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ありがとう (感謝の心)

メルマガ再録 (2007年4月9日) 第39号


日常における感謝の心は、それを教えられていないから出来ないのです。指導方法としては、まず自分自身が実践してその姿を見せることです。頭一つ下げられないスタッフを見過ごしてはいけません。

           < ありがとう >

1.はじめに

 今回は、「ありがとう」について考えてみます。
 いつものように、「ありがとう」の意味を調べてみました。
 「ありがとう」は、感謝の気持ちを表す言葉。感動詞的にも用いる。
 「ありがとう」の語源は、形容詞「有り難し(ありがたし)」の連用形
「有り難く(ありがたく)」がウ音便化し、「ありがとう」となった。
 「有り難し」は、「有ること」が「難い」という意味で、本来は「滅多
にない」や「珍しくて貴重だ」という意味を表した。
 『枕草子』の「ありがたきもの」では、「この世にあるのが難しい」と
いう意味、「過ごしにくい」といった意味でも用いられている。
 中世になり、仏の慈悲など貴重で得難いものを自分は得ているというと
ころから、宗教的な感謝の気持ちをいうようになり、近世以降、感謝の意
味として一般にも広がった。
 こんな感じの内容でした。
 つまり、相手の行動に対するリアクションとして、自身の心の動き・感
謝を「ありがとう」という言葉で表現するということですね。

2.相手の想いを受け止められる感性

 感謝は相手の行動に対しての感情なので、相手がいくら素晴らしいサー
ビス、思いやりを発揮してくれても、それを感謝できる自分の感性がない
と、その相手の想いを受け止められないということですよね。
 また、そういう人は相手にもそういうサービス、ホスピタリティが発揮
出来ないという事でもあるでしょう。
 では、どうすればその感性、感受性を向上させることが出来るのでしょ
うか?

3.感性、感受性を向上させるキーワード

 これが、簡単な様でなかなか難しいテーマなんです。
 それで、まず山崎宣次先生の「感謝のできる人になる」という冊子から
自分なりに単語を抜粋してみました。
 プラス心のキーワード
 「ありがとう、幸福 、感謝、すみません、嬉しい 、喜び、尊敬、愛、
助け合い、よろしく、自然の恵み、思いがけないサービス、元気、美味し
い、お世話、必要、生き甲斐、仲良し、お辞儀、握手、涙、胸いっぱい、
信頼、支え合い、仲間、家族、ご恩送り、楽しい、優しい、希望、生きて
いる、自由、必要とされている、役立つ、心を磨く、価値創造、自分らし
い」等々
 こんな言葉がセレクトできました。
 これらの言葉が敏感に受け止められて、言える、行動できるようになれ
ば、これは相当レベルの高い人になるでしょう。

 ちなみに、マイナス心のキーワードも掲載しておきましょう。
 「紛争/争い、疑心暗鬼、空しい、残酷、悲しい、腹立たしい、苦しい
恨み(うらみ)、憎しみ(にくしみ)、絶望、不安、不自由、必要とされ
ていない」等々です。
 このマイナスワードを口にしていると、潜在意識がそちらの方向へ行っ
てしまい、結局物事が上手く行かないという結果になってしまうので、言
わないようにすることが大切です。

4.どの様に教えるか

 ということは、これらをどの様に学ぶか、教えるかですね。
 学びの場としては、日常、研修/セミナー、講習、、本、先輩の話、先
達の話、親からの話、OJT等々があるでしょう。
 それよりも大切なことは「日常、全て学びの場である」ということです。
 そういう視点を持つことの大切さを、徹底的に教えなければなりません。
 その基本の根っこの部分の考え方を教えていない(知らない)スタッフ
が多いということを指導側の人間は認知しておかないといけません。
 つまり、知らないから出来ないのです。
 その前提に立てば、まず最初に、教える作業をしなけれならない。
 なぜそうかというと、いつの時代か、その日本の良き伝統が崩れ去り、
最近の親、地域、学校が教え切れていないからです。
 そのことを憂いても仕方ないので、気がついた人から、今からそれを再
構築するしかないのです。
 指導方法としては、まず自分がそれを見せることです。自分が出来ない
ことは、スタッフも出来ません。
 相手からの心からのサービスを受けた場面で感謝の心を伝えられないス
タッフには、必ず指導しないといけません。
 頭一つ下げられないスタッフを見過ごしてはいけません。
 「こうするんですよ」ときっちり指導し、それを積み重ねていくしか方
法はありません。

5.小林正観さんの本の一節から

 ちょっと話は遠回りになりますが、「ありがとう」という言葉がなぜ良
いエネルギーを持っているのかを考えている時に、2冊の本にめぐり会い
ました。
 1つは、小林正観さんの本「究極の損得勘定」(宝来社)です。
 余談ですが、小林さんは昭和23年生まれで私と同い年です。
 その一説から。
 『人間にエネルギーを吹き込むものベスト3というのは、「感謝」「笑
顔」「賞賛」の3つです。私はこれを頭文字をとって「おかえしの法則」
と名付けました。』
 どうですか? 結構ギャグも入っていて好きですね、このスタンス。
 そんな本の72ページに、こんな内容のものがあります。要約して書き
ます。
 「水はマグマの水蒸気が雨になって海になったというのが通説だが、N
ASAの研究で人工衛星の写真を分析したら、地球約2万キロ上空に氷が
浮かんでいるという新しい理論を発表した。その氷は、ある一定量毎日大
気圏外から飛んできて地球の上空に浮かんでいる。それが地球に入ってく
る。その量と地球の歴史46億年を掛け算したら、今の海水量とぴったり
一致したらしい。
 え~~~!って感じでしょう。
 さらに、水にいろいろな言葉を見せたり、音楽を聞かせたりして、その
水の結晶を調べたら、「ムカつく」「殺す」などの言葉にはグチャグチャの
結晶になったが、「ありがとう」と言ったらダイヤモンドの様な一番きれい
な結晶になった。
 これも、え~~~!って感じでしょう。

