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人間力向上(前編) (人の根っこ作り)

メルマガ再録 (2008年10月13日) 第75号


全ては人が考え、実行することです。その人材の基礎を磨くことに対して、14の項目をリストアップして、その一つ一つに関して向上させるための考察を試みています。

         < 人間力向上(前編) >

1.はじめに

 「サービスはマニュアルでするものではありません。心から湧き出てく
る思いでさせて頂くことが本当のサービスで、それをホスピタリティーと
言います。」
 と、説明されても?
 仕事はそこそこ出来るが気配りになると?
 技術は出来るが、愛想がもう一つ?
 などというサロンスタッフさんの悩みを聞くことが多いですね。

 「こういう問題は個人にかかわることなので・・・」と言われるサロン
と、「いや本当、どうにかしたいのですが・・・」というサロンの2つの
パターンに分かれますね。
 その人間性などというエリアに入りたくないというサロンは、ビジネス
と割り切ってやっていくことになり、面貸しのサロンの方向に行きます。
 後者の「どうにかしたい」というサロンは、いつも悩んでいます。
 その悩みのポイントをいくつかに大別して、それについて細かく分析し、
対策を考えてみましょう。
 大項目は以下の通りです。
 ( 1)素直力
 ( 2)勤勉さ
 ( 3)思考力・向上心・勉強力
 ( 4)責任感
 ( 5)集中力
 ( 6)意志力・継続力
 ( 7)判断力・決断力
 ( 8)協調性
 ( 9)表現力
 (10)行動力
 (11)計画性
 (12)統率力・リーダーシップ
 (13)指導力
 (14)自主性
 上記は、厳密に言うと「人間力」という部分と「能力」という部分に分
かれるのでしょうが、一体となっているので、ここではあえて同等の扱い
をすることにしましたのでご了承下さい。

2.(1)素直力

 素直に勝るものはなし。
 しかし、これがなかなか出来ないですね。
 「素直になれ」と言っても、なかなか「我」が強くてなれない。
 自分を持っているということは大切だし、良いことだと分かっていても
なれない。頭じゃ分かっているが、行動がともなわない。
 さて、どうしましょう?
 そういう人には、こちらがメンターになってあげることが大切ですね。
 メンターは、以前にも本メルマガでも取り上げましたが以下の様に3つ
の要素に要約できます。
 1.見本になる(相手を~したければ、まず自分が~することである)
 2.信頼する(本人のパワーを引き出す力になる)
 3.支援する(相手を思いやる気持ちを持つこと)
 こちら側が相手の気持ちを本当に理解し、同調・協調して、育成してい
くというスタンスをきっちり持つことですね。
 本人は素直になりたくてもなれないというジレンマを持っているはずで
す。そこをしっかり見据えて、じっくり育成に取り組みましょう。

3.(2)勤勉さ

 「遅刻する」「手を抜く」「レッスンしない」
 彼らは、どう思ってそれをしているのでしょう。
 心のコンディションが100%ではないのでしょうね。
 ということは、その満たっていない不足分を自分で気付かせて、埋める
ように導いてあげることですね。
 こういう場合にナイスなテクニックがコーチングです。
 「最近どう?」、そう、例のやつです。
 軽い感じで話し出し、その原因をソフトに引き出し、本人のセリフで次
の行動を決めてもらうようにします。
 絶対にこちらから答えを言ってはいけません。あくまでも自主性を尊重
しなくてはなりません。
 長い目でみたら我慢も必要ということです。
 そして日頃から注意を払い、気にしているよと言うゼスチャーをしてあ
げることも考えてください。
 そういうこちらの行動が、本人の支えになるものです。

4.(3)思考力・向上心・勉強力

 「問題意識がない/薄い」「考えようとしない」「考え方を知らない」
こんな彼らをどの様に導くか?
 「考える気がない」と「考えたいけど考え方が分からない」とでは、表
面的には似ていますが非なるものです。
 「考える気がない」人には、考えることの楽しさを教えます。
 意見を言ってもどうせ取り上げてもらえないという過去の経験から閉じ
こもっていることがあります。
 その扉を再度こじ開けて、仕事の本質を教えて理解させ、一緒に楽しん
でいくことを訴えましょう。
 「考え方が分からない」人には、心と技のあいだのスキルを教えて下さ
い。
 ナタを持っていないと藪・雑木林は前に進めません。そんなツールを持
たせることにより、推進力が身に付くでしょう。

