メルマガ再録 (2006年4月24日) 第17号
自分から何らかのアクションを起こさないと報連相にはなりません。報連相は、血液みたいに隅々に新鮮な酸素を届ける役割を果たします。会社組織の潤滑剤として、大変重要な意味を持っています。
< 効果的ホウレンソウ >
1.はじめに
ホウレンソウ(報連相)って普通に使っていますが、これって社会人の常識ですよね。
「今度のプレゼンは大変だ」とか、「今日はチョッキ(直帰)だから後よろしく」とか言いますが、そんなビジネス用語の一つですね。
知らない人のために再確認しますが、報連相は、「報告」「連絡」「相談」の頭文字を続けた言葉です。
「報告」とは、広辞苑によると「ある任務を与えられたものが、その遂行の情況・結果について述べること。また、その内容。」です。
「連絡」とは、「相手に通報すること。相互に意思を通じ合うこと。」
「相談」とは、「互いに意見を出して話し合うこと。また、他人に意見を求めること。」となっています。
要するに、自分から何らかのアクションを起こさないと報連相にはならないということですね。
これを元に考えてみると、報告は定例義務、連絡は緊急義務、相談は任意と言う感じがしますね。
では、今回はこの報連相について考え、効果的に行うヒントについて考えてみましょう。
2.悪魔のサイクル
「報連相は苦手で!」ということをよく聞くことがあります。
なぜでしょう?
ではまず「報告」について、その苦手理由を考えてみましょう。
仕事ですから、任務(ミッション)には必ずテーマと期限があります。
実績がその期限に間に合っていないとしたら、誰しも報告はしたくないですよね。注意される、怒られる、文句を言われる・・・ということで、どんどん自分の気持ちが萎縮していき、極端な話、最後にはストレスでうつ状態になるという人を最近よく見かけます。
また、自分のペースでやりたい。だから報告より結果だろう!と自分勝手に解釈して、報告しないというケースもあります。
しかし、そんなことを上司が見逃すわけがありません。こっぴどく叱られます。そうすると、またその嫌な体験が積み重なって、気持ちはどんどんヘヴィーになってしまいます。
「連絡」もそうです。緊急事態の発生に対し、その報告義務を怠ると、通常報告以上に大変な事態になってしまいます。
では、「相談」です。これって、なかなか適切に答えてくれる先輩・上司がいない。いたとしても時間が取れない、タイミングが合わない、二人で話していると変な目で見られる、などの理由で、なかなかうまく相談に乗ってもらえないのが現状でしょう。それでまたどんどん自分だけで悩んでしまう。
この様にどんどん辛い方向に行くことを「悪魔のサイクル」と言います。
このサイクルに入ると、仕事は面白くない、やる気もない、楽しいわけもないという症状になり、ひどい場合は出社拒否症になってしまいます。
悪魔のサイクルと逆の動きが天使のサイクルです。
少し工夫するだけで、どんどん仕事が楽しくなります。では次の項で、そんな天使のサイクルになる方法を考えてみましょう。
3.報告のポイント
まずミッションの全体像をよく理解することです。この把握がおろそかになると、全体がボヤけて、何を・いつ・どうしたら良いのかが分かりません。だから、まず全体把握が一番です。
指示された時に、それを復唱すること、メモを取ることが大切です。また不明な点・疑問な点は、必ず質問し、中間での報告義務についても質問します。
それがつかめたら、スケジューリングの中に、報告日程を入れます。この時、無理をしないことです。
無理は必ず遅れとなって現れます。
報告内容には強弱を付けます。軽く報告する、きっちり報告する、口頭で報告する、文章で報告するなどに区分すれば、毎回の内容が明確になりフットワークが軽く報告できます。
上司が報連相させたい内容・知りたい項目は「現状の進行状況、問題点、今後の展開、そして期限通りに仕上がるか?」ということです。
つまり報告は、その結果が見える判断材料となるネタが提供できているかということに尽きます。
こう考えると、遅れている部分についても、包み隠さず明確に報告しなければならないことが分かるでしょう。
遅れている理由は理由として、とにかく明確に現状を知らせることが報告業務の最大のポイントです。
ここまでは中間報告ですが、最終報告もあります。
最終報告では、「目的を達したか?」「目標達成はどうだったのか?」「プロセスで学んだことは何か?」「全体を通しての成果はなにか?」「波及効果出来ることはあるか?」「ノウハウの共有はできるか?」等について言及されていれば、なかなか立派な報告と言えるでしょう。
4.連絡のポイント
クレームやトラブルは緊急連絡が必要です。
これらに対しては、自分のミスを隠すのではなく、お客様にとってどうすべきか、何をすれば一番良いのかを優先的に考えて行動します。スピードと誠心誠意がポイントであることを認識して、緊急事態を乗り切りましょう。
連絡は、タイミングが必要です。
集合の連絡をするのに、期限が切れていては意味がありません。賞味期限の切れた情報をもらっても、何の意味もありがたさもありません。
だから、面倒くさい、後でもいいかな?なんて甘い考えを持つのではなく、今しなければというタイミングで思い切って連絡する勇気が必要です。過去の経験からして、そのチャンスを逃がすと、大変後悔します。
また、グッドコミュニケーションもこの連絡から生まれます。
仕事は、意思疎通がうまくいってこそ、部門間、先輩後輩、同輩間のこだわり、わだかまりもなくなり良い仕事が出来ます。
相手を気遣う優しさや、感謝の気持ちや、細かい連絡がどんなに効果を発揮するかしれません。
常に相手を思いやる気持ちで連絡をしましょう。それがポイントです。
5.相談のポイント
「予定通りに行かない、不具合が出た、しかし、自分にはどうしたら良いのか分からない」といった時の対処で相談というツールを使います。
相談して返ってくるのはアドバイスと相手からの思いやりです。
事後では駄目です。事前にその問題について相談するということは、相談された相手も頼りにされていると感じてくれて気持ちの良いものです。
ここだけの話、この手を使うと上司はイチコロです。「おっ、珍しいな、谷口!悩んでるんか?よしよし教えてやろう!」となる訳です。
相談については、こんな物語があります
お父さんが、大人でしか動かせない様な大きな石の塊を前に、息子に言いました。
「どんな手段を使っても良いからこの石を動かしてごらん。」
そうすると息子はそれを動かそうと、いろいろとやってみます。素手や肩で押したり、足で蹴ったり、棒をテコにしたり・・・でも、まったく石は動きません。
そして息子は疲れてお父さんに言います。「こんな大きくて重い石は僕には動かせないよ!」。
そこでお父さんが言います。
「息子よ、初めにお父さんは言っただろう!。どんな手段を使っても良いからって!それはね、お父さんに相談して、一緒に動かして欲しいって言うことも、立派な手段の一つなんだよ!」と教えます。
どうですか?
