| 考え方の技術
A→D変換 (実践行動に置き換える技術)
メルマガ再録 (2006年1月9日 第10号)
A→D変換とは、観念的なコミットメントを、誰にも結果が見える様に実践行動表現に置き換えるノウハウのことです。
< A→D変換 >
1.A→D変換って何?
Aはアナログ的思考、Dはデジタル的思考を言います。
従って、A→D変換は、アナログ的思考をデジタル的思考に変換することです。
アナログ的思考方法は、気持ちの部分です。
デジタル的思考方法は、行動の部分です。
これで分かりましたよね。
つまり、頑張るという気持ち(アナログ表現)は分かるけど、何をするの?(デジタル表現)って聞きたくなることがありませんか?
これは、A→D変換に慣れていないスタッフの表現パターンです。
この言い回し(アナログ表現が先に来ること)は、当然といえば当然なんですね。
「これについて、何をします」とデジタルに言わせる様に、習慣化させる工夫を随時指導することが大切です。
A→D変換が出来ないと、考えただけ、思っていただけで終わってしまい、実績を残すことが出来ません。
ということで、考えを行動に置き換えるスイッチがA→D変換そのものですので大変重要な項目です。
2.A→D変換のポイント
では次に、A→D変換のポイントについて考えます。
1)数字を入れる
行動アイデアに数字を入れることです。これが一番簡単で明瞭です。
この数値化を考えることが、実行上のアイデアを引き出します。
これが出来れば、かなりの確率で実行成果が出ます。
多分これが出来なくて前進しないと悩んでいることが多いと思います。
だから、初めのうちは一緒に考えてあげて、何回も繰り返し訓練することが必要です。面倒ですが、結局はこれが近道です。
2)実際に行動している場面を想像する
いつ、どんな時に、何回くらい、実行しているのかを想像してみることです。スタッフは想像力が不足しています。もっともっと想い描く力を付けさせることが必要です。その訓練にもなります。
3)チェックマンを作る
数字の入れられない項目は、その項目をやったかどうか、どの様にすればチェック出来るかを考えます。
チェックマンの任命、報告&チェックのタイミングを明確にします。
4)報告会とフォロー
必ず、やったかどうかのフォロー会を行います。
デジタルにしたから完璧に出来るとは限りません。
後は、それを実行する人の根性の問題です。
ということで、実行した結果報告を聞きます。出来た場合は出来た理由、出来なかった、中途半端だったらその理由を聞き、どうすれば完全に出来るのか自問自答、あるいは他からのアドバイスにより話し合います。
そして、再度挑戦します。
この環境が、良循環の体質を作る全てです。
その場面は、責任追及という厳格なムードではなく、「こうしたらええやん!」という柔らかく、かつ真剣に話し合いましょう。
これが演出出来る様に、指導者は心掛けましょう。
3.A→D変換の実例
あるテーマをA→D変換しなさいと言われたら、慣れていない者は考え込みますよね。
では、A→D変換の例を挙げてみましょう。
「レッスンします」→「一週間に2回します」
「本を読みます」→「毎日10ページ以上読みます」
「感性を向上します」→「鑑賞に行ったレポートを月末に提出します」
「テンションを上げます」→「朝礼でゲームリーダーをします」
「ハンティング・ポスティングに行きます」→「今月は千枚配ります」
「チラシを作ります」→「原稿は15日までに作成します」
「報告します」→「明日営業終了時に、Aさんに報告します」
「単価アップします」→「6000円を6500円にします」
「定着率を向上します」→「70%を2ヶ月後に80%にします」
「売上を上げます」→「指名売上80万円を、来月は90万円にします」
「頑張ります」→「頑張っている姿をAさんに毎日10段階評価してもらい、グラフにします」
どうですか?
周囲から見て、判断しやすいですよね。
また、デジタル表現を周知事項にすることにより、周囲の協力を得ることが出来ます。
あの人はこのテーマについて努力しているので、この情報を持っていってあげよう等の協力・助け合いが始まります。
4.指導要領
こういう考え方を、机上でまず行える様に指導することです。
だから、あやふやな答えをした時は、すかさず「で、いつ?どれくらい?」と質問しましょう。
計画書等の書類にも、担当者、開始日、完了日、フォロー担当者などの項目を記入しておき、それらを必ず一緒に考えるクセを付けさせましょう。
5.まとめ
今回はどうでしたか?
まず、考えを行動に移す前に、よく事前処理を頭の中でやっておくことの大切さが分かったと思います。
特に、新人の子達にはこの仕組みを分からせておいて下さいね。
これがサロンのレベルを決定付けますからね。
6.次回案内
次回は、「OJT/OFFJT」というテーマをお話します。
OJT(オンザジョブトレーニング、仕事中の指導訓練)、OFFJT(オフザジョブトレーニング、営業外での集合講習等)について学びましょう。
お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!