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FISH (楽しく働くための4つの信条)

メルマガ再録 (2008年6月9日) 第67号


FISHとは、職場と人生の新たな可能性についてのきっかけを提供してくれる4つの考え方です。「仕事を楽しむ」「お客様を楽しませる」「お客様に向き合う」「自分で態度を選ぶ」。

           < FISH >

1.はじめに

 今回のお題は「FISH」です。
 決してお魚のことを書くのではありません。
 FISHとは、職場と人生の新たな可能性についてのきっかけを提供し
てくれる考え方で、それをシンボル化した表現です。
 シアトルのパイクプレイス魚市場の店員たちは、楽しく仕事をするため
に4つの原理を信条として働いています。
 その内容・働きぶりが余りにも素晴らしので近隣の評判になり、さらに
世界から注目をされ、その考え方の真髄を「FISH」と名付けて、ビデ
オや本にもなっており、元気に働くためのバイブルとされるようになった
のです。
 というのが、FISHの背景です。
 今回は、その4つの原理を私なりに考察してみようと思います。

2.FISHオリジナル解釈

 FISH哲学のオリジナル解釈は、以下のようになっています。
(1)仕事を楽しむ
 「遊ぶ」とも表記されます。
 英語では「Play」です。
 楽しみながらやる仕事ははかどります。
 くつろいだ、自然な気持ちで重要な仕事に取り組むと、特に効果的です。
 やっている仕事に新たなエネルギーをもたらし、創造的な解決法を引き
 出すような心の状態のことでもあります。
(2)お客様を楽しませる
 「人を喜ばせる」とも表記されます。
 英語では「Make their day」です。
 ちょっとした親切や印象的な対応で人を喜ばせれば、日々のありふれた
 出会いさえも特別な思い出に変えることができます。
(3)お客様に向き合う
 「注意を向ける」とも表記されます。
 英語では「Be there」です。
 私たちはお互いに注意を向け合うことによって、気持ちを通じ合わせま
 す。
 何かに打ち込むために注意を向けることは良い方法です。
 他のことに気をとられながら身を入れずに仕事をすることが、疲れを生
 むのですから。
(4)自分で態度を選ぶ
 不満の種はいたるところにあります。
 英語では「Choose your attitude」です。
 だが人生がもたらすものにどう対処するかを選ぶ力が自分にあると分か
 れば、好ましい点を探し、想像もしなかったようなチャンスを見つける
 ことができます。
 自分が望ましくない態度をとっていると気付いた時は、別の態度を選ぶ
 ことが出来ます。

3.簡単なまとめ

 上記の説明は少々長いので、これを端的にまとめたものがありますので
紹介しましょう。
(1)仕事を楽しむ・・・・・仕事に遊びの要素を入れて楽しく働こう!
(2)お客様を楽しませる・・顧客満足(CS)は、ここから始まる。
(3)お客様に向き合う・・・いまそこにある仕事に誠心誠意集中しよう。
(4)自分で態度を選ぶ・・・辛い仕事も自分で決めればやりがいが出る。
 ここまでは、FISH【実践編】からの抜粋です。
 では、ここからは私の考察を加えてみます。

4.(1)仕事を楽しむ

 <仕事に遊びの要素を入れて、楽しく働こう!>
 仕事を楽しむというのは、個人的な仕事の価値観ですよね。
 私なんか、仕事を楽しまなくて何を楽しむのか!と言いたくなりますね。
 仕事を楽しんでいる人は生き生きしています。
 仕事を苦痛に思って、「やらなければ・・・」と思っている人の仕事ぶ
りは嫌々ですよね。
 どちらが良い仕事をするか、分かりきっていますね。
 どうせやるんだから、思い切って仕事を楽しんでしまえばいいのですよ。
 そのコツは、仕事を食ってしまい、ゲームにすることです。
 そう、ゲーム感覚だと、怖くないですよ。
 与えられた仕事、課題をクリヤーすれば、自分がエネルギーを充填して
もらえて、次のステージに燃料満タンで臨めると考えるのです。
 また、仕事から「学習させてもらえる」というのも良い考え方です。
 「今は学びの時なので、少々の失敗はいいんだ!」と思えれば、精一杯
チャレンジできます。
 失敗から学ぶことは大変多いのです。
 成功体験だけだと驕り(おごり)になってしまい、ついには大きな失敗
をしてしまう危険性があります。
 むしろ失敗は、成功のための糧になるというくらいに思って、もっとも
っとチャレンジしていくべきです。
 そういう環境を準備することが、素晴らしい職場を、そして人材を作っ
ていきます。
 もう一つは、志を持つことです。
 大志を抱き、未来を見据えれば、今の一歩はそれに続いています。
 そうすると、小さいミスなどヘッチャラです。
 「ゲーム」「学習」「大志」をキーワードに、仕事を楽しみましょう。
 そうそう、皆さんのサロンでも、仕事観について一度話し合ってみては
どうでしょう。
 きっと、有意義な価値観交換が出来ますよ。

5.(2)お客様を楽しませる

 <顧客満足(CS)は、ここから始まる>
 お客様を楽しませるには、何が必要でしょう?
 そうですね、自分が楽しいと思える感覚を持っていないと人は楽しませ
られないですね。
 自分はここが楽しい、満足感を感じる、また来てみたい等と思える感覚
がまず自分に備わっていないと、お客様が感じられるであろうポイントと
の比較が出来ないですよね。
 つまり、この命題は、エンターテイメント性を自分がどう持ち合わせる
かと言う課題になりますね。
 では、「楽しい」とはどういう状態でしょう?
 う~~ん、これって当たり前すぎて分かりにくい。・・・困った。
 そんな時は広辞苑です。
 「楽しい」=満足で愉快な気分である。快い。豊かである。
 「愉快」=楽しく心地よいこと。
 ついでに「エンターテイメント」についても調べました。
 「人々の感情に働きかけ、何らかの感動を起こさせ[楽しむこと」を目
的にした行為や催し物などのことである。」
 こう調べても「楽しい」の意味は、それを追求しても駄目みたいですね。
 では、楽しい状態をいくつか上げてみましょう。
   趣味をしている時
   良いことがあった時
   気の合った人とお話している時
   相手が嬉しくなることをサービスしている時  などなど。
 これらを総合して考えてみると、個人的には自分の好きなことをしてい
て気分が高揚している時であり、もう一つは相手を気持ちよくしている時
も自分も楽しいということになります。
 だから、自分が楽しめる人は相手も楽しませることが出来るのですね。
 いわゆる、エンターテイナーですね。
 自分は楽しいが、お客様を楽しませることが出来ない人は、楽しみの半
分しか出来ていないということですね。
 つまり、相手が楽しいということを推しはかってそれを提供することに
より相手が楽しいと思うことで自分が楽しいというロジックが成立するわ
けです。
 ややこしい話ですが、ゆっくり解釈してみて下さい。
 「自分だったらこうしてもらうと嬉しいな」ということが自分の中で自
然と沸いてくる感じ、その感覚を養うことが大切だということです。
 そして、それを相手にしてさしあげる、させて頂く、そういう良質なア
プローチが、極上のCSを作るためのサイクルだということです。