意外に盲点だったりするんです。この相談ってツール。使えると思ったらどんどん近くの人に相談して、バンバン知恵をもらっちゃいましょう。
6.実行者側から見た報連相
実行者側にとっては、報連相は成果、結果を高めるためのツールです。
それを悪魔のサイクルで、義務と考えるのは狭い考え方です。
目標を達成するために与えられた公的な武器な訳です。
だから、それをどんどん活用しましょう。
要するに、そのミッションをいかにやり遂げるか、その目的・目標を達成しようとする気持ちが強ければ強いほど、報連相は必要になり、自然と使うようになると言うことです。
この「報連相はツールである」という発想をもっと現場に浸透させる様にして下さい。
これが定着、活用されるようになればサロンの中は大変活性化されます。
そりゃそうですよね。常に報告・連絡・相談が絶え間なくされているということは、サラサラの血が身体中を巡っているって感じですものね。
この報連相だけ取ってみても、全社運動としてのテーマに挙げれば、素晴らしい集団になること請け合いです。
では、次に管理者側から見た報連相について考えます。
7.管理者側から見た報連相
「報連相が出来ていない」とばかり現場の者を叱っても、それはそういう環境を与えていない管理者の責任です。
特に報連相ができているかどうかは、伝統に負うところが多いようです。
どうしても新人は先輩を見習う習慣があり、初めは意気込んでやらねばと思っていても、こんなもんでいいんだと妥協するからです。
ではどうするか?
管理者が報連相を勉強しなければなりません。さらに、報連相には上記で書いたような特性があることを知り、徹底指導を行うことです。
そして、報連相を徹底させることにより、仕事の把握力を向上させ、成果を出させるという教育的側面を利用して、スタッフの成長を促します。
OJT、OFFJTの項目でも書きましたが、仕事を通して実践指導していくことが最短のトレーニングになり、会社・スタッフの成長への近道でもあります。
8.最後に
報連相って、かなり奥が深いものでしょ?
要するに報連相はプロセス管理ですね。
物事は、インプット、アウトプットだけでは成果はありません。
プロセスを管理することで、結果・成果は格段に違ってきます。
いかにそういった体質を作れるかに挑戦してみて下さい。
9.次回案内
では、次回の案内です。
次回は、「マトリックス思考法」です。
即座に考えをまとめたり、整理したり、一覧にしたりというテクニックを公開します。
では、次回もお楽しみに!
メルマガ再録 (2006年4月10日) 第16号
情報は何気なく集めても駄目です。いつもアンテナを張って、自分の意図する情報をつかむようにして下さい。そしてすぐに探すものが見つかるように保存しなければなりません。
< 情報整理とファイリング >
1.はじめに
今我々が受け取る情報は膨大なものがあります。
その中から自分の欲しい、意図するものをセレクト/チョイスするには、それなりの選択眼と情報整理の技術が必要です。
すぐに使う情報はストックする必要はないでしょうが、後で使用したいとか、一時保管しておくというという場合にはファイルしておく技術も必要です。
ホッパー図でいうと、インプット=各種入手情報、プロセス=ファイリング、アウトプット=資料活用ということになります。
ではそれぞれの項目について考えてみましょう。
2.各種入手情報
入手する情報の形式別に整理してみましょう。
①紙媒体(メモ、コピー、FAX、書籍、新聞、雑誌等々)
②生活媒体(TV、ラジオ、電話等々)
③電子媒体(メール、メルマガ、ホームページ、ブログ、映像・画像・音声データ等々)
④メディア媒体=FD、CD、DVD、HD、USBメモリ、メモリー
カード、カセット、ビデオテープ、等々)
⑤五官(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)
入手媒体において、それぞれ情報格納方式(ファイリング)があります。
媒体を絞り込むと、最終的には紙かコンピュータかメディアかということになるので、そのファイリング&活用方法についてまとめてみましょう。
3.ファイリング(紙媒体)
A.大区分の整理整頓(セパレーション)
今ここに、紙資料の塊があったとします。
まず何から手をつけますか?
その前に、整理整頓という言葉がありますが、それを説明すれば答えが見つかるでしょう。
「整理」とは必要な物と不要な物に区分することで、「整頓」とは取り出しやすいように並べることです。
そうです。まず、「整理」です。必要・不要を分けるのです。
この段階で、優柔不断な人は困ります。資料をほかせないのです。
保管スペースに地価があるとすれば、デスク周りは都心です。倉庫は地方です。特にデスク周りに置く物は少なくして家賃を少なくする必要があります。不要品は地方に置くことです。
つまり、区分できないということはそれだけで費用を無駄遣いしているということです。
どうしてもほかせないという人には、奥の手があります。不要だと思うけどほかせないという物はダンボール箱に詰め、まずデスクの下におきます。やっぱり必要だったという時にはそこから復活させます。
1~3ヶ月たっても使わない物があります。それはもう不要品です。ということで倉庫の隅に追いやります。
必要という資料については、次の大区分インデックスの例を参考にして分けていきます。
<年間計画、議事録、レポート、給与規定・就業規則、評価規定、社内規定、技術、教育、販促企画、外部情報>等々
これ以外のインデックスがあれば当然追加して下さい。
ここまで、OKですか?
