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仕組まれた経験 (知らないうちに勉強になっている)

メルマガ再録 (2008年11月24日) 第78号


直接的には、ロールプレイングやシミュレーションを通して、模擬的にその技術を体得させる方法、間接的には、「仕組まれた経験」を仕込んだゲームなどを通して、考え方や志向性を会得させる方法です。

           < 仕組まれた経験 >

1.はじめに

 「いろいろなセミナー・講習で勉強させるが、落とし込みが甘く、実行
が伴わない!」というサロンの悩みを多く聴きます。
 そういう時は、これ!
 「仕組まれた経験」の登場です。
 英語の直訳って感じで、なんか小難しい表現ですよね。
 今回は、このテーマに取り組んでみます。

2.仕組まれた経験とは?

 「仕組まれた経験」には2つの側面があります。
 直接的には、ロールプレイングやシミュレーションを通して、経験・体
験を積ませて、模擬的にその技術を体得させる方法です。
 間接的には、「仕組まれた経験」を仕込んだゲームなどを通して、考え
方や志向性を会得させる方法です。
 英語ではストラクチャード・エクスペリエンス(SEと略)と言います。
 私は、サロンの経営コンサルタントを始めた頃、研修ゲームハンドブッ
ク(日経連出版部)という本の中でこの言葉に出会いました。
 そして、「自分のしている手法はこれである!」ということに気付きま
した。
 それからは密かにこの手法を使っています。
 今回はその隠れた手法を公開します。

3.効果・特徴

 「仕組まれた経験」の第1の効果としては、与えられる受身の講習では
なく、自分で参加・発見する自発性のある勉強の仕方で面白さ、興味を喚
起することにより、浸透性が良いことです。
 第2に、教育訓練を指導する側として、実施がしやすく、経験の浅い人
でも比較的簡単に一定のレベルの訓練効果を上げることが出来ます。
 第3に、非常に教育効果が高いことがあります。行動レベルでの習得や
改善を目的としているので、直接・間接にそれが身に付きます。
 例えば、直接的には、自動車・航空機・電車などの教習にある運転技術
シミュレータや美容室での接客ロープレなどのレッスンがそのものです。
 間接的には、企画やコラージュ作りなどがあります。
 一口で言うと、「仕組まれた経験」とは、受講者主導の経験・体験形式
の教育法です。

4.参考図書

 今回のテーマを研究するのに、以下の本を発注しました。
 1.「研修ゲームハンドブック」 山本成二著 ¥2,141
 2.「みんなのPA系ゲーム243」 諸澄敏之著 ¥1,680
 3.「15分でできるチーム・ビルディング・ゲーム」 ブライアン・
   コール・ミラー ¥1,260
 4.「チーム・ビルディング/人と人をつなぐ技法」 堀公俊 ¥2,100
 5.「職場の人間関係づくりトレーニング」 星野欣生 ¥1,890
 6.「人と組織を育てるコミュニケーション・トレーニング」 諏訪茂
   樹 ¥1,680
 7.「人間関係トレーニング?私を育てる教育への人間学的アプローチ」
   津村俊充 ¥2,310
 これらの本は、まだ入荷していないので、本の引用は出来ませんが、皆
さんも、今回のテーマについてもっと深く研究されるといいと思いますの
で、是非勉強してみて下さい。

5.「仕組まれた経験」の実際例

 私が経験してきているものを紹介しましょう。
 (1)ロールプレイング
 (2)Good&New
 (3)コーチングレッスン
 (4)企画開発技法レッスン
 (5)グループワーク
 (6)コラージュ作り
 (7)マインドMAP
 (8)パーソナルブランディング
 では、一つづつ説明していきます。

7.(1)ロールプレイング

狙い:初期段階における接客・販売方法などが修得できる
手法:テーマに対するトーク&行動マニュアルを作り、それを個人個人で
   またはグループで再現出来る様にレッスンします。
説明:これは一番ポピュラーな手法で、即戦力として身に付きます。
   新入社員教育や、接客、新製品の販売方法などによく使われます。
   マニュアルは他からの引用や借りてきたものではなく、作成段階で
   学ぶことが多いというメリットを考えると、自作のマニュアルにす
   ることをお勧めします。
   誰だって借り物は気が進みませんから。