 ということで、相手が何を楽しいと思うのかと言うことにフォーカスす
ることがポイントであり、そのことに対してこちらが表現できるスキルを
身に付けるというサイクルを確立することが、この項の一つの答えといえ
るでしょう。

6.(3)お客様に向き合う

 <いまそこにある仕事に誠心誠意集中しよう>
 対面で話をしていて、視線が周囲に飛ぶ人がいますよね。
 それって、まことに嫌ですよね。
 私より周囲の動きが気になるわけです。
 「だったら、そちらに行って、先に用事を済ませれば!」と思いますね。
 意外に自分もやっているのかもしれませんが・・・・
 集中することがなぜ大事なのでしょう?
 逆に集中しないと何がデメリットなのでしょう?
 それは、集中しないと、核心に迫れないのです。
 散漫だと、気が入らない、集中しないので、いつまでも同じところをグ
ルグル廻る感じで、深く入れず、結果に近づかないのです。
 物事を考えたり、話をする場合、それに集中せず散漫だと前に進まない
ので答えが見つかってきません。
 友人と話をしているのならそれでも良いでしょうが、それでも上の空な
ら「あんた、何考えてんのよ!」と叱られることは間違いないですね。
 これって、基本中の基本ですが、本当の意味で、完璧に出来ている人は
少ないように思います。
 例えば、メールを送る・・・返事がない。そんな人に限って、次回会っ
た時に自分からはそのことを言わない。
 「メール見てくれた?」と催促したら「見た、見た」というだけ。
 それって、ダメでしょう。
 やっぱり「見たよ!」とか「了解」ってワンコメントでも返信しないと
いけないでしょう!
 これも上の空と一緒です。
 そんな意味で集中するということは本当に大切です。
 このFISHでは、通りがかりのお客様でも集中して対応するというこ
とを重視しています。
 そうすることにより、私は重要視されている、特別に扱ってくれている
という認識がお客様に生まれるのです。
 それって、大変重要な感覚です。
 お客様はその、何を置いても自分を大切にしてくれているという特別感
という感覚に酔ってしまい、思わずファンになってしまうという結果につな
がっているからです。
 通りがかりのお客様には何も出来ないと考えるのではなく、通りがかり
のお客様だからこそ出来るサービスを考えているのは、さすがFISHメ
ンバーだなあと感心させられます。
 本当の意味でお客様に向き会える人は、それだけで達人です。

7.(4)自分で態度を選ぶ

 <辛い仕事も、自分で決めればやりがいが出る>
 自分の行動は自分が決めているということを意外に忘れがちですよね。
 それは、しなければならない、そうせざるを得ない、日常的な行動なの
で考える必要が無い、これしか出来ない、などの理由で考えもしないこと
だと思います。
 「行動を考える」「自分の態度は選べる」のだという意識は余りにも自
然すぎてそのことについて立ち止まって考えようとしないのではないでし
ょうか。
 「態度を選ぶ」とは、自分の今の行動を振り返る一つのキーワードでし
ょう。
 「暗く行こう」と決めて一日を過ごすも「明るく、楽しくやろう」と一
日を過ごすのも、どちらでも出来ることです。
 その内面的なチョイスの結果は、すぐに表面的に現れなくても、心の内
で「明るく、楽しく」と思っていれば、それは必ず表情に出るはずですし、
言葉や行動の一部にも現れるはずです。
 最初のステップとしては、それでよいでしょう。
 しかし、ちょっとでもそれが表面的に出来るようになれば、それは急速
な変化を伴って良い方向に向かいます。
 周囲がそういう認識になれば、この変化は加速度がつき、すぐに本物に
なります。
 小さな習慣の積み重ねが、大きく人生を変えることになるのです。

9.最後に

 どうでしたか?
 教訓一杯の「FISH」、素晴らしかったでしょう!
 なぜ、今FISHなのかは自分でも不明ですが、どうも私の頭の中から
はこのFISHのことが離れないんですよね。
 まっ、CKEN感動セミナーの中でも言い続けたせいもありますがね。
 皆さんもこのFISH実践マニュアルを参考にして、「FISH」で充
実した日を過ごされますように・・・・・

 では、また次回お会いしましょう!

エンロール (巻き込み)

メルマガ再録 (2008年5月26日) 第66号


本当にエンロールを成功させるには、用意周到な準備と熱い情熱と、必ず目的を達するという継続性と、成功するまであきらめないフォローが必要だということです。

           < エンロール >

1.はじめに

 なんで今このテーマなのかは自分でも分かりませんが、なんかそう思っ
たので、天の声に従って今回のテーマは「エンロール」とします。
 エンロールって、知っている人は知っているが、知らない人は知らない
言葉でしょう。(当たり前)
 では、そのあたりから始めましょう。

2.エンロールとは?