B.小区分の整理整頓(セレクト&ソート)
上記で出来たと思ってはいけません。普通はそこで止めてしまいますが、ここからが勝負です。
次は、上記で大区分された資料の1つの山を取り上げます。
この資料の山を再度上記と同じ様な方法で小区分します。
小区分も発生ごとに仮タイトルを作って資料分けしますが、小区分までインデックスするとファイルがインデックスだらけになるので区分の時だけに使用します。
この時のポイントは、意味を持って並べることです。自分が関連して想像しやすい形で区分し、その資料を検索して引き出す時に、自分なら多分ここにファイルするだろうなという感じで位置づけます。
古い資料は下に、新しい物は上に積んでいきます。
C.製本
この様に大区分された資料の山が8つ出来たとしましょう。
これを綴じなければなりません。
私は「KING JIM №1475」5cm厚の自立型ファイルを使用しています。これは2穴のパイプファイルで、途中からの抜き差しが容易なので、これを愛用しています。
フラットファイルといわれる紙ファイルは、少しの資料や一時的に使うのには適していますが、量が多くなると使えません。
クリヤーシートファイルは、原稿や写真を管理するのにはいいでしょうが、これまた大量の資料をファイルするには向いていません。
パイプファイルにはカラーのインデックスページが付いています。それを利用して、上記で区分した大インデックスを書きます。
そして、年間計画や議事録を上にしてファイルしていきます。
中身がファイル出来たら背表紙に大きな字でファイル名を書き入れます。
最後に、表紙の裏にファイルした日付を入れて完成です。
4.ファイリング(コンピュータ)
メールのソフトは各種あるみたいですね。私はオーソドックスにアウトルックエクスプレスを使用しています。
アウトルックは、保存ファイルを作るときに読みの順番に並ぶので、より上位に位置づけたい場合は、ファイルネームの先頭に「1~9」までの数字やスペースを付けるなどして工夫しています。
メルマガは、登録すれば自動的に送ってきます。しかし、やたら登録すると読むのに大変です。有効な記事があれば、その回のメルマガを保存用ホルダーに移動するか、その部分だけコピーして、ワード文章に貼り付けて別管理しています。これが結構役に立ちます。初めの内はいろいろなメルマガを一杯とって見るようにしましょう。その内、自分の欲しい、自分にマッチしたメルマガが見つかるでしょうから、それに絞り込んでいくということにしましょう。
ホームページの場合のお気に入り登録すると、そのアドレスはショートカットキーとして、My DocumentのFavoritesというフォルダーに保存されます。
私は、よく見るホームページやブログはデスクトップにフォルダーを1つ作り、その中にそのショートカットキーのコピーを入れています。そうすると、自分の好きなホームページ/ブログヘすぐに飛ぶことが出来ます。非常に便利です。
映像・画像・音声データは、ボリュームが大きくなるので、気をつけなければなりません。出来れば、CDやDVDに保存して、本体のHD(ハードディスク)の容量を軽くしておきましょう。
HDの容量を見るには、マイコンピュータ~ローカルディスク(C)をシングルクリックして、いつも気にする様にしましょう。空き容量がある様に見えますが、実際にはワークエリアを広く使うので、こまめに次の処理をしましょう。
<スタートキー~プログラム~アクセサリー~システムツール~ディスクデフラグ>
空き容量が少なくなったり、動きが鈍くなったりしてきた場合などもこれをすれば、連続した空き容量を確保してくれるので、サクサク動く可能性があります。
作成したファイルは、圧縮格納を心掛けます。
画像編集の中間ファイルは桁外れにボリュームを食います。だから、これで編集が完了した、もうこれ以上触らないという時点で、JPEGファイルなどに圧縮してしまいます。5~10分の1くらいにデータボリュームが圧縮されます。
また、写真を相手に送る時は、あまり大きなファイルを送ると相手のメールBOXが満杯になったりして受けてくれないことがありますので、適度な大きさに調整する必要があります。
小さい写真なら50~100MB、大きくても200~300MBあればきれいな写真が送れますので、それまでサイズを小さくして送ります。
サイズを小さくするには、私はフリーウェアのVIXを使っています。URLで「VIX」と入力して検索すれば出てきますので、それをダウンロードして下さい。使い方は意外に簡単ですのでやってみて下さい。
5.ファイリング(メディア媒体)
特に重要なのが、コンピュータを買い換えたりした時のソフトやドライバーの再インストールですね。今は大概CDですので、この分のディスクは固めて置いておくようにしましょう
その他、映像・画像・音声などのCD・DVDは、別に固めておきましょう。
USBメモリーカードは、非常に便利です。是非1つは持っておきましょう。なぜならすぐにその場でデータをもらうことが出来ますからね。
デジカメ、携帯電話などに入っているメモリーカードのデータをパソコンに取り入れるには、カードリーダーライターが便利です。今は1台にいろいろなカードに対応した形のスロットがあり、USBでつながりますから、簡単に取り込めます。
6.活用方法
今や情報の入り口も、プロセスも、ファイリング方法も多種多様になっており、それをいかに活用するかに掛かってきています。
探す帳票・データが瞬時に出てこないと、よく出来たファイリングとは言えません。
保存したデータが探せないのでは、保存していないと同じです。いや、それより性質が悪いです。探す時間のロスを考えてみて下さい。
ということで、自分の信じることが出来るファイリングをして下さい。
ファイルから出したデータは必ず元のあった場所に返します。必ずです。これはその資料があった場所を画像として自分が認識しているイメージを壊さないためです。この辺にあったよな?ってまったく整理整頓しない人が覚えていることがありますよね。あれば画像認識です。
それからファイルのメンテナンスですが、常に必要です。
そうしないと、新旧データがごっちゃになり、訳の分からないことになります。新データを入れた場合、旧データを残す必要がある場合は、新データに必ず日付を記します。
入れ替えする場合は、旧データの文面をチェック(重要なことを追記している可能性があるので)して廃棄します。
ファイルが一杯になった場合は、予備のファイルに移すか、表紙だけの厚紙を作って、綴じ紐でくくるということをしています。
なかなか資料はほかせないですが、議事録等の古いものは、データとして残っている場合は廃棄してもいいでしょう。
ファイルは生き物です。
常にメンテナンスを心掛けましょう。
7.最後に
今回は、ディテイル(詳細)でマニアックな内容になってしまいましたが、今どきはこれくらいは分かる人が多いでしょうから、理解してくださいね。
前回はドキュメントの作成方法、今回はそのファイリング方法について説明しました。
情報収集は何気なく集めても駄目です。いつもアンテナを張って、自分の意図する情報をつかむようにして下さい。
情報はアウトプットすることによってまた入ってきます。
皆さんも、今日の内容を参考にして、快適なファイリングをして、すっきりした情報管理をして下さいね。期待しています。
8.次回案内
では、次回の案内です。
次回は、「効果的ホウレンソウ」です。
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)が上手く行かなくて困っている人が多いのではないでしょうか?