8.(2)Good&New

狙い:良いところ探しのくせが付く
手法:始業時など、最近にあった良い話をみんなの前で報告する。
   それを繰り返すことにより、長所探しのくせが身に付く。
説明:Good&Newを実施することにより、みんなの笑顔が見れたり
   今日のコンディションなども観察することが出来ます。
   簡単ですが、なかなか効果的な手法です。
   初対面でも活用できるので、研修などの前に実施することも良いで
   しょう。

9.(3)コーチングレッスン

狙い:相手の自主性を引き出す
手法:コーチと対象者の掛け合いトークを作成し、それを発表することに
   より自分(コーチ側)のトークのくせを知り、より上位の指導トー
   クになるように勉強します。
説明:コーチングは、自主性を引き出すには最高のテクニックであり、リ
   ーダーとしての最低の要件でしょう。
   そんな大切なテクニックを訓練しておかないと、スタッフ育成の機
   会を損失することになるので、是非研究して下さい。

10.(4)企画開発技法レッスン

狙い:企画ができるようになる。
手法:企画書の意味や書き方を習うことにより、自分で企画書を作成する
   ことが出来るようになり、企画の楽しさを知ります。
説明:起案書、企画書とは何かを教えます。
   企画を考え提案するということは、経営に参加するという前向きの
   姿勢の表れです。
   記入レッスンをすることで、企画書の書き方の経験を積むことにな
   り、企画が身近なものになります。
   初めのテーマは、「社員旅行の企画」「新店販品の導入」などの易し
   い課題が良いでしょう。
   スタッフからの企画書が出てくるようになると、幹部としてもうか
   うかしていられませんので、全体が活性化してきます。

11.(5)グループワーク

狙い:相手の考え方や意見が吸収でき、自分の主張も出来る。
手法:より多くの意見を聴き入れ、対話し、自分の意見を発表するという
   プロセスを数人の小グループで訓練します。
   少人数で行うので抵抗感・緊張感が少なく済みます。
   長くこれを続けると、抵抗感がなくなり、人前でも自然にしゃべる
   ことが出来るようになります。
説明:このグループワークで話し合うことにより、今まで言えなかったこ
   とがきっちり言えるようになります。
   実際に、長年続けている勉強会では、出来るだけ新人を発表者にし
   て前で発表するチャンスを与えています。
   これにより、先輩としてしっかり育っていきます。

12.(6)コラージュ作り

狙い:イメージを形にする力が身に付く
手法:雑誌やチラシを多く持って集まります。
   まずテーマを決めます。例えば「エコ」とすると、そのイメージに
   マッチした写真やイラストなどをハサミや手で切り放します。
   そうして集めた材料をそのテーマに沿って模造紙などに貼っていき、
   一つのメッセージ性を持つ作品に仕上げます。
説明:共同作業することによりチームワークも向上します。
   またいろいろな素材で使い、テーマイメージを表現するというデザ
   イン性の創造に役立つと言う効果もあります。

13.(7)マインドMAP

狙い:イメージを膨らませる技術が磨かれる
手法:テーマを中央に書き、思いつくまま360度の方向にイメージワー
   ドを記入していきます。関連事項はそこからさらに外側に記入し、
   脳の中のシナプスが伸びていくように展開記入していきます。
   その様にして全てのアイデアを書き出し、全体像を確認します。
説明:紙面上に頭の中身をさらけ出すことにより、今まで思いもつかなか
   ったアイデアが引き出されることもあります。
   さらに、数人でこれを作成すると大変奇抜なアイデア・意見も引き
   出されます。お互いの触発によって創造性が高められることを体験
   してもらえます。

6.(8)パーソナルブランディング

狙い:自己アピールが強化できる。
   積極性を身に付けることが出来る。
手法:自分のアピールしたいことを15秒CMにまとめます。
   シナリオを作成し、リハーサルをしてからビデオカメラで15秒間
   の撮影をし、それをスタッフ人数分集めて編集し、DVDに落とし
   てお客様に見てもらいます。
説明:リクルート用にも使えます。
   スタッフのテンションも上がります。
   シナリオを作る段階で、お客様へのアピールを前提に考えるので、
   それが経験となり自分を前面に押し出す訓練となります。
   また、製作時の苦労話などもネタになるので、お客様への会話が弾
   みます。

