| 心構えの技術
ポリシーとスタイル (自分らしさの構築)
メルマガ再録 (2006年11月27日) 第30号
「自分の信念(ポリシー)を貫くと、そこに一つのスタイルが構築される」ということです。皆さんも自分の信念を確立し、貫き、「君らしいなあ!」と言ってもらえるように自己研鑽しましょう。
< ポリシーとスタイル >
1.はじめに
谷口正和さんが書かれた「ポリシーとスタイル」という本を、10年くらい前に読みました。
なぜか、ピンと来ました。今でも脳裏に焼きついて離れません。
ポリシーとは「方針、政策、考え方」ということです。
スタイルとは「個人・階層・社会に特有な行動の仕方や考え方」を言います。
この2つを合わせて考えると「自分の方針や考え方により、自分の行動パターン・スタイルが確立される」という様に解釈できます。
ポリシーは「生き方」、スタイルは「生き様」と言ってもいいかもしれません。
「ポリシーを貫くと一つのスタイルが出来上がる」このことは、当たり前で当然のことですが、私にはなぜか非常に大事なことのように思えるのです。
では、なぜそう思えるのか、その謎を解き明かしてみましょう。
今、この文章を書いている時点では、自分では答えを持っていないので、自分探しみたいでワクワクします。
2.私のポリシー
まず、自分のポリシーを例に上げて確認してみます。
2005年7月に書いた詩があるので、それを見て下さい。
(ここから)
<ダディ詩集№51> 【オレ流生き方】
経営コンサルタントとして仕事をしている私が言うのもおかしいが夢を持ち、そのために目標・計画を立て、それを日々出来ているかチェックして・・・・・
仕事モードでは、まったく疲れないのだが、ブライベート、いや個人としてはそれって、正直疲れる。
「夢・目標・チェック」というプロセスは、それを達成しなければならないという強迫観念が発生し、ややもすると出来なかったらどうしようという恐怖に襲われて本当の自分の力が発揮できないのではないかと思ってしまう
ではどうすべきか?
先の方を意識するのではなく、「現実(足元)を見つめること」に力を注ぐべきだと思う。
少なくとも、自分はそうしている。
今を軽視して未来に焦点を絞ると、スタート地点が定まらないので、プロセスが成立しない。
そのせいで、フワフワしている人が多い様に思う。
もっと今を意識することにより、もっと気楽でフットワークの良い行動が出来て、そして本当に楽しんで目標が達成できる様になるのではないか!
谷口さんの夢は?と聞かれたら、かなり困る。
私はあまり明確で具体的な目標を持っていない。
これは「オレ流」である。
この生き方、スタイルは変えられない。
目標を持つことに力が入らないし、そんな必要性を感じない現在の延長線上に答えがあるのは分かっている。
だから、目標は要らない。
私自身の視点と焦点と表現が、内的に他と少し違うだけで外(他人)から見たら多くの人と同じかもしれないが、自分ではそう思って生きている。
これが「オレ流生き方」である。
(ここまで)
谷口さんがそういう(詩の様な)スタンスだったとは?、とビックリされる方があるでしょうが、私は至極普通ですよ。
個人の中に「プライベートモード」と「仕事モード」があるのですが、切って切れない関係にあります。
仕事モードでは、私は「自分の作り出した情報は出来る限り無料提供する」というポリシーを持っています。
だから、ホームページや本メルマガで、かなりの情報を公開していると皆ビックリしています。しかし、それが浸透していくと「谷口さんのスタンス」というものが定着して、その人のイメージが構築されて行きます。
そうすると、仕事がやりやすくなるんですね。これが。
これは、パーソナル戦略とでも名づけておきましょう。
まっ、世間ではパーソナルブランディングと言っていますがね。
3.あなたのポリシー
自分のポリシーとするものは、意外と自分の奥の方にあり、日常は意識していません。
そうです。それは、無意識の中にあります。
これの顕在化を試みることで、それが浮かび上がってきます。
「あなたのポリシーは、何ですか?」と尋ねた時、「人助けです」とか「みんなに感動を与えることです」とか「人の役に立つことです」とか答えます。
これは、まだまだ本当の自分のポリシーではなく、ポリシーを具現化する手段に過ぎません。
一番奥底にある自分の生き方について、今一度考えを思いめぐらせて下さい。
自分の考え方、行動の規範は何なんだろう。何に突き動かされているのだろうと考えてみて下さい。
深いですよ。多分、底なしだと思います。
だから、「宇宙は自分の心の中にある」と、誰か偉い方が言われていたのは、本当にそうだと思います。
結局は、自分が生まれてきた使命(ミッション)がポリシーとつながっているんだと思います。
つまり、自分の行動の判断基準になるものがポリシーと言っていいのではないでしょうか。
