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自分辞典(上巻) (ワードパワーを高める)

メルマガ再録 (2008年7月28日) 第70号


自分の気になる言葉を自分なりに定義することで、言葉に対する自信を付けることが出来ます。初回はあ~こまでの50語を収録。

          < 自分辞典(上巻)>

1.はじめに

 なぜか、前回のメルマガを書いているときに自分辞典と言う言葉が浮か
んできました。
 自分が気になる言葉を短い文章で、辞典のように説明する、定義すると
いう内容のものです。
 これは、株式会社武蔵野の小山昇社長が発行されている本にこのアイデ
アはあります。
 その本は「仕事ができる人の心得」(阪急コミュニケーションズ)です。
 この本から例題を抜粋しようと思ったのですが、今は貸し出し中で手元
にありません。残念。

2.自分辞典の作り方

 まず、気になる単語を列挙します。
 次に、その言葉を定義します。
 定義の方法は、その言葉の意味だけを説明するのではなく、感じるまま
にその言葉を分析説明するということでもOKです。
 そして、あえてブロッキングせず、それを「あいうえお」順に並べ替え
て完成です。
 このメルマガの途中で、自分でもヒラメキがあったら単語をメモし、後
から自分辞典をあなたも作ってみてください。

3.自分辞典

 たくさんある方が辞書らしいと思い、150のワードを思いつくままに
リストアップしました。
 ではスタートです。

1.「アイスブレーキング」
  緊張を解きほぐすこと。グッド&ニューなどのコミュニケーション促
  進やミニゲームなどを用いて活性を上げる。初対面の人たちとのワー
  クショップの前に実施すると効果てきめんです。
2.「愛」
  博(ひろ)い意味の思いやる気持ち。相手を尊重することから生まれ
  る感情。自我を捨てることにより本物となる。
3.「アシスタント」
  補助的役割をする人。その役割を積み重ねることによって一人前にな
  れる。希望一杯の人。アシスタント自体が一つの仕事の形態をなして
  いる場合もあるので、それはそれはで専門職といえる。
4.「遊び」
  余裕。”忙中閑あり”という言葉がある。いくら忙しくても暇を見つ
  ける心の余裕を言う。働きながら遊ぶコツを会得するとストレスフリ
  ーとなる。オリジナルな遊びを考えることは大変クリエイティブで、
  仕事上で企画などの役に立つので大いに遊ぶこと。
5.「あなた」
  自分との対象者。手が届く範囲にいて目を見れる人。
6.「アナロジカルシンキング」
  類推思考。そのものの要素を分析・追及し、そのコアとなる機能を突
  き止める。そしてそれと同様の機能を有するものを他から探し出し、
  それを応用しようとする思考法。ベンチマーキングとは一味違う。
7.「アプローチ」
  そのものに迫る・接近する道のり。ゴルフではピンの近くで放つショ
  ットをいう。人に近づく、発表内容の本質に迫るステップなどもいう。
  アプローチが上手くないと、プロセスがぼやけて対象になる全体像が
  明確にならない。
8.「甘え」
  安易な妥協の産物。自立していない状態。甘えが習慣化・常態化して
  しまうと、自立心がなくなり、考える力が低下する。
9.「Eメール」
  現在においてなくてはならない必須の情報交換ツール。こまめに着信
  をチェックし、スピーディーに処理することが求められる。返信の状
  態によって人格が見極められるので要注意。
10.「育成」
  対象者のレベルを向上する手助けをすること。教える側と教わる側の
  コンビネーションが上手く行かないと、吸収効率が悪いので注意。ノ
  ウハウよりもまず教わる姿勢を身につけさせることが大切。
11.「意志」
  意志が明確である、意志が強い・弱い、などという使われ方をする。
  ”考え”にパワーを与えたものといえる。意志が弱いと困難(成長が
  目に見えない時期など)を乗り越えられないので、周囲のサポートが
  必要になる。
12.「遺伝子」
  前世から今世に、今世から後世に、永遠に物体をコピーする能力を持
  つもの。形はもちろんのこと性質までも伝える。遺伝子を中心に考え
  ると人体は遺伝子の乗り物であるとも言われる。私は皆に対し、自分
  の事を知るのに「耳を澄まして遺伝子の声を聞こう」と発信している。
13.「営業」
  売り手側と買い手側の商売上の接点。今は商品自体を売り込む前に営
  業マンの人物を売り込む(営業する)ことが一番といわれている。マ
  ーケティングの手法を勉強することは大変役に立つ。
14.「A→D変換」
  アナログ(定性的)表現をデジタル(定量的)表現に変えて、効果測
  定しやすくする工夫を織り込んだ表現技法。これを修得すると必ず結
  果が出る必殺のテクニック。DOHOWの極致と自分では思っている。
15.「偉い人」
  中道、王道、中庸の道を究め、適切な判断を優しさを持って瞬時に出
  来る人。決して地位や名誉やお金を多く持っているだけの人ではない。
16.「エンロール」
  周囲を巻き込む動作。自分の意見を主張し、周囲を納得させ、その考
  えに同調させられること。コンセプトがあってもエンロール出来なけ
