メルマガ再録 (2006年5月22日) 第18号
頭の中で考えているだけではまとまりがつきません、対象とするテーマを、碁盤の目状の表に記載するように展開して考えることにより、課題が明瞭に視覚化できて、解決策が見えてきます。
< マトリックス思考法 >
1.はじめに
マトリックス思考法って私の造語ですので・・・と書きかけて、もしや世の中にあるのではと思い、インターネットで検索してみると・・・やっぱり、ありましたわ。それが以下の内容です。
<ここから>
『3X3マトリクス思考 ~ 見えてくる明日の形を築き上げる思考法です ~
時間(When)と場所(Where)は誰でも共通に与えられています。しかし個人によって人生が大きく変わってくるのは何故でしょう?。それはその人の目的(What)や存在意義などの理由(Why)が異なるからと言えます。自分を見つめ、明確な目的を持っている人間ほど強い者はありません。その目的に向かって自分(Who)が、誰に対して(Whom)、いくらで(How much)、どのように(How)人生を送っていくか、仕事や物事を進めていくか?いかに明日を見える形にする設計図(企画)を描いていくかが重要となります。そしてそれらは実際に実践できなければ意味がありません。』
<ここまで>
WHO,What,Where,When,Why,Whom,How,How muchの6W2Hがその要素です。
3×3のマトリックス枠を書き、中央のマスにテーマを書いて、周りにこの6W2Hを配置して、その内容を埋めて行き、相関関係において解決策・実行案を作っていくのが、この3X3マトリクス思考のやり方みたいです。
余り詳しく研究していないので具体的には分かりませんが、これはこれで利用の価値がありそうですね。
またまた前置きが長くなりましたが、私のマトリックス思考法はこれとは関係のないものです。
私の言うマトリックス思考法とは、「対象とするテーマを表または2次元グラフに表わすように平面に展開して考えればまとまりやすいよ」という感じの思考テクニックです。
では、その内容を書いてみます。
2.表
表は分かりやすいですね。
縦横の升目になったものです。
この表が何か話をしている時に頭に浮かんできて、整理出きる様になればあなたも一人前の企画者です。
3.表の例題
縦軸に項目、横軸に項目の要素が展開されたものです。
チームワークの改善なら、縦軸にオーナーとの関係、上司との関係、同僚との関係、部下との関係等が出てきます。
横軸なら、現状認識、理想の形、問題点、改善アイデア、行動計画等が上げられるでしょう。
4.ガントチャート
ガントチャートとは、日程表みたいな感じの表です。
縦軸に項目、横軸に時間系列を書き、時間の経過とともにすべき事を右下方向に記入していく形式の表です。
実行計画などを頭の中でシミュレーションしてみる時は、すぐさまこの表を思い出し、整理すると思考が顕在化され整然とします。
5.ガントチャートの例題
「サロン合宿を企画せよ!」というテーマが与えられたとします。
そうすると、縦軸は日程表、参加対象者、場所決定、予算組、プログラム、準備資料、関係者への配慮、お客様へのお知らせ等の項目がリストアップされるでしょう。
横軸は、経過日程です。
全体日程表を見ながらどのタイミングで次につなげるかを調整することが大切です。
実行日から逆算するとより真実味が出てきます。
6.クロスチャート
クロスチャートは、傾向を示すのに便利です。
やり方は、紙面の中央に水平線と垂直線でクロス(十字)を書きます。
そして、そのものが持っている特性・傾向をそのポジションニングによ位置付けします。
7.クロスチャートの例題
例えば雑誌のクロスチャートを作るとします。
横軸の右端はフェミニン、左端はカジュアル、縦軸の上端はクール、下端はロマンティックとします。