6.江本勝さんの本の一節から

 さて、ここからが大変です。
 知り合いの人に水についての本があるのでと紹介を受けて買ったのが、
「水は答えをしっている」(江本勝著、サンマーク出版)です。
 読み進める内、おやっと思いました。
 どこかで聞いた話題だぞ!
 そうです。90ページを読んでいると、あれっ?これって小林さんの本
で言っていた内容だぞ!
 ビックリです。
 無作為に読んでいる本が、リンクしていたんです。
 それも、「ありがとう」というテーマでメルマガを書こうとしている私
になぜか完璧にシンクロしていたのです。
 思わず、鳥肌が立ちました。
 関係ないかもしれませんが、このメルマガの発行回数が、今回で39回
目ということで、サンキューなのでこのテーマにしたのですが、これも何
らかの導きではないかと、1人でゾクゾクしております。
 小林さんは多分この本を読まれて、書かれたのではないでしょうかね?
 話はそれましたが、江本さんの本には大変なヒントがあります。
 その中から、抜粋加工して書いて見ます。
 この本は、水の結晶が外部からの波動エネルギーを感じてそれに反応し
ているという様な主旨の内容です。
 小林さんが書かれていたように、水は宇宙から飛来したもので、雨や雪
となって地上に達する。この学説はアイオワ大学教授のルイス・フランク
博士が発表したもので、NASAとハワイ大学がこの説に信憑性(しんぴ
ょうせい)があると認めています。
 水なしで生命が誕生しないのは周知の事実です。生命の源である水が、
宇宙から届けられたということになると、私達人間を含む生命は、みな地
球外生命だということになります。
 一方、著者江本氏の研究によると、水が凍る時、水の分子は整然と連な
って結晶格子を作ることになる。これが六角形の構造となって安定し成長
すると水の結晶となって目に見えるわけだが、自然とは違う情報がそこに
もたらされていると、きれいな六角形が形成されないのです。
 「ありがとう」「愛」「感謝」という言葉は、大自然の掟、生命現象の根
本原理なのです。
 それは、自然の風景を見ればわかります。木々や草花はお互いに尊重し
合い、共存し合って生きています。
 それに対して人間が作った「ばかやろう」「死ね!」などの人を傷つけ
る言葉には結晶はグチャグチャの形になり、見るも無残な形になります。

7.最後に

 ここまで読まれて、どうですか?
 目からウロコが落ちましたか?
 私は、大変な衝撃を受けました。
 つまり、水の結晶の写真はまぎれもない事実です。信じる、信じないの
問題ではないのです。
 そうです。事実なんです。
 人間の70%が水で出来ている以上、水の存在を無視できません。
 だから、その水が、「ありがとう」「愛」「感謝」にきれいな結晶を結
び、邪悪な言葉に結晶を結ばないということが事実である以上、自然の摂
理である以上、それに従わなければ、どんどん悪い方向に行くのは当然で
しょう。
 めちゃめちゃ回りくどい話でしたが、「ありがとう」という言葉のパワ
ーの分析に一石を投じることが出来たような気がしています。

8.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回のテーマは「全てに主となる」です。
 どんな場面でも主体性を持って取り組むことで自己研鑽となり、より早
い成長が期待できます。
 そういう考え方で人生を生きれば、楽しいですよ!!

 では、次回もまたお役に立てるメルマガを目指して作文しますので、応
援よろしくお願いします。
                 ではまた次回もお会いしましょう!

チームワーク (チームとして働く)

メルマガ再録 (2006年12月25日) 第32号

チームワークを向上させるには、「優しい気持~目的意識~ノウハウ供給~技術習得~団結力」というサイクルをよく回し、成功例を積み重ねることで促進されます。

< チームワーク >

1.はじめに

 チームワークの良い店とか言いますが、本当にはどういうことなのでしょう?
 「チームワーク」を英和辞典で調べたところ、「協力・共同作業」と出ていました。
 私は、「仲間意識」「協力関係」「団結力」とかの意味だと思っていましたが、良く考えると、チームとワークが引っ付いた言葉なんですよね。
 つまり、チームの仕事、チームで働くということに他ならないわけです。
 だから、共同作業ということです。
 しかし、日常使うチームワークという言葉の意味は、私が思うような意味で使っているひとがほとんどでしょう。ここに何かのヒントがありそうなので、そのあたりから考えてみましょう。

2.レーバーとワーク

 調べ物をしていたら「レーバーとワーク」についての文章を見つけました。
 「人のあらゆる活動の仕方は、観察すると外から見た形は同じでも、二種類の活動に分けられます。
 【レーバー/Labor】
    奴隷的・機械的活動。やらされている気持ちが強い。
 【ワーク/Work】
    人間的・創造的活動。自ら目標を立てて実行できる。
 チームワークは、ワークなのですから、チームでこの創造的活動をしていくということになりますね。

