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メンター (支援者)

メルマガ再録 (2006年7月24日) 第22号


メンターとは、相手が自発的に自らの能力と可能性を最大限に発揮できるように支援できる人です。相手をやる気にさせる究極のリーダーといえるでしょう。

     < メンター(支援者) >

1.メンターとは?

 前回の前文で紹介した、次回感動セミナーにご登壇頂く福島先生の著書から、メンターとは何かについての文章を抜粋します。
 「メンターとは、相手が自発的に自らの能力と可能性を最大限に発揮する自立型人財に育成することが出来る人。他人をやる気にさせる究極のリーダーです。『見本』『信頼』『支援』という3つの行動基準こそが、メンターとしてのノウハウの全てです。」と書いておられます。
 今まで、メンターという言葉は知らなかったですが、私もコンサルタントとして15年やってきた中で、少なからずメンターという面も自分にはあるなあと思い、それを考えてみる良いチャンスとして、今回このテーマに取り組みました。
 今回は上記の文章から「見本」「信頼」「支援」という3つのキーワードを取り上げ、あくまでも私流にメンターについて考察してみたいと思います。

 ちなみに、今回参考にさせていただいた文献は以下の2冊です。興味のある方は、是非読んでみて下さい。
 ①「メンタリング・マネジメント」福島正伸著、ダイヤモンド社
 ②「会社の元気はメンターがつくる」福島正伸著、ダイヤモンド社

 メンター、コーチ、トレーナーの立ち位置を少し整理しておきましょう。
   ○メンター ・・・自発性を持たせる人、やる気にさせる人
   ○コーチ  ・・・本人の能力・特性を引き出す人。
   ○トレーナー・・・訓練により特性を伸ばす人。
 メンターは、より心寄り、トレーナーはより技術寄り、コーチはその中間ってな感じですかね。
 要するに、メンターは「メンターから支援を受ける人(メンティーまたはプロテギーという)の自発性に訴え、自分から動くという姿勢に気付かせる人」と言うことになるわけですね。

2.「見本」

 まずメンターの第1要素としての「見本」について考えてみます。
 見本になるということは、簡単に言えば、「相手を○○したければ、まず自分が○○する」と、サンプルになることです。
 ○○の部分にいろいろな言葉を入れてみてください。
 「やる気」「本気」「感動」「夢を持たす」「不平不満を言わない」「プラス思考」・・・
 相手は自分を映す鏡です。相手が動かないのは自分が動けていないからです。相手を見れば自分が分かります。いわゆるミラー現象です。
 だから「人の振り見て我振り直せ」ということわざがあるのです。
 自分を客観的に、冷静に見ることが出来れば、意外と「もっとこうしたら良いのに!」とか、「それは駄目でしょ!」とかが分かりやすいかも知れませんね。
 「見本」という意味には、「相手を見本とする」ということと、「自分が見本になる」という二つの意味があると思います。
 だから、自分の生き方は、自然と見本になっているのです。
 自分の背中を見せて育てるということです。自分の行動は周りから見られています
 だから、自分の生き方そのものを見せるという意識を持ってやっていくことが非常に大切な要素となるわけです。
 ある先生に、これからのリーダーは、私生活までオープン出来るくらいの者でないと付いてこないよと言われました。
 「矢は自分に向いている」という意識が自分を育て、同時に相手にもそれが伝わり、教育となるわけですね。

3.「信頼」

 「信頼とは、要求したことを確実に実行してくれると信じて、安心して任せる、あるいは依頼することです」と、㈱武蔵野の小山社長は書いておられます。
 相手を信頼出来ないと相手はどうなるでしょう。
 相手の期待に応えるどころか、自分の殻に閉じこもり、どっちでもいいやっという投げやりな気持ちになるでしょう。
 では、信頼するとどうですか?
 開放感を持ち、可能性を最大限に発揮し、期待に応えようとします。
 この様に、相手を信頼するということは、その本人のパワーを引き出す力になるということです。
 なぜでしょう?
 多分、信頼=安心=人間が本来持っている潜在意識に訴えかける=潜在パワーが発揮される、という図式になるのではないでしょうか。
 信頼関係を構築するには、自分の都合よりも、相手の都合を優先するということが大切です。
 3年ほど前に、北九州市の美容室バグジーの久保先生に会いに行ったことがあります。
 先生は、初対面の私達のために午後2時から夜中の1時まで、ずっと付き合って下さいました。あの忙しい先生が、私達2人だけのために11時間を一緒して下さったのです。何よりも先生の、人に対する姿勢にもの凄く感動しました。きっちり正面を向いて話するという先生の姿勢は、私に絶大な信頼感を与えました。
 つい忙しいと半分くらい仕事に意識が行ってしまい、正対しているその人を軽くあしらってしまう人っていますよね。あの人種、私、駄目です。その人の底が見えてしまいます。
 だから、絶対、今話をしている相手を最重視するという姿勢・習慣が必要です。そうするとミラーの法則で、相手も真剣になってくる。そこに信頼関係が自然と生まれる。
 私は、FISHでもそのことを学びました。
 フィッシュ哲学は、次の4項目からなっています。
   ①仕事を楽しむ
   ②お客様を楽しませる
   ③お客様に向き合う
   ④自分で態度を選ぶ
 この「③お客様に向き合う」が、相手に正対するという内容です。
 FISHは、魚市場の若者達の話ですが、考え方、姿勢によってどんな仕事も楽しく出来るというお話です。
 他のお客様も周りにはおられるが、一度目が合えば、その本人と二人きりのように話をする。それにより、真剣さ、信頼を感じさせるという内容です。
 やってみると、これがなかなか出来ない。
 しかし、意識してこれが出来るようになると、相手とのコミュニケーションは飛躍的によくなります。
 私も、このことについては常に心して久保先生とFISHを見習って実践しています。
 信頼関係は、相手をやる気にさせる魔法の力を持っているのです。