この場合、さらにラインを追加します。右上端はシック、左下端キュート、左上端シャープ、右下端エレガントなどにするとより明確に傾向が示せるでしょう。
そして、いろいろな雑誌を持ち寄り、どの部分の位置付けになるかを検討してはめていきます。
雑誌クロスチャートがあると、お客様から日常読んでいる雑誌をお聞きして、お客様の傾向を分析することが出来るので、カウンセリングの役に立ちます。
8.フローチャート
フローチャートは流れ図です。
フローチャートはコンピュータのプログラムを作る前に、流れを確認する時に作成したりします。
また、業務改善(業務システム図)や工程改善(工程図)をする時の物・人作業・マシン作業の流れを分析する時などにも使用します。
プロジェクトを管理する場合、旅行の行程表も、これに当たります。
9.フローチャートの例題
上から下に(または左から右へ)時系列に発生項目を記載し、それがどんな意味合いを持つ作業かによって項目枠の形を変えて見やすくします。
メインの流れとは別に外注などの外工程は別のラインで作図し、メインの流れに合流する部分で線を直結させます。
工期を守る上で重要な「クリティカルパス」という言葉があります。
「クリティカルパス」とはプロジェクトにおいて、事実上プロジェクト全体のスケジュールを決定している作業の連なりのことを指します。
「クリティカルパス」上の作業が遅れると、プロジェクト全体のスケジュールが遅れてしまうので、「クリティカルパス」上の作業を円滑に進行させることがプロジェクト管理上で重要となります。プロジェクトを遅らせないために、「クリティカルパス」上のタスク(仕事)が遅れた際に資源を投入して遅れを取り戻せるよう、タスク配置を最適化することが求められます。
10.ネットワーク図
時系列は関係なく、相互関連を中心に書かれたものがネットワーク図です。
特性や、想い等何でも自由に書けることから、マインドMAPや特性要因図、紹介系統図、組織図もある意味このネットワーク図と言えるかもしれません。
コンピュータなどのネットワークやシステムの関連を示すにはこの図が適しています。
11.ネットワーク図の例
中心にあるものから外に向けて、派生・関連するものを漏れなく記載します。
そして派生した物同士との関連も位置付けて見やすくします。
そして、全体を関連付けて適正を判断できる様にします。
この図を作るには、高所から見る視野・視点が必要とされます。
12.サマリー/ストラクチャー管理
サマリーファイル形式は1列方式での管理、ストラクチャー形式は階層管理に向いた管理方式です。
個人の情報などはサマリーで、紹介や組織図などにはストラクチャー形式の管理・書き方が適しています。
必要に応じた管理、まとめ方、表現が必要です。
13.最後に
まだまだこういった考え方・思考法はあるでしょうが、要するに、どんな課題があっても、その物事を一点で深く考えるのではなく、全体としてまず捉え、それから深く入るということが考え方・アプローチの基本です。
さらに、頭の中を平面的にさらに立体的に活用することが出来れば、もっともっと思考することが面白くなってくると思います。
思考は人間に与えられた特権・特殊能力です。
これをどんどん活用出来る様に訓練していきましょう。
いろいろな思考方法を知っていると、その時にマッチしたテクニックで複雑な問題も簡単に?まとめることができるし、解決策も見つかります。
勉強は奥の深いものがあります。
今回のマトリックス思考法を使って、じゃんじゃんチャレンジしてみて下さい。
ではまた次回お会いしましょう!
メルマガ再録 (2006年3月13日 第14号)
専門家の助言を受けながら,参加者が共同で研究や創作を行う場のことです。一方的に説明を受けるセミナーや講演ではなく、実際に対面して意見交換する中から自分自身で気付くことで認識が高まります。
< ワークショップ >
1.ワークショップとは?