 enrollで英和辞典で調べると「登録する」「名簿に載せる」「記
録する」「包む」「巻く」と言う意味です。
 私は「勧誘活動」というニュアンスのことが載っているのではと思って
探してみたのですが、ありませんでした。
 私には、この言葉には、マイナスイメージとプラスイメージが付きまと
っていると感じでいます。
 マイナスイメージとしては、セミナー業界用語として「勧誘活動」を指
すような感じで、少しダーティな感じを持っています。
 自己啓発セミナーなどで、次の友人を紹介するという時に「君は何人エ
ンロール(紹介/勧誘)するかコミットメントしなさい。それがあなたの
ブレイクスルーなのですから!」なんてな使い方をします。
 このセンテンスにぞっとするあなたは経験者?!
 参考までに、「セミナーを受けると、こんな良いことがある」、そのよ
うな誘い方の事を、釣り針に魚を引っかける様なところからセミナー関係
者は「フック」と呼んで、エンロールとは区別している、とありました。
 プラスイメージとしては、「目標を達成していくために、皆をエンロー
ルして(巻き込んで)行きましょう」ってな感じで使います。
 今回は、このプラスイメージをメインに考えて行きたいと思います。

 余談ですが、「エンロールメント・マネジメント」という言葉もありま
すが、これは入学から社会人として巣立つまで一人ひとりの個性を捉えて、
トータルにサポートする全人教育の考え方ということなので、今回の内容
とは関係ないみたいです。

3.上手なエンロール

 エンロールを上手くやるためにはどんな要素が必要か考えてみました。
 1.確固たる目的意識
 2.対象となる項目の明確な理解
 3.対象となる項目の最終型のイメージ保有
 4.エンロールストーリーの構築
 5.強固な普及意志
 6.逆境に負けない忍耐力
 7.やり抜く勇気
 8.理解させるための情熱
 9.説明・説得のための傾聴とトークマニュアル
 10.相手の理解度の確認
 11.リアクションとフォロー
 エンロールを上手くやるためには要するに、そのことを十二分に理解し、
熱意を持ってあきらめない精神で徹底していくということが大切なことだ
ということです。
 またエンロールとは、「人が何かの魅力や価値を感じ、自分で決めて自
分から物事に主体的、積極的に取り組む状態」「自分の立場をとることで、
相手と自分がどうなりたいかということを伝えることだ」とも言えます。
 自分はこうだからという主張がまず大切と言うことですね。

4.コミットメント

 コミットメント(commitment)という言葉があります。
 コミットメントの直接の意味は、「約束、義務、責務、債務、かかわり
あい」など、訳語を使うと意味が限定的になるため、カタカナ語として使
用されることが多いです。
 「コミットメントは、達成すべき目標であり、未達成の場合は具体的な
形で責任をとるもの。コミットメントのない変革は頓挫する。つまりコミ
ットメントは、目標と達成責任を明確にすることで、社員の挑戦志向、変
革志向を高めようとしているのです。」という説明がありました。
 コミットメントという言葉には、宣言と約束という内容がペアになって
いるという認識が必要だということですね。
 それで、会社を1個人と考えると、会社方針も自己宣言なわけです。
 自己宣言すると、すべきことが明確になります。
 そうすると、それを達成しなければならないというサイクルがスタート
します。そこから、エンロールの必要性が発生します。

5.具体化

 では、エンロールの実践面をシミュレーションしてみましょう。
 そうですね、テーマを「経営理念の徹底」とし、前項「3.上手なエン
ロール」で出てきた項目を参照して考えます。

<1>確固たる目的意識・明確な理解・最終型のイメージ保有
 まず、エンロールするためには、経営理念の徹底はなぜ必要なのか、そ
うすることによって何がどうなるのか、誰にとってどの様に変わり、何が
メリットで、デメリットなのか、説明する自分は完璧に理解し、何を聞か
れても答えることが出来るかなどについて、きっちり準備できていること
が必要です。
 それらを分かりやすく書面にして、説明にブレがないようにすべきです。
 「わしはええねん」と分かったように思っている人がいますが駄目です。
 そんなことを言っている人は書面の強さを知らないからです。
 必ず書面にして下さい。

<2>エンロールストーリーの構築
 エンロールストーリーとは、上記<1>で決めた内容を説明する時の、
対象者、説明順序、サブ資料、シチュエーション(場面)、などの前提条
件と全体の流れの把握が資料化できていることです。
 この全体感がないと、どこかで歯車が違ったときに元に戻せなくなるの
で絶対に必要な進行台本です。
 個人個人においてシミュレーションが必要です。
 一律のストーリーはありません。必ず各人にマッチした、マイナーチエ
ンジが必要です。

<3>強固な普及意志・勇気・情熱・忍耐力
 必ず納得してもらい、行動を共にしてもらえるためにエンロールすると
いう強い意志を持つことが大切です。
 さらに、反対意見やいろいろな困難に打ち勝っていく勇気と情熱と忍耐
力がないと、成功はありません。
 ま、表向きはそうなんですが、ちょっと裏に廻って根回しと言う日本的
手法を使うことも、よろしいかと思いますが・・・
 この項の裏付けとしては、<1>のことが心底理解できていれば、必ず
このエネルギーは湧いてきます。
 迷った時は原点に戻る。
 それがまた新たなるパワーとなって、継続の勇気となるのです。

<4>説明・説得のための傾聴とトークマニュアル・相手の理解度の確認
 さて、いよいよ対面エンロールです。
 説得・納得の対面会話で重要なのは、初めから余り気負わないことです。
 殺気をみなぎらせると相手は殻に閉じこもってしまい、聞く耳を持って
くれません。そこで、ゆるい感じで相手の近況などの話題から入り、気持
をやわらげるところからスタートします。
 そして、言葉尻をつかんで、少しづつこちらの言いたい内容に持って行
きます。
 これって、なかなか現場では難しいものです。だから、事前に予習が必
要です。
 この話題を振って食いついてきた時に、こちらの言いたい本題に絡む話
題に誘うといったテクニックです。
 これは見え見えにならないようにしっかり仕組んでおかないといけませ
んね。そういうストーリーをトークマニュアルとして、まとめておくこと
が必要です。
 他の人と面談した時には、進行状況をメモし、それをヒントに改良を重
ねていくことが、このマニュアルを充実・進化させていくことになります。
 話をしていて、こちらが言っていることに対して理解度がどれくらいか
試しに質問してみるのもいいですよ。
 「経営理念のキーワードはなんでしたかね?」「皆がこの理念を覚えら
れたらどんなサロンになれると思う?」「今までの話の中で一番印象に残
っている項目は何かな?」などなど
 お互いが、聞く一方や、話す一方にならないようにしましょう。
 反復したり、感想を言ったり、確認したりすることで認識は数段向上し
ます。そんなことを交えながら、相手の理解を得て、エンロールしていき
ましょう。

