| 実践技術
組織論 (目的を達成するための戦闘態勢)
メルマガ再録 (2006年8月28日) 第24号
会社組織とは、意識的で、計画的で、目的を持つ人々の相互間のつながりです。意識も無く、計画性も無く、目的もはっきりせず、相互間で協力して働こうとしないものは組織ではありません。
< 組 織 論 >
1.はじめに
今回は、組織論というタイトルなんですが、なぜ、このタイトルが出てきたのかは、数回前のメルマガ作文中のことで忘れてしまいましたが、私ごときに組織について全てを書けるはずも無く、ではということで、私流に料理してみたいと思います。
自分で考えといて、先行き不安・・・どうなることやら。
精一杯頑張ります。1つでも、ヒントがあれば良しとして下さい。
2.組織とは?
例によって、「組織」をインターネットで検索しました。
そうすると、次の文章が出てきました。
「バーナードは、公式組織を『意識的で、計画的で、目的を持つ様な人々相互間の協働である』と定義した。」
なかなか深い。
ということは、意識も無く、計画性も無く、目的もはっきりせず、相互間で協力して働こうとしないものは組織ではないということですね。
では、本当の意味の組織をどの様に作っていくかにフォーカスを当てて考えてみます。
3.組織の形態について
ちょっと横道にそれるかもしれませんが、「組織」イコール「システム」と解釈している人も多いでしょう。
しかし、組織とシステムは異なります。
システムは「個々の要素が有機的に組み合わされた一定のまとまりを持つ全体」と定義すると組織と似ていますが、「入力・変換・出力の三要素から構成される単位」と捉えると、組織と言うよりプロジェクトに近いニュアンスになりますね。
しかし、システムって、第5号で取り上げた「ホッパー図」と全く同じ概念ですね。あらためて勉強になりました。
組織は、あくまでも人のつながりがメインであって、機器はツールとしての扱いのみです。
プロジェクトは一時的な組織形態です。
プロジェクトの定義としては「期限があり、唯一の成果物(モノやコト)を生み出す仕事をするタスクフォース(仕事完遂)型のテンポラリー(一時的な)集団です。
また、ホロン型組織というものもあります。
ホロンの定義です。「全体の一部として機能もしているが、それ自体も全体としての機能を持っている。ホロンは、全体子ともいう。」
例えば、人体という全体を構成する要素(部分)である細胞も臓器も、ホロンであると言えます。
ホロン型組織は、一般企業では松下電器などがやっていた事業部制をイメージしてもらえると分かりやすいかな?
サロンの現実的な組織形態としては「オーナー型」「独裁型」「カリスマ型」「フラット型」「運営委員会型」などがありますが、ここでは詳細説明は省略させてもらいます。
4.これからの組織について
これからの組織は、次の要素を含んでいることが大切だと思います。
A.組織は、自主活性型であること。
B.組織は、支援型であること。
C.組織は、フォーメーション重視であること。
D.組織は、ホロン型であること。
では、これらについて、詳しく説明します。
「A.組織は、自主活性型であること」
個人としての力を付けるには、「自分で考える力」を身に付けることが大切でしょう。
そのためには、「心と技のあいだ」を勉強することですね。
個人に焦点を当て、その能力を最大限引き出す勉強をしているサロンはまだ見受けられません。CKENとしては、今後このあたりのセミナーを企画したいですね。
その前に、サロン自体がそのことに気付く必要があります。
サロンが、各自のパワーを引き出し、周知を集めるという方向性をまず示し、それからエンパワーメントであったり、スタッフ教育であったりをきっちり進めて行くという基本姿勢が大切です。
「B.組織は、支援型であること」
支援型組織であるということは、スタッフが第一線でお客様に正対するポジションであり、管理職は支援職であるということが明確になっているということが前提になります。
通常、支援型組織は逆三角形組織といわれる形態で、お客様が一番上にあり、次に現場スタッフがあり、その下に中間支援職(チーフ~店長)があり、さらにその下に幹部支援職がいるという形の組織です。
この組織の利点は、最前線のスタッフの認識が高くなるということです。
「管理」と言う言葉からは「義務・責任、ノルマ」等、「支援」という言葉からは「支える、応援する」等のイメージが連想されますね。
当然、やる気を出すのは、管理されているというより、支援されているという方が「自己重要感」を感じて働くのは間違いの無いところですね。
組織の管理技術を教えるセミナーはあっても、組織を支援するという視点のセミナーはまだありませんね。
これからは、そんなセミナーが増えるのではないでしょうか?