  ればコンセプトがないのと同じ。
17.「OJT/OFFJT」
  OJTはオン・ザ・ジョブ・トレーニンのことで、個人教育を前提と
  した仕事をさせること。OFFJTはオフ・ザ・ジョブ・トレーニン
  グで、会議や講習、セミナーなどの集合教育をいう。要は効果的に使
  い分けること。
18.「会社」
  いろいろな人が集まって、一つの方向に向かって営利活動を行う団体。
  従って、方向性が不明確なものは会社ではない。ただの集合体。
19.「改善」
  現状よりさらに合理的で、効率的で、快適な方向にレベルアップする
  ためにアイデアと努力で推進する姿勢。単に合理性・効率だけを追求
  することは好ましくない。あくまでも適正に行うことが求められる。
20.「価格」
  原材料費に、経費と利益を上乗せした品物およびサービスの値段。そ
  の価格が価値よりも高いと思われると、リピートしない。価格はその
  サロンの営業コンセプトである。
21.「価値」
  対象となる品物・サービスが提供する値打ち。価値が価格よりも高い
  と思われるとリピーにつながる。価値を向上するためにいろいろな付
  加を足していく。いわゆる付加価値であるが、これを基本価値に繰り
  入れていく努力が企業自体の価値を向上させる。
22.「家庭」
  世界の最小単位。初期教育の現場。夫婦の努力する姿、真摯に生きる
  姿勢が何よりも教えになり、優しい子を作る環境になる。再度家庭の
  もてるパワーを復権しなければならない。
23.「我慢」
  出口を見つけるまでの時間。我慢のための我慢ではなく、夢・希望・
  目的のための一時の停滞と考える。トンネルには必ず出口があると信
  じ切る気持ちを持つことで打開策を見つけることが出来る。
24.「考える」
  物事を煮詰めて、その答えを出す思考方法。考えることは生きている
  証である。考えることにより人は進化する。進化なくして、人は生き
  ているとは言いがたい。その場の全員の考えを集約することでそこに
  その場の答えがある。それを無視して、何に答えを求めるのか!
25.「環境」
  主たる目的の周囲を構成する要素。環境が人を作るのではないが、環
  境がないと人は安心して力を発揮することが出来ない。環境はそろえ
  てもらうという発想より、自分たちで揃えていくという積極的な発想
  が必要。
26.「感謝」
  有り難いという謙虚な気持ち。初めは小さなことに感謝できるが、そ
  れに慣れてくると鈍感になってしまうので注意が必要。感謝の気持ち
  常に持ち合わせるために死生観をしっかり持ち、命のことを考える事。
  ”ありがとう”は大変エネルギーの高い言葉なのでなかなか言いにく
  いが、それを意識することで、感謝の気持ちは高まる。
27.「感動」
  感じて動かされること。大感動した時は、それを誰かに伝えたくなる
  という人間の特性があり、それによって輪を広げて行こうとするのが
  感動経営。これにより来られたお客様は、より上質な方向に向かう。
28.「起案書」
  企画の前段階で、とりあえずアイデアを文章にして本格的な企画をし
  ても良いかどうかを問う書式。軽いタッチで誰でも書ける様式にして
  社内の提案ムードを盛り上げ、自主活性型の仕組を作るツールにする。
29.「企画書」
  起案書で仮承諾をもらっているので、本格的にメリット・デメリット、
  導入手順などを企画提案する書式。これで採否の最終決定がされる。
  企画が甘いと失敗する。なので、しっかりと深く考えられた企画を行
  う。内容としては、読み手の立場に立った書き方をすれば通りやすい。
30.「技術」
  その物事をこなすのに必要な専門知識、専門技能、智恵、経験、DO
  HOWなどの総体的スキルのこと。これが不足していると良い仕事が
  出来ない。技術を修得するには、集めたノウハウ技術を体系化して、
  きっちりまとめるておき、すぐに使えるようにしておくこと。すぐに
  出てこないと意味がない。
31.「議事録」
  会議で話し合ったことを記録しておくドキュメント様式のこと。活用
  方法として、欠席者への浸透、宿題の徹底、次回の準備などに生かせ
  れば効果は抜群。継続的にファイリングしておけば過去の動きが残せ
  るので、サロンの財産となる。
32.「キャリアプラン」
  永年勤続する上でその人にあった将来ポストを準備してあげること。
  それなりのサロン規模にならないとなかなか準備できないのが現状。
  安心して働ける環境作りの大きなポイントである。
33.「給与」
  働いた対価として頂けるお金または現物。人は皆このために働くが、
  給与を目的とするのではなく、働いた結果の報奨として頂けると言う
  スタンスが喜ばしい。給与を頂いたら必ず、上司とオーナーにお礼を
  伝えることがマナーである。
34.「教育」
  本当は広い意味で使うのであろうが、教育という教えて育てるという
  字の感じからして、かなり一方的な形での教え込みという感じがする
  言葉。ティーチング。トレーニング。最近は、共育(共に育つ)とい
  う字を当てるサロンが多い。
35.「共有」
  一つの話題を皆で共通認識すること。「シェアする」とも言う。共有
  していないと各自がバラバラの方向に動いてしまうので注意が必要。
