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OJT/OFFJT (効率的教育のツール)
メルマガ再録 (2006年1月23日 第11号)
効率的な社員教育を行なうには、このOJT/OFFJTの手法を知ること。目標を持ち働きながら教育するOJT、集合でレベルアップを行なうOFFJTの教育手法を学ぶ。
< OJT/OFFJT >
1.OJT/OFFJTって何のこと?
今回のテーマについては、既にご存知の方は多いでしょう。
確認のために説明すると、OJT(オージェイティ)は、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(on the job training)で、仕事中の指導訓練を意味します。OFFJT(オフジェイティ)は、オフ・ザ・ジョブ・トレーニング(off the job training)で、営業外での集合講習等を言います。
2.OFFJTについて
職場を離れて職務遂行の過程外でおこなわれる教育・訓練のことで、集合教育、通信教育、講習会などがあります。職場外訓練とも言います。
長所は体系的、専門的指導で効率的に教育できることです。
集合として一堂に会する長所を利用し、全体に一度に同じ事を徹底することが出来るという利点を生かすことです。つまり、聞いた、聞いてないが無くなります。
短所は費用がかかることや、単に知識だけが与えられることです。個人のレベルが分からないので、同じ言葉をどこまで理解出来ているかなどの課題が残ります。
集合OFFJTとしての例は、会社年度計画発表会、入社式、各店ミーティング、技術講習会、モチベーション教育、レクレーション等々が考えられます。
また、個別OFFJTとしては、個人別面談など、営業外で個人的に指導育成する場面が考えられます。
3.OJTについて
OJTは、管理者や先輩が,職務遂行を通して,「①組織メンバーとして成長するための布石,②仕事に必要な知識や技能,取り組み姿勢,③仕事をすることの価値や達成感等々を,部下や後輩に,どう効果的にかつ有効に身につけさせるか」等、意識的に取り組む育成・指導の活動をOJTと呼びます。
OJTは、社員教育方法の1つで、実際の仕事を通じて、必要な技術、能力、知識、あるいは態度や価値観などを身に付けさせる教育訓練のことです。
人事・研修の世界でいう正規のOJTは、職務遂行を通じて管理者が部下に対し、意図的/計画的な指導・育成をマンツーマンで行うことと定義され、能力要件のリストアップや訓練予定表の作成といった方法論が語られますが、一般には必ずしも上司が行わない場合や、計画性が薄い場合等を含めて、もっと広義な“職場指導”という意味に使われることが多い様です。
4.OJTのケースワーク
ではここで、OJTを前提としたA店長と小林君、およびB店長のやり取りを考えてみましょう。
A店長「小林君、B店が忙しいのでヘルプに行って欲しいんだけど?」
小林「はい、かしこまりました。」
A店長「小林君、折角他店にヘルプに行くのだから、何かテーマを持って行った方がいいね。」
小林「そうですね。でも、僕まだアシスタントだから何もできないし・」
A店長「アシスタントでも出来ることがあるよね。と考えるとテーマ見つかるよ。」
小林「そうですね。挨拶はできますもんね。だったら、お客様全員に挨拶します。」
A店長「それはいいね。で、どんな風に挨拶する?」
小林「どんな風にって?」
A店長「挨拶で大切なことは?」
小林「笑顔で、元気良くです。」
A店長「そうだよね。それをやってみよう。じゃ、一度やってみて!」
小林「いらっしゃいませ! おはようございます! こんにちわ!」
A店長「いけるやん。じゃあ、がんばってね。」
小林「行ってきま~~す。」
――――――――――
A店長「B店長、今日小林をヘルプに出したので、教育よろしくお願いします。」
B店長「了解しました。で、小林君のポイントは?」
A店長「そうですね、ちょっと引っ込み思案の感じがあるので、そのあたり挨拶のテーマでちょっと教育して欲しいかな?」
B店長「OK、OK、任して下さい。」
A店長「よろしくお願いします。」
―――――――――
B店長「今、小林君、帰りましたよ。」
A店長「ありがとう。様子はどうでしたか?」
B店長「やっぱり、元気が少し足りないかな?それと積極性。」
A店長「そうですか。それで、何か指導してくれましたか?」
B店長「まず、到着時に今日のテーマを確認して、それを頑張るように言いました。」
A店長「そう、それで・・・」
B店長「頑張りますってしっかり言ってました。それで様子を見ていたんですが・・・」
A店長「うんうん」
B店長「やっぱり、どうしても手元の仕事に気が行って、お客様全員に挨拶に行くということを忘れがちになりましたね。それから、挨拶の次の会話がつながらない。」
A店長「はい、はい」
B店長「で、アイサツの意味を教えました。ア=相手を見て、イ=いつも、サ=先に、ツ=続けて一言いうこと。この「ツ」の意味をしっかり認識しないと挨拶の言葉だけで終わってしまうので次が続かない、ということを説明し、積極性を促しておきました。」
A店長「そうですか。ありがとうございます。」
B店長「で、相談ですが、明日も来させてもらえませんか?ちょっとヒントをつかんだみたいなので、同じ環境で続ける方が良いように思いますので・・・どうですか?」
A店長「そうですか。願ってもないことです。ではまた明日よろしくお願いします。ありがとうございます。」
―――――――――
小林「只今!」
A店長「お帰り、ご苦労様でした。で、どうでしたか?」
小林「まあまあでした。」
A店長「そう。まあまあだったの。自分では何点くらい?」
小林「70点くらいかな?」
A店長「そう。70点ね。どこが良かったの。」
小林「朝のうちは出来たんですが・・・・全員には出来ませんでした。」
A店長「そう。忙しくなるとなかなか行き届かないよね。笑顔はできたかな?」
小林「初めは店の雰囲気にもなじめなくて緊張しましたが,徐々に笑顔で出来ました。」
A店長「そうか。それからB店の店長が明日また小林君を指名でヘルプを依頼してきたんだけど、どうする?」
小林「僕、行きます!」
A店長「そうか。じゃあ、今日出来なかったことを明日きっちりやれるように考えてみて!」
小林「はい。今晩考えて、また明日頑張ります。」
A店長「そうだね。期待しているよ。また、報告お願いするね。」
小林「はい、わかりました。ありがとうございました。」
5.まとめ
上記は、今考えて作ったストーリーですが、いろいろとヒントがありそうでしょう?
A店長→小林君にはコーチングテクニックを使っての自発性を促す指導トーク、店長間では本人の育成に関して細かくフォローする上司間のチームワーク(店間共同作業)など、OJTには欠かせない要素です。
ということは、教育指導する側のレベルが高くないと人は育てられないということですね。
勉強不足な上司が部下を育成できるわけがありません。
また、自分のレベルを超えて欲しくないなどと思っている上司から教育を受けたくもありませんよね。
ということで、結局は教育を施す側のレベルが問題であると思います。
だから、OJTを考える時は安易な指導ではなく、会社レベルの取り組みがなされて初めて、しっかりした育成指導が出来るものと思いますので、そのあたりを踏まえてOJTに取り組んで下さい。
今回はどうでしたか?
えらく長文になってしまいましたが、ケースワークが分かりやすいという声があったので、ストーリー仕立てにしました。
ということで、OJTについて少しは分かってもらえましたか?
6.次回案内
次回は、「コーチング」です。
今回のケースワークも完全にコーチングトークを使用しています。
そのコーチングの粋を次回はお話しましょう。
お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!