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議事録の書き方 (会議のポイントを押さえた記録の仕方)

メルマガ再録 (2006年10月9日) 第27号


議事録とは、その会議の内容を書き留めることです。議事録の役割・機能としては、「会議内容証明」「再確認時に利用」「出席者・欠席者,及び知らせるべき人への情報の共有」「宿題の確認」等です。

< 議事録の書き方 >

1.はじめに

 本メルマガの第15号「ドキュメント技術」の項目で議事録についても書きましたが、もう少し詳しく説明して欲しいということで、今回はそのリクエストに応えて議事録のディテイル(詳細)について説明しましょう。
 そのときの内容と少しかぶると思いますが、お許し下さい。
 その前に余談を少しばかり。私の議事録歴は少々長いです。
 昭和51年~53年にかけて、当時勤めていた製造会社で品質管理を任されることになり、TQC運動を展開しました。その時から、議事録を取り続けています。
 なぜか、記録に執着するんですよね。何ででしょうね。自分でもここまでこだわるのは不思議です。
 多分、後付ですが、「その時点のことを大切にし、尊重し、時間に流されない自分と言うものを大切にしている!」ってな感じでしょうかねぇ。
 ざっと計算してみましょう。1回の議事録で平均2ページ、1週間に3回議事録を書くとすれば次の式で、書いてきた枚数が計算できます。
 52週×3回×2ページ×30年間=9360ページ
 この実績を元にして、さて説明開始です。

2.議事録の機能

 議事録は何のために作成するかと言うことを、まず良く理解する必要があります。
 議事録とは、その会議の内容を書き留める(文書にする)ことです。
 議事録の役割・機能としては、「当日の証し」「再確認時に利用」「出席者・欠席者・知らせるべき人への情報の共有」「宿題の確認」等です。
 それらの要件を満たしているものにしなければ満足な議事録とは言えません。常にこれらを念頭において、議事録作成に努力します。

3.議事録用紙に付いて

 議事録は一定のフォーマット(様式)がある方がベターです。
 毎回違う様式だと、イメージが湧かないからです。もっと言えば、専用の様式、例えばマークなどをタイトル部に付けておけば、一目でそれと分かるので良いでしょう。
 私が使用しているフォーマットは、自分で作ったものですが、次の項目から出来ています

 まず1ページ目のヘッダー部です。
 1行目、ページの表示。全体が何ページでこのページは何枚目かを表しています。Page1/2は、2ページあるうちの1ページ目ということを示します。
 2行目、《議事録》の文字です。その右には記録者の氏名を書く欄があります。
 3行目、会合名のタイトルです。「○○サロン幹部会」という感じです。
その右にその会議の個別回数を記入する欄があります。さらにその右に通算回数を書く欄があります。個別回数は、この場合は幹部会の回数です。
通算回数はそのサロンが他にも議事録を作成している場合は、サロンとしての通番を書きます。
 4行目は、開催日時です。開催日、曜日、開始時刻~終了時刻を記入します。
 5行目は、出席者です。定例メンバーで出席した者の名前を書きます。顔見知りで定例になっている場合は役職・敬称は省略可です。次に欠席者は「欠席者:○○、○○」として記載し、絶対に省略してはいけません。
複数行にわたる場合は、行を増やしても構いません。出席メンバーが多い場合は「出席者は本文に記載」として、この欄への記入を省略しても構いません。定例メンバー以外に特別出席者がいる場合も記入します。次に遅刻・中座、早退の場合の記入方法です。遅刻者は(19:30~)、早退は(~20:30)と記します。中座は(中座19:30~20:30)と書いたほうが分かりやすいです。出席者の状況を把握するのは相当難しいですよ。議事の方に気を取られて、遅刻者の参加時刻などうっかり見過ごすということがよくありますので、要注意です。
 6行目は、開催場所です。
 7行目は、配布資料です。紙のサイズとページ数を書きます。(A4-P2)と書けば、A4サイズの紙が2ページ配布されたことを示します。
 8行目は、前回開催日です。定例会議なら前回の開催日があるのでそれを記載します。その右に前回の個別回数と通算回数を併記します。
 9行目は、配布先です。出席者以外に特別配布する必要がある時にこの欄に記入します。
 以上のヘッダー部は、罫線で囲っておきます。
 次はボディ部です。
 ボディ部は、本文を書くところですが、右端の2文字ほどを記入禁止エリアにしてに宿題マークを付けるところとします。こちらは本文エリアと宿題エリアを罫線で区切って示します。この宿題マークは後ほど説明します。
 次に2ページ目のヘッダー部です。
 1行目に、会議の名称、個別回数、通算回数とページを書きます。
 ボディ部は、1ページ目と同じです。
 では、記録の取り方のポイントを説明します。

4.記録方法について

 記録の方法は各種あります。
 口頭発言をその場で筆記する方法、ボイスレコーダーまたはビデオカメラで記録して後から文字起こしする方法、パソコンにダイレクトに入力していく方法などがありますが、それぞれ一長一短です。
 筆記方法の長所はメモを取りながらその会議にも参加できます。短所は全てを筆記仕切れないところです。
 ボイスレコーダーの長所は、その場の会議に完全参加できます。しかし、後から聞き直して文字にする作業に時間がかかります。
 パソコン入力方法の長所は、その場で議事録が仕上がるというスピード感は最高ですが、会議に参加・集中できないというのが最大の欠点です。
 とまあ、いろいろ考えるのですが、最高のパターンは、その場で書いたメモがそのまま議事録になれば良いですよね。
 ということで、その解決策として最近は、ホワイトボードへの詳細記入~デジカメ撮影~清書時にそれを貼り付けるということがマイブームになっています。