3.チームワークの実効的側面

 また、インターネットにこんな内容もありました。効果を期待するチームワークの発揮の仕方についてよくまとまっている文章なので、私なりの考察(*)を加えながら掲載してみます。
(1)「すべてのチームメンバーが、グループのゴールを理解した上で、ゴールに対するコミットメント(公約)をもっている。」
  *これは、そのチームに与えられたミッションが明確で、メンバ―個人個人もそのミッションを良く理解して、自分のすべきことに落とし込んでいる状態、と言うことですね。
(2)「チームメンバーがお互いのアイディアについて建設的なフィードバックをしている。」
  *効果的・支援的・発展的ミーティングをきっちりしている状態で、ファシリテーション(議事進行)も当然上手に出来ているという状態でしょう。
(3)「グループの業績の基準や方向性に従うことに対して、メンバーが無理を感じていない。」
  *目標およびそれを達成した時の評価・報奨に対して納得している状態です。共通のものさしの目盛がマッチしているということです。
(4)「グループ内のコンセンサス(意思統一)に従うことを強制されるのではなく、反対意見も受け入れられている。」
  *上司・強力メンバーの意見だけが通るという様なチーム運営ではなく、各人の意見を取り入れて、
   全体として意見が反映・調整されたチーム運営が出来ているということです。
(5)「メンバー間に活発なコミュニケーションがみられる。」
  *雰囲気の良いチームであるということです。自由な雰囲気とけじめのあるチーム内組織がきっちり出来上がっていれば、メンバー間の意志の疎通が出来て、心が通うチームになります。
(6)「重要な決定を下すための責任や権利はチーム全体に与えられている。」
  *チームに対するエンパワーメント(権限委譲)の範囲が明確であるということです。細かいこと
   までいちいち相談しないと動けない様では即応性がなく、機会損失が発生することがあります。
   さらにそのチームの機動力を生かすには、決定権がそのチーム内部にあるということは必須条件となります。
(7)「すべてのメンバーが自分の意見を表現できるチャンネル(回路)が開かれている。」
  *全てのメンバーの意見が取り上げてもらえ、それが他の意見と同じ重さで検討してもらえる保証があるということです。また、そんなシチュエーション(場面)をきっちり設けている必要もあります。
(8)「メンバーには、自分の仕事に必要なスキルやトレーニングを受けるチャンスがある。」
  *チームには、メンバーに対し、そのミッション達成に必要なノウハウ供給や技術訓練の場と時間を提供することが求められます。育成と言う意味では、短期と長期の計画が必要です。
(9)「メンバーは全員平等に扱われている。」
  *押しの強い人の意見が通りがちですが、全ての人の意見ウエイトは同等だという思想を持ち、平等に扱うことが必要です。行動1つも、意味があるので、よくその本人の意図を汲み取り理解し、成長につなげます。
(10)「チームリーダーの指示がなくても、メンバーがお互いにサポートし合っている。
  *サポートというのは、言われてするものではありません。上が下の面倒を見る、下が上に対し報告・連絡をきっちりする等々、自主的なサイクルを定着させる風土を作ることが大切です。
(11)「チームの業績と同時に個人の業績も評価されている。」
  *チームの達成度合いは、設定した目標の達成率により図られますが、個人としてもそれは同じです。ミッション達成過程で学んだ事項をしっかり認識し、今後に役立つこととして習得するということにもポイントを置くべきです。
(12)「グループ内で、さまざまな業務を遂行するための責任や役割がはっきりしている。」
  *チームだからと言って、横一列、同好会やサークル的なチーム運営は、順調な時は問題ありませんが、いざ逆風となった時は、力を発揮することが出来ません。縦型組織や、職務分担を明確にすることにより、よりチームが力を発揮することが出来るのです。
 どうですか?
 チームワーク構築のためにかなり内容が濃いものがありましたね。

4.チームワークの精神的側面

 上記項目は、チームの実効的側面(発揮の仕方の工夫)について考察しましたが、この項ではチームワークの精神的側面について考えてみます。
 精神的側面とは、チームメンバーの内面のことで、協力関係を作る源泉であるメンバーの心のあり方はどうあるべきなのかということを考えてみようということです。
 以前、伊藤豊先生が書かれた「美容業におけるコンピテンシー」の中で、先生は、「技術が出来る、接客が出来るという顕在部分は氷山の1角です。本当に出来る人は海中にある潜在部分が素晴らしいのです。」と言われていました。
 氷山の海上に出て見えている部分は全体の7分の1と言われていますから、14%くらいしか見えていないことになりますね。
 つまり、チームで接している日常の部分は14%なわけです。
 ということは、潜在部分をもっともっと大きく、そしてさらに磨けば、14%がもっともっと大きくなり、光ってくると言うことになりますね。
 そこで、チームに対する貢献、チームワークに対する協力の源泉とは何かについて考えてみると、その人の発想の原点に迫っていくことになります。
 「自分が一番」と思っている人は、なかなかしんどいですね。
 メンバー各人が適役と考えれば、全ての人が輝いて見えます。
 相手を尊重し、大切に思う気持が基本にあれば、優しさが湧いてきます。
 「優しさ」が、根本にあれば、チームは素晴らしいものになるのです。
 「それより成果だ」とお叱りを受けそうですが、成果は一時的なものです。一時的な成果は、長続きしないのです。
 「成果」と「優しさ」は相反するように思われますが、決してそうではありません
 優しさ(86%)の上に成果(14%)が乗っかっているのです。
 14%の部分を増やすには、86%の部分を大きくすることが大切なのです。
 この原理がわからないで、14%ばかりに目が向いているチーム(サロン)が多く、前のめりな営業をしているところは、いつまでも人が育たないのです。
 だから、心を磨くことにもっともっと力を入れて欲しいと思います。

5.シナジー効果

 人が寄ると、1+1が3にも4にもなるとよく言われますよね。
 二つ以上の有効なものが重なり合うことでそれ以上の効力を発揮することをシナジー効果(相乗効果)と言います。
 チームワークが良くなると、このシナジー効果が期待できます。
 つまり、チームで考えることにより、思わぬ斬新なアイデアが出たり、チームのモチベーション・テンションが上がり、期待以上の実績が出るなどの現象が現れます。
 団結力は、シナジー効果の最たるものです。
 優しさ、お互いの理解、目的・目標意識の統一、集中実行、フォロー等の段階を経て、チームワークが高まり、個々の能力が最大限に引き出されて目標を達成するという成功までのプロセスがあります。
 この1つの成功体験が元になり、団結力がますます強くなり、次の成功へとつながって行きます。
 良く聞くのが、伏見工業高校の話です。
 とんでもなく弱いチームが、一つの負けをバネにして、高校一番のラグビーチームになるという物語です。
 団結力は何物にも代えがたいものです。

6.最後に

 ここまでをまとめてみると、「優しい気持~目的意識~ノウハウ供給~技術習得~団結力」の流れがチームワークを向上し、仕事の成果を促進させるということです。
 どうすれば、このサイクルがきっちり廻せて、しっかりした成果が出せるのかをみなさんのサロンで、話し合ってみて下さい。
 心をオープンにして、本当に素晴らしいサロン作りに向かって前進されることを期待します。