そんな問題点について考察してみます。
では、次回もお楽しみに!
メルマガ再録 (2006年3月27日) 第15号
しっかり記録することで検討した内容が明確になり、それを再確認することで実行確率が向上します。記録で足元を固め、そこから前進することで、次の展開が見えてきます。
< ドキュメント技術 >
1.ドキュメント技術とは?
ドキュメント(Document)とは、文書、記録、証拠等の意味です。ドキュメンタリーとは、証拠書類、事実の記録等のことです。
「人間は忘れる動物である」「思い出す工夫をしておけば思い出せる」というのが私の定義です。
そうすると、何か話し合って忘れてならないことは、何かに書き留めておく必要が生じます。
私は、忘れ防止の対策として「記録を作成する」ことにこだわってきました。
私の記憶が正しければ、人間は見たものは全て覚えているんだそうです。それは眠りかけの時のレム睡眠中に目玉がグルグル回り、脳に書き込みされるというものです。(ほんまかな?)
忘れると言うことは、覚えてないのではなく、思い出せないのです。つまり、その書き込みされた記憶を呼び出すことが出来ないということです。
コンピュータは完璧に出来ますが、人間には出来ません。
忘れて支障のないことは忘れていいのですが、仕事や思い出などでどうしても忘れてはならない場合はどうするか?広く他人に知らせたい、後進に何かを伝えたい、こんなニーズにもドキュメントは必要です。
文書であれ、写真であれ、映像であれ、何かの媒体にアウトプットして残す作業が必要です。
では、ドキュメントをいかにして残し、それを利用するかについて今回は考えてみたいと思います。
ドキュメントには「同一品質で、残す、伝える、再現できる」と機能があるということを念頭において、考察開始です。
2.事前準備
まず、そのドキュメントをどの様に使うのか(アウトプット)を明確にします。
自分だけのものなのか、公的な記録なのか?
急ぐ必要があるのか、ゆっくりでいいのか?
精度は細かく必要か? ラフでいいのか?
誰に配布するのか?
どの様な手段(紙、メール、FAX等)で相手に知らせるのか?
渡す媒体は、文書か、写真か、映像か?
などによって、ドキュメントの作り方が変わってきます。
つまり、まずそのあたりをきっちり押さえた上でトキュメント形式を決めておかないと、後でえらい目に合いますので、要注意です。
準備物としては、筆記道具、デジカメ、ヴォイスレコーダー、ビデオカメラなどを必要に応じて使い分けます。
ちなみに、私は臨場感の中で聞こえてくることを重視しているので、ヴォイスレコーダーを使いません。だから私のレポートは、谷口フィルターが掛かっているものになりますが、それが返って喜ばれたりしています。
2.メモの取り方
個人的なメモを細かく取っている内に、徐々に慣れて公的な議事録も取れるようになります。
メモって、面倒くさいですが、これがドキュメントの源泉です。
まず、日常のメモの取り方です。
やっぱり日記でしょう。毎日少しづつでも文字を書く習慣が必要ですね。
次に、ブログ日記などで、発信することもいいですね。コメントが返ってきたりすると嬉しいですよ。
ちょっとした思いつきをメモに残して、後でそれを整理することもしてみるといいですね。
私は、手帳の後半部分のメモ欄ページを利用してネタ帳にしています。急に挨拶をさせられる時などに非常に役に立ちますよ。
もっとベーシックは、とにかく忘れない様にメモしまくることですね。そして、それをいつも目が行く場所に貼り付け、忘れ防止にすることです。
そんな細かいメモ術が、実は、記録する習慣に発展します。それが出来るようになると、会議やレポートのメモを取ることもたやすくなってくるのです。
では、会議メモの取り方のポイントを説明しましょう。
決して初めから完璧に多くを書こうとしないことです。完璧に書こうとすると、返って肝心のことを書き漏らしたり、間違ったりすることになるので、ゆったり構えることです。
最初は、テーマと結論さえあれば、まずは合格です。
しかし、書いているとだんだんそれだけでは物足りなくなります。テーマから結論・結果に至る経過が欲しくなります。
その段階に来たら、徐々に内容・プロセスを記録します。
しかし、いい加減な会議などでは、話ばかりで結論がないということが多いですよね。こういう会議は議事録担当者泣かせですね。
思い切って発言し、結論は何ですか?と、聞いてみましょう。
意外に目からウロコがポロリだったりして・・・
先日直接聞いたお話ですが、臥龍(角田)先生は、セミナーで聞いて使えると思った部分はその場で携帯メールに書き込み、すぐ自分のパソコンにメールされるそうです。
そうすると、それを少し加工するだけでしっかりした文章に仕上げられるので便利ですよと言っておられました。こんな方法でメルマガのネタを仕込んでおられるのは流石ですね。
3.議事録について
議事録は時系列を重視します。だから、全体の進行把握が必須です。
会議の開始・終了時刻、出席者・欠席者、遅刻者・中退者・中座者、ことによっては、テーマ単位の進行時間記録等々が、自然にメモできなければなりません。
初めのうちは、これらの事をメモし忘れて困ることがあります。それを防ぐために、議事録者としての私の経験ですが、「何かあったら時計を見る」ことです。
なぜかと言うと、「思い出す工夫をしておけば思い出せる」ということを最初の項であったのを思い出して下さい。
つまり、こうです。ちらっとでも時計を見ておくと、この時の休憩は何時から何時までだったかなあと悩んでも、静かに目を閉じて思い起こすと頭の中に時計を見たシーンが蘇ってきて、文字盤の何時何分が見えてきます。本当ですよ。やってみて下さい。私の経験ですから。
議事録は、テーマ主体の場合と、意見主体の場合があります。
テーマ主体型では、議事録は簡単です。基本はテーマと結論です。さらにプロセスがあれば申し分ありません。
しかし、意見主体型は、結論がない場合があります。その時は意見の内容と流れをメモしていかないと、記録になりません。
このケースにおいては、発言者の名前とポイントをメモしていきます。出来るだけ私情を入れずに、ストレートに簡略化して書きます。
分からないところがあれば、会議の後、その部分を本人に聞きに行って聞き取れなかったので教えて下さいと言えば、気持ちよく答えて頂けるので積極的に質問しましょう。