<5>リアクションとフォロー
 エンロール終了後のフォローです。
 エンロールすべきことは、事の大小にかかわらず日常茶飯事発生します。
 ですので、次のエンロールすべきことを前提に、環境を整えておくこと
です。
 つまり、やりっ放しにしないと言うことが大切です。
 前回のことを「うまくいっている?」とか「大丈夫か?」とか「問題な
いか?」などとコーチングテクニックを使って、さりげなくアフターケア
することです。
 自己重要感を演出して、「あなたは大切な存在ですよ!」ということを
アピールすることです。
 これが出来ていると、協力姿勢が得られるので、次回も必ず上手く行く
ようになります。

6.最後に

 結局エンロールとは、巻き込みの作業ではありますが、単に思いつきで
やっていては成果が出ません。
 本当にエンロールを成功させるには、用意周到な準備と熱い情熱と、必
ず目的を達するという継続性と、成功するまであきらめないフォローが必
要だということがお分かりになったと思います。
 相手の心理を読み、それにマッチした言葉を選び、最終的には納得して
そのことに参画してもらうというプロセスは、何においても重要な要素を
含んでいます。
 皆さんも、このことを念頭において実践してみて下さい。
 では、また次回お会いしましょう!

悩みの3悪 (ストレスフリーのために)

メルマガ再録 (2008年5月12日) 第65号


悩みの原因は、大きくは次の3大要素ではないかと思います。「比較」人と比べること。「自尊心」プライド。「制御」相手をコントロールしようとすること。これらについての分析と対策を考えます。

             < 悩みの3悪 >

1.はじめに

 今回は、私が考える「悩みの3悪」について考察してみます。
 多くの人達と会うと、ちょっとしたことで悩み、どんどんそれが拡大し
ていって、ひいてはウツ状態まで進んでしまう人がいます。
 そんな人を見ていると、「悩まなくてもいいのに」とか、「悩んでも仕
方ないのに」とか、「悩む方向が違うのに」とか思いますね。
 そんなひとは、悩みグセみたいなものがあり、それってただ動けばいい
だけなのにって思うことまで悩んでしまうわけです。
 この人は、「悩みたいんだなあ」とか、「悩むことを楽しんでいるみた
い」なんて思うこともあるくらいです。
 小林正観さんは最新刊「『き・く・あ』の実践」という著書で、今すぐ
幸せになれる方法として「き=競わない、く=比べない、あ=争わない」
の3つを言われています。
 そんなこともヒントにしながら、私なりに悩みについてアプローチし、
その解消法を考えて見ます。

2.悩みの原因の3大要素

 私は、悩みの原因はいろいろある内から、大きくは次の3大要素ではな
いかと思います。それは、
 「比較」とは、人と比べること。
 「自尊心」は、プライド。
 「制御」は、相手をコントロールしようとすること。
 です。
 ではこの1つ1つについて、傾向と対策を考えてみましょう。

3.比較

 「比較」とは、人と比べることです。
 比べると、どうなるでしょう。
 優越感か劣等感を味わうことになりますね。
 優越感は、相手を見下すことになる。
 劣等感は、自分を卑下(ひげ)することになる。[卑下とは自分を劣っ
たものとしていやしめること。(広辞苑より)]
 どうです。
 どちらもよろしくないですね。
 数字などの資料データは、単純比較出来ますが、「あの人」と比べるな
どということになると絶対に感情が入ってくるわけです。
 「私はあの人に比べ背が高い」という場合、優越感ということもありま
すが、高すぎる人は劣等感にもなります。
 「私はあの人に比べ、顔が丸い」「あの人は良く出来るが私は出来ない」
「皆と比べ私は技術の修得が遅い」などなど。
 何の基準で比べているのでしょう。
 人それぞれの個性、スタイルがあるので、比較は意味がないでしょう。

 学校ではアナログ部分で比較は出来ないので、点数で比較するしかない
ということになり、テストの点数で順位をつけることになっています。
 社会に出てみても、売上順位で上下が比較されます。
 大会社の下請けにしても、取引量や、品質データの数字で席順が決まっ
たりします。
 これって、単純に個人・会社の成績が向上したことを証明するのに使用
するのは良いでしょうが、他との比較は意味を持つのでしょうか?
 しっかり比較の意味を説明して、納得の上でのものならまだ良いでしょ
うが、単純に比較されてもって、思ってしまいますね。

 どうでしょう?
 人間の値打ち、人間の価値は、テストの点数が多いことですか?それが
人間の価値を決めるのですか?
 そんな社会の中で、落ちこぼれる人が発生するのは当然のことでしょう。
 こんな社会でいいのでしょうか?

 ん???
 なんか、いつものCKENメルマガらしくない?・・・ですよね。
 シリアス過ぎますですね。(シリアス=まじめな、真剣な)
 で、軌道を戻してですね・・・
 つまり、私が言いたいのは、比べてどうすんの?ってことです。
 比べて、「劣っている部分を盛り返すんだ!」というのはそれはそれで
結構ですね。
 しかし、大概、「比較してダメだ!」「いまさら無理だ!」と思うのが
落ちです。
 であれば、であればですよ、「比較しなければ良い」ではありませんか!
 比較しなければ、ユニークです。
 ユニークは唯一のという意味があります。
 そうです。オンリーワンです。
 オンリーワンでいいじゃないですか。
 人から、「オンリーワンは、ナンバーワンになれない奴の逃げだ!」な
んて言われても、そこに1つの正解がある限り、私はそれで良いと思いま
すよ。
 私(CKEN)も大きくはなれないけど、自分のスタイルを主張してい
ます。逆に言うと、それしか出来ないです。
 それが、自分の価値であり、オンリーワンです。
 オンリーワンを磨くと、それはそれでブランドです。

 私が言いたいのは、比較することは何の意味も持たないと言うことです。
 不要です。
 この「比較する」という考えを捨てれば、どんなに心が楽になるか、や
ってみてください。
 やり方が分からない人は、相談して下さい。