7.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は「キャリアプラン」です。
 キャリアプランとは、永年勤続を前提とした各種職務・ポストを準備し、スタッフはそれがあることによって安心して働けるという仕事上の道しるべとなる職業人生計画です。
 CSよりESという今の流れ、日本流の経営スタイルの見直しが叫ばれている昨今において、このテーマは重要です。

ポリシーとスタイル (自分らしさの構築)

メルマガ再録 (2006年11月27日) 第30号


「自分の信念(ポリシー)を貫くと、そこに一つのスタイルが構築される」ということです。皆さんも自分の信念を確立し、貫き、「君らしいなあ!」と言ってもらえるように自己研鑽しましょう。

< ポリシーとスタイル >

1.はじめに

 谷口正和さんが書かれた「ポリシーとスタイル」という本を、10年くらい前に読みました。
 なぜか、ピンと来ました。今でも脳裏に焼きついて離れません。
 ポリシーとは「方針、政策、考え方」ということです。
 スタイルとは「個人・階層・社会に特有な行動の仕方や考え方」を言います。
 この2つを合わせて考えると「自分の方針や考え方により、自分の行動パターン・スタイルが確立される」という様に解釈できます。
 ポリシーは「生き方」、スタイルは「生き様」と言ってもいいかもしれません。
 「ポリシーを貫くと一つのスタイルが出来上がる」このことは、当たり前で当然のことですが、私にはなぜか非常に大事なことのように思えるのです。
 では、なぜそう思えるのか、その謎を解き明かしてみましょう。
 今、この文章を書いている時点では、自分では答えを持っていないので、自分探しみたいでワクワクします。

2.私のポリシー

 まず、自分のポリシーを例に上げて確認してみます。
 2005年7月に書いた詩があるので、それを見て下さい。

 (ここから)

 <ダディ詩集№51> 【オレ流生き方】

  経営コンサルタントとして仕事をしている私が言うのもおかしいが夢を持ち、そのために目標・計画を立て、それを日々出来ているかチェックして・・・・・
  仕事モードでは、まったく疲れないのだが、ブライベート、いや個人としてはそれって、正直疲れる。
  「夢・目標・チェック」というプロセスは、それを達成しなければならないという強迫観念が発生し、ややもすると出来なかったらどうしようという恐怖に襲われて本当の自分の力が発揮できないのではないかと思ってしまう

  ではどうすべきか?

  先の方を意識するのではなく、「現実(足元)を見つめること」に力を注ぐべきだと思う。
  少なくとも、自分はそうしている。
  今を軽視して未来に焦点を絞ると、スタート地点が定まらないので、プロセスが成立しない。
  そのせいで、フワフワしている人が多い様に思う。
  もっと今を意識することにより、もっと気楽でフットワークの良い行動が出来て、そして本当に楽しんで目標が達成できる様になるのではないか!

  谷口さんの夢は?と聞かれたら、かなり困る。
  私はあまり明確で具体的な目標を持っていない。
  これは「オレ流」である。

  この生き方、スタイルは変えられない。
  目標を持つことに力が入らないし、そんな必要性を感じない現在の延長線上に答えがあるのは分かっている。
  だから、目標は要らない。
  私自身の視点と焦点と表現が、内的に他と少し違うだけで外(他人)から見たら多くの人と同じかもしれないが、自分ではそう思って生きている。

  これが「オレ流生き方」である。

 (ここまで)

 谷口さんがそういう(詩の様な)スタンスだったとは?、とビックリされる方があるでしょうが、私は至極普通ですよ。
 個人の中に「プライベートモード」と「仕事モード」があるのですが、切って切れない関係にあります。
 仕事モードでは、私は「自分の作り出した情報は出来る限り無料提供する」というポリシーを持っています。
 だから、ホームページや本メルマガで、かなりの情報を公開していると皆ビックリしています。しかし、それが浸透していくと「谷口さんのスタンス」というものが定着して、その人のイメージが構築されて行きます。
 そうすると、仕事がやりやすくなるんですね。これが。
 これは、パーソナル戦略とでも名づけておきましょう。
 まっ、世間ではパーソナルブランディングと言っていますがね。

3.あなたのポリシー

 自分のポリシーとするものは、意外と自分の奥の方にあり、日常は意識していません。
 そうです。それは、無意識の中にあります。
 これの顕在化を試みることで、それが浮かび上がってきます。
 「あなたのポリシーは、何ですか?」と尋ねた時、「人助けです」とか「みんなに感動を与えることです」とか「人の役に立つことです」とか答えます。
 これは、まだまだ本当の自分のポリシーではなく、ポリシーを具現化する手段に過ぎません。
 一番奥底にある自分の生き方について、今一度考えを思いめぐらせて下さい。
 自分の考え方、行動の規範は何なんだろう。何に突き動かされているのだろうと考えてみて下さい。
 深いですよ。多分、底なしだと思います。
 だから、「宇宙は自分の心の中にある」と、誰か偉い方が言われていたのは、本当にそうだと思います。
 結局は、自分が生まれてきた使命(ミッション)がポリシーとつながっているんだと思います。
 つまり、自分の行動の判断基準になるものがポリシーと言っていいのではないでしょうか。
 今回のテーマは、そのポリシーの持ち方、表現の仕方に付いて深く言及するものではありません。
 だからさらっとここは流しましょう。

