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ホッパー図 (3段分解手法について)

メルマガ再録 (2005年9月26日 第5号より)


ホッパー図とは、物事を3段階に区分して、シンプルに要素を分解する手法のことです。この手法をマスターすると、思考方法が大変楽になります。

1.ホッパー図とは?

「ホッパー図」って聞いたこと無いですよね。私以外、余り使っていない言葉だと思いますが、昔読んだ本にこの内容があり、それから独自にこの内容を解釈して、自論として展開しています。
ホッパー(hopper)とは「じょうご」「底開き船(トロッコ)」のことです。上部が広く、下部が狭い構造で、狙ったところに格納出来る様な構造になっています。
ホッパー図とは、ホッパーの形状から、インプット(input)する材料を投入して、それをプロセス(process、進行・経過)で加工処理し、目的とする形状にしてアウトプット (output)するという一連の流れを意味する言葉として使用しています。

2.例題

人間の生命維持循環に例えて説明すると、インプットは「食料」「水」「空気」、プロセスは「消化・吸収」、アウトプットは「排泄」ということになりますね。
また健康維持については言えば「睡眠」~「行動」~「健康な身体」ということに当てはまるでしょう。
人間の思考/行動レベルで考えると、インプットは「知識」「五感からの情報」「経験則」、プロセスは「思考」「行動準備」、アウトプットは「言動」「行動」「記憶」などですね。
もう一つ実際の例としては、コンクリートが出来るまでの話が分かり易いでしょう。コンクリートミキサーを思い浮かべて下さい。インプットは「セメント粉」「水」「砂利」です。プロセスは「ミキサーの回転」で、アウトプットは「コンクリート」です。

3. レベルアップのポイント

アウトプットの品質維持・向上を図ろうと思えば、インプットの材料選びと、その加工プロセスが大変重要だということです。
いくら頭の中で良いことを考えていてもアピールしません。
他人からの評価を向上しようと思えば、自分が行なう言動、行動が自分のレベルを意味するわけですから、その前の段階にある知識や経験則などのインプット&プロセスを見直し、そこに取り組むことが大切なことは分かりましたよね。

4.CKEN流ホッパー図

私の名刺の裏面には、次の様なホッパー図を書いています。
インプット・・・「プランニング技術、コンセプト思考技術、コンピテンシー思考技術、コーチング技術、インタビュー技術、ファシリテーション技術、シミュレーション企画技術、効率ワーク技術、ドキュメント技術、パソコン活用技術、NQ(人脈)技術、情操教育技術、志(こころざし)技術」
プロセス・・・「ミーティング進行、DOHOWの提供、ナレッジマネージメント」
アウトプット・・・「結果の促進、成果の先取り、個人能力の開花」。
書きも書いたりって感じですが、要するに、その場で提出された課題と自分の保有技術をインプット材料にして、プロセスでその課題を加工処理して、結果を出していくという認識・考え方です。

5.あなたなら...

あなたが美容師さんなら、こんな感じでしょうか?
インプット・・・「美容室、美容技術、美容道具、接客技術、カウンセリング技術、お客様情報」
プロセス・・・「施術、トーク、ホスピタリティーマインド」
アウトプット・・・「価値ある料金、心地良さ、見事な仕上がりスタイル、また来たいと思う気持ちを持って頂く」
 
6.分離の効果

この様に、3段階に物事を分けて、段階的に考えるという思考法は、問題をシンプル化する効果があります。
人間の頭は、聖徳太子は別にして、一度には1つの問題しか考えられないものです。多くの問題を併行処理していると思うのは勘違いです。
3~4つの問題、例えば家庭の問題、会社の問題、男女間の問題、将来の不安などを一時に持ち合わせると、もうパニックになってしまいます。
しかし、人間は上手く出来たもので、選択と集中を自動的にやっています。例えば、雑音の中から虫の音色を聞き分ける、フロントガラスの水滴は遠方を見ていると見えない等です。
ということは、課題をより小さくすることによりターゲットを絞り込めるわけですから、この様に段階化・細分化するのはグットな手法と言えるでしょう。
 物事を考える時、是非試してみて下さい。

7.課題解決

分析は、インプット~プロセス~アウトプットの手順で良いですが、課題解決には、アウトプットが優先で、次にインプット~プロセスの順で考えます。
何をしたいから何が必要でそれをどのように加工するかというストーリーです。
自分でテーマを設定し、数多くレッスンしてみて下さい。
きっと考え方をシンプルにするこのツール「ホッパー図」、使えるはずですよ。

8.次回案内

 ホッパー図、どうでしたか? 役に立ちそうですか?
 次回は、「フラグシップと合意形成」について考えます。
 みんなの方向性をまとめるのに効果的なテーマです。
 これがまた、しぶく効くんだなあ。
 お楽しみに。

ではまた次回お会いしましょう!

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