4.自尊心

 「自尊心」は、プライドのことです。
 ウィキペディアで調べたところ、「自尊心は自尊感情とも言い、自己の
存在や在り様を尊重する(大切に思う)感情のこと。日本語においてプラ
イドという場合には、自惚れ(うぬぼれ)や傲慢(ごうまん)につながる
場合もあると考えられている。」ということです。
 プライドが高いということは、俗に鼻が高いという感じですが、その感
情は、すなわち、「自分はこうなのよ!というように、自分を主張しすぎる
ことになります。
 つまり、自分が前面に出すぎて、折り合いが付けにくいということです。
 それって、相手からみると大変やりにくい感じで、嫌味な奴に見えます。
 それが積もっていくと、相手との距離感が生じ、とどのつまり、溶け込
みにくい性格になって行きます。
 「プライドは何の役にも立たない」って、友人が話していました。
 何の役にも、と言うのは言い過ぎでしょうが、かなり言い当てているな
あと感じます。
 もう一つの見方として、プライドは劣等感の裏返しなのではないかと思
うことがあります。
 何か自信がないからそれを隠そうとして見栄を張る。そんな感じがする
のは私だけでしょうか?
 本当に余裕があれば悠然と構えて、「いらっしゃ~い」と言っていれば
いいのですからね。
 それを自分の殻に閉じこもろうとするということは、やはり劣等感以外
の何者でもないでしょう。(無理やりですかね?)
 自分の劣等感を認めてあげれば、自然とたおやかな人になれるのではな
いでしょうか。

 さて、この不要なプライドを捨てるにはどうすればいいのでしょう。
 私は「ボーダーレス思考」だと思います。
 オープンマインド、ウエルカム志向です。
 「何でもいらっしゃい、私に出来ることは最大限します。」と全て受け
止める気持です。
 そうすることにより、自分のプライドはどんどん薄まり、周りとの調和
が取れてきます。

 しかし、この項を書いてみてハッとしました。
 前項の「比較」で書いた「自分は自分でいいじゃないか」という項目と、
この自尊心という項目とは対極にあるのではないかと気付きました。
 比較のところでは、オンリーワンを目指せと言っているのに、この項で
はプライドは邪魔だと言っている。
 う~~ん、両方正解ですよね。
 ここは、比較しないでおきましょう。(うっ!)

5.制御

 「制御」は、相手・物事を自分の都合の良いようにコントロール(制御)
しようとすることです。
 自分の思い通りにならないから悩むというケースは多いものです。
 考えてみれば、それは自然の摂理にかなっているわけです。
 無理があるからそうならないのであって、無理やりそうしようとしても
どこかが違うし、自分もストレスになります。
 だから、その状態・状況をそのまま受け入れるということが大切です。
 しかし、なかなか自分の考えとして受けいれられず、頭の中がモヤモヤ
状態になり、こんな考え事が2~3つもあれば、頭が爆発しそうになりま
す。
 そんな時は、一層のこと、あきらめれば良いのです。
 余談ですが、「あきらめる」について検索したところ「真実が明らかに
なれば、誤った思い(執着心)は薄れるから、「あきらめる」ことができ
るのだという解釈が一般的です。」とある人が書いていました。
 そうなんですよね。
 あきらめなければならないのです。

 悩みグセの1つとして、自分でどうにもならないことについて悩むとい
う考え方のクセがあります。
 これを脱するには、自分がコントロール(制御)出来ることか、出来な
いことかを判断すれば済むことです。
 結構、自分にはどうしようもないことで悩む人は多いようです。
 その典型的な例が、「取り越し苦労」です。
 ああなったらどうしよう、こうなったら困る、とこれから先のことを悩
んで眠れないってことありますね。
 しかし、そんなこと考えても無駄ですよね。
 そういう場合は、悩む必要は無くて、何が準備できるのか、それをどの
様にすれば出来るのかと、解決策にエネルギーを注ぐ方が賢明です。

6.まとめ

 今回は「比較」「自尊心」「制御」にまとを絞って考えました。
 では、それを総括してみましょう。
 「比較」とは、人と比べることで起こる悩みである。それを解消するに
は、自分はユニークであると考え、独自のスタイルでそれを磨き上げてい
くことで心が楽になる。
 「自尊心」は、それが強くなると自惚れや傲慢につながり、他人の意見
を受け入れなくなる。それを解消するには、ボーダーレス思考、オープン
マインド、ウエルカム志向を身につけることが大切である。そうすること
により、周囲との調和が取れて、悩みも解消する。
 「制御」は、自分の手が届かないコントロール不能事項に対して悩むこ
とである。そんなことは無用であり、自分がコントロール出来ることに対
し準備をすすめることで、随分楽になれる。
 とまあ、こんな感じですね。

7.最後に

 まだまだ悩みのポイントは多くあるでしょうが、このあたりに気をつけ
て、楽勝な毎日を過ごしてください。
 気が楽になったら、私も大変嬉しいです。

 では、また次回お会いしましょう! 

偉い人って? (努力を惜しまない人)

メルマガ再録 (2008年4月28日) 第64号


自分の考える「偉い人」ってどんな人ですか? 子供の頃言われた「偉い人になるんだよ!」って言葉がずっと頭にあり、曖昧なまま今まで来ました。この「偉い人って?」について考察しています。

           < 偉い人って? >

1.はじめに

 皆さん、自分の考える「偉い人」ってどんな人ですか?
 お金持ちな人?、地位が高い人?、特別な能力がある人?、皆から慕わ
れている人?
 子供の頃言われた「偉い人になるんだよ!」って言葉がずっと頭にあり、
曖昧なまま今まで来ました。
 今回は、この「偉い人って?」について考察してみます。

2.偉いとは?

 「偉い」を広辞苑で引くと、「優れている」「人に尊敬されるべき立場
にある」と出てきました。
 個人的には、「賢い」とか「皆から認められている」とかという単語が
頭に浮かびます。
 しかし、こんなに多様性というか、漠然とした言葉はないですね。

 例えば、偉い人の定義を次のように考えたとしましょう。
 「高所に立って全体を見回し、自分の意見を入れつつ全体の調和が取れ
る様にし、目的とする方向に引っ張っていける人」
 しかし、これだとリーダーの要件みたいですよね。
 一方、職人さんの生き方はどうでしょう? 誠に偉いですよね。何者に
も左右されない、裏打ちされた技術経験と鋭い感性と勘の世界。これはこ
れで凄いものがあります。
 では、普通の人はどうでしょう? 日常を一生懸命に生きている人たち。
その生き様に対して、偉いとか偉くないとかコメントできる立場にはない
ですよね。
 こう考えてくると、偉いとは、職業や立場ではなく、考え方や姿勢、努
力のプロセスなどが重要な要素なのではないかと思えます。
 つまり、大人たちが「偉い人になりなさい」と言う意味は、「偉くなる
努力を惜しまない人でありなさい」と言っているのではないでしょうか?