  幹部会の検討結果が現場に報告されず、「聞いてません!」というサ
  ロン体質だけは最低限改善すべきである。
36.「グッド&ニュー」
  最新の新しいニュースをコメントすること。アイスブレーキングゲー
  ムとしてよく用いる。悪いニュースも発表ありで、その場合はリフレ
  イミングといって角度を変えてそこから学んだことを報告することで
  それも良いこととされる。朝礼などで定期的に実施することで、良い
  ところを見るという作業が日常的になり、グッド視点が確立される。
37.「クレド」
  経営理念や行動指針、スローガン、行動の規範、使命(ミッション)
  などの経営の信条を示す一連のものである。特にリッツカールトンホ
  テルのクレドが有名。これを真似て多くのサロンでも作成しているが
  実際に機能していないのはいかがなものか。
38.「経営理念」
  経営をしていく上で、一番大切にしている心の部分のこと。何のため
  に仕事をするのか、我々はこのサロン経営を通して何を成し遂げよう
  としているのかなどについて明文化されていること。この理念がしっ
  かりしていないと、サロンの方向性を見失ってしまう。
39.「経験」
  体験とは実際に自分の身体に覚えこんだこと。経験は体験よりも広く
  知識や印象・感動などの認知レベルも含む。自分が体験・経験をした
  ことを通してのみ人は語ることが出来る。
40.「傾聴」
  漠然と、漫然と聴くのではなく、耳を傾けて注意深く聴くこと。この
  傾聴と言う言葉の中には”積極的に聴く”という要素も含まれている。
  その時に聴いた話を次に伝えようとすれば、傾聴せざるを得ない。
41.「結果」
  結果はそれだけでは存在しない。起案~計画~目標設定~実践~フォ
  ロー&チェックがあって、結果がある。従って、結果はそのプロセス
  全体の要因を含んでいる。そのことを考えると、全てにその精度が問
  われる。簡単には目標と結果を比べることによって、成果を見つける
  ことが出来るが、未達成の要因は全てに潜んでいる。
42.「健康」
  ”健”はすこやかなこと。”康”はやすらかなこと。つまり、そのも
  のが正常な状態で機能していること。あなたのサロンは健康ですか?
43.「検証」
  出た結果を実際に調べて証明すること。こうすることによって軽視さ
  れがちな結果をノウハウとして再構築することが出来る。
44.「コアとフレーム」
  コアは核・中心。フレームは枠・周囲。原因から発生した結果が現象。
  つまり、現象を煮詰めていくと原因に突き当たる。原因は現象に隠さ
  れてなかなか見えないものである。それを突き止めるには「なぜ?」
  を数回繰り返すとよい。原因が突き止められれば「そのためには?」
  を数回繰り返して、効果的な行動を引き出すことが出来る。
45.「効果」
  期待通りの良い結果のこと。効果を得ようとすれば、それまでの全て
  の段階がうまく機能し、良い結果が得られるように仕組まれているこ
  とが大切である。行動計画の段階で「効果測定」欄(何によりそれを
  成し遂げたことが分かるのか?)を追加しておくと実行効率は途端に
  向上する。
46.「考察」
  対象となる事象を自分なりに考えて解き明かすこと。考察することに
  より研究心・探究心が向上し、イマジネーション(想像・創造)する
  力が自然と身に付く。
47.「行動」
  私は持論として「人間は、自分で考えたことは自分から進んで実行す
  る」という見解を持っている。このことは私には「自主活性型のサロ
  ンを作る上で、いやもっと広く言うと人間としての行動の大原則だ」
  と思えてならない。このことを前提にして、今やっているサロンの運
  営を全て見直してみて欲しい。
48.「効率」
  一度あることは二度ある。これを考えると、二度目は慣れているので
  早く終わるはずである。私は「人間は進化の動物である」と思ってい
  る。従って、より効率的にということは自然な欲求であると思う。
49.「合意形成」
  関係する者の意見がバラパラでは、方向性が定まらないし、それでは
  会社とは言えない。より良くするための建設的反対意見は歓迎だが、
  単に反対だけの意見は意味をなさない。合意を形成するだけで進行方
  向のパワーは、何倍にも増幅する。
50.「コーチング」
  個人の特性を生かした指導方法のテクニックの一つである。対象者は
  コーチの質問に対し、自分で考えたことを述べる。コーチはただそれ
  を聞き入れ、自主性を重んじて練習させる。素晴らしいコーチは、そ
  れだけでなく、フォーカスのポイントを心得ていて、ちょっとのヒン
  トで素晴らしい結果を与えることが出来る。

4.最後に

 う~~ん。段々長くなってしまいますわ。
 初めは150ワード、1回で書けるかと思いましたが、ムリムリ。
 今回は「あ」~「こ」まででしたね。
 ということで、3回シリーズになります。
 しかし、自分のワードを再確認する意味でも、70回目の節目というこ
とでも、このシリーズは意味がありますね。

 では、また次回お会いしましょう!

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