決して「作業服・ツナギ・鳶服・軍手・安全靴・足袋・白衣・長靴・安全用品・工具等の販売」などのショップのことではありません。
ここでいうワークショップとは、「体験参加型気付き教育」「専門家の助言を受けながら,参加者が共同で研究や創作を行う場」ということです。
2.ワークショップの効果
ワークショップでは、一つのテーマに対して意見交換をすることにより、「そういう考え方もあったんだ!」と他人の意見を聞き入れ、認め合います。
その中で気付いたことを自分の思考に取り込むことにより、より大きな思考が出来る様になっていきます。
また、テーマ検討における役割分担がそれぞれの能力向上に役立ちます。
リーダーに任命された人のリーダーシップ、書記の人の記録能力、タイムキーパーの時間観念、発表者の発表能力などの役割能力の向上につながり、それが全体の意識を向上させることになるわけです。
このワークショップ型検討会を多用することにより、それらが相互に作用して、自然に自主活性化型サロン作りが可能となっていきます。
3.ワークショップの流れ
(1)事前準備
「1-1 テーマを決めます」
サロンであれば、「感動の接客をするには?」「技術の連携を良くするには?」「店着率を向上するには?」等々、いろいろなテーマが考えられます。
「1-2 対象者を集めます」
テーマが決まったら、そのテーマを検討するのに適切なメンバーを集めます。
この「1-1」と「1-2」の手順は、逆の場合もあります。
通常のミーティング中に、ワークショップを利用した方がよりベターと判断した場合は、幹事グループでテーマを即時設定し、展開するという方法も良いでしょう。
「1-3 進行を検討しておきます」
進行をシミュレーションして、時間配分、グループ分け等を考えておきます。
時間配分の例としては次の様な感じです。
前説 15分 (インストラクター)
検討 1時間15分 (グループ)
グループ報告 25分 (グループ発表者)
まとめ 5分 (インストラクター)
グループ人数は、4~6名くらいが良いでしょう。
(2)前説
「2-1 オリエンテーションを行います」
インストラクターから、本日集まってもらった主旨の概要と進行要領を簡単に説明します。次に準備したグループ構成を発表します。
「2-2 グループに分かれます」
グループ構成者名を発表したら、すぐにそのグループ単位でまとまって再着席します。この席替えは素早くします。
「2-3 4役を決めます」
インストラクターから、「リーダー、書記、タイムキーパー、発表者」の4役を決めるように指示し
ます。
会議の役割分担を明確にすることにより、会議への参加意欲が湧き、より活発な討議が繰り広げられます。
必要であれば、グループ名も付けるように指示します。
「2-4 インストラクターから検討要領と報告要領を説明します」
ここで再度インストラクターから本日のテーマの検討プロセス要領と着地点(アウトプット、報告すべき内容)を説明します。
この時点では、役割分担が決定しているので、真剣に聞き入れます。
(3)ワークショップ展開
「3-1 テーマに沿って話を展開します」
例えば「時間短縮」というテーマだとすると、リーダーはファシリテーション技術を使って、時間短縮に対する要素分析と現状認識、対策を考えるように会議を進行します。
その時、各自から出来るだけ多くの意見を引き出し、少数意見でも、新人の意見でも大切にする様に仕向けます。
時間内で終われるようにタイムキーパーは進行を促します。
約1時間くらいの検討時間ですので、その中で対策が実施出来る内容に絞るのがポイントです。
検討が行き詰ったら、インストラクターが助け舟を出します。「例えばこういうこともあるよね、その意見面白いからもっと膨らませてみたら良いかも?先日こんなこともあったよ」などなど。
「3-2 書記は検討途中の記録を書き留めます」
書記はそれらの意見を出来るだけ多く書き留め,報告時に再現できる様に記録します。ホワイトボードがあればなお結構です。
「3-3 意見を発表用にまとめます」
書記の資料を参考にして、グループ内で発表者が中心になり「この部分を強調しよう」とか「ここを面白くコントにして発表しよう」とか検討します。
(4)結果報告と気付きの共有
「4-1 発表の要領と発表内容の共有化を説明します」
インストラクターより発表の要領を説明します。
各チームの発表順番と持ち時間を伝えます。
発表を聞く時は、自分のグルーブには出てこなかった考え・アイデアに特に注意を払い、共有化する様に指示します。
「4-2 各グループから検討プロセスと結果を報告します」
インストラクターのガイドで、各グループから発表用にまとめたものを発表者が発表します。
ここが面白くできるほどレベルが高い様です。面白くできるということはアピールを考えていると言うことです。
こんなところからも、レベルアップは始まります。
時間があれば、各自から共有できた内容に関して一言コメントをもらえればより良いでしょう。
(5)インストラクターコメント
最後に、インストラクターより本日の進行内容についてコメントします。
リーダーの進行状況、グループメンバーの協力度合い、テーマに対するまとめ方法、発表者へのコメント等々、気の付いた事柄を途中でメモしておき、次回さらに上手にワークショップが出来る様に最後にコメントします。
4.最後に
ワークショップは「気付き」が重要であることを認識の上、会議運営することです。
単に結果だけを求める形だけの会議に陥らない様に、リーダーの会議進行に対する指導が事前に必要です。
しかし、この手法を習得すれば、いろいろな問題は自分達で解決することが出来るようになります。
あまり大きな声では言えませんが、この手法は、コンサルタントにとっては、最大の武器なのですが、今回は全て公開してしまいました。
ワークショップは、ミニプレゼン大会ということも言えます。
これを繰り返すことにより、インプット~プロセス~アウトプットまでのステップを頭に叩く込むことが出来ます。
これが非常に重要な要素です。
「アウトプットを意識したインプット&プロセス」「グループメンバーからの意見の中で答えを探す」こういう習慣付けをしていくことが、自主活性型サロン作りの基本です。
是非是非、サロンで活用されることを願っています。
今回の内容で、もっと知りたいと言う方はメール下さい。
5.次回案内
では、次回の案内です。
次回は、「ドキュメント技術」です。
記録の取り方、活用の方法等について困っている方も多いと聞きます。
情報整理も含めて、ドキュメント技術について考察します。
では、次回もお楽しみに!