今回のテーマは、そのポリシーの持ち方、表現の仕方に付いて深く言及するものではありません。
だからさらっとここは流しましょう。
4.コアとフレームの関係
ポリシーはコア(真因)で、スタイルはフレーム(現象)です。
フレームを多く、深く分析すれば、コアに当たるわけです。
つまり行動がフレームですから、その行動を分析すれば、その人のコアは分かるということです。
しかし困ったことに、自分の行動と言うものは、自分では主観としてしか捉えられないのでなかなか的を得ないものです。
客観的に見ようとすれば、他人から自分を見てもらうことになります。
そういう機会があり、自分を見た正直な意見・感想をもらった場合、これがなかなか素直に受け止められないものです。
しかし、それは外側からの意見として、事実としてあるのです。
そこでそれを受け入れられなければ、その貴重な意見はドブに捨てることになります。
外から見た意見の重要性と言う話では、パーソナルカラー等もそうです。
自分の好きなカラーと客観的に似合うカラーとは違うと聞きます。
いくら自分が黄色が好きでも、専門家に見てもらえばブルーが似合うと言われることがあります。
さて、あなたならどうします。
5.自分らしさの発見
「自分らしさ」って言葉もありますね。
「自分らしく生きる」って、少し間違えばわがまま、利己主義って事と同じ様な意味になってしまうので要注意です。
しかし、本当に自分というものを見つけて邁進している人は素晴らしいですね。
周囲も認めて、応援したくなりますからね。
そういう人は、多分一つのスタイルを確立していると思われます。
立派な生き方をしようとか、偉い人になろうとか、そんな考え方は私は要らないと思います。
「自分らしく」生きること、それが大切です。
では、自分らしさってなんでしょう。
それがはっきりしないと、自分の人生の方向が定まりません。
自分の思う「らしさ」と、他人が見る「らしさ」には、一致する部分もありますが、「えっ、そんな風に見えてるの?」って部分もあります。
これって参考になりますよね。
「谷口さんらしいなぁ」といわれることは、周囲がそういうイメージで見ているということです。
自分が思っているイメージと違っていても、そう見えてるんなら、それを活かそうとするか、それを否定してあくまでも自分の主観で生きようと執着するかによって、それ以降の人生、大きく変わってきますね。
これは、生き方の問題ですからどちらともいえませんが、その自分らしさの追求は、今回のテーマに深く関わっていそうです。
6.ISM
ものの特性を表すのに「~イズム」という言葉があります。
既に「らしさ」を確立して、スタイルを確立し、広く認知された場合は「~イズム」として、公言されていますね。
しかし、そこまでいくには相当の実績と年月が掛かりそうですね。
ちなみに、「谷口さんらしさ」とか「谷口ISM」について、自己分析&周囲からの分析をしてみると、いろんなことが出てきて面白そうですね。
一度、やって見て下さい。
7.スタイル
自分のスタイルを分析したことがありますか?
その人の考え方・生き方は服装や人相に表れます。
自己主張のある人は、それなりの格好をしていますよね。
芸術家の先生とミュージシャンでは大違いですね。また、経営コンサルタントとアパレルの店員さんではこれまた両極端かも?
しかし、ヨサコイなどの踊りでチームをまとめている今村克彦さんみたいに、教師(共育者)でありながら暴走族のリーダーみたいな格好をしている人もいますね。
今村克彦サイト・・・http://www.pta-ing.com/
彼は、彼流のポリシーがきちっとあります。そして、あれが彼のスタイルなんですね。
そういえば、バグジーの久保華図八先生も、以前はバミューダズボン(7分丈)にビーチサンダル、アロハシャツと言ういでたちでしたね。
それはやはりポリシーがあって、自分とスタッフの間の誓いとして、自分が改心前の悪い自分に戻らないためにそうしていると言われていました。
その形をしているということは、そこに信念があるという事でしょう。
自信がないから皆と一緒の形をする(流行を追う)というのは、そこに主張がなく、弱いということでしょうね。
8.最後に
いろいろなキーワードを出して分析してきた経過により、かなり今回のテーマの謎が解けてきました。
「自分の信念を貫くと、そこに一つのスタイルが構築される」ということですね。
そういう人生を歩もう!ということです。
皆さんも自分の信念を確立し、貫き、「君らしいなあ!」と言ってもらえるように自己研鑽して下さい。
それに対し、このメルマガ「心と技のあいだ」が何らかのお役に立てれば幸いです。
9.次回案内
では、次回の案内です。
次回は「人材育成」です。
「人材」を「人財」に育成するポイントを考えます。
スタッフを抱えると必ずこの課題にぶつかります。
私の目から見た「育成」に付いて、考察してみます。