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FISH (楽しく働くための4つの信条)

メルマガ再録 (2008年6月9日) 第67号


FISHとは、職場と人生の新たな可能性についてのきっかけを提供してくれる4つの考え方です。「仕事を楽しむ」「お客様を楽しませる」「お客様に向き合う」「自分で態度を選ぶ」。

           < FISH >

1.はじめに

 今回のお題は「FISH」です。
 決してお魚のことを書くのではありません。
 FISHとは、職場と人生の新たな可能性についてのきっかけを提供し
てくれる考え方で、それをシンボル化した表現です。
 シアトルのパイクプレイス魚市場の店員たちは、楽しく仕事をするため
に4つの原理を信条として働いています。
 その内容・働きぶりが余りにも素晴らしので近隣の評判になり、さらに
世界から注目をされ、その考え方の真髄を「FISH」と名付けて、ビデ
オや本にもなっており、元気に働くためのバイブルとされるようになった
のです。
 というのが、FISHの背景です。
 今回は、その4つの原理を私なりに考察してみようと思います。

2.FISHオリジナル解釈

 FISH哲学のオリジナル解釈は、以下のようになっています。
(1)仕事を楽しむ
 「遊ぶ」とも表記されます。
 英語では「Play」です。
 楽しみながらやる仕事ははかどります。
 くつろいだ、自然な気持ちで重要な仕事に取り組むと、特に効果的です。
 やっている仕事に新たなエネルギーをもたらし、創造的な解決法を引き
 出すような心の状態のことでもあります。
(2)お客様を楽しませる
 「人を喜ばせる」とも表記されます。
 英語では「Make their day」です。
 ちょっとした親切や印象的な対応で人を喜ばせれば、日々のありふれた
 出会いさえも特別な思い出に変えることができます。
(3)お客様に向き合う
 「注意を向ける」とも表記されます。
 英語では「Be there」です。
 私たちはお互いに注意を向け合うことによって、気持ちを通じ合わせま
 す。
 何かに打ち込むために注意を向けることは良い方法です。
 他のことに気をとられながら身を入れずに仕事をすることが、疲れを生
 むのですから。
(4)自分で態度を選ぶ
 不満の種はいたるところにあります。
 英語では「Choose your attitude」です。
 だが人生がもたらすものにどう対処するかを選ぶ力が自分にあると分か
 れば、好ましい点を探し、想像もしなかったようなチャンスを見つける
 ことができます。
 自分が望ましくない態度をとっていると気付いた時は、別の態度を選ぶ
 ことが出来ます。

3.簡単なまとめ

 上記の説明は少々長いので、これを端的にまとめたものがありますので
紹介しましょう。
(1)仕事を楽しむ・・・・・仕事に遊びの要素を入れて楽しく働こう!
(2)お客様を楽しませる・・顧客満足(CS)は、ここから始まる。
(3)お客様に向き合う・・・いまそこにある仕事に誠心誠意集中しよう。
(4)自分で態度を選ぶ・・・辛い仕事も自分で決めればやりがいが出る。
 ここまでは、FISH【実践編】からの抜粋です。
 では、ここからは私の考察を加えてみます。

4.(1)仕事を楽しむ

 <仕事に遊びの要素を入れて、楽しく働こう!>
 仕事を楽しむというのは、個人的な仕事の価値観ですよね。
 私なんか、仕事を楽しまなくて何を楽しむのか!と言いたくなりますね。
 仕事を楽しんでいる人は生き生きしています。
 仕事を苦痛に思って、「やらなければ・・・」と思っている人の仕事ぶ
りは嫌々ですよね。
 どちらが良い仕事をするか、分かりきっていますね。
 どうせやるんだから、思い切って仕事を楽しんでしまえばいいのですよ。
 そのコツは、仕事を食ってしまい、ゲームにすることです。
 そう、ゲーム感覚だと、怖くないですよ。
 与えられた仕事、課題をクリヤーすれば、自分がエネルギーを充填して
もらえて、次のステージに燃料満タンで臨めると考えるのです。
 また、仕事から「学習させてもらえる」というのも良い考え方です。
 「今は学びの時なので、少々の失敗はいいんだ!」と思えれば、精一杯
チャレンジできます。
 失敗から学ぶことは大変多いのです。
 成功体験だけだと驕り(おごり)になってしまい、ついには大きな失敗
をしてしまう危険性があります。
 むしろ失敗は、成功のための糧になるというくらいに思って、もっとも
っとチャレンジしていくべきです。
 そういう環境を準備することが、素晴らしい職場を、そして人材を作っ
ていきます。
 もう一つは、志を持つことです。
 大志を抱き、未来を見据えれば、今の一歩はそれに続いています。
 そうすると、小さいミスなどヘッチャラです。
 「ゲーム」「学習」「大志」をキーワードに、仕事を楽しみましょう。
 そうそう、皆さんのサロンでも、仕事観について一度話し合ってみては
どうでしょう。
 きっと、有意義な価値観交換が出来ますよ。