メルマガ再録 (2006年2月13日 第12号)
コーチングは、対象者に対し気付きと勇気を与え、自らの発言において自主性を引き出すトーク技術です。
< コーチング >
1.コーチングって何のこと?
コーチングとは、そのテーマのパフォーマンス(出来栄え)を向上させるためにコーチングにより対象者を勇気付け、質問等のテクニックによって本人の気付きを引き出し、自発的かつ主体的取り組みによって、問題解決や知識・スキルの習得・向上を図る技法です。
また、コーチングとは、会話や人間としてのあり方を通じて、対象者が、本人の望む目標に向かって、本人の満足のいく方法で進むことを促進する環境を生み出す技術でもあります。
人を成長させることは出来ません。
コーチングは花を育てることに似ています。大事なのは、花が咲くための土壌、環境を整えることです。
人は誰でもそれぞれに素晴らしさがあり、無限の可能性を持っています。
全ての人々は、自分の本当の力を解放・発揮させてくれる機会や援助を待っています。
ほとんどの人は自分でも良い仕事をしたいと思っています。従って本人がより良いやり方に気づくように支援したら人々は悪いやり方をしません。
コーチが行う質問やコーチのあり方によって、対象者のアウェアネス(自覚)、選択、信頼という3つの要素が高まり、その結果、パフォーマンスや学習、喜びを妨げる要因が克服されます。
2.コーチングのメリット
コーチングのメリットとしては次の様なことが考えられます。
1)問題の発見や軌道修正を早めに行うことが出来る。
2)生産性の向上が図れる。
3)コミュニケーションの流れが良くなる。
4)メンバーの士気が高まる。
5)業績の向上が見込める。
3.コーチが使用する言葉の例
コーチが話す(使用する)言葉の主なものは次の通りです。相手をリラックスさせ、対象者の主体的な言葉を上手く引き出すように言葉を選んで会話し、自発性を持った行動計画を立てさせることが目的です。
1)状況を聞く
・「今の仕事の状況はどう?」
・「具体的に聞かせて?」
・「何か問題はないの?」
2)問題を特定するために聞く
・「成果を上げるために問題になっていることは何ですか?」
・「今、うまくいっていることは何ですか?」
・「なぜそうなっていると思いますか?」
・「うまくいっていないことは何ですか?」
・「それをするのに難しいことは何ですか?」
3)学習目標を聞く
・「その成果をあげるために何を学習したらよいと思いますか?」
・「今日は何を身につけたいのですか?」
4)フォーカス(焦点を定め)させるために聞く
・「どの点に注意をするとよいと思いますか?」
・「どうなっているとうまくいっていることが分かりますか?」
5)アクションプラン(行動計画)を聞く
・「どういう手順で進めていきますか?」
・「もう少し詳しく聞かせて下さい」
・「次には何をするのですか?」
・「どんな問題が起きることが予想されますか?」
6)評価を聞く
(前置きとして、「これからいろいろ質問しますが、別に緊張する必要はないし、正解を言わなくてもいいですからね。」といっておくことが大切です。)
・「やってみてどうでしたか?」
・「最初の目標に対して何パーセントくらい達成したと思いますか?」
・「他にどのようなやり方が出来たと思いますか?」
・「何か気がついたことはありますか?」
4.コーチングの例
では、サロンにおいて、山田マネージャーと村田チーフのコーチング例で、テーマを「経費節約」として考えて見ましょう。
山下MG「元気にやってる?」
村田CF「まあまあですね。」
山下MG「先日、TOPの方から課題が出たよね。経費削減について。」
村田CF「そうなんですよ。」
山下MG「何か、具体的に動き出せそうかな?」
村田CF「まだなんとも。」
山下MG「そうか。なかなかテーマが大きくて絞り込めないよね。」
村田CF「そうですね。どこから取り組んだらいいのか分からなくて」