14.最後に

 上記以外にも、もっともっといろいろな仕組まれた経験があるでしょう。
 何気なくやっていることが、仕組まれた経験であったりもします。
 教育担当者の方は特に、このような埋もれた「仕組まれた経験」をノウ
ハウとして表面化し、再使用できるように体系化して下さい。
 いわゆるこれがナレッジ・マネジメントです。
 もし、素晴らしいアイデアがあったらぜひ教えて下さい。
 前述した本はまだ届いていませんが、どんなアイデアが掲載されている
か大変楽しみです。その節はまたお知らせしますね。

 では、また次回お会いしましょう!

ボーダーレス (境界線のない考え方)

メルマガ再録 (2008年11月10日) 第77号


ボーダーレスとは、直訳すると「境界がない」ということです。自分の心にバリアを張らない、フリーな考え方をしていくという意味とそのメリットについて考察してみます。

           < ボーダーレス >

1.はじめに

 ボーダーレスとは、直訳すると「境界がない」ということです。
 ここでは、自分の心にバリアを張らない、フリーな考え方をしていくと
いう意味として、そのメリットについて考察してみます。
 先日、梅澤千雅子さんの講演でも「心のバリアを取り除けば、自由で楽
しく生き生きした生活が送れますよ」と言っておられました。
 そんな生き方のヒントを探して、早速取り掛かります。

2.ボーダーレスのメリット

 ボーダーレスになれると「本音で話せる」「友人(ソウルメイト)が増
える」「深い人脈が出来る」「人生が豊かになる」などの効果があります。
 そうなれば何が良いのでしょうか?
 それは、気を遣わなくて、ストレスのない楽しい生活が出来るからです。
 では、高いボーダーを作ってしまうとどうなるのでしょう?
 それは、全く上記とは逆の減少が起こり、閉じこもり、引きこもり、う
つ病、精神異常などに悩まされます。
 「オープンマインド」「オープンハート」であれば、精神的、身体的、
生活上、仕事上に必ず好影響を与えます。
 そのためには、周りに流されないように、しっかり自分を持ってやって
いかなくてはなりません。
 ではどこに気をつけて、どれくらいの枠・規制を作ればよいのかと言う
と、これだというものはありません。
 だけど、きっとそれは本能が教えてくれます。
 合わない人は嗅覚で分かります。また近寄ってもきません。そこは自分
の五感を信じてもらってよいでしょう。

3.大項目

 次の様に大きく区分して考えてみます。
   (1)自己開示
   (2)プラス思考
   (3)自信とプライド
   (4)仲間意識と愛
   (5)囚われない気持ち
   (6)楽しいことが好き
 人間は、ホメオスタシス(恒常性)という自分を守ろうとする意識が自
然に働きます。
 この保守する働きをボーダーレスにしていくには、ちょっとした工夫が
必要です。
 では、大項目に従い、ボーダーレスのコツ&ポイントについて考察して
いきましょう。

4.(1)自己開示

 自己開示とは、自分のことをオープンにするということです。
 他人から見て、分かりやすい自分になるということです。
 分かりやすいということは、敷居が低く入って来易いので、すぐに友達
になれるという効果があります。
 そのためには、「本音」で話すことが大切です。
 飾った自分は、建前です。本当の自分は「本音」です。
 「出来ないことは出来ない」とはっきり言います。
 営業で答に窮した時は「勉強不足で申し訳ありません。次回までに調べ
てきます。」と言えばいいのです。
 責任の範囲を言う時は「ここまでは出来ますが、後は経験がありません
ので時間が掛かったり、予算が掛かったりしますが、よろしいでしょうか
?」というように対処します。
 そこで、分かった振り、出来る振りをして虚勢を張ると、後でえらいめ
にあうので、本音でぶつかって下さい。
 建前を使っていると、後でしんどいですから。
 また、自然体でいると、多く人から多くのことを教えてもらえるので、
幅広く多くのことが吸収できます。
 つまり、「本音=素直」であることです。
 それが、自己開示してボーダーを作らないポイントともいえます。