また、ホワイトボードの文字はデジカメで記録して下さい。
ボード文字は、その場の臨場感を端的に表せますので、できる限り議事録に掲載するようにしましょう。
テーマが前後したり、何回も同じテーマが出てくる場合は、1つの項目にまとめます。これは時系列を無視したことになりますが、出席者もその部分については分かっているため問題はありません。
パワーポイントを使った場合の報告は、次の項で説明します。
4.講演レポートについて
レポートは、議事録と違い、出席者以外の方にも分かって頂かなければならないという使命を持っています。この点が大きく違うということの認識をしっかり持っていないとよいレポートは書けません。
その講演を知らない人に分かってもらうには、その講内容より先に、その講演会に至る背景、経過が説明されていないと解釈しにくいということです。そういうコメントがレポートのトップにあって、講師のプロフィールなどがあれば言うことはないでしょう。
そして、講演会場の外観やエントランス、受付などの風景が写真であればよりその講習会の感じがイメージしやすく、読み手の側に立ったレポートになり得るわけです。このあたりが親切の見せ所です。
そして講演記録です。
講師先生の講演スタイルにより、主に「口頭重視」「配布資料重視」「プロジェクター重視」の3つのパターンがあります。
「口頭重視」の場合は、ひたすらメモです。たまにレポート用に講師先生や受講者の状況をデジカメします。出来るだけ自分で撮ります。イメージが流れているので、感じが統一されます。
書ききれない場合は、キーワードだけ書きます。そして、次のテーマに移行して内容を書きます。少し間があれば、さかのぼってさっきのキーワードにコメントを補完します。キーワードさえあれば、ほぼ内容は覚えているので、まとめる時に思い起こして書き足します。これは訓練で出来る様になります。
レポートをまとめる場合は、事前状況写真を配置し、講演記録を重視しつつ、時系列を意識して講習中の先生の写真や風景を配置してレポートを仕上げます。
「配布資料重視」の場合は、なかなか難しいです。配布資料があるのでこれに頼りそうになるのですが、基本的には資料はないものとしてメモを取ります。なぜかというと、資料があるのでメモは簡単にと安易に構えていると、資料以外の貴重な例え話などを聞き逃してしまうからです。
この講演レポートをまとめる場合は、配布資料が公開OKの場合においては、講演記録の随所に、配布資料写真を挿入します。
なぜ配布資料を写真にしなければならないかと言うと、そのレポート内に写真で取り込んでおくと、レポートの一部として記録されるので紛失の心配もなく、資料だけが一人歩きすると言うこともないからです。
次に「プロジェクター重視」の場合です。記録の取り方は一緒です。
おもにパワーポイントを使用しての説明になると思いますが、注意すべきは、そのデータが公開可能かどうかです。
可能な場合は、そのデータが講師先生から頂けるかどうかです。
頂くことが出来る場合は、それをレポートの随所に効果的に貼り付ければ最高です。撮影したスクリーン写真を使用する場合は写真の精度が問題になります。
この場合、良く練習しておかないと、薄暗い中での撮影はなかなか難しいものですので、事前練習が必要です。フラッシュをONするとボヤっとなるし、OFFのままだと暗いし、、、
このケースのレポートまとめは、データが多くなる傾向があるので、出来るだけ効果的なデータ(写真)を使用し、後は記録文でつなぐというスタイルが良いでしょう。
データ量としては、1MB以内に収めることにしましょう。
あまり大きいサイズのレホートを作ってしまうと相手先のメールBOXが一杯ですとメッセージが返ってくる場合があるので気を付けましょう。
5.見学会レポートについて
見学会のレポートは、写真重視がよいでしょう。
出来れば準備段階からドキュメントを残し、最終まで満遍なく記録することがキモです。
見学先の方の講話はもちろんのこと、移動途中での良い話や、会話のメモも有効的です。
全体がストーリーとして流れていることが大切です。
写真は、全員の集合写真は必ず入れます。そして、懇親会などではカメラ視線でのグループ写真を多く取ると、良い雰囲気のものが出来上がります。
写真を編集する時に、吹出しをつけたりするとより一層効果的です。
6.ドキュメント活用術
作成した議事録は、その会議の出席者に配布します。部外者には配布できません。取り扱いは要注意です。特に幹部会クラス以上の議事録は、未公開の機密情報が含まれている可能性があるので、十分気を付けましょう。
逆に、公開すべきはどんどん公開し、情報共有に心がけます。
情報は血液です。どんどんフレッシュな情報を提供し活性化しましょう。
レポート類は、内々のものと発信可能なものに区分されます。
内々のみに配布すべきものは、その関係者にきっちり届くようにします。
一般への発信可能なものは、コピーやメールなどを利用して、どんどん配布しましょう。喜んで頂ける事、請け合いです。
7.最後に
今回は、今までと一味違う内容だと思いますが、どうでしたか?
私は昔、議事録を書いて親会社に送ったところ、そこの上司の方が私の議事録をチェックされて、真っ赤っかになって校正された議事録が送り返されてきました。
「なんでやねん!」とメチャクチャ腹が立ちました。
しかし、その時学びました。「注意してもらわないと分からないことがある。」貴重な体験でした。
その時依頼、俄然ドキュメントに本気に取り組むことになりました。
私は長年の経験から「ドキュメントを制する者は、その場を制す」という信念を持っています。
なぜかというと、ドキュメントを作っていると、やがてそこに情報が集中するようになってきます。
「あれはどうなった?」「これお願いします!」なんてなことが当たり前になってきて、やがて全ての機能がそこに集約されてきます。
そうなると、面白いことがおきます。
そうです。
結果的に。みんなの輪の中心にいる様になるのです。
これが今の私のポジションになっています。
是非、皆さんも頑張って、ドキュメンターになって下さい。
出来たドキュメントを送って下さい。楽しみにしています。
8.次回案内
では、次回の案内です。
次回は、「情報整理とファイリング」です。
これで困っている人が多いですね。
すっきりとさせますよ。
では、次回もお楽しみに!