山下MG「スタッフを巻き込んで自分達で出来る改善が良いよね。」
村田CF「そうですね。」
山下MG「とすると、どうかな? テーマは?」
村田CF「やっぱり材料費の削減ですね。」
山下MG「そうだね。いままでもいろいろ取り組んで来たけど、やっぱり材料費は大きいからね。」
村田CF「そうですね。前回取り組んでからスタッフもかなり入れ替わっているので再度取り組んでみましょうか?」
山下MG「そうだね。じゃあ、どうやって検討する?」
村田CF「まず、主だったメンバーを集めて協力を得ます。そして全員で取り組めるように案を練ります。」
山下MG「そうだね。じゃあ、いつそのミーティングを行うかな?」
村田CF「来週のレッスン日に声を掛けてみます。」
山下MG「そうだね。じゃあ、よろしくね。分からないことがあったらまた相談してね、」
村田CF「よろしくお願いします。」
――――――――――――――――――――――――――――――――
山下MG「会議、どうだった?」
村田CF「協力は得られたんですけど、今でも削減の努力はしているって言うので、次に進まないんです。」
山下MG「そうか。困ってるんだな。」
村田CF「そうなんです。」
山下MG「で、チーフはどう思っているの?」
村田CF「まだまだ改善の余地はあると思います。」
山下MG「そうか。でも、自分ではどうしたら良いか分からないんだよね。」
村田CF「そこなんですよ。だから進まないんですよ。」
山下MG「学習のポイントって分かるかな? 困った時に自分は何を学習する(学ぶ)ことによってその壁を乗り越えることが出来るかって事なんだけど。」
村田CF「さて・・・」
山下MG「つまり、自分にとって何が足りないのかを考えるんだ。どんな能力があればこの問題を解決することが出来るかを追求することなんだ。」
村田CF「はぁ。」
山下MG「ここのところを習得できれば、君はワンランクアップ出来るんだよ。」
村田CF「もう少し具体的に教えて下さい。」
山下MG「そうだね。う~~ん、こんな感じで分かるかな? 社内だけではなく、他のサロンがどんなことをして材料費を下げているかの情報をもらって勉強する。」
村田CF「なるほど。」
山下MG「つまりこれは、『自分の情報収集能力を向上させる』と言う学習テーマなわけだね。」
村田CF「そういうことですか!」
山下MG「じゃあ、何か思いつくことはある?」
村田CF「そうですね。親しくしているディーラーさんがいるから、その人に他店情報を聞いてみます。」
山下MG「そうそう、それだよ!」
村田CF「明日、納品に来た時に聞きます。」
山下MG「そうしてみて!」
――――――――――――――――――――――――――――――――
山下MG「チーフ! ディーラーさんとは会えたかな?」
村田CF「ええ、会えました。でも、今は手元に資料が無いので詳しいことは言えないけど、材料費削減をして成果を出したプロセスを書いた資料を会社に持っているので次回持参してくれるって言ってました。」
山下MG「そうかい。それはよかったね。それを入手して次はどうする積りだね?」
村田CF「そうですね。上には上のサロンがあることを説明し、実際にその成果資料を見せてメンバーに取組み意欲を沸かせます。」
山下MG「そうそう!」
村田CF「それから、具体的に取り組むための行動計画を立て、全員を巻き込んで成果を出したいと思います。」
山下MG「そうだね。もう一つ、アドバイスすると、成果の先に楽しみが欲しいよね。」
村田CF「そうですね。何かリクエストしてもいいですか?」
山下MG「成果相当であればオーナーも許可してくれると思うよ。」
村田CF「そうか、じゃあそれも相談します。」
山下MG「頑張ってね。」
村田CF「頑張ります。」
5.まとめ
どうでしたか・
「学習」って言葉、あまり使わないですが、大切なキーワードでしょ?
