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ワークデザイン的アプローチ (ワークコンセプトを引き上げる)

メルマガ再録(2005年11月28日 第7号より)


ワーク(仕事)のコンセプトレベルを分解するという手法です。
より上位のコンセプトを見つけて仕事をする事により、より素晴らしい能力が発揮されます。

1.ワークデザイン的アプローチとは?

 解決すべき問題、レベルアップするための課題、新商品の開発・・・
 いずれにしても、サロンにおいて取り組むべきテーマは尽きません。
 「することがない」というサロンがあれば、それはそれで大変問題ですけどね。
 問題・課題をクリヤーするのに2通りのアプローチ方法があります。
 一つは、問題点をひとつひとつ解決して行き、目標に達する方法です。
 もう一つは、その課題の要求される機能を徹底的に分析・展開し、その要求をより高次元で満たすと言う考え方があります。これが今回勉強するワークデザイン(WD)的アプローチ手法です。
 この機能分解という内容については、本メルマガvol.4の「コアとフレーム」でも少し取り上げましたが、今回は本格的に深堀りします。
 ウ~~ン、まだなんだかよく分からないです・・・そうですよね。
 では、細かく説明しましょう。

2.積上げ改善と機能展開の差

 サロンには必ず待合がありますよね。
 この待合を改善しようと思って検討する場合、一般的にはお客様アンケートをとったり、今出来ていないことを考えたりして、それを出来るようにしようと改善努力します。音響、温度,照明、などに不備がないか、お声掛けは出来ているか?などの改良を試みます。これが従来の積み上げ方法です。
 このWD的アプローチ方法は違います。待合の機能を徹底的に分解・分析し、その機能に対応してアイデアを出していきます。
 日本人は何かをモディファイ(変更改良)していくのは得意なんですが、この機能展開・機能分解という方法が不得手らしく、というより、そういうものの考え方の教育をしてきていないせいもあり、ひらめき発想に弱いわけです。
 「改善すること」に力を注ぐのではなく、「機能を展開(分解)すること」にフォーカスする(焦点を当てる)ことが出来れば、改善は本当は易しいことなんです。
 会話でも同じです。相手の言うことをきっちり聞き取れれば、それに対して適切に返事ができますが、あやふやな聞き取りでははっきり返事は出来ませんからね。

3.機能展開の例題

 さて、待合の機能展開と改善策を考えてみましょう。
 (1)次の施術順番までしばらくお待ち頂くスペース&時間である。
 (2)待つ、待たせるのではなく、その場所をエンジョイして頂くスペースである。
 (3)お客様にとってクリエイティブなスペース&時間として活用して頂ける、有効な場面である。
 (4)お客様にとって、待ち時間があってよかったと思えるスペース&時間である。
 (5)早くサロンに行って待ちたいと思えるスペース&時間である。
 どうですか?
 これは私が勝手に機能展開した例ですが、何か見えてきませんか?

4.理想システムの設計

 ここで、最初の項で書いたように、「要求をより高次元で満たす」という考え方からすると、「(5)早く行って待ちたいと思えるスペース&時間作り」が取り組むべきテーマとなります。
 ちなみに、(1)~(5)までの改善策も考えてみましょう。
 「(1)お待ち頂くスペース」に対応するには、快適な環境を与えると言うのが答えになりますね。
 「(2)エンジョイスペース」では、スタッフがマジックをしたり、TVを見たりできるということです
ね。
 「(3)クリエイティブスペース」では、自分にマッチした読書本や趣味の情報があると言ったものでしょう。
 「(4)待ち時間があって良かったと思えるスペース」は、新しい発見があったり、思ってもいないイベントをやっていたり、なにか感動することがあったり、ということでしょうね。
 最後に「(5)早くサロンに行って待ちたいと思えるスペース」は、自分の思わなかったサプライズが毎回用意されていると言うことですね。

5.発想の原点

 この様に、機能展開をきっちり出来るには、それなりのシチュエーションとファシリテーション技術(会議進行テクニック)が必要です。
 ブレーンストーミング、カード法、バズセッション、フリーディスカッション等々、これらについては、DOHOWの部分になりますので、また後々詳しくお話します。
 いずれにしても、日頃から「そのものの持つ機能(定義)をきっちり考える(言える・展開する)訓練をしておくこと」に尽きます。
 このことが、心の部分を明確に向上させます。
 間違いない!!

6.次回案内

 こういう形の問題解決アプローチは、余り一般的ではありませんが、かなりの威力があることがお分かりだったと思います。
 今回のテーマ、難しかったですか?
 WD的思考は訓練ですから、どんどんいろいろな場面で試して下さいね。
 さて、次回は「システムエンジニア的思考法」をお送りします。
現状の動きを整理し、ルーチンワークに落とし込むシステムエンジニア(SE)の考え方の粋を紹介しましょう。
 お楽しみに!

ではまた次回お会いしましょう!

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