4.コアとフレームの関係

 ポリシーはコア(真因)で、スタイルはフレーム(現象)です。
 フレームを多く、深く分析すれば、コアに当たるわけです。
 つまり行動がフレームですから、その行動を分析すれば、その人のコアは分かるということです。
 しかし困ったことに、自分の行動と言うものは、自分では主観としてしか捉えられないのでなかなか的を得ないものです。
 客観的に見ようとすれば、他人から自分を見てもらうことになります。
 そういう機会があり、自分を見た正直な意見・感想をもらった場合、これがなかなか素直に受け止められないものです。
 しかし、それは外側からの意見として、事実としてあるのです。
 そこでそれを受け入れられなければ、その貴重な意見はドブに捨てることになります。
 外から見た意見の重要性と言う話では、パーソナルカラー等もそうです。
 自分の好きなカラーと客観的に似合うカラーとは違うと聞きます。
 いくら自分が黄色が好きでも、専門家に見てもらえばブルーが似合うと言われることがあります。
 さて、あなたならどうします。

5.自分らしさの発見

 「自分らしさ」って言葉もありますね。
 「自分らしく生きる」って、少し間違えばわがまま、利己主義って事と同じ様な意味になってしまうので要注意です。
 しかし、本当に自分というものを見つけて邁進している人は素晴らしいですね。
 周囲も認めて、応援したくなりますからね。
 そういう人は、多分一つのスタイルを確立していると思われます。
 立派な生き方をしようとか、偉い人になろうとか、そんな考え方は私は要らないと思います。
 「自分らしく」生きること、それが大切です。
 では、自分らしさってなんでしょう。
 それがはっきりしないと、自分の人生の方向が定まりません。
 自分の思う「らしさ」と、他人が見る「らしさ」には、一致する部分もありますが、「えっ、そんな風に見えてるの?」って部分もあります。
 これって参考になりますよね。
 「谷口さんらしいなぁ」といわれることは、周囲がそういうイメージで見ているということです。
 自分が思っているイメージと違っていても、そう見えてるんなら、それを活かそうとするか、それを否定してあくまでも自分の主観で生きようと執着するかによって、それ以降の人生、大きく変わってきますね。
 これは、生き方の問題ですからどちらともいえませんが、その自分らしさの追求は、今回のテーマに深く関わっていそうです。

6.ISM

 ものの特性を表すのに「~イズム」という言葉があります。
 既に「らしさ」を確立して、スタイルを確立し、広く認知された場合は「~イズム」として、公言されていますね。
 しかし、そこまでいくには相当の実績と年月が掛かりそうですね。
 ちなみに、「谷口さんらしさ」とか「谷口ISM」について、自己分析&周囲からの分析をしてみると、いろんなことが出てきて面白そうですね。
 一度、やって見て下さい。

7.スタイル

 自分のスタイルを分析したことがありますか?
 その人の考え方・生き方は服装や人相に表れます。
 自己主張のある人は、それなりの格好をしていますよね。
 芸術家の先生とミュージシャンでは大違いですね。また、経営コンサルタントとアパレルの店員さんではこれまた両極端かも?
 しかし、ヨサコイなどの踊りでチームをまとめている今村克彦さんみたいに、教師(共育者)でありながら暴走族のリーダーみたいな格好をしている人もいますね。
 今村克彦サイト・・・http://www.pta-ing.com/
 彼は、彼流のポリシーがきちっとあります。そして、あれが彼のスタイルなんですね。
 そういえば、バグジーの久保華図八先生も、以前はバミューダズボン(7分丈)にビーチサンダル、アロハシャツと言ういでたちでしたね。
 それはやはりポリシーがあって、自分とスタッフの間の誓いとして、自分が改心前の悪い自分に戻らないためにそうしていると言われていました。
 その形をしているということは、そこに信念があるという事でしょう。
 自信がないから皆と一緒の形をする(流行を追う)というのは、そこに主張がなく、弱いということでしょうね。

8.最後に

 いろいろなキーワードを出して分析してきた経過により、かなり今回のテーマの謎が解けてきました。
 「自分の信念を貫くと、そこに一つのスタイルが構築される」ということですね。
 そういう人生を歩もう!ということです。
 皆さんも自分の信念を確立し、貫き、「君らしいなあ!」と言ってもらえるように自己研鑽して下さい。
 それに対し、このメルマガ「心と技のあいだ」が何らかのお役に立てれば幸いです。

9.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は「人材育成」です。
 「人材」を「人財」に育成するポイントを考えます。
 スタッフを抱えると必ずこの課題にぶつかります。
 私の目から見た「育成」に付いて、考察してみます。

メンター (支援者)

メルマガ再録 (2006年7月24日) 第22号


メンターとは、相手が自発的に自らの能力と可能性を最大限に発揮できるように支援できる人です。相手をやる気にさせる究極のリーダーといえるでしょう。

     < メンター(支援者) >

1.メンターとは?

 前回の前文で紹介した、次回感動セミナーにご登壇頂く福島先生の著書から、メンターとは何かについての文章を抜粋します。
 「メンターとは、相手が自発的に自らの能力と可能性を最大限に発揮する自立型人財に育成することが出来る人。他人をやる気にさせる究極のリーダーです。『見本』『信頼』『支援』という3つの行動基準こそが、メンターとしてのノウハウの全てです。」と書いておられます。
 今まで、メンターという言葉は知らなかったですが、私もコンサルタントとして15年やってきた中で、少なからずメンターという面も自分にはあるなあと思い、それを考えてみる良いチャンスとして、今回このテーマに取り組みました。
 今回は上記の文章から「見本」「信頼」「支援」という3つのキーワードを取り上げ、あくまでも私流にメンターについて考察してみたいと思います。

 ちなみに、今回参考にさせていただいた文献は以下の2冊です。興味のある方は、是非読んでみて下さい。
 ①「メンタリング・マネジメント」福島正伸著、ダイヤモンド社
 ②「会社の元気はメンターがつくる」福島正伸著、ダイヤモンド社

 メンター、コーチ、トレーナーの立ち位置を少し整理しておきましょう。
   ○メンター ・・・自発性を持たせる人、やる気にさせる人
   ○コーチ  ・・・本人の能力・特性を引き出す人。
   ○トレーナー・・・訓練により特性を伸ばす人。
 メンターは、より心寄り、トレーナーはより技術寄り、コーチはその中間ってな感じですかね。
 要するに、メンターは「メンターから支援を受ける人(メンティーまたはプロテギーという)の自発性に訴え、自分から動くという姿勢に気付かせる人」と言うことになるわけですね。