つまり、この学習した内容が使いまわしの利くノウハウとなるわけです。
このケースでは、『自分の情報収集能力を向上させる』というのがそのポイントです。
ディーラーさんとのコミュニケーションで、外部情報を仕入れる会話・折衝により、情報収集能力・外部ネットワーク技術が習得・向上出来るわけです。
人間は、給料・地位も求めますが、自分の知識・能力向上にはそれ以上大変興味・欲求があるものです。
だから、このコーチングというテクニックはそれを満たすと言うことにおいても非常に重要な役割を果たすものです。
6.最後に
人々の価値観・目標・行動に関する「内的変化」と、プロセス・戦略・手法・システムに関する「外的変化」を組み合わせた根底からの変革が、今世界中で求められています。
コーチングによってもたらされる学習は、単なる情報の蓄積ではなく、自分自身の可能性の発見にあります。こうした発見が喜びを生み出します。
自分自身の可能性の発見は、組織の可能性の発見でもあり人類の可能性の発見でもあります。
「私にこれだけの可能性があるのなら、私たちが力を合わせれば、素晴らしいことが出来るかもしれない!」という希望と予感の訪れです。
そのような希望を現実のものとするためのひとつの鍵は、チームとしてともに考え、共に働く力を育てていくことです。
いくら個々人の能力が高まっても、組織の中に調和や一体性がなければ、組織の能力は高まりません。
そういう意味では、サロン全体としてコーチングに取り組み、それを活かせる体質作りが重要でしょう。
7.次回案内
今回の内容によってもっと深く勉強したいと思われた方は、本を買って独学で勉強されるもよし、世間にあるコーチングのコースを受講されるも良しです。
次回は、「ファシリテーション技術」です。
ファシリテーションってあまり聞かない言葉ですよね。
効率的会議進行のテクニックとでも言うものです。
私はこの技術を体得したので、コンサルタントとして長年続けてこられたものと思います。その真髄をお話します。
では、楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!
メルマガ再録 (2006年1月9日 第10号)
A→D変換とは、観念的なコミットメントを、誰にも結果が見える様に実践行動表現に置き換えるノウハウのことです。
< A→D変換 >
1.A→D変換って何?
Aはアナログ的思考、Dはデジタル的思考を言います。
従って、A→D変換は、アナログ的思考をデジタル的思考に変換することです。
アナログ的思考方法は、気持ちの部分です。
デジタル的思考方法は、行動の部分です。
これで分かりましたよね。
つまり、頑張るという気持ち(アナログ表現)は分かるけど、何をするの?(デジタル表現)って聞きたくなることがありませんか?