3.偉い人になるには?

 では、そういう「努力を惜しまない人」になるにはどうすればよいので
しょう。
 まず、その本人にとって「偉い」の方向性、志向性が定まらないといけ
ないでしょう。
 闇雲に突っ走るのではなく、一つの指標に向かって進む上での努力でな
いと意味がないでしょう。
 しかし経験上、この「方向性」は初めからはなかなか定まらないという
か、見つからないというのが正直なところです。
 それを見つけるには、今やっていることをしっかり地に足をつけて頑張
ることによって自然と見えてくるものです。

 次に、「努力」ですが、積もる方法を知っておくことが大切です。
 いくらやっても成果が出ないというのは、その積み重ね方を知らないか
らです。
 例えば、カタログを3つに折るという作業があったとします。
 まず大切なのは、この作業を短時間で仕上げようとする方向性です。そ
して、この作業を効率よくやり遂げようとする気持です。
 ではまず、漠然と1つやってみます。
 次は、折目の目印を探し、それをめがけて折ります。上手く行くまでそ
の目印を探します。それが探せたら「折る」という作業は意外と簡単でス
ピードアップします。さらに慣れが加わり、さらに早く出来る様になりま
す。
 この「折りの目印を探す」というところが重要ポイントです。
 普通はそれだけで終わってしまいますが、さらに作業環境を考えます。
 右から取って折って、左に置く方が早いか、左から右へ受け流す(?)
方が良いか、前から下へが効率が良いかなど作業配置を考えます。
 それを探すことで、格段のスピード差が生まれます。
 その様に、仕事全てのことに神経を配って効率を考え、工夫を凝らして
いくということが本当の努力&工夫です。

 と考えると、偉い人になるには、まずはこの様に、「方向性をしっかり
持ち、努力&工夫を重ねられる人」という定義が一つ考えられます。

4.リーダーにおける偉い人

 第2項で少し書いた「高所に立って全体を見回し、自分の意見を入れつ
つ全体の調和が取れる様にし、目的とする方向に引っ張っていける人」と
いうリーダーの要件内容について、もう少し考えてみます。

 ではまず、「高所に立って全体を見回し」ということについてですが、
リーダーは、全体像をいつも注視して把握していないと目的とする方向に
は導けません。アンテナを四方八方にめぐらして情報を入手し、それをし
っかり解釈して自分のものにしている。そんなことを常日頃からやってい
ることで、この項目はクリヤー出来ます。

 次は「自分の意見を入れつつ」と言うことについてです。
 あからさまに自分の意見を言うと、人はアマノジャクなので、反対しか
ねません。ということで、相手に同調しつつ、自分の側に引き込むという
心理的かつ話術的技術が必要です。
 それには、相手の言うことを良~く聴くことです。
 相手が何を言おうとしているのか、論点の中心(コンセプト)は何なの
かをしっかり把握し、それをまず理解します。
 そうすれば、真っ向反対でも必ずどこかに同調する部分が見つかります。
 核(コア)を聞き出せれば、機能分析を利用して、共通点を見つけ出す
ことが出来ます。そうすることにより、改善の方向に向かう案(フレーム)
が見つかるものです。
 すぐ自分の意見が通らなくても、自分が念じる信念の強さによって、結
果的にはそうなってくることが多いですね。
 日頃からしっかりしたコミュニケーションが取れて、全く問題のない意
見交換が出来ている人はこの項目は問題ないということですね。
 是非そうあって欲しいものです。

 次は「全体の調和が取れる様にし」です。
 これには、全員の賛同が得られる意見、つまり誰が見ても、聞いても「
そうだな」と思える考え方、意見を言うことが必要です。
 これには、俗に「正しい」事が言えるようにすることです。
 「正しい」ということは、社会においては数学みたいに1つの答えがあ
るのではなく、相対的なものであって、その時のシチュエーションによっ
て正しくもあり、そうでないという時もありと難しいものです。
 つまり、その場で、全ての人が「そうだな」と感じる意見が共通意見で
あり、一般的に言う「正しい」意見です。
 この「正しい」「正しくない」を突き詰めていくと哲学的なところに行
ってしまうので、ここでは「その場では正しい意見」ということにしてお
きましょう。
 しかし、本当に凄いリーダーは、それ以上の力を発揮します。
 凄いリーダーは、その場で求められているアウトプット(結果)をしっ
かり見据え、確実にその場をそちらに導ける知恵を持っているということ
です。
 ある時は妥協し、ある時は目的・目標に向かってしっかりした意見でも
って牽引できる、それこそが真のリーダーであり、偉い人でしょう。

 こう考えると、2つ目の定義は、「皆をまとめ上げ、目標とする方向に
引っ張って行ける人」と考えても良いでしょう。

5.泰然自若

 ここで1997年1月6日(11年も前の文章ですね)に書いた資料を
思い出したので、再現してみます。
 これは、当時、悩める若きオーナーに向けて書いた渾身の作です。

<ここから>
 最高のリーダーとしての心構え「泰然自若」
 (泰然自若とは、落ち着いていて動じない様子のこと。)
STEP1「熟考」
 ・対象の話題に対し、誰よりも熟考しなければならない。
 ・必ずコンセプトに基づいた思考をする。
STEP2「意志確立」
 ・そして自分の意見を確立させる。
STEP3「聴く」
 ・相手の意見を姿勢を正して、言いたいことの真髄(核)を聴く。
STEP4「発言」
 ・自分の意見は、全体感(妥当性)を持って発言する。
STEP5「意見交換」
 ・意見が食い違う場合は、その話題のコンセプト部分(核)に入り込ん
  で、信念を持って意見交換~意思疎通する。
STEP6「決断」
 ・決定に関しては、再度本質的な考え方と照らし合わせて最終決断する。
STEP7「納得性」
 ・その話題で先に知らせておくべき人に、決定までの背景を説明し、納
  得してもらう。
STEP8「周知徹底」
 ・決定したことで全員に知らせるべきことは、ベストタイミングを図っ
  て周知徹底する。
STEP9「説明」
 ・説明することを恥ずかしがってはならない。
 ・また気負いがあってもいけない。
 ・説明の順序は、まず第一に「なぜそうするのか」という本質的にこと
  を説明する。
 ・その後に、対象事項を相手の目を見て説明する。
<ここまで>
 こんな感じですね。
 荒削りですが、今見てもなかなか力が入っていますね。