2.「見本」

 まずメンターの第1要素としての「見本」について考えてみます。
 見本になるということは、簡単に言えば、「相手を○○したければ、まず自分が○○する」と、サンプルになることです。
 ○○の部分にいろいろな言葉を入れてみてください。
 「やる気」「本気」「感動」「夢を持たす」「不平不満を言わない」「プラス思考」・・・
 相手は自分を映す鏡です。相手が動かないのは自分が動けていないからです。相手を見れば自分が分かります。いわゆるミラー現象です。
 だから「人の振り見て我振り直せ」ということわざがあるのです。
 自分を客観的に、冷静に見ることが出来れば、意外と「もっとこうしたら良いのに!」とか、「それは駄目でしょ!」とかが分かりやすいかも知れませんね。
 「見本」という意味には、「相手を見本とする」ということと、「自分が見本になる」という二つの意味があると思います。
 だから、自分の生き方は、自然と見本になっているのです。
 自分の背中を見せて育てるということです。自分の行動は周りから見られています
 だから、自分の生き方そのものを見せるという意識を持ってやっていくことが非常に大切な要素となるわけです。
 ある先生に、これからのリーダーは、私生活までオープン出来るくらいの者でないと付いてこないよと言われました。
 「矢は自分に向いている」という意識が自分を育て、同時に相手にもそれが伝わり、教育となるわけですね。

3.「信頼」

 「信頼とは、要求したことを確実に実行してくれると信じて、安心して任せる、あるいは依頼することです」と、㈱武蔵野の小山社長は書いておられます。
 相手を信頼出来ないと相手はどうなるでしょう。
 相手の期待に応えるどころか、自分の殻に閉じこもり、どっちでもいいやっという投げやりな気持ちになるでしょう。
 では、信頼するとどうですか?
 開放感を持ち、可能性を最大限に発揮し、期待に応えようとします。
 この様に、相手を信頼するということは、その本人のパワーを引き出す力になるということです。
 なぜでしょう?
 多分、信頼=安心=人間が本来持っている潜在意識に訴えかける=潜在パワーが発揮される、という図式になるのではないでしょうか。
 信頼関係を構築するには、自分の都合よりも、相手の都合を優先するということが大切です。
 3年ほど前に、北九州市の美容室バグジーの久保先生に会いに行ったことがあります。
 先生は、初対面の私達のために午後2時から夜中の1時まで、ずっと付き合って下さいました。あの忙しい先生が、私達2人だけのために11時間を一緒して下さったのです。何よりも先生の、人に対する姿勢にもの凄く感動しました。きっちり正面を向いて話するという先生の姿勢は、私に絶大な信頼感を与えました。
 つい忙しいと半分くらい仕事に意識が行ってしまい、正対しているその人を軽くあしらってしまう人っていますよね。あの人種、私、駄目です。その人の底が見えてしまいます。
 だから、絶対、今話をしている相手を最重視するという姿勢・習慣が必要です。そうするとミラーの法則で、相手も真剣になってくる。そこに信頼関係が自然と生まれる。
 私は、FISHでもそのことを学びました。
 フィッシュ哲学は、次の4項目からなっています。
   ①仕事を楽しむ
   ②お客様を楽しませる
   ③お客様に向き合う
   ④自分で態度を選ぶ
 この「③お客様に向き合う」が、相手に正対するという内容です。
 FISHは、魚市場の若者達の話ですが、考え方、姿勢によってどんな仕事も楽しく出来るというお話です。
 他のお客様も周りにはおられるが、一度目が合えば、その本人と二人きりのように話をする。それにより、真剣さ、信頼を感じさせるという内容です。
 やってみると、これがなかなか出来ない。
 しかし、意識してこれが出来るようになると、相手とのコミュニケーションは飛躍的によくなります。
 私も、このことについては常に心して久保先生とFISHを見習って実践しています。
 信頼関係は、相手をやる気にさせる魔法の力を持っているのです。

4.「支援」

 「相手の成果が出ないからと言って、途中でやめることは支援ではありません。支援の目的は相手をやる気にさせることであり、その活動としては相手に尽くすことです。支援において大切なことは、相手を思いやる気持ちです。」と福島先生の本にあります。
 本人の力を信じて、援助し続けることが大切です・・・これがなかなか出来ないんですね。どうしても何で出来ないのか?と注意をしたり、すぐ教えたり、管理をしたくなりますね。それは、支援し続けるということにはならないのです。相手の自発性を促すことがポイントなので、管理してしまってはメンターにはなれないのです。

 私は、それぞれの人はそれぞれ顔・形が違うように、違う個性、特性、能力を与えられてこの世に送り出されたという視点からものを考えています。
 こう考えると、画一的に指導・教育するのはおかしいと思います。個人個人に適した支援の方法があるように思います。
 メンターは、ある時はサポーターとして、ある時はバックアッパーとして、またある時はコーチとして、その本人に対し、無償の支援をし続けることが最も重要な要素です。
 だから、まず何よりもメンターが本気になって支援するという構えが大切です。
 支援された本人は、そこまでしてもらって申し訳ないという感動を受け、最後には本気に火が付くというプロセスになっていくわけです。

