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目標達成 (狙った成果を得るために)

メルマガ再録 (2007年2月12日) 第35号


「テーマ決定~テーマ分析~改善計画~行動計画~実行~評価システム」というステップの中で各要素の詳細を考察し、各項目のポイントを書いています。

  < 目標達成 >

1.はじめに

 「目標達成」という漠然としたテーマをなぜ思いついたのだろう?と自
分でも不思議で、とまどっているところです。
 こんな場合は「谷口さんならなんとかするだろう」と、自分に期待する
しかありませんね。
 バックナンバー23「改善ストーリー」でも良く似た内容で書いていま
すが、今回は、あくまでも目標を必達するということに重点を置いて書い
てみますので、合わせて見て下さい。
 さてと、何からはじめるかな?

2.目標達成に必要な要素

 まず、目標達成に必要な要素をリストアップしてみましょう
A.「テーマ決定」
 ・ニーズ把握、要望聴取、現状分析、現状認知、問題点把握、課題提起、
  テーマ決定
B.「テーマ分析」
 ・テーマ定義化、データ採取、データ分析、経費認識、採算分岐点
C.「改善計画」
 ・要望/希望聴取、目標レベル認知、目標範囲、シミュレーション(試
  行)、周知集め、改善ミーティング、改善案作成
D.「行動計画」
 ・行動実行計画、フォロー体制、主担当者決定、チェック者決定、報告
  会日程
E.「実行」
 ・周知徹底、エンロール(巻き込み)、実行、達成意識、継続意識、チ
  ームワーク、報連相、中間フォロー/チェック、結果分析、改良
F.「評価システム」
 ・学習ポイント認識、ノウハウ共有(ナレッジマネジメント)、歯止め、
  標準化、マニュアル化、

 ざっとこんな感じだと思います。
 では次に、その詳細を考察します。

3.「テーマ決定」

 まず、テーマを決定することです。例えば、お客様のクレームが多いの
で、これを減少させる事を上司から言われたとします。
 そうすると、単純にはクレームの減少ですが、現状はどうなっているの
か?、内容はどうなのか?、誰が多く発生させているのか?、果たして本
当に問題なのは何か?などについて検討を開始することです。
 そして、本当のテーマを見つけることです。

4.「テーマ分析」

 本当のテーマが見つかったら、今度はそれについての細かいデータを集
めます。
 例えば、利益確保というテーマだったとすれば、過去の数年の売上と経
費の数字はどうだったのか?スタッフは何人いて、生産性はどうだったの
か?いくら利益を確保すれば良いのか?等々のテーマに関するデータを出
来るだけ細かく収集することが必要です。
 売上を伸ばす場合などは、戦力把握も忘れずしっかりしておかないとい
けませんね。

5.「改善計画」

 ここに来て、初めて改善の検討を開始します。
 しかし、その前に、今取り組もうとしているテーマの目指すところ、つ
まり目的と着地点を再確認することが必要です。
 このテーマは、どれだけの範囲で、どれだけの深さまで改善すべきかと
いうことによって、改善すべき範囲が変わってきます。
 小手先でよいのか、根本的な体質改善まで必要なのかなどを前提条件と
して認識しておくことが必要です。
 そして、データを元に、周知(全員の知恵)を集めて改善案を考えます。
 集客がテーマであれば、過去の販売促進活動による実績データや、最近
のお客様の傾向、さらにスタッフ別の失客率データ、紹介比率データ、来
店サイクルデータなどを元に、集客方法を話し合います。
 この時、過去だけにこだわるのではなく、自店の強みの強化や、世の中
のトレンド、地域の流行であるFads(ファズ)についても考えに入れ
る必要があります。
 このように、サロンを中心に、360度の全方向から自店を改善分析す
る視点と視野が必要です。
 そうすると、今まで見えなかったものが見えてくるでしょう。
 改善案は、複合してさらに良い案が出ることがあります。
 だから、視覚化して進行することが望まれます。
 改善案は、この段階ではアイデアの状況ですが、次のステッフで実行計
画にまで砕いて具体化します。

6.「行動計画」

 目標を達成するには、前項までの段階が非常に重要な要素です。
 つまり、準備率が良くないと実行率が上がらないということです。
 行動実行計画のポイントは、以前バックナンバー10で書いた「A→D
変換」です。
 A→D変換は、アナログ表現でなく、デジタル表現にするということで
す。つまり、だれもがそれを実行したか、していないかが分かる表現方法
にするということです。
 この変換が出来ていないと、本当に実行率が悪いです。これをもっとも
っと認識・浸透させて欲しいと思います。
 A→D変換が出来るかできないかが、その課題が実行できるか出来ない
かの別れ道になるといっても過言ではありません。
 それから、行動計画のスケジュール作成段階においての日程記入は、結
構経験がものを言います。
 というのは、その取り組み内容がどれくらいの時間・日数がかかるもの
かと言う基準は、経験則によるからです。
 簡単な様でも、実は裏に細かい配慮がいったり、トラブルがつきまとっ
たりということで時間がかかる等ということは、経験者でないと分らない
事が多いからです。
 全体の進行をバランスよく日程調整し、誤差の少ない計画に仕上げるこ
とが大切です。