5.(2)お客様を楽しませる

 <顧客満足(CS)は、ここから始まる>
 お客様を楽しませるには、何が必要でしょう?
 そうですね、自分が楽しいと思える感覚を持っていないと人は楽しませ
られないですね。
 自分はここが楽しい、満足感を感じる、また来てみたい等と思える感覚
がまず自分に備わっていないと、お客様が感じられるであろうポイントと
の比較が出来ないですよね。
 つまり、この命題は、エンターテイメント性を自分がどう持ち合わせる
かと言う課題になりますね。
 では、「楽しい」とはどういう状態でしょう?
 う~~ん、これって当たり前すぎて分かりにくい。・・・困った。
 そんな時は広辞苑です。
 「楽しい」=満足で愉快な気分である。快い。豊かである。
 「愉快」=楽しく心地よいこと。
 ついでに「エンターテイメント」についても調べました。
 「人々の感情に働きかけ、何らかの感動を起こさせ[楽しむこと」を目
的にした行為や催し物などのことである。」
 こう調べても「楽しい」の意味は、それを追求しても駄目みたいですね。
 では、楽しい状態をいくつか上げてみましょう。
   趣味をしている時
   良いことがあった時
   気の合った人とお話している時
   相手が嬉しくなることをサービスしている時  などなど。
 これらを総合して考えてみると、個人的には自分の好きなことをしてい
て気分が高揚している時であり、もう一つは相手を気持ちよくしている時
も自分も楽しいということになります。
 だから、自分が楽しめる人は相手も楽しませることが出来るのですね。
 いわゆる、エンターテイナーですね。
 自分は楽しいが、お客様を楽しませることが出来ない人は、楽しみの半
分しか出来ていないということですね。
 つまり、相手が楽しいということを推しはかってそれを提供することに
より相手が楽しいと思うことで自分が楽しいというロジックが成立するわ
けです。
 ややこしい話ですが、ゆっくり解釈してみて下さい。
 「自分だったらこうしてもらうと嬉しいな」ということが自分の中で自
然と沸いてくる感じ、その感覚を養うことが大切だということです。
 そして、それを相手にしてさしあげる、させて頂く、そういう良質なア
プローチが、極上のCSを作るためのサイクルだということです。

 ということで、相手が何を楽しいと思うのかと言うことにフォーカスす
ることがポイントであり、そのことに対してこちらが表現できるスキルを
身に付けるというサイクルを確立することが、この項の一つの答えといえ
るでしょう。

6.(3)お客様に向き合う

 <いまそこにある仕事に誠心誠意集中しよう>
 対面で話をしていて、視線が周囲に飛ぶ人がいますよね。
 それって、まことに嫌ですよね。
 私より周囲の動きが気になるわけです。
 「だったら、そちらに行って、先に用事を済ませれば!」と思いますね。
 意外に自分もやっているのかもしれませんが・・・・
 集中することがなぜ大事なのでしょう?
 逆に集中しないと何がデメリットなのでしょう?
 それは、集中しないと、核心に迫れないのです。
 散漫だと、気が入らない、集中しないので、いつまでも同じところをグ
ルグル廻る感じで、深く入れず、結果に近づかないのです。
 物事を考えたり、話をする場合、それに集中せず散漫だと前に進まない
ので答えが見つかってきません。
 友人と話をしているのならそれでも良いでしょうが、それでも上の空な
ら「あんた、何考えてんのよ!」と叱られることは間違いないですね。
 これって、基本中の基本ですが、本当の意味で、完璧に出来ている人は
少ないように思います。
 例えば、メールを送る・・・返事がない。そんな人に限って、次回会っ
た時に自分からはそのことを言わない。
 「メール見てくれた?」と催促したら「見た、見た」というだけ。
 それって、ダメでしょう。
 やっぱり「見たよ!」とか「了解」ってワンコメントでも返信しないと
いけないでしょう!
 これも上の空と一緒です。
 そんな意味で集中するということは本当に大切です。
 このFISHでは、通りがかりのお客様でも集中して対応するというこ
とを重視しています。
 そうすることにより、私は重要視されている、特別に扱ってくれている
という認識がお客様に生まれるのです。
 それって、大変重要な感覚です。
 お客様はその、何を置いても自分を大切にしてくれているという特別感
という感覚に酔ってしまい、思わずファンになってしまうという結果につな
がっているからです。
 通りがかりのお客様には何も出来ないと考えるのではなく、通りがかり
のお客様だからこそ出来るサービスを考えているのは、さすがFISHメ
ンバーだなあと感心させられます。
 本当の意味でお客様に向き会える人は、それだけで達人です。

7.(4)自分で態度を選ぶ

 <辛い仕事も、自分で決めればやりがいが出る>
 自分の行動は自分が決めているということを意外に忘れがちですよね。
 それは、しなければならない、そうせざるを得ない、日常的な行動なの
で考える必要が無い、これしか出来ない、などの理由で考えもしないこと
だと思います。
 「行動を考える」「自分の態度は選べる」のだという意識は余りにも自
然すぎてそのことについて立ち止まって考えようとしないのではないでし
ょうか。
 「態度を選ぶ」とは、自分の今の行動を振り返る一つのキーワードでし
ょう。
 「暗く行こう」と決めて一日を過ごすも「明るく、楽しくやろう」と一
日を過ごすのも、どちらでも出来ることです。
 その内面的なチョイスの結果は、すぐに表面的に現れなくても、心の内
で「明るく、楽しく」と思っていれば、それは必ず表情に出るはずですし、
言葉や行動の一部にも現れるはずです。
 最初のステップとしては、それでよいでしょう。
 しかし、ちょっとでもそれが表面的に出来るようになれば、それは急速
な変化を伴って良い方向に向かいます。
 周囲がそういう認識になれば、この変化は加速度がつき、すぐに本物に
なります。
 小さな習慣の積み重ねが、大きく人生を変えることになるのです。

9.最後に

 どうでしたか?
 教訓一杯の「FISH」、素晴らしかったでしょう!
 なぜ、今FISHなのかは自分でも不明ですが、どうも私の頭の中から
はこのFISHのことが離れないんですよね。
 まっ、CKEN感動セミナーの中でも言い続けたせいもありますがね。
 皆さんもこのFISH実践マニュアルを参考にして、「FISH」で充
実した日を過ごされますように・・・・・

 では、また次回お会いしましょう!

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