「C.組織は、フォーメーション重視であること」
成長のためにはいろいろな課題が生まれます。
それらを改善・解決していくためには、問題・課題が発生した時点でフレックス(自在)に動けるユニットを作り協働でそれをクリヤーしていくという構えが必要です。
スピード、決断力、適応力がないとこれからの時代、苦労しますね。
だから、有事(物事が発生する時点)に備えて、フレックスフォーメーションを準備しておくことが重要です。
備えあれば憂いなしです。
「D.組織は、ホロン型であること」
各店、各部署が独立して動くことのアドバンテージ(優位性)は、いろいろ考えられます。
権限委譲が進んでいるサロンは、ジャッジ(判断)が早い。判断が早いということはお客様に快適に対応できるということです。さらに、いろいろなオリジナルサービス、スペシャルサプライズをすることが可能になります。
さらに、個別採算をしていくので、本部から言わなくても、売上・経費・利益という視点が自然にシビアーになります。薬剤の使用量等にも目が行くことになり、改善されていきます。
それは、個としての動きですが、全体としての動きにも違いが出ます。
それぞれが独立しているので、個と個の間に良い意味の競争心が芽生えます。
但し、全体として支援する部隊が必要です。管理ではなく、あくまでも支援と言う立場で考えることがポイントです。
部分と全体と言う考え方が上手く機能すれば、組織は最高の力を発揮します。
5.生きた組織
組織は植物みたいなものです。
植物は、水をやり、肥料を与え、太陽に当ててやり、新鮮な空気にさらさないと、花も咲かないし、葉が枯れて、根が腐っていきます。
生きた組織も同じです。常に情報という水をやり、コンセプトという栄養を与え、おもいやりという太陽に当ててやり、共有という空気にさらさないと組織も腐ってしまいます。
そのためには、根っこから理解し合えているという実感、合意が形成されているという観念を共有していること先決です。
本音で話し合える仲間として、本当に理解し合えている者同士の集まりが一番団結力があり、力を発揮することは自明の理です。
そうなるためには、さらに何が必要でしょう?
お互いの信頼度を向上することですね。
ではさらに、信頼度を向上するには何をすればよいのでしょう。
答えはいろいろあるでしょうが、私は「クイックレスポンス」と言います。クイックレスポンスは、素早い反応です。素早く反応することで常に相手に意識を集中しているという姿勢が示せます。
横向きで、視線を合わさず話をされたら、信頼出来ないですよね。逆に、正対して目を見て話されたら信用、信頼しますよね。
これが大切です。
全てのオーナーは「打てば響く組織」を作りたいと言われます。
これを作るには、まず自分がスタッフに正対してクイックレスポンスを繰り返すことです。自分に矢印を向けることです。
それが、生きた組織、素晴らしい組織を作るということです。
そして、それを定着させ、伝統までに高めることです。
それが出来ずして、他人に(スタッフに)いくら要求しても、出来るはずもありません。
オーナーは自分が見本を示すということを忘れています。下のスタッフは、オーナーを見て育っているのです。それは当然、自然のことです。
現在の組織は、オーナーのミラー現象であることを再認識して下さい。
そして、素晴らしい組織を作る努力をしましょう。
6.最後に
今回の組織論、本当に私流の解釈でした。
もっと一般的に組織を勉強したい場合は、他の書籍などを探して下さい。
今回は、事例が無かったので少し短めでしたが、お役に立ちましたか?
通常、サロンにおいて、組織などは気にせず営業から自然に出来上がる流れでやっていますが、きっちりこういう組織を作りたいということで先を見据えてやっていくことが大切であるということがお分かりになって頂ければ今回のメルマガも一石を投じたことになりますね。
7.次回案内
では、次回の案内です。
次回は、「事務局」について考えてみます。
なんじゃそれ?って突っ込まれそうですが、これが以外に味のあるテーマだと自分では思っています。
次回もまたお役に立てるメルマガを目指して、作文します。
応援よろしくです。
ではまた次回もお会いしましょう!