| 考え方の技術
マトリックス思考法 (思考を表面化するツール)
メルマガ再録 (2006年5月22日) 第18号
頭の中で考えているだけではまとまりがつきません、対象とするテーマを、碁盤の目状の表に記載するように展開して考えることにより、課題が明瞭に視覚化できて、解決策が見えてきます。
< マトリックス思考法 >
1.はじめに
マトリックス思考法って私の造語ですので・・・と書きかけて、もしや世の中にあるのではと思い、インターネットで検索してみると・・・やっぱり、ありましたわ。それが以下の内容です。
<ここから>
『3X3マトリクス思考 ~ 見えてくる明日の形を築き上げる思考法です ~
時間(When)と場所(Where)は誰でも共通に与えられています。しかし個人によって人生が大きく変わってくるのは何故でしょう?。それはその人の目的(What)や存在意義などの理由(Why)が異なるからと言えます。自分を見つめ、明確な目的を持っている人間ほど強い者はありません。その目的に向かって自分(Who)が、誰に対して(Whom)、いくらで(How much)、どのように(How)人生を送っていくか、仕事や物事を進めていくか?いかに明日を見える形にする設計図(企画)を描いていくかが重要となります。そしてそれらは実際に実践できなければ意味がありません。』
<ここまで>
WHO,What,Where,When,Why,Whom,How,How muchの6W2Hがその要素です。
3×3のマトリックス枠を書き、中央のマスにテーマを書いて、周りにこの6W2Hを配置して、その内容を埋めて行き、相関関係において解決策・実行案を作っていくのが、この3X3マトリクス思考のやり方みたいです。
余り詳しく研究していないので具体的には分かりませんが、これはこれで利用の価値がありそうですね。
またまた前置きが長くなりましたが、私のマトリックス思考法はこれとは関係のないものです。
私の言うマトリックス思考法とは、「対象とするテーマを表または2次元グラフに表わすように平面に展開して考えればまとまりやすいよ」という感じの思考テクニックです。
では、その内容を書いてみます。
2.表
表は分かりやすいですね。
縦横の升目になったものです。
この表が何か話をしている時に頭に浮かんできて、整理出きる様になればあなたも一人前の企画者です。
3.表の例題
縦軸に項目、横軸に項目の要素が展開されたものです。
チームワークの改善なら、縦軸にオーナーとの関係、上司との関係、同僚との関係、部下との関係等が出てきます。
横軸なら、現状認識、理想の形、問題点、改善アイデア、行動計画等が上げられるでしょう。
4.ガントチャート
ガントチャートとは、日程表みたいな感じの表です。
縦軸に項目、横軸に時間系列を書き、時間の経過とともにすべき事を右下方向に記入していく形式の表です。
実行計画などを頭の中でシミュレーションしてみる時は、すぐさまこの表を思い出し、整理すると思考が顕在化され整然とします。
5.ガントチャートの例題
「サロン合宿を企画せよ!」というテーマが与えられたとします。
そうすると、縦軸は日程表、参加対象者、場所決定、予算組、プログラム、準備資料、関係者への配慮、お客様へのお知らせ等の項目がリストアップされるでしょう。
横軸は、経過日程です。
全体日程表を見ながらどのタイミングで次につなげるかを調整することが大切です。
実行日から逆算するとより真実味が出てきます。
6.クロスチャート
クロスチャートは、傾向を示すのに便利です。
やり方は、紙面の中央に水平線と垂直線でクロス(十字)を書きます。
そして、そのものが持っている特性・傾向をそのポジションニングによ位置付けします。
7.クロスチャートの例題
例えば雑誌のクロスチャートを作るとします。
横軸の右端はフェミニン、左端はカジュアル、縦軸の上端はクール、下端はロマンティックとします。
この場合、さらにラインを追加します。右上端はシック、左下端キュート、左上端シャープ、右下端エレガントなどにするとより明確に傾向が示せるでしょう。
そして、いろいろな雑誌を持ち寄り、どの部分の位置付けになるかを検討してはめていきます。
雑誌クロスチャートがあると、お客様から日常読んでいる雑誌をお聞きして、お客様の傾向を分析することが出来るので、カウンセリングの役に立ちます。
8.フローチャート
フローチャートは流れ図です。
フローチャートはコンピュータのプログラムを作る前に、流れを確認する時に作成したりします。
また、業務改善(業務システム図)や工程改善(工程図)をする時の物・人作業・マシン作業の流れを分析する時などにも使用します。
プロジェクトを管理する場合、旅行の行程表も、これに当たります。
9.フローチャートの例題
上から下に(または左から右へ)時系列に発生項目を記載し、それがどんな意味合いを持つ作業かによって項目枠の形を変えて見やすくします。
メインの流れとは別に外注などの外工程は別のラインで作図し、メインの流れに合流する部分で線を直結させます。
工期を守る上で重要な「クリティカルパス」という言葉があります。
「クリティカルパス」とはプロジェクトにおいて、事実上プロジェクト全体のスケジュールを決定している作業の連なりのことを指します。
「クリティカルパス」上の作業が遅れると、プロジェクト全体のスケジュールが遅れてしまうので、「クリティカルパス」上の作業を円滑に進行させることがプロジェクト管理上で重要となります。プロジェクトを遅らせないために、「クリティカルパス」上のタスク(仕事)が遅れた際に資源を投入して遅れを取り戻せるよう、タスク配置を最適化することが求められます。
10.ネットワーク図
時系列は関係なく、相互関連を中心に書かれたものがネットワーク図です。
特性や、想い等何でも自由に書けることから、マインドMAPや特性要因図、紹介系統図、組織図もある意味このネットワーク図と言えるかもしれません。
コンピュータなどのネットワークやシステムの関連を示すにはこの図が適しています。
11.ネットワーク図の例
中心にあるものから外に向けて、派生・関連するものを漏れなく記載します。
そして派生した物同士との関連も位置付けて見やすくします。
そして、全体を関連付けて適正を判断できる様にします。
この図を作るには、高所から見る視野・視点が必要とされます。
12.サマリー/ストラクチャー管理
サマリーファイル形式は1列方式での管理、ストラクチャー形式は階層管理に向いた管理方式です。
個人の情報などはサマリーで、紹介や組織図などにはストラクチャー形式の管理・書き方が適しています。
必要に応じた管理、まとめ方、表現が必要です。
13.最後に
まだまだこういった考え方・思考法はあるでしょうが、要するに、どんな課題があっても、その物事を一点で深く考えるのではなく、全体としてまず捉え、それから深く入るということが考え方・アプローチの基本です。
さらに、頭の中を平面的にさらに立体的に活用することが出来れば、もっともっと思考することが面白くなってくると思います。
思考は人間に与えられた特権・特殊能力です。
これをどんどん活用出来る様に訓練していきましょう。
いろいろな思考方法を知っていると、その時にマッチしたテクニックで複雑な問題も簡単に?まとめることができるし、解決策も見つかります。
勉強は奥の深いものがあります。
今回のマトリックス思考法を使って、じゃんじゃんチャレンジしてみて下さい。
ではまた次回お会いしましょう!