5.(4)責任感

 「最後までしない」「すぐ人に仕事を振る」「結果に対する責任を取ろ
うとしない」
 これらは自分の自信の無さから来ていますね。
 自信を持たせるための方法を考えましょう。
 責任とは、職務・使命に伴う果たすべき役割のことです。
 責任能力とは、職務・使命を果たすべき能力のことです。
 責任感とは、責任を重んじ、それを果たそうとする気持ちです。
 「責任を果たしていない」ということは、その役割を全うしていないと
いうことです。
 責任感が不足している人は、その職務・使命に対する認識が甘いという
ことなので、しっかりその部分を教育する必要があります。
 また、自信不足でそれができていないのなら、段階を追った責任の持た
せ方を工夫すべきです。
 つまり、過度の責任はそのプレッシャーで本人がつぶされてしまうこと
があるのです。
 サロン内ではこのケースを何回も見てきています。役職を任命した翌日
に、田舎に帰ってしまったということさえあるのです。
 だから、役職・責任を与える場合は、よく事前に話し合って、適切な範
囲の負荷に調整しておかないといけないと思います。
 責任を押し付けるのではなく、責任を全うできるようにサポートしてい
くことが大切です。
 そして、徐々にその範囲を増やして行き、しっかり責任の取れる人を作
っていきましょう
 細かいテクニックについては以下のキーワードが役に立つでしょう。
 ・自信を持たせる。
 ・随時、聞いて上げる。
 ・上の者がその人に合った仕事をやらせ、自信を持たせる。
 ・次の段階のことを考えさせる。
 ・繰り返し注意する。
 ・始めに宣言させる。
 ・皆で後押しする。
 ・言いやすい雰囲気を作って上げる。
 ・段階的にやらせる。
 ・良いところは誉める。
 ・仕事を振った後の自分の責任を考えるように言う。
 ・小さい企画からやらせてみる。
 ・教える側が粘り強く共育する根性が必要。

6.(5)集中力

 集中力が散漫だと、折角良いアイデアが浮かんでも、良い実行計画にな
りません。
 集中することにより、レベルが向上します。
 集中することにより本気になります。本気に勝るものはありません。
 本気になると、何も怖いものがなくなります。
 そんな、集中する方法を教えます。
 簡単に集中できるのは、自分の発想が一番冴える場所に座り、目を閉じ
ることです。
 そして、その課題をひとつひとつひも解き、書き出していきます。
 その関連性を線で結んだりしてイメージを具現化します。
 そうしてから一つづつの改善をじっくり考え、行動に落としていくとい
う方法が良いでしょう。
 集中できない時には集中しないことです。
 しかし、よく考えて下さい。
 締め切り前は集中しますよね。
 それは、他の要件を無視せざるを得なくて、それだけに集中せざるを得
ないという強制的環境がそこにあるからです。
 締め切り前にその環境が作れるように努力しましょう。

7.(6)意志力・継続力

 「すぐあきらめる」「途中で投げ出す」「わすれてしまう」などという
傾向の人がいます。
 そこで「夢のリフレッシュ」という言葉を作りました。
 宝石だって、ハサミだって、鏡だって、磨かないと光らないし、使い物
にならないのです。
 夢も目的も、磨かないと鈍るし、光らないのです。
 「夢のリフレッシュ」してますか?
 全ては酸化して鈍るのだということを念頭に入れておきましょう。
 さて、意志が弱い人、継続力がない人に共通するものはなんでしょう?
 やり遂げる気が薄いということでしょう。
 それをやったからといって、やらなかったからといって、余り実害や達
成の報奨、やったった感がないということでしょう。
 それなら逆に、厳しいペナルティや豪華な達成賞品を提供すればやるで
しょうか?・・・やらない人はやらないのです。やれないのです。
 結局は、続け方を知らないのです。
 意志が弱いと片付けてはいけません。
 続ける方法を教えてあげてください。
 続ける方法ですか?・・・それは、「夢のリフレッシュ」です。

8.(7)判断力・決断力

 「判断出来ない」「優柔不断である」「判断・決断が遅い」そんな傾向
の人に対する対策です。
 判断力・決断力に欠けるという人は、日頃からの考え方のクセだと思い
ます。
 大概ですが、「この対策が最高のものとは思えない」「他にもっと良い
ものがあるのではないか」「今これに決めると後で後悔するのでははない
か」などと、現状に目を向けず、将来のベター、ベストに気を取られてい
る傾向にあります。
 この考え方は、「そりゃ、そうです」。
 現状におけるベストは、未来からみたら駄アイデアかもしれません。
 しかし、そればかりに囚われていると、機を逸します。
 だから、今のベストを信じることです。
 駄案かも知れませんが、皆でそれを信じて磨き上げることによって、
素晴らしい実行案にもなるのです。
 相手を信じ、チームを信じ、サロンの皆を信じて判断・決断すること
により、皆のパワーが結集し、思う以上の成功が待っているのです。

9.最後に

 一回で書けるかと思いましたが、またまた長文になってしまったので、
前後編に分けることにしました。
 では、また次回お楽しみに!

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