 3つ目の定義は、「偉い人は動じない」ということでしょう。
 中国の故事で「木鶏」も同じことを言っているわけですね。

6.価値観について

 最後に、価値観について考えてみます。
 各自が持っている価値観は、人それぞれ違います。
 自分の価値観を持っていて、さらに相手のことも考えて、包括的に判断
出来る人って、素晴らしい包容力がありますよね。
 そんな人って、「偉い人」って感じがしませんか?
 その発想は、基本的には人間愛(ヒューマニズム)から来るものだと思
います。
 それとは反対に、自分の価値観を押し付けて来る人って嫌ですよね。
 散々グチを言った後、「ねえ、そう思わない?」ってなセリフを聞くと、
すっかりしらけてしまうのは私だけでしょうか?
 偉い人は、そんな時「あなたはそう思っているかもしれないけど、こん
見方もあるのよ!」って一発かましたることも、相手に気付かせる意味で
は必要ですよね。
 価値観は、その本人の根底にある考え方や見方から発生するものなので
簡単に変えることが出来ませんが、気付きをどんどん与えることで、少し
づつ変化していきます。
 この様に、偉い人は、価値観のすり合わせも自然と出来る人でしょう。

 4つ目の定義は、「偉い人とは、自分の価値観を押し付けず、包み込ん
でくれて、価値観のすり合わせが出来る人」ということでしょう。

7.最後に

 では、各項の偉い人定義をまとめてみましょう。
 1.「方向性をしっかり持ち、努力&工夫を重ねられる人」
 2.「皆をまとめ上げ、目標とする方向に引っ張って行ける人」
 3.「動じない人」
 4.「自分の価値観を押し付けず、包み込んでくれて、価値観のすり合
   わせが出来る人」
 と、今の自分が思う偉い人の要素をリストアップしましたが、これが全
てであるとは決して思っていません。
 まだまだ、あるでしょうね。
 しかし、この4つだけでも、「もっともっと磨かないとなあ」と反省し
きりです。
 読者の皆さんも、自分が考える偉い人を列挙してみて下さい。
 何かヒントがあるかも?ですよ!

 では、また次回お会いしましょう!

集中力 (コアに向かうパワー)

メルマガ再録 (2008年2月25日) 第60号


フィジカル系でしっかり頭に良いものを食べて、セルフコントロール系で気持ちを整え、テクニカル系/シーン系でしっかり集中させるという図式が考えられます。

           < 集 中 力 >

1.はじめに

 少し余談ですが(いきなりかよ!!)、私のメルマガ書きパターンは次
の様な感じです。
 大テーマ決めに4~5日、そしてそのテーマに沿ったキーワード探しを
日常的に行い、メモし、イメージを湧かしていく。
 そして、1~3日前に原稿を書き、早く仕上がれば少し寝かせておく。
 そして、前日に文字校正を家内にやってもらう。それが完了するのが数
時間前。そして原稿をアップする。
 大テーマが早く決まればそれだけ早くネタ作り出来るので楽なのですが、
なかなか決まらない場合は、苦しい苦しい。
 しかし、もう60回も続けてきたので、なんとか今回も頑張りましょう。

 今回のテーマは、「集中力」です。
 今、書いている時間はメルマガ発行の前日の正午です。
 さて、集中力を発揮して、書き上げることは出来るのか?

2.キーワード

 それでは、今回私が思いついたキーワードを列挙するところから始めま
しょう。

<フィジカル系>
  1.高める食べ物・・・脳に良い食べ物
<セルフコントロール系>
  2.呼吸・・・神経を落ち着かせ集中する
  3.リラックス・・・とらわれのない状態
  4.眼をつむる・・・集中する環境を作る
  5.目隠し・・・他が視界に入らない
  6.好きになる・・・そのことが常に頭にある
  7.アフォアメーション・・・同じ言葉を何回も唱え信念を強化する
  8.コンセントレーション・・・精神統一
  9.ルーティン・・・一定の動作で気持ちを安定させる
<テクニカル系>
 10.コンセプト・・・狙いとする目的を明確にする
 11.フラグシップ・・・向かう方向を明確にする
 12.ベクトル合わせ・・・同一方向に向かわせる
 13.一点突破・・・一つに集中すると打開出来る
 14.パラボラアンテナ・・・電波を集める。集中させる
 15.カメ割り柴田・・・切羽詰ると力を発揮する
 16.背水の陣・・・逃げ場を無くすと行くしかない
 17.ホワイトボード・・・出席者全員が同じ一点に集中する
<シーン系>
 18.シチュエーション・・・集中できる場面設定
 19.レンズ効果・・・集中すると凄いエネルギーになる
 20.火事場のくそ力・・・土壇場で潜在力が出る
 21.窮鼠、猫を咬む・・・追い込まれたら反逆のパワーが出る
 22.締め切り・・・後がないと思ったらやるしかない
 23.1つに限定する・・・他の選択肢を無くすと1つに集中できる

 まず無作為に列挙して、次に< >書きのブロッキングをして意味づけ
しましたが、この区分の境界は難しいですね。えいや!で行きます。
 それでは順次、深掘りしてみましょう

3.フィジカル系

 「1.高める食べ物」(脳に良い食べ物)ですが、調べてみると、日本
人は絶対ごはんだそうです。できれば胚芽米、玄米がベターです。
 一発の集中力は糖分(ブドウ糖)です。果物、特にバナナが良い。
 柑橘系、グレープフルーツやレモンのような酸味のあるもの。
 大豆や豆乳、卵黄などに多く含まれているレシチン、カツオやマグロな
どに多く含まれる高度不飽和脂肪酸DHAなども良い。

