
 では、効果的で上手なチェックについて考えてみます。

(1)中間チェックを義務付ける<場の設定>
 ・計画の時点で、中間チェックのタイミング、報告様式を決めておくこ
  とをお勧めします。
 ・報告日程を決めておくことにより、そこまでの内容を充実させようと
  するという気持ちが高まって、成果にもつながります。
 ・年度計画の中間チェックなどは、後半の目標修正や行動の見直しなど
  があるので、きっちりやりましょう。
 ・月間や年間の見直しは、3分の1経過時点くらいで見直すと、後半の
  作戦見直しと実行が出来て効果が期待できるので早めに行いましょう。

(2)中間報告をさせる<報連相>
 ・報連相はなかなか難しい仕事のようです。
 ・タイミングよく、きっちり報告できる人材はなかなかいません。
 ・というのは、上司がそれを強く求めていないからです。
 ・してくれるだろう、という安易な気持ちが野放しになる原因です。
 ・だから、習慣になるまで徹底的に求めることです。
 ・そして、それが出来るようになったらより高度なことを任せていくよ
  うにすれば、その本人のスキルも向上します。
 ・「報連相のタイミングが分からない」という質問を受けたら、何でも
  いつでもいいから伝えてくださいとアドバイスして下さい。
 ・そしたら、だんだん様子が分かってくるので、適度なところで出来上
  がります。

5.ACTION

 このアクションという項目は、チェックによって発生した修正の行動を
いいます。
 目標を必達するためには、このアクションがすぐさま有効になるように
心掛ける必要があります。
 ここでは、少し解釈を広げて、忘れ防止、リスク対策などのサブ的要素
も含めて考えてみます。

(1)決めたことを必ず実行する<議事録>
 ・会議の3悪「会して議せず、議して決せず、決して行わず」にあるよ
  うに、決めたことを実行しないということは、何のための会議だった
  か分からなくなります。
 ・折角時間を使い、アイデアを絞って練り上げた案を、皆が認知せず、
  実行しなかったら、全く意味のないものになってしまいます。
 ・そのために、議事録を作成して、決めた内容を徹底して実行するよう
  にします。
 ・議事録の効果としては、その会議に参加しなかった人にも、企画の場
  に参加してもらったように感じてもらえるので、協力度が増します。
 ・全員参加での取り組みで、持てる力を集中することが大切です。

(2)忘れさせない<フォロー者をつける>
 ・よくある話ですが、「あの件はどうなりましたか?」という質問に対
  して、「すっかり忘れていました」という答えがあったりします。
 ・なんと情けないという状況ですが、忘れる本人も本人ですが、中間チ
  ェックしていない方も同罪ですね。
 ・こういうことを無くすのに、実行のフォロー者を初めから決めておく
  ことが良いでしょう。
 ・また、ちょっとした逆風ですぐに挫折して諦めるということがあって
  は、実行の効率は上がらないし、結果が出せません。
 ・継続するためのモチベーションの保持に関しても、フォロー者はアド
  バイスしていくことも大切なことです。

(3)コミュニケーション<レクレーション>
 ・実行効率を向上するには、チームワークは欠かせない要素です。
 ・チームワークを作るには、コミュニケーションを活発にすることがあ
  ります。
 ・コミュニケーションを活発にするには、レクレーションを活用するこ
  とです。
 ・結構これが現場のDOHOWだったりします。
 ・定期的なレクレーションを企画して、楽しい職場を作りましょう。
 ・「明るい職場は、レクレーションから!」

(4)リスク対策を考えておく<保険>
 ・中間でのリスク回避については、コンテンジェンシープランニングで
  決めた行動を実行します。
 ・その際には、目標必達の心構えで臨むことはいうまでもありません。
 ・さらに、目標期間が終了して目標に達しなかった場合の対策・処置も
  準備しておかないといけません。
 ・翌年にどう持ち越すか、あるいは年度内でどのように処置するか 等
 ・月間目標に対しても同じ様なことがいえます。
 ・目標の精度は、ピッタリ当たることにこしたことはありませんが、大
  概は実績が目標に届きません。
 ・目標の誤差の精度ですが、10%以内といわれています。
 ・期間の中間で大幅なズレが生じた場合は、上方又は下方修正をします。
 ・そしてまた100%超えを目指して頑張ります。

6.必要な資質

 DOHOWとして実行効率を向上するのに必要な資質を考えてみました。

(1)継続力
 ・冒頭の部分でも書きましたが、やっぱり目的・目標が明確に分かって
  いるということでしょうね。
 ・それと、周囲のサポート。
 ・粘り強く目標に向って働きかける力は周囲を巻き込む力を発揮するも
  のです。

(2)集中力
 ・物事を達成する瞬間には何らかのオーラが出ていると思います。
 ・「集中すれば火もまた涼し」という言葉がありますが、集中力を発揮
  することにより、まさに達成のエネルギーが発揮されます。

(3)判断力・決断力
 ・判断する力は行動には付き物です。
 ・行動は、細かく言えば判断と実行の連続です。
 ・2者択一の選択をしてきて、今の姿があるわけです。
 ・つまり、これからの判断の基準を少し変えれば、人生変わってくると
  いうことです。
 ・現在は過去の未来です。
 ・だから、未来を作ろうと思えば、今を変えれば良いのです。
 ・判断力に自信のない人は、今から勉強を重ね、感性を磨いて、少しづ
  つでも未来の自分を築いて欲しいと思います。

(4)統率力・指導力
 ・目標を達成するには、一人の力では不足です。
 ・チームワークを発揮し、不可能を可能にしていく姿勢が不可欠です。
 ・それには、チームの力を結集し、燃える集団に変えていくリーダーシ
  ップが求められます。

7.最後に

 こんな感じの内容がDOHOWとしてのポイントでしょう。
 全体として目的を自分のものとし、目標意識を高く持ち、必達するとい
う執着心を全員で発揮することが出来れば、目標は達成できます。
 いわゆる計画が絵に描いた餅にならないように、真剣にDOHOWを研
究して、成果に結びつけて下さい。

 では、また次回お会いしましょう!

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