7.「実行」

 実行に入る前のポイントとしては、行動計画の周知徹底をすべきだと言
うことです。
 関係者を巻き込んで(エンロール)、全体として進行していく、そして
その経過を逐次全員に知らせて、血の通った報告、情報を流していく。
 そのことにより、また周囲からの協力が得られて、結果が促進される。
 そういう実行のサイクルに持ち込めれば、もう目標の達成は間違いあり
ません。
 結果というものは、結果だけで存在するものではなく、プロセスからの
延長線上にあるということを良く認識する必要があります。
 そして、もっとも重要なことは、何より「目標を必達するぞ!」という
達成意識です。これなくして、目標達成はあり得ません。
 はじめから無理だと思っていれば、必ず挫折します。
 人間のイメージする力はそうなっているのです。
 駄目だと思うのは、計画自体が満ちたっていないということです。だか
ら実行の前に、100%成功すると思える計画が必要です。
 だから、前項の行動実行計画が、本当に重要な要素を占めているのです。
 それから、チームワークも大切です。
 目標は1人では達成できません。
 周囲の協力、支えがないとその目標は達成できません。
 チームワークを本当に考えるなら、相手のことを思いやり、大切にする
心、感謝の念を忘れないことです。
 そうすると、全体の雰囲気が良くなり、おまけにお客様からの信頼も厚
くなります。
 中間でフォロー&チェックする体制を是非作っておいて下さい。
 月間であれば10日目チェックを怠らずに・・・・
 そして、そこで未達成の部分をどのように達成するかについて、即刻会
議を開き、次の手を打つようにします。
 この時、計画段階から、予め打つ手を準備しておくことが必要です。
 「そこまで考えられないよ!」という声が飛んできそうですが、目標必
達という大命題をこなすには、それくらいの準備が出来ていないと本当に
は達成できませんよ。
 フォロー&チェックは一段落してからという感じがありますが、私は実
行途中の一部に含むと考えています。
 実行が終わって、対象期間が済んでからフォロー&チェックしても、そ
れはもう終わったことを振り替えるだけのことで、次回には役立つかも知
れませんが、その考え方は、その月の達成を保証するものではありません。
 結果、後追いの悪循環を繰り返すだけのことです。
 だから、その悪循環を断ち切り脱出するには「事前に徹底的に準備する」
ということが必要なのです。
 至極当たり前のことですが、これが出来ていないんですね。
 今回のメルマガで言いたいことは、このことです。
 だから、150%くらいの達成準備率で望まないと、目標は必達出来な
と言うことを肝に銘じて下さい。

8.「評価システム」

 評価システムは2面があります。
 一つは、いわゆるニンジンです。
 馬の前にニンジンをぶら下げてやれば、馬はそれ欲しさにどんどん前に
走るという仕組みです。
 この目標を達成したら報奨金が出るという様なことです。これはこれで
良いと思いますが、誰もがチャレンジ出来て、公平に評価されるというこ
とがきっちり出来ていないと、返って逆効果になることがあるので要注意
です。
 みんなの前で褒めて上げるだけでも充分意識は高まるものです。
 もう一つは、1ヶ月間の内に学んだことや作り上げたノウハウを共有す
るという仕組みを作ることです。
 いわゆるナレッジマネージメント(個人の持つ知識や情報を組織全体で
共有し、有効に活用することで業績を上げようという経営手法)と言われ
るものですが、これがサロンを成長させる元になります。
 この貴重なノウハウ・学びをドブに捨てているサロンがどれほど多い事
でしょう。
 このナレッジマネジメントについては、次回詳しく書いてみたいと思い
ます。
 そして、そのノウハウの標準化、マニュアル化を行い、サロンの知恵資
産として蓄積・活用していくことで確実に成長へとつながります。

9.最後に

 「目標達成」どうでしたか?
 今回は、今までのメルマガの中でも触れてきた内容が多く出てきました。
 この「心と技のあいだ」においては、毎回ひとつのノウハウを深堀・考
察していますが、今回の様なタイトルではそれぞれの内容を融合させて活
用するということも必要だということですね。
 目標を達成するためのヒント、1つでも掴めましたか?
 各人の持つパワーを結集し、目標達成に向けて、日々努力されることを
期待します。

10.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回のテーマは「ナレッジマネジメント」です。
 これは、暗黙知を明示知に置き換えることにより、それを実務で使える
ものとして共有ノウハウにするという、ノウハウ共有型経営方法なのです
が、このやり方、実用化について考察してみます。
 では、次回もまたお役に立てるメルマガを目指して作文しますので、応
援よろしくお願いします。
                 ではまた次回もお会いしましょう!

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