これは、A→D変換に慣れていないスタッフの表現パターンです。
この言い回し(アナログ表現が先に来ること)は、当然といえば当然なんですね。
「これについて、何をします」とデジタルに言わせる様に、習慣化させる工夫を随時指導することが大切です。
A→D変換が出来ないと、考えただけ、思っていただけで終わってしまい、実績を残すことが出来ません。
ということで、考えを行動に置き換えるスイッチがA→D変換そのものですので大変重要な項目です。
2.A→D変換のポイント
では次に、A→D変換のポイントについて考えます。
1)数字を入れる
行動アイデアに数字を入れることです。これが一番簡単で明瞭です。
この数値化を考えることが、実行上のアイデアを引き出します。
これが出来れば、かなりの確率で実行成果が出ます。
多分これが出来なくて前進しないと悩んでいることが多いと思います。
だから、初めのうちは一緒に考えてあげて、何回も繰り返し訓練することが必要です。面倒ですが、結局はこれが近道です。
2)実際に行動している場面を想像する
いつ、どんな時に、何回くらい、実行しているのかを想像してみることです。スタッフは想像力が不足しています。もっともっと想い描く力を付けさせることが必要です。その訓練にもなります。
3)チェックマンを作る
数字の入れられない項目は、その項目をやったかどうか、どの様にすればチェック出来るかを考えます。
チェックマンの任命、報告&チェックのタイミングを明確にします。
4)報告会とフォロー
必ず、やったかどうかのフォロー会を行います。
デジタルにしたから完璧に出来るとは限りません。
後は、それを実行する人の根性の問題です。
ということで、実行した結果報告を聞きます。出来た場合は出来た理由、出来なかった、中途半端だったらその理由を聞き、どうすれば完全に出来るのか自問自答、あるいは他からのアドバイスにより話し合います。
そして、再度挑戦します。
この環境が、良循環の体質を作る全てです。
その場面は、責任追及という厳格なムードではなく、「こうしたらええやん!」という柔らかく、かつ真剣に話し合いましょう。
これが演出出来る様に、指導者は心掛けましょう。
3.A→D変換の実例
あるテーマをA→D変換しなさいと言われたら、慣れていない者は考え込みますよね。
では、A→D変換の例を挙げてみましょう。
「レッスンします」→「一週間に2回します」
「本を読みます」→「毎日10ページ以上読みます」
「感性を向上します」→「鑑賞に行ったレポートを月末に提出します」
「テンションを上げます」→「朝礼でゲームリーダーをします」
「ハンティング・ポスティングに行きます」→「今月は千枚配ります」
「チラシを作ります」→「原稿は15日までに作成します」
「報告します」→「明日営業終了時に、Aさんに報告します」
「単価アップします」→「6000円を6500円にします」
「定着率を向上します」→「70%を2ヶ月後に80%にします」
「売上を上げます」→「指名売上80万円を、来月は90万円にします」
「頑張ります」→「頑張っている姿をAさんに毎日10段階評価してもらい、グラフにします」
どうですか?
周囲から見て、判断しやすいですよね。
また、デジタル表現を周知事項にすることにより、周囲の協力を得ることが出来ます。
あの人はこのテーマについて努力しているので、この情報を持っていってあげよう等の協力・助け合いが始まります。
4.指導要領
こういう考え方を、机上でまず行える様に指導することです。
だから、あやふやな答えをした時は、すかさず「で、いつ?どれくらい?」と質問しましょう。
計画書等の書類にも、担当者、開始日、完了日、フォロー担当者などの項目を記入しておき、それらを必ず一緒に考えるクセを付けさせましょう。
5.まとめ
今回はどうでしたか?
まず、考えを行動に移す前に、よく事前処理を頭の中でやっておくことの大切さが分かったと思います。
特に、新人の子達にはこの仕組みを分からせておいて下さいね。
これがサロンのレベルを決定付けますからね。
6.次回案内
次回は、「OJT/OFFJT」というテーマをお話します。
OJT(オンザジョブトレーニング、仕事中の指導訓練)、OFFJT(オフザジョブトレーニング、営業外での集合講習等)について学びましょう。
お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!
メルマガ再録 (2005年12月12日 第8号より)
システムエンジニア的思考とは、ヒアリング技術を駆使して相手の要望をまとめ上げ、見える化する技術です。
< システムエンジニア的思考法 >
1.システムエンジニアって何?
システムエンジニアって、SEと略して書きます。
聞いたことあります?