 支援のプロセス/テクニックには次の15項目があります。
  1)聞く「あなたの話を聞くだけで学ぶことが多くあります」
  2)相談に乗る、一緒に考える「一緒にこの問題を解決しましょうね」
  3)述べる「私ならこう考えます。私ならこうします。」
  4)助言する、提案する「この様な考え方もあります。」
  5)教える、指導する「例えればこの様なものです。」
  6)語る「私もこんな体験をしました。」
  7)励ます「私はあなたがどんな状況になったとしても応援し続けます。」
  8)誉める「まさか、ここまで出来るとは思いませんでした。」
  9)感謝する、感動する「ありがとうございます。感動しました。」
 10)委任する「失敗しても構いません。失敗から学ぶことがたくさんあります。それから学んでいけばいいのですから。」
 11)促す「やらずに後悔するよりも、やってみましょう。」
 12)導く、体験させる「私がここまでやります。その後で、あなたはここまでやってみてください。」
 13)出番を作る「私は今日からあなたが成功するまで、毎日励ましの手紙を書き続けます。」
 14)提供する「必要な物があれば言って下さい。(最小限)」
 15)そばにいる「大丈夫ですよ、ずっとそばにいますから。」
 要するに、相手を本気にさせることです。
 本気モードに突入したら、後はそれをキープするように支援していけばいいのです。
 相手をその気にさせることって、とっても難しいことです。
 そのためには、自分がまず本気になること。
 それはそうですよね、相手だけその気にさせて自分はしらけているなんてあり得ないですよね。
 これも、結局は自分磨きのテーマですね。

5.最後に

 今回は、メンターという新しい領域にチャレンジしたので消化不良気味ですがお許し頂きたいと思います。
 自分がやっているそのものなのですが、文字にするのは大変難しいテーマです。
 福島先生の受け売りになってしまった感があるのは申し訳ないですが、少しでも、メンターの役割って大切なことだなぁと感じ取って頂ければそれで今回のテーマは良しとしましょう。
 メンターが出来るようになれば、自主活性型サロンの構築、エンパワーメントされた組織は、グッと近づきそうですね。
 今後、サロンにおけるメンターの育成は欠かせないでしょう。
 今回のこのメルマガがそのきっかけになれば幸いです。
 最後に、そんな話をして頂ける福島先生に9月25日のCKEN感動セミナー最終回にご登壇頂きますので、是非足を運んで下さい。

6.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「改善ストーリー」について説明します。
 改善のステップを細かく解説します。
 お楽しみに!

ではまた次回もお会いしましょう!

NQ (人脈作り能力)

メルマガ再録 (2006年6月26日) 第20号


人脈は仕事の上でも、プライベートでも大変重要な要素です。そんな人脈を広げるコツは、自分の姿勢を正し、相手にとって有効な人材であると認識してもらうことです。

< NQ (人脈作り能力) >

1.NQとは?

 聞きなれない言葉ですよね。
 NはNetwork(ネットワーク)のNです。
 QはQuotient(クォーティエント)のQです。
 ネットワークとは、網状組織・関連性を意味します。クォーティエントは、能力の意味です。
 NQは人脈を作る能力という意味で私は使いますが、共存指数という言い方もあるようです。
 IQ(知能指数)、EQ(感情指数)などは聞き慣れていますが、このNQ(共存指数)という言葉は、まだ一般的にはなっていないようですね。
 しかし、これからはこのNQの能力が問われる時代になってきています。
 前回の前文で中村文昭さんのことを書きましたが、彼に見るNQの能力は桁外れなわけですね。誰とでも近づきになる、仲良くなる、ということを垣根なしに出来る人で、それで縁が縁を生んでどんどんつながって行く。中村さんのそういう人柄に吸い寄せられて人気が爆発しているんですね。
 ところで、谷口さんも人脈広いですよねって言って頂けます。
 実は、これって、技があるんですよね。
 では、この私の人脈技を中心に今回は話を進めていきましょう。

2.はじめに

 一人で成し遂げられることって知れてますよね。
 やっぱり、みんなからの情報や、協力を得ながらやっていくというのが仕事の基本であり、それなくして結果が得られるわけがありません。
 もし、一人でやっているという人があれば、それは単なる思い上がりできっといつか挫折することになります。
 外面的な、つまり会社の肩書きで付き合っている関係って、なんかつまらないですよね。私はかなり苦手です。いわゆる本音が通じない人と仕事をするのはメチャ大変です。
 良い仕事って、やっぱり人間関係がしっかり出来て、チームワークばっちりの時にパワーが出るものですよね。
 だから、どうしてもその人の仮面を剥ぎたくなるんですよね。(そんなことしなくてもいいのに!って声が聞こえてきそうですが.....)
 そのためには、自分が本音で迫るということをするわけです。
 「はじめからそんなこと出来ないよ」って声が聞こえますが、セミナーや講演会で名刺交換した時、是非またこの人に連絡したい、会いたいと思ったら、その場で何としても次につなぐことを考えないといけません。それっきりになるということは、全くもったいないことです!
 だから、その初対面の短時間に相手の心をキャッチするテクニックが必要です。その技について次に説明します。

3.谷口式会話術&NQテクニック

 長年培ってきた谷口式会話術&NQテクニックをリストしてみましょう。
 谷口さんだから出来るんでしょう!といわず、出来ることはやってみましょう。

 1)2分間の間に印象付ける
  ・何か得意技をもっておく。手品などが出来れば最高ですが、それはみんな難しいでしょうから、会話で特徴を出せばいいのです。
  ・私なんか、自己紹介で「だじゃれおじさんで~~す」とか、「社長さん兼小使いさんで~~す」と
   か、「大阪の谷口でおまんねやわ!」なとど吉本興行のマネをやったり、サンマ流な大阪弁を駆使したりします。
  ・郷土なまりで挨拶するのも良い感じですよね。きっと会話がつながりますよね。
  ・要するに、相手の警戒心を無くす~緩める~フリーになる~本音になる、という回路がパッと出来上がって、気を許すということになるのでしょう。
  ・そして、会話の最後は良い雰囲気で終わっておくことです。
  ・何か良い感じだなあと思わせて、また話したいという余韻を残すことです。
  ・剣道で使用する「残心」という言葉の意味が勉強になります。
  ・「武道における心構え。一つの動作が終わってもなお 緊張を解かないこと。剣道では打ち込んだあとの相手の反撃に備える心の構え、弓道では矢を射たあとその到達点を見極める心の構えをいう。」
  ・どうです? 勉強になるでしょう?
  ・それから、会えない間は、心で念じておく、光を送るをします。
  ・今は会えないが、次に会うまで「幸あれ、福あれ、光あれ」と念じておきます。
  ・その波動が伝わったか伝わっていないに関係なく、自分の心は晴れやかに続いているのが良いのでしょう。