4.「支援」

 「相手の成果が出ないからと言って、途中でやめることは支援ではありません。支援の目的は相手をやる気にさせることであり、その活動としては相手に尽くすことです。支援において大切なことは、相手を思いやる気持ちです。」と福島先生の本にあります。
 本人の力を信じて、援助し続けることが大切です・・・これがなかなか出来ないんですね。どうしても何で出来ないのか?と注意をしたり、すぐ教えたり、管理をしたくなりますね。それは、支援し続けるということにはならないのです。相手の自発性を促すことがポイントなので、管理してしまってはメンターにはなれないのです。

 私は、それぞれの人はそれぞれ顔・形が違うように、違う個性、特性、能力を与えられてこの世に送り出されたという視点からものを考えています。
 こう考えると、画一的に指導・教育するのはおかしいと思います。個人個人に適した支援の方法があるように思います。
 メンターは、ある時はサポーターとして、ある時はバックアッパーとして、またある時はコーチとして、その本人に対し、無償の支援をし続けることが最も重要な要素です。
 だから、まず何よりもメンターが本気になって支援するという構えが大切です。
 支援された本人は、そこまでしてもらって申し訳ないという感動を受け、最後には本気に火が付くというプロセスになっていくわけです。

 支援のプロセス/テクニックには次の15項目があります。
  1)聞く「あなたの話を聞くだけで学ぶことが多くあります」
  2)相談に乗る、一緒に考える「一緒にこの問題を解決しましょうね」
  3)述べる「私ならこう考えます。私ならこうします。」
  4)助言する、提案する「この様な考え方もあります。」
  5)教える、指導する「例えればこの様なものです。」
  6)語る「私もこんな体験をしました。」
  7)励ます「私はあなたがどんな状況になったとしても応援し続けます。」
  8)誉める「まさか、ここまで出来るとは思いませんでした。」
  9)感謝する、感動する「ありがとうございます。感動しました。」
 10)委任する「失敗しても構いません。失敗から学ぶことがたくさんあります。それから学んでいけばいいのですから。」
 11)促す「やらずに後悔するよりも、やってみましょう。」
 12)導く、体験させる「私がここまでやります。その後で、あなたはここまでやってみてください。」
 13)出番を作る「私は今日からあなたが成功するまで、毎日励ましの手紙を書き続けます。」
 14)提供する「必要な物があれば言って下さい。(最小限)」
 15)そばにいる「大丈夫ですよ、ずっとそばにいますから。」
 要するに、相手を本気にさせることです。
 本気モードに突入したら、後はそれをキープするように支援していけばいいのです。
 相手をその気にさせることって、とっても難しいことです。
 そのためには、自分がまず本気になること。
 それはそうですよね、相手だけその気にさせて自分はしらけているなんてあり得ないですよね。
 これも、結局は自分磨きのテーマですね。

5.最後に

 今回は、メンターという新しい領域にチャレンジしたので消化不良気味ですがお許し頂きたいと思います。
 自分がやっているそのものなのですが、文字にするのは大変難しいテーマです。
 福島先生の受け売りになってしまった感があるのは申し訳ないですが、少しでも、メンターの役割って大切なことだなぁと感じ取って頂ければそれで今回のテーマは良しとしましょう。
 メンターが出来るようになれば、自主活性型サロンの構築、エンパワーメントされた組織は、グッと近づきそうですね。
 今後、サロンにおけるメンターの育成は欠かせないでしょう。
 今回のこのメルマガがそのきっかけになれば幸いです。
 最後に、そんな話をして頂ける福島先生に9月25日のCKEN感動セミナー最終回にご登壇頂きますので、是非足を運んで下さい。

6.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「改善ストーリー」について説明します。
 改善のステップを細かく解説します。
 お楽しみに!

ではまた次回もお会いしましょう!

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