メルマガ再録 (2006年2月27日 第13号)
ファシリテーションとは、その場で与えられた課題について衆知を集め、最高の意見を採用し、解決策を考えるための効率的会議進行技術です。
< ファシリテーション >
1.本題に入る前に
私は議事録主義者です。
そんな主義あったっけ?・・・ありません。
私が勝手に言っているだけです。
私は、コンサルタントになる前から議事録を書いています。
コンサルタントになってからの議事録の数は、月間15回×15年分=2700回、それまでも含めると余裕で3000回は超えています。
平均A4で2ページとして、6000ページは書いています。
それだけ、会議に出席し、会議進行にかかわってきました。
その中で培ったノウハウを今回は公開します。
2.ファシリテーションとは?
あるホームページに上手くまとまった文章があったので引用させてもらいます。
<ここから>
ファシリテーション(facilitation)
グループ活動が円滑に行われるように、中立的な立場から支援を行うこと。またはそのための技術のこと。協働促進と訳する向きもある。
facilitationという語は、(物事を)容易にする、円滑にする、促進することを意味する。
一般にファシリテーション・スキルは会議のための技法ととらえられることが多く、狭義には「ミーティングが円滑に運営されるように働きかけること」とされる。また、「ビジネス・ファシリテーション」「プロジェクト・ファシリテーション」といった用法もあり、この場合は「組織やチームが目標を達成するために、創造や変革、問題解決、合意形成、学習などを体系的に支援し、プロセスを促進させること」となる。
ファシリテーションの基本スキルとしては、次のものが挙げられる。
<1>質問、発言、要約
<2>話を聴く・話を引き出す
<3>記録
<4>グループ調整
<5>コンセンサス、意思決定プロセス
<ここまで>
大体お分かり頂けましたでしょうか?
では、どの様にして答えを出していくのか、そこが知りたいですよね。
ということで、「谷口式ファシリテーション」の本題に入りましょう。
3.ファシリテーション・メソッド概要
基本的には5W1H、PDCA、KJ法、NM法といった思考法と同じ様なステップですが、私のストーリーはもっと実践的です。
全体の流れは以下の通りです。
ステップ1・・課題のキーワードを定義する。(キーワード)
ステップ2・・大項目をリストアップする。(シチュエーション)
ステップ3・・小項目をリストアップする。(アイテム)
ステップ4・・理想型を掲げる。(ディフィニション)
ステップ5・・現状の問題点をアナログ表現で書き出す。(プロブレム)
ステップ6・・アナログ表現で改善策を考える。(アイデア)
ステップ7・・A→D変換で実行プランを立てる。(アクションプラン)
ステップ8・・フォロープランを立てる。(フォロープラン)
では次に、それぞれの内容を説明します。
4.ファシリテーション・メソッド詳細
ステップ1「課題のキーワードを定義する」
・大体の会議において、まずこれが出来ていません。
・課題(テーマ)に対する合意形成が出来ていないから意見が出ないのです
・今、「チームワークを良くしたい」というテーマがあったとします。
・この時に、いきなり「チームワークを良くするために意見はありますか?」とやりがちです。
・これでは沈黙です。意見は出ません。
・次の様に進めます。
・「チームワークを向上させることがサロンの成長につながると思います。今日のミーティングで、その取り組みを具体化したいと思います。では、自分が考えるチームワークが取れている状態とはどんな状況だと思いますか? 例えば、楽しいとか、信じ合えているとか、気持ちが落ち着くとか、、、、」
・意見「○○○が良いです。」「△△△が良いです。」
・そうですね。では、これらの意見の主旨をまとめると「□□□」ということになるので、今回は「お
互い信頼感を持って支えあえるチームワーク作り」というキーワードに決めましょう
・これで、取り組みの背景と、どんなテーマかが明確になったので会議への参加意欲が高まります。
・このステップが、事前に出来ていないと、ミーティングは必ず暗礁に乗り上げて座礁してしまいます。だからこの前置きの部分が絶対重要なわけです。
・人間誰しも、「何で?」ということにこだわります。
・理由が分からないと前進出来ないからです。
・させられるのは嫌です。したいのです。受身でなく、能動的でありたいのです。
・そういう心理状態をよく考え、「君達の意見を聞かせて欲しい。それがサロンを良くするんだ!」という前提条件・雰囲気を作らないと、スタッフは心を開かないのです。
・ここまでくると人間学・心理学の世界ですが、それが忘れられて、「さあ、意見を出せ!」では意見が出ないのは当然です。
・メンバーを信じ、皆で作っていくというこちらの気持ちが相手に伝わらないと意見は出ないと言うことを肝に銘じてください。
・だからリーダー次第で会議は、沈黙したり踊ったりするのです。
・この項目に力を注ぐことにより、会議は動き出すのです。
ステップ2「大項目をリストアップする」
・次は大項目(主な場面)の分析リストアップです。
・チームワークに関連する大きな項目を皆で意見交換しながらリストアップします。
・「コミュニケーション」「心構え」「仕事」「志の共有」などの意見が出ます。
・この時一緒に小項目も出ますが、より上位の項目を大項目とします。
・特性要因図、マインドMAPなどを利用するとより分かり易いですね。
・サロンの場面分析では、MOT(Moment Of Truth、真実の瞬間)という手法を使ったりすることがありますが、これはまた別の機会に紹介しましょう。
ステップ3「小項目をリストアップする」
・次は小項目の分析リストアップです。
・大項目の中での細かい項目を考えます。
・「コミュニケーション」=「意思の疎通」「報告」連絡」「相談」等、「仕事」=「確認」「フォロー&アドバイス」「責任ある行動」等がリストされるでしょう。