 2)一度あることは二度ある
  ・例えばです。「半年くらい前に一度、モデル会社の人と名刺交換しました。そして店内で雑誌掲載用の撮影をすることになりました。」
  ・あなたはどうですか?
  ・名刺がきっちり残っていますか?
  ・その名刺の人の顔が浮かびますか?
  ・相手は自分のことを覚えてくれていると思いますか?
  ・電話で「半年前に名刺交換した○○です」と言って、思い出してもらえるでしょうか?
  ・思い出してもらえれば合格、出してもらえない不合格ですね。
  ・何が違うかと言うと、思い出してもらえれば初対面ではないので話がスムースに運びます。
  ・極端な話、思い出してもらえれば身内価格がOKになります。そうでない場合は定価です。この
   差は大きい!
  ・実際にあったんですが、私の場合、そのモデル会社の人に初対面でおにぎりを差し入れして完璧に友達感覚になっていたので、超安値のモデルさんを紹介してもらったことがあり、サロンさんに喜んで頂けたということがありましたよ。

 3)記録する
  ・一度あることは二度あると考えると、記録は必須です。
  ・まず、名刺の整理、そして、電話帳の記入。
  ・私は、電話帳は住所が書けるものを使用しています。
  ・そこにちょっとしたメモも書いておけば、後で利用価値は倍増です。

 4)DM/メールでの連絡
  ・初対面の後の連絡は手書きDMを勧められているみたいですが、私は軽くメールでしています。
  ・その代わり、ちょっとした情報を添付したりして発信するようにしています。(CKENレポート等)
  ・それが後から効いてくるんだなぁ。
  ・DMは勝負の時しか書かないですね。(書いた方がいいんでしょうが、私はスピード重視ですね。)
  ・しかし、何か物を送る時などは筆で送付状を書くようにしています。
  ・年賀状は自前の写真を配し、スペースを空けておいてそこに2~3行のミニ文章を筆書きで添えるようにしています。

 5)何かあったらプロとして相談する
  ・少しでも関係があれば、その人に問い合わせてみることです。
  ・聞かれると悪い気はしませんよね。
  ・自分だって、自分の得意な分野のことで問い合わせがあれば、どんどん教えてしまいますからね。そのコツを押さえて、下手に出て、いろいろ聞くわけです。
  ・これって、教えてもらえるわ、人脈は深まるわで、凄く良いことなんですよね。

 6)事前・事中・事後の報連相は150%する
  ・これは、Vol.017で書いたことですが、これをきっちりすることで信用は100%になります。
  ・「電話しておいてくれる?」って頼まれたら、「電話しておきました」と報告する。
  ・入金があったら「入金がありました。ありがとうございました。」とメールを入れる。
  ・フォローに力を入れることにより、より深い関係が出来上がります。
  ・また、日頃からちょっとはみ出して、余計なことをしてみる。
  ・そうすると、何か違うものが見えてくる。それが新鮮な関係をまた構築していくんです。
  ・これって、微妙ですよ。「いらんことしい」(余計なことをする人)とは似て非なるものですからね。

4.きっかけ作りのパターン

 私がよくやるきっかけ作りのパターンの例です。
  ・「アンケートなどにも一言添える」
  ・「通販メーカーへのメールアンケートにきっちり答えてその担当の人と仲良くなる」
  ・「美味しいお菓子があればメーカーに感謝状を送る」
  ・「初対面の会社に行く時に植木を持っていく」
  ・「スタッフミーティングの時にお菓子を持参する」
  ・「二次会の時に自分の資料を持って行き無料で配布する」
   などなど、普通ではないことをするアイデアは一杯です。なぜそうするか?・・・一線を超えるのです。
 中村文昭さんだって、小銭を落としたり、足を踏んだりしてきっかけを作ったと言っておられましたよね。
 つまり、その一線を超えることがきっかけ作りなわけです。
 それが無い限り、皆と同じ人になってしまい、印象が無い人になってしまうからです。
 このきっかけ作りの根底にあるものは、サービス精神と言うか、ホスピタリティマインドというか、そういう姿勢、仲良くなりたい、深く知りたいという自分なりのメッセージを形で表現したものと言うわけです。

5.NQの向こう側

 NQ(人脈作り)に目覚め、それを実践していくと、一気に視野が広がります。
 人が人を呼ぶのです。
 私は、今家でホームパーティーをリクエストされて(と言うより、やりたくてかな?)、開催しています。
 別にしなくたって、断ったっていいんです。
 しかし、人の輪(和)というか、ネットワークというものにはエネルギーがあり、どんどん自発的に大きくなっていくのを感じます。
 要は考え方です。
 なりたい、したいと思うだけではなく、ひたすら何かに集中し、継続するということが、自然とそうなっていくエネルギーの源泉ではないでしょうか?
 NQの向こう側には、何があるのでしょう?
 きっと、明るい明日があるのでしょうね。

6.最後に

 いかがでしたか?
 今回は、私の体験を元にして、人脈作り~共存というテーマを取り上げました。
 結局、自分のネットワークを構築するということは、外に向かっての努力も去ることながら、自分の姿勢がどれだけ整っているかと言うことの確認作業に近いですね。
 人脈は一朝一夕に出来るものではありません。
 皆さんも、しっかりしたポリシーと地道な活動で、どんどん人脈を広げ、人間の幅を広げ、体験を積むことによって、皆から期待され、信頼される人になられることを願っています。

7.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、いよいよ「エンパワーメント(権限委譲)」です。
 このテーマはずっと自分としても、研究したかったテーマです。
 まだ、はっきりとは固まっていないのですが、自主活性型サロン作りには欠かせないテーマですので、今からさらに勉強します。
 皆様も、このテーマについて考察しておいて下さい。
 では、次回もお楽しみに!

ではまた次回お会いしましょう!

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