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ワークショップ (体験型気付き教育)

メルマガ再録 (2006年3月13日 第14号)


専門家の助言を受けながら,参加者が共同で研究や創作を行う場のことです。一方的に説明を受けるセミナーや講演ではなく、実際に対面して意見交換する中から自分自身で気付くことで認識が高まります。

< ワークショップ >

1.ワークショップとは?
 決して「作業服・ツナギ・鳶服・軍手・安全靴・足袋・白衣・長靴・安全用品・工具等の販売」などのショップのことではありません。
 ここでいうワークショップとは、「体験参加型気付き教育」「専門家の助言を受けながら,参加者が共同で研究や創作を行う場」ということです。

2.ワークショップの効果

 ワークショップでは、一つのテーマに対して意見交換をすることにより、「そういう考え方もあったんだ!」と他人の意見を聞き入れ、認め合います。
 その中で気付いたことを自分の思考に取り込むことにより、より大きな思考が出来る様になっていきます。
 また、テーマ検討における役割分担がそれぞれの能力向上に役立ちます。
 リーダーに任命された人のリーダーシップ、書記の人の記録能力、タイムキーパーの時間観念、発表者の発表能力などの役割能力の向上につながり、それが全体の意識を向上させることになるわけです。
 このワークショップ型検討会を多用することにより、それらが相互に作用して、自然に自主活性化型サロン作りが可能となっていきます。

3.ワークショップの流れ

(1)事前準備

「1-1 テーマを決めます」
 サロンであれば、「感動の接客をするには?」「技術の連携を良くするには?」「店着率を向上するには?」等々、いろいろなテーマが考えられます。

「1-2 対象者を集めます」
 テーマが決まったら、そのテーマを検討するのに適切なメンバーを集めます。
 この「1-1」と「1-2」の手順は、逆の場合もあります。
 通常のミーティング中に、ワークショップを利用した方がよりベターと判断した場合は、幹事グループでテーマを即時設定し、展開するという方法も良いでしょう。

「1-3 進行を検討しておきます」
 進行をシミュレーションして、時間配分、グループ分け等を考えておきます。
 時間配分の例としては次の様な感じです。
   前説          15分 (インストラクター)
   検討      1時間15分 (グループ)
   グループ報告    25分 (グループ発表者)
   まとめ          5分 (インストラクター)
 グループ人数は、4~6名くらいが良いでしょう。

(2)前説

「2-1 オリエンテーションを行います」
 インストラクターから、本日集まってもらった主旨の概要と進行要領を簡単に説明します。次に準備したグループ構成を発表します。

「2-2 グループに分かれます」
 グループ構成者名を発表したら、すぐにそのグループ単位でまとまって再着席します。この席替えは素早くします。

「2-3 4役を決めます」
 インストラクターから、「リーダー、書記、タイムキーパー、発表者」の4役を決めるように指示し
 ます。
 会議の役割分担を明確にすることにより、会議への参加意欲が湧き、より活発な討議が繰り広げられます。
 必要であれば、グループ名も付けるように指示します。

「2-4 インストラクターから検討要領と報告要領を説明します」
 ここで再度インストラクターから本日のテーマの検討プロセス要領と着地点(アウトプット、報告すべき内容)を説明します。
 この時点では、役割分担が決定しているので、真剣に聞き入れます。

(3)ワークショップ展開

「3-1 テーマに沿って話を展開します」
 例えば「時間短縮」というテーマだとすると、リーダーはファシリテーション技術を使って、時間短縮に対する要素分析と現状認識、対策を考えるように会議を進行します。
 その時、各自から出来るだけ多くの意見を引き出し、少数意見でも、新人の意見でも大切にする様に仕向けます。
 時間内で終われるようにタイムキーパーは進行を促します。
 約1時間くらいの検討時間ですので、その中で対策が実施出来る内容に絞るのがポイントです。
 検討が行き詰ったら、インストラクターが助け舟を出します。「例えばこういうこともあるよね、その意見面白いからもっと膨らませてみたら良いかも?先日こんなこともあったよ」などなど。

「3-2 書記は検討途中の記録を書き留めます」
 書記はそれらの意見を出来るだけ多く書き留め,報告時に再現できる様に記録します。ホワイトボードがあればなお結構です。

「3-3 意見を発表用にまとめます」
 書記の資料を参考にして、グループ内で発表者が中心になり「この部分を強調しよう」とか「ここを面白くコントにして発表しよう」とか検討します。

(4)結果報告と気付きの共有

「4-1 発表の要領と発表内容の共有化を説明します」
 インストラクターより発表の要領を説明します。
 各チームの発表順番と持ち時間を伝えます。
 発表を聞く時は、自分のグルーブには出てこなかった考え・アイデアに特に注意を払い、共有化する様に指示します。

「4-2 各グループから検討プロセスと結果を報告します」
 インストラクターのガイドで、各グループから発表用にまとめたものを発表者が発表します。
 ここが面白くできるほどレベルが高い様です。面白くできるということはアピールを考えていると言うことです。
 こんなところからも、レベルアップは始まります。
 時間があれば、各自から共有できた内容に関して一言コメントをもらえればより良いでしょう。

(5)インストラクターコメント

 最後に、インストラクターより本日の進行内容についてコメントします。
 リーダーの進行状況、グループメンバーの協力度合い、テーマに対するまとめ方法、発表者へのコメント等々、気の付いた事柄を途中でメモしておき、次回さらに上手にワークショップが出来る様に最後にコメントします。

4.最後に

 ワークショップは「気付き」が重要であることを認識の上、会議運営することです。
 単に結果だけを求める形だけの会議に陥らない様に、リーダーの会議進行に対する指導が事前に必要です。
 しかし、この手法を習得すれば、いろいろな問題は自分達で解決することが出来るようになります。
 あまり大きな声では言えませんが、この手法は、コンサルタントにとっては、最大の武器なのですが、今回は全て公開してしまいました。
 ワークショップは、ミニプレゼン大会ということも言えます。
 これを繰り返すことにより、インプット~プロセス~アウトプットまでのステップを頭に叩く込むことが出来ます。
 これが非常に重要な要素です。
 「アウトプットを意識したインプット&プロセス」「グループメンバーからの意見の中で答えを探す」こういう習慣付けをしていくことが、自主活性型サロン作りの基本です。
 是非是非、サロンで活用されることを願っています。
 今回の内容で、もっと知りたいと言う方はメール下さい。

5.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「ドキュメント技術」です。
 記録の取り方、活用の方法等について困っている方も多いと聞きます。
 情報整理も含めて、ドキュメント技術について考察します。
 では、次回もお楽しみに!

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