5.(2)プラス思考

 プラス思考は、本メルマガでも何回も取り上げているように、物事を正
面から捉え、全ての出来事は自分にとってプラス(良い方向)に働いてい
るという認識の元に考えることです。
 自分にとってマイナスな出来事が発生した時でも、この出来事から何を
学ぶべきなんだろうか?と考えた時、見方が変わり、自分にとって良いこ
とに変化します。
 このプラス思考は、マイナスの事柄から目をそむけ、苦労を避けている
ように見えますが、マイナス思考で泥沼に入るより、どうせなら楽観的に
考えて難局を突破する方が良いのは分かりきったことですよね。
 そんな、プラス思考が出来るようになれば、ボーダーレスな心の持ち方
も簡単に出来るようになるでしょう。

6.(3)自信とプライド

 「自分は、生きていく上で何と言われようが、自分は自分である」とい
う自信とプライドが必要です。
 自信とは、何が来ても怖くないという勇気です。
 プライドとは人間の尊厳です。
 ここでプライドについて考えてみましょう。
 プライドは結構ですが、得てして、プライドの高い人は自己顕示欲が強
く、扱い難いものです。
 プライドのあり方は、柳の木に習うべきです。
 柳の木は、あんなにナヨナヨしているのに、強風に吹かれても逆らうこ
となく風を受け流し、倒れません。
 あのしなやかさに学ぶことです。
 心の奥底に秘めたプライドは格好いいのです。
 表面はブライドなどどこにも無さそうに見せて、きつい言葉も、辛い仕
打ちも柳に風と受け流せば、ボーダーの高さは段々低くなります。
 人から何でも言ってもらえるようになれば、それをプラス思考で切り替
えしていけばいいので、どんどん吸収できます。
 問題点、課題を指摘してもらえることは大切なことです。
 その様に、聞き入れ易い雰囲気を作っていけるように心掛けましょう。

7.(4)仲間意識と愛

 人類皆兄弟、沖縄で言う「イチャリバチョーデー」(出会えば皆兄弟)
という感覚も同じでしょうが、ボーダーレスを実践する上では、仲間を大
事にする気持ちを持つことが大切です。
 折角友達になっても大切にしないと、その友達との付き合いは希薄にな
って離れていきます。
 大切にすると、仲間が仲間を呼んで、どんどん輪が広がっていきます。
 ボーダーを作らないということは、仲間になれる可能性のある人は誰で
も入ってこれる環境が出来ているということですから、自然と仲間が増え
ていきます。
 だから、仲間を大切にするということ自体がボーダーを作らないという
精神そのものであるということです。
 仲間を、人を大切にする気持ちは、人類愛に通じています。
 「全ての人は基本的には善人であり、悪人はいない」という性善説に
従い、人を信じて、人を愛して、触れ合うことで人類愛の実践が出来ます。
 どうしても仲間になれない人もいます。
 その人達とは、一定の距離を置いて、幸せを願ってあげることです。
 なんか宗教じみてきたので、この辺にしておきましょう。
 つまり、仲間を愛する気持ちとその実践は、ますます自分をボーダーレ
スにして、自分を磨けることになっていくわけです。

8.(5)囚われない気持ち

 何かに囚われていると、自分の気持はふさぎ込むものです。
 心配ごと、不安がある、上手く行かない・・・そんな状況では、心は平
常心を無くし、只事ではなくなります。
 また、宗教や国籍、政治や団体などの思想に囚われていると、自分の心
情は、必ずボーダーを作ってしまいます。
 これが一番という偏った囚われの気持ちがあると、人は近づきにくいも
のです。
 自分の主義、主張が強すぎることは寄り付きにくいのです。
 あくまでもフラットに、フランクにという立場をとることが、ボーダー
を作らない必須のアイテムとなります。
 では宗教に入っているとボーダーレスになれないのか?というとそうで
はありません。
 あくまