| 考え方の技術
システムエンジニア的思考法 (見える化の実践)
メルマガ再録 (2005年12月12日 第8号より)
システムエンジニア的思考とは、ヒアリング技術を駆使して相手の要望をまとめ上げ、見える化する技術です。
< システムエンジニア的思考法 >
1.システムエンジニアって何?
システムエンジニアって、SEと略して書きます。
聞いたことあります?
SEの仕事とは、「よりクリエイティブな時間を確保するために、日常業務をコンピュータ化する仕事」をします。
日常作業には、ルーチンワークとクリエイティブワークがあります。
ルーチンワークとは、日常決まりきった手順で行う仕事です。
クリエイティブワークとは、サービスの質や作業の効率を向上するための創造的時間のことです。
今の世の中、現状の仕事のやり方だけをやっているということは、それすなわち後退を意味します。
で、創造的時間を作り出すこと自体が求められているのです。
その手伝いをするのがSEであるわけです。
2.SEの仕事の仕方、その1
SEの手順はざっと、以下の通りです。
①ニーズを聞く~ニーズのレベルを上げる
②現場を知る~解釈する、手順を徹底分析する
③ニーズに照らして新システム設計書をまとめる~その設計書を現場の人と叩き上げる
④現状での妥協点を見つけ、新システム設計書を凍結する
⑤システム化(コンピュータプログラム)する
⑥出来たシステムを使用説明する
⑦仮使用する~不具合を検証する~もっと使い勝手の良い様にシステム、プログラム共に改良する
⑧これを繰り返して、納得の行くまで改善を重ねる
3.SEの特徴
その職場において、その現場で働いている人以上に詳しい人はいません。
外部に依頼したSEは、初めはその仕事について何も知らないのが普通です。
そんな人に内部の人が説明するのは、まどろっこしいという感じはあるでしょうが、「よいシステムを作る」という想いは同じですので、それを理解した上で取り組みましょう。
SEの聞き取り許容量を白紙のスペースに例えて考えてみると、普通の人が持っている白紙がA4サイズだとすれば、SEの白紙は新聞紙くらいに大きいわけです。それほどSEのキャパシティ(容量)は大きく、何でも書けてしまうわけです。
さらに、じゃんじゃん書けるので、消す必要がないので、一覧できる様にもなっています。
最終的には、現場の人より物知りになっています。というのは、関連部署への調査もするので、全体が見えるからです。
こういう特徴を活かして仕事をするので、頭の中の整理整頓が上手です。
しかし、これは本当は、そんなに白紙が大きいわけではないのです。
つまり、頭の中の白紙のサイズは一緒でも、そのあたりのテクニックが数段上なわけで、そんな効率的な仕事ができるわけです。
4. SEの仕事の仕方、その2
では、SEの手順詳細について考えます。
①ニーズを聞く~ニーズのレベルを上げる
・まず、相手の要望を聞きます。それをよく解釈します。今までの経験に基づいて質問をし、聞き取り内容を明確にします。
・ワークデザイン的思考法により、より高次元で聞き出すのがポイントです。
②現場を知る~解釈する、手順を徹底分析する
・事件は現場で起こっています。現場からの声を聞き、現状をよく認識します。
・現場の手順を良く観察し、自分の目で確認します。
③ニーズに照らして新システム設計書をまとめる~その設計書を現場の人と叩き上げる
・ニーズと現場の状況を把握した上で、ニーズに沿った新システムの提案設計書を作成します。
・その設計書の原案を、現場の人も入れて納得行くまで検討します。
④現状での妥協点を見つけ、新システム設計書を凍結する
・検討を重ねて合意形成された設計書で一度、その内容を凍結します。
・検討はどこまで行っても終わりがないというのが常です。それでは
次に進めないのでそこで、それ以上の変更はしないという約束を一度してから次のステップに進
みます。
⑤システム化(コンピュータプログラム)する
・その凍結された設計書に基づき、プログラムを設計、完成させます。
・ルーチンワーク(定例・定量処理)と特殊処理を区分することがポイントです。
・特殊処理の方法も出来るだけ簡素化して考えます。
⑥出来たシステムを使用説明する
・出来上がったプログラムの使用説明をします。
⑦仮使用する~不具合を検証する~もっと使い勝手の良い様にシステム、プログラムともに改良する
・テスト使用します。
・ここでいろいろな不具合や、もっとこうした方がという意見が出るので、SEはそれを交通整理します。
・そして、それを再度プログラムにすべきか否かを検討します。
⑧これを繰り返して、納得の行くまで改善を重ねる
・この様な手順を繰り返して、よりニーズを満たすシステムを構築します。
かなり細かくなりましたが、SEはこんな手順を踏んで、希望のシステムを構築するわけです。
5.まとめ
いかがでしたか?
このSE的思考法、もうお気付きかと思いますが、どうやらサロンで行うカウンセリングの手法と似ていますよね。
今回の内容からベンチマーキング出来るところはどんどん使って下さいね。
6.次回案内
今までは、かなりノウハウ・シンキング系でしたが、次回からは考えたことをいかに行動に移すかと言う「DOHOW系」に入っていきましょう。
まずは、「けったくその反骨精神」というテーマからです。
お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!