5.会議別のポイント

 商品開発会議、企画会議などの場合、誰が何を言ったかと言う記録より、どんなプロセスで結論に至ったか、その企画内容とはどんなものかと言うことがポイントになります。
 プロジェクト会議では、計画のフォローとこれからの日程調整、実行計画が主になるでしょう。
 サロンの全体ミーティングでは、全体の動きを調整するために反省と目標設定が不可欠です。
 幹部会では、反省、今後の計画と責任分担などがはっきりしないと記録が出来ません。
 いろいろな会議がありますが、これらのポイントを押さえて、どの様に記録を書くことが一番適切かを事前に考えておくことが大切です。

6.メモの取り方

 では、メモの取り方を具体例に説明します。
 まず、今何のテーマについて話しているかと言うタイトルの把握が大切です。これがはっきり分からないと、結論は何なのかを聞き逃してしまい、分からなくなります。
 ホワイトボードに本日の議題(タイトル)を書きます。が、これ以外に横道にそれることが多くあります。しかし、関連事項なのですぐに元に戻せない場合は、横道にそれたなりのテーマ(タイトル)を仮に付けます。
 何に付いて話しているかが最重要です。そして、その内容をメモします。
 初心者でも、ベテランでも全部の記録を取れるわけがありません。また取る必要もありません。
 だから、まずエッセンス(キーワード)を書き取ることです。この人は何を言いたいのかさえ分かれば、その時点で本人が発言したキーワードを書き取ることです。それは最初はしんどい作業かもしれませんが、徐々に慣れてきます。それが出来るようになったら側の言葉も付け加えて行けば良いのです。
 谷口さんは速記をしているのですか?と聞かれるのですが、全然そんなことありません。普通の字です。早書きするので、誰が見てもそれが文字であることが分からないくらいですが、、、。
 字のきれい汚い、丁寧雑いは関係ありません。要するに、後から清書する時に思い出せさえすれば良いのですから。
 不思議なもので、キーワードさえあれば後は思い出すものです。思い出せないというのは、キーワードごと忘れるからです。これは長年の経験で間違いありません。
 実際に仕事がたまって、2週間くらい後に書く議事録でもキーワードさえあればほとんど再現できます。
 「人間の脳は全てを覚えている。再現できないのは、それを思い出すことが出来ないだけである。」ということを聞きます。ということで、その思い出すきっかけが、議事録のキーワードなのです。
 慣れてくると、できるだけ注意深く聴き、そのキーワードを細かくしていきます。そうすることで、詳細な議事録が出来上がります。

 ホワイトボードを使う方法が初心者にはいいかも知れません。
 記録者は進んでホワイトボードに会議の経過を記録していきます。それは参加者にもボードに集中させることにより、かなりのよい効果が期待できます。ボード会議の可能性を今後はもっと拡大して行きたいですね。
 ボードに書かれた文字をデジカメで撮影して、議事録に貼り付ければ、一石二鳥です。

 パワーポイントを使用しての会議などでは、記録が逆に難しくなります。
 多分、口頭で説明される部分がチェックポイントだと思われるので、スライドを無視し、説明部分を中心にメモします。
 そして、後からパワーポイントのデータをJPEG(データ圧縮方式)にして作者から頂き、議事録に貼り付ける方法がベターです。

7.清書にあたり

 本文最初の部分に、前回から今回までの間に、特別残しておきたい動きがあった場合は、「●経過」として特別記載することが良いでしょう。
 本文の清書ですが、検討議題はタイトルとして「1.2.3.~」の番号を付けて目立つ様にします。
 5~6文字下げで中項目のタイトル、そして、さらに5~6文字下げて詳しい内容の小項目を記載します。
 中項目と小項目は「・」中点を行頭に打ってから書き出します。場合によっては、< >などで中項目を強調することも良いでしょう。
 ホワイトボート写真や参考資料の写真なども入れると分かりやすいです。
特にボード写真は、当日の会議のものですので、臨場感がそのまま伝わるので多用して下さい。
 特に、宿題として明確になっている部分に付いては、右端の空白部分を利用して、宿題(1)(2)(3)のマークを付けておきます。欠席者は自分に関係する宿題マークは特に気を付けてチェックします。
 清書は2~3日以内、遅くとも1週間以内には書き上げましょう。

8.配布にあたり

 コピー配布の場合。大抵の資料は左綴じですので、左上部にホッチキスと8cmの2穴綴じ穴を開けておくようにします。
 メールでの配信は、定例会議の場合、宛名をグルーピングしておくと一斉にメールが出せるので便利
です。

9.最後に

 議事録は、記録でもあり情報源です。
 議事録を上手く活用することにより、会議の生産性を高めるようにしましょう。
 また、未公開の話などが織り込まれた議事録の扱いは、特に注意が必要ですので、予め配布方法、保管方法を打ち合わせておきましょう。

10.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「企画書の書き方」です。
 メルマガ№19で企画開発技法をテーマにしましたが、これも今回と同じ様に企画書の書き方に付いて詳細を教えて欲しいというリクエストがあったので、このテーマについて書いてみます。

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