4.セルフコントロール系

 セルフコントロール系とは、自分を落ち着かせ、精神統一するという項
目です。
 「呼吸」については、よく言われるのが「腹式呼吸」。息を吐くときに
お腹を引っ込め、吸うときにお腹を膨らませる。実際には胸で呼吸してい
てもお腹に空気が出入りしているイメージで行う。これをすると、精神的
な安定、「リラックス」感が得られ、気が集中できる。
 「目隠し」とは、意図的に脇見をしないようにすること。車の運転など、
脇見をしていると事故をする。運転に集中すること。
 「好きになる」とまっしぐら!ですよね。
 「アフォアメーション」は、同じ言葉を呪文の様に何回も唱えることで
すが、これは集中を通り越して潜在意識に訴えることができます。何万回
も唱えると、脳にしみ込んで無意識にそういう行動をとるということです。
また、周囲にそれにまつわるいろいろな現象が起きるそうです。
 「コンセントレーション」は、まさに精神統一です。上記の方法などを
用いて、自分が集中できる状態を作り出します。
 「ルーティン」は、気持ちを安定させるための一連の動作です。スポー
ツ選手などが、クセの様に同じしぐさをするのは、それをすることで平常
心を保とうとする動きです。気持ちが高ぶり、異常な行動をするようでは
日頃の腕前は発揮出来ませんからね。

5.テクニカル系

 この項では、周囲をいかに集中させるかという命題に迫ってみましょう。
 まず、「コンセプト」です。コンセプトは、その対象項目の狙いとする
内容を明確に言い表したものですから、当然それがバイブルとしての役目
を果たします。逆に言うと、バイブルにふさわしくない内容なら、コンセ
プトとは言えないということです。
 「フラグシップ」は、遠くにいても目立つ様にフラグ(旗)を上げるこ
とで、みんなの行く方向をしっかり示します。
 「ベクトル合わせ」は、違う向きのパワーを同一方向に向けて、その合
力によりパワーを倍化しようとするものです。これが上手に出来たら、そ
のサロンは、とんでもなく推進力が付きますよ。
 「一点突破」とは、いろいろあるものから一つを選び、それに集中して
取り組むことです。八方美人では結局何も残らない。「二兎を追うもの一
兎を得ず」ということわざがあるように、1つのことに集中することでそ
のことに対する専門知識・技術が習得出来て、ものになるということです。
ちなみに、この後に続く言葉があります。そうです。「全面展開」です。
その専門技術の強みを生かして打って出るということです。これが差別化
であり、ブランディングです。
 「パラボラアンテナ」は電波を集めるものです。必要な情報をキャッチ
するには大きな受け皿が必要であり、それを集中するシステムが必要です。
 「甕(かめ)割り柴田」は、以前にも書きましたが、城に閉じこもった
家来の士気を高めるために、柴田勝家は城内の水がめを全て叩き割り、決
死の籠城をしたということです。
 「背水の陣」はご存知の様に、背面に川を控えて逃げ場を無くし、前進
するしかないということで士気を煽ることを言います。
 「ホワイトボード」は、出席者全員が一つのボードに集中することによ
ってみんなの姿勢・考えが統一されます。

6.シーン系

 「シチュエーション」は、場面設定のことです。集中できる場面設定を
作らないと、いくら集中しようとしてもままならないことが多い。自分の
集中できる環境とはどんな感じか自分でシミュレーションして、その環境
を作れるようにして下さい。
 「レンズ効果」は、子供の時に太陽の光を虫眼鏡で黒い紙に集中させて
煙が出て燃える実験&遊びをしたことがあると思いますが、それのことで
す。時々そんな現象による火災が発生しますね。先日も、窓際から4mも
離れているものにそのレンズ効果で火事になったというニュースをやって
いました。怖いですよ。
 「火事場のくそ力」というものもありますね。もう、ぎりぎりの土壇場
で潜在力が発揮される現象ですね。よくあるのが「火事場で、か弱いご夫
人が重いタンスを運んでいた」などと言う話です。本当にあるんですよね、
こんな話。まさに集中力、潜在力発揮の極みです。
 「窮鼠(きゅうそ)、猫を咬む」、追い込まれねずみは、天敵であるネコ
にまで逆襲するというものです。だから、あまり追求し過ぎないように少
し逃げ場を残してあげましょう。そうしないと居直ったら怖いですからね。
 「締め切り」、これは絶対、何をおいても集中しますね。人間、追い込
まれないとやらないのでしょうか? 夏休みの宿題、原稿の締め切り、月
間の締め・・・・・。これを前提に考えると、指示する時、締め切り日時
に余裕を持って通達すれ良いということでしょう。あくまでも、本人には
本当の締め切りは言わないことですね。
 「1つに限定する」、あの両腕を無くされた熊本県の大野勝彦先生が言
っておられました。「両手を無くした事で、私には選択肢がなくなりまし
た。これしか出来ないと悟ったときから、前が開けました。感謝が出来る
ようになったし、詩も絵も描ける様になりました。ありがたいことです。」
つまり、その一つに集中するということの偉大なことを先生は発信し続け
ておられるのです。

7.集中の工夫

 どうでしたか?
 集中力を増すのに、何かヒントになりましたか?
 フィジカル系でしっかり頭に良いものを食べて、セルフコントロール系
で気持ちを整え、テクニカル系/シーン系でしっかり集中させるという図
式が出来ましたね。
 集中力は一瞬は高まりますが、そんなに長続きするものではありません。
 そういう特性を知って、その前後のシチュエーションをしっかり準備す
ることが大切ですね。
 歳と共に、年々集中力は低下します。しかし、それには逆らえないです。
 しからばどうするか?
 リフレッシュするタイミングを知ることですね。凝り固まった頭では考
え・アイデアが出てきません。
 だから、一瞬開放して、また集中するということを繰り返すわけです。
 私も、メルマガ書きながら、ギターを弾いて歌を歌ったりしています。

8.最後に

 今日はこれくらいにしといたろ!
 皆さんも、集中力を増す、継続する工夫をされていると思います。
 なにかヒントがあれば参考にしたいので、メール下さい。
 よろしくです。

 では、また次回お会いしましょう!

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