・意見が出尽くしたと思ったら適当に止めて下さい。
・いつまでもこの辺りで時間を使っていると、時間内に検討が終わらないので、議事進行が必要です。
ステップ4「理想型を掲げる」
・小項目のリストアップが一応終了したら、次は理想型を考えます。
・これは、小項目に対する定義・目的・希望というここと同じです。
・大項目「コミュニケーション」、小項目「意思の疎通」、理想型「自分の意見や想いを伝え、相手の意思も確認できる場が定期的にあればよい」ということになります。
・ここで十分意見を交換し、相手・メンバーが何を考えているかを把握します。
・一人の意見に偏(かたよ)るのではなく、全員に意見を求め、相手の意見を尊重して、聞き届けてあげることが大切です。
・通常は、このステップ4を飛ばして問題点に行きやすいのですが、それはいけません。
・このステップで理想型を話し合うことにより、方向性・ベクトルをまとめて行くという重要な要素があるので、欠かせないステップです。
ステップ5「現状の問題点をアナログ表現で書き出す」
・理想型が出来れば、現状は分かり易いですね。
・しかし、個人個人が見ているポイントは違う可能性があります。
・「えっ!そんなところ気をしてたの!」「それは気がつかなかったなぁ!」という意見は貴重です。
・この項目では「~~が出来ていない。」という表現方法を使います。
・アナログ表現の良さを生かして、さらに否定形を使うことで、より問題点が強調されます。
・「意思の疎通」の場合の問題点は「今、志、夢が語り合える場が無い」ということになります。
・アナログ/デジタル表現、A→D変換については、本メルマガ第10号を参照して下さい。
ステップ6「アナログ表現で改善策を考える」
・次は、ステップ5で検討された問題点の改善策を考えます。
・これは、考え方によってはめっちゃ簡単です。
・例としては、「今、志、夢が語り合える場が無い」という問題ですので、肯定形にひっくり返すだけです。
・つまり「今、志、夢が語り合える場がある(あればよい)。」です。
・「なんだ!」と思われるでしょうが、ここがミソです。
・こうすることによって、問題が課題になります。
・問題は嫌だが、課題は楽しいのです。前向きなテーマだからです。
・「夢が語り合える場を作ろう! それにはどうするか?」を検討することになります。
・ここでは、ブレーンストーミングがいいですね。
・否定なしで意見交換して、楽しくアイデア出しします。
・その中から、すぐに使えるもの、時間の掛かるもの、費用の掛かるもの、将来したいものなどに区分して、評価します。
・当面すぐ出来ることからリストアップします。
・この場面では、まだアナログ表現なので、アクションプランとしての答えを急ぐ必要はありません。
・「意思の疎通」の改善アイデア例は、「サロン外で語り合える場を作る」ということになります。
ステップ7「A→D変換で実行プランを立てる」
・さて、次はいよいよ実行プランに入ります。
・ステップ6で出た改善アイデアをA→D変換して、アクションプランに落とします。
・「意思の疎通」の実行プラン例は、「定期親睦会をスタートさせる」ということになります。
・この辺りに来ると、意見はスムースに出るようになります。
・そのプランの実行責任者、実行期限を決めます。
・ここでは、勢い余って、無理な計画を立てがちなので、他項目とのバランスを見ながら日程調整します。
ステップ8「フォロープランを立てる」
・最後に、フォロープランを立てます。
・これが実行の歯止めとなるので、重要な要素です。
・つまり、ステップ7で実行プランは立てたものの、実行されていなかったというケースが多いものです。
・これでは何のために検討したか分からないし、こんなことが度重なれば「会議は無用だ!」という声がでて、逆に嫌なムードを作ってしまいます。
・会議で決めたことの実行率を向上させるためには、フォロープランが大切です。
・通常のファシリテーションでは、この辺りがあいまいになりがちですがここに力を入れないといけません。
・実行結果なくして、会議は意味がありません。
・ということで、実行責任者に対して「出来ますか?」「出来ましたか?」のチェックを入れる役目がフォロー責任者です。
・これは、下のスタッフでも構いません。
・「改善項目をしっかり実行する」「何事も、決めたことは絶対やる」と言う風土、習慣を根付かせることにより『伝統』を作ります。
・これがサロンの信頼と成長の基盤になります。
・以上が、谷口式ファシリテーションの8ステップです。
・理解できましたか?
5.最後に
どうでしたか?
リッツカールトンでは、「従業員への約束」と言うクレドがあります。
3つの項目ですが、従業員(スタッフ)に対して会社(サロン)が約束ごとを明記しているのです。
お客様へのことは一生懸命ですが、まずスタッフを大切にする風土を作ることが優先されるべきです。
その意味からも会議で決めたことは必ず実行するということは不可欠な要素であると思います。
またそのことで次の会議の意欲をかき立て、素晴らしいサロン作りが展開されることになるでしょう。
ファシリテーションは、そんなことまで含んだ重要な要素・ノウハウです。
是非是非、勉強されることを願っています。
今回の内容で、ハッと気が付かれた方は、メールでも下さい。
そろそろOFF会でも開催して、ノウハウ交換したいですね。
6.次回案内
では、次回の案内です。
次回は、「ワークショップ(自己改革→気付き)」です。
ファシリテーション技術を使いながら、ワークショップをいかに展開し、気付きを与えるかについて考察します。
では、お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!
メルマガ再録 (2006年1月23日 第11号)
効率的な社員教育を行なうには、このOJT/OFFJTの手法を知ること。目標を持ち働きながら教育するOJT、集合でレベルアップを行なうOFFJTの教育手法を学ぶ。
< OJT/OFFJT >
1.OJT/OFFJTって何のこと?