SEの仕事とは、「よりクリエイティブな時間を確保するために、日常業務をコンピュータ化する仕事」をします。
日常作業には、ルーチンワークとクリエイティブワークがあります。
ルーチンワークとは、日常決まりきった手順で行う仕事です。
クリエイティブワークとは、サービスの質や作業の効率を向上するための創造的時間のことです。
今の世の中、現状の仕事のやり方だけをやっているということは、それすなわち後退を意味します。
で、創造的時間を作り出すこと自体が求められているのです。
その手伝いをするのがSEであるわけです。
2.SEの仕事の仕方、その1
SEの手順はざっと、以下の通りです。
①ニーズを聞く~ニーズのレベルを上げる
②現場を知る~解釈する、手順を徹底分析する
③ニーズに照らして新システム設計書をまとめる~その設計書を現場の人と叩き上げる
④現状での妥協点を見つけ、新システム設計書を凍結する
⑤システム化(コンピュータプログラム)する
⑥出来たシステムを使用説明する
⑦仮使用する~不具合を検証する~もっと使い勝手の良い様にシステム、プログラム共に改良する
⑧これを繰り返して、納得の行くまで改善を重ねる
3.SEの特徴
その職場において、その現場で働いている人以上に詳しい人はいません。
外部に依頼したSEは、初めはその仕事について何も知らないのが普通です。
そんな人に内部の人が説明するのは、まどろっこしいという感じはあるでしょうが、「よいシステムを作る」という想いは同じですので、それを理解した上で取り組みましょう。
SEの聞き取り許容量を白紙のスペースに例えて考えてみると、普通の人が持っている白紙がA4サイズだとすれば、SEの白紙は新聞紙くらいに大きいわけです。それほどSEのキャパシティ(容量)は大きく、何でも書けてしまうわけです。
さらに、じゃんじゃん書けるので、消す必要がないので、一覧できる様にもなっています。
最終的には、現場の人より物知りになっています。というのは、関連部署への調査もするので、全体が見えるからです。
こういう特徴を活かして仕事をするので、頭の中の整理整頓が上手です。
しかし、これは本当は、そんなに白紙が大きいわけではないのです。
つまり、頭の中の白紙のサイズは一緒でも、そのあたりのテクニックが数段上なわけで、そんな効率的な仕事ができるわけです。
4. SEの仕事の仕方、その2
では、SEの手順詳細について考えます。
①ニーズを聞く~ニーズのレベルを上げる
・まず、相手の要望を聞きます。それをよく解釈します。今までの経験に基づいて質問をし、聞き取り内容を明確にします。
・ワークデザイン的思考法により、より高次元で聞き出すのがポイントです。
②現場を知る~解釈する、手順を徹底分析する
・事件は現場で起こっています。現場からの声を聞き、現状をよく認識します。
・現場の手順を良く観察し、自分の目で確認します。
③ニーズに照らして新システム設計書をまとめる~その設計書を現場の人と叩き上げる
・ニーズと現場の状況を把握した上で、ニーズに沿った新システムの提案設計書を作成します。
・その設計書の原案を、現場の人も入れて納得行くまで検討します。
④現状での妥協点を見つけ、新システム設計書を凍結する
・検討を重ねて合意形成された設計書で一度、その内容を凍結します。
・検討はどこまで行っても終わりがないというのが常です。それでは
次に進めないのでそこで、それ以上の変更はしないという約束を一度してから次のステップに進
みます。
⑤システム化(コンピュータプログラム)する
・その凍結された設計書に基づき、プログラムを設計、完成させます。
・ルーチンワーク(定例・定量処理)と特殊処理を区分することがポイントです。
・特殊処理の方法も出来るだけ簡素化して考えます。
⑥出来たシステムを使用説明する
・出来上がったプログラムの使用説明をします。
⑦仮使用する~不具合を検証する~もっと使い勝手の良い様にシステム、プログラムともに改良する
・テスト使用します。
・ここでいろいろな不具合や、もっとこうした方がという意見が出るので、SEはそれを交通整理します。
・そして、それを再度プログラムにすべきか否かを検討します。
⑧これを繰り返して、納得の行くまで改善を重ねる
・この様な手順を繰り返して、よりニーズを満たすシステムを構築します。
かなり細かくなりましたが、SEはこんな手順を踏んで、希望のシステムを構築するわけです。
5.まとめ
いかがでしたか?
このSE的思考法、もうお気付きかと思いますが、どうやらサロンで行うカウンセリングの手法と似ていますよね。
今回の内容からベンチマーキング出来るところはどんどん使って下さいね。
6.次回案内
今までは、かなりノウハウ・シンキング系でしたが、次回からは考えたことをいかに行動に移すかと言う「DOHOW系」に入っていきましょう。
まずは、「けったくその反骨精神」というテーマからです。
お楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!