今回のテーマについては、既にご存知の方は多いでしょう。
確認のために説明すると、OJT(オージェイティ)は、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(on the job training)で、仕事中の指導訓練を意味します。OFFJT(オフジェイティ)は、オフ・ザ・ジョブ・トレーニング(off the job training)で、営業外での集合講習等を言います。
2.OFFJTについて
職場を離れて職務遂行の過程外でおこなわれる教育・訓練のことで、集合教育、通信教育、講習会などがあります。職場外訓練とも言います。
長所は体系的、専門的指導で効率的に教育できることです。
集合として一堂に会する長所を利用し、全体に一度に同じ事を徹底することが出来るという利点を生かすことです。つまり、聞いた、聞いてないが無くなります。
短所は費用がかかることや、単に知識だけが与えられることです。個人のレベルが分からないので、同じ言葉をどこまで理解出来ているかなどの課題が残ります。
集合OFFJTとしての例は、会社年度計画発表会、入社式、各店ミーティング、技術講習会、モチベーション教育、レクレーション等々が考えられます。
また、個別OFFJTとしては、個人別面談など、営業外で個人的に指導育成する場面が考えられます。
3.OJTについて
OJTは、管理者や先輩が,職務遂行を通して,「①組織メンバーとして成長するための布石,②仕事に必要な知識や技能,取り組み姿勢,③仕事をすることの価値や達成感等々を,部下や後輩に,どう効果的にかつ有効に身につけさせるか」等、意識的に取り組む育成・指導の活動をOJTと呼びます。
OJTは、社員教育方法の1つで、実際の仕事を通じて、必要な技術、能力、知識、あるいは態度や価値観などを身に付けさせる教育訓練のことです。
人事・研修の世界でいう正規のOJTは、職務遂行を通じて管理者が部下に対し、意図的/計画的な指導・育成をマンツーマンで行うことと定義され、能力要件のリストアップや訓練予定表の作成といった方法論が語られますが、一般には必ずしも上司が行わない場合や、計画性が薄い場合等を含めて、もっと広義な“職場指導”という意味に使われることが多い様です。
4.OJTのケースワーク
ではここで、OJTを前提としたA店長と小林君、およびB店長のやり取りを考えてみましょう。
A店長「小林君、B店が忙しいのでヘルプに行って欲しいんだけど?」
小林「はい、かしこまりました。」
A店長「小林君、折角他店にヘルプに行くのだから、何かテーマを持って行った方がいいね。」
小林「そうですね。でも、僕まだアシスタントだから何もできないし・」
A店長「アシスタントでも出来ることがあるよね。と考えるとテーマ見つかるよ。」
小林「そうですね。挨拶はできますもんね。だったら、お客様全員に挨拶します。」
A店長「それはいいね。で、どんな風に挨拶する?」
小林「どんな風にって?」
A店長「挨拶で大切なことは?」
小林「笑顔で、元気良くです。」
A店長「そうだよね。それをやってみよう。じゃ、一度やってみて!」
小林「いらっしゃいませ! おはようございます! こんにちわ!」
A店長「いけるやん。じゃあ、がんばってね。」
小林「行ってきま~~す。」
――――――――――
A店長「B店長、今日小林をヘルプに出したので、教育よろしくお願いします。」
B店長「了解しました。で、小林君のポイントは?」
A店長「そうですね、ちょっと引っ込み思案の感じがあるので、そのあたり挨拶のテーマでちょっと教育して欲しいかな?」
B店長「OK、OK、任して下さい。」
A店長「よろしくお願いします。」
―――――――――
B店長「今、小林君、帰りましたよ。」
A店長「ありがとう。様子はどうでしたか?」
B店長「やっぱり、元気が少し足りないかな?それと積極性。」
A店長「そうですか。それで、何か指導してくれましたか?」
B店長「まず、到着時に今日のテーマを確認して、それを頑張るように言いました。」
A店長「そう、それで・・・」
B店長「頑張りますってしっかり言ってました。それで様子を見ていたんですが・・・」
A店長「うんうん」
B店長「やっぱり、どうしても手元の仕事に気が行って、お客様全員に挨拶に行くということを忘れがちになりましたね。それから、挨拶の次の会話がつながらない。」
A店長「はい、はい」
B店長「で、アイサツの意味を教えました。ア=相手を見て、イ=いつも、サ=先に、ツ=続けて一言いうこと。この「ツ」の意味をしっかり認識しないと挨拶の言葉だけで終わってしまうので次が続かない、ということを説明し、積極性を促しておきました。」
A店長「そうですか。ありがとうございます。」
B店長「で、相談ですが、明日も来させてもらえませんか?ちょっとヒントをつかんだみたいなので、同じ環境で続ける方が良いように思いますので・・・どうですか?」
A店長「そうですか。願ってもないことです。ではまた明日よろしくお願いします。ありがとうございます。」
―――――――――
小林「只今!」
A店長「お帰り、ご苦労様でした。で、どうでしたか?」
小林「まあまあでした。」
A店長「そう。まあまあだったの。自分では何点くらい?」
小林「70点くらいかな?」
A店長「そう。70点ね。どこが良かったの。」
小林「朝のうちは出来たんですが・・・・全員には出来ませんでした。」
A店長「そう。忙しくなるとなかなか行き届かないよね。笑顔はできたかな?」
小林「初めは店の雰囲気にもなじめなくて緊張しましたが,徐々に笑顔で出来ました。」
A店長「そうか。それからB店の店長が明日また小林君を指名でヘルプを依頼してきたんだけど、どうする?」
小林「僕、行きます!」
A店長「そうか。じゃあ、今日出来なかったことを明日きっちりやれるように考えてみて!」
小林「はい。今晩考えて、また明日頑張ります。」
A店長「そうだね。期待しているよ。また、報告お願いするね。」
小林「はい、わかりました。ありがとうございました。」
5.まとめ
上記は、今考えて作ったストーリーですが、いろいろとヒントがありそうでしょう?
A店長→小林君にはコーチングテクニックを使っての自発性を促す指導トーク、店長間では本人の育成に関して細かくフォローする上司間のチームワーク(店間共同作業)など、OJTには欠かせない要素です。
ということは、教育指導する側のレベルが高くないと人は育てられないということですね。
勉強不足な上司が部下を育成できるわけがありません。
また、自分のレベルを超えて欲しくないなどと思っている上司から教育を受けたくもありませんよね。
ということで、結局は教育を施す側のレベルが問題であると思います。
だから、OJTを考える時は安易な指導ではなく、会社レベルの取り組みがなされて初めて、しっかりした育成指導が出来るものと思いますので、そのあたりを踏まえてOJTに取り組んで下さい。
今回はどうでしたか?
えらく長文になってしまいましたが、ケースワークが分かりやすいという声があったので、ストーリー仕立てにしました。
ということで、OJTについて少しは分かってもらえましたか?
6.次回案内
次回は、「コーチング」です。
今回のケースワークも完全にコーチングトークを使用しています。
そのコーチングの粋を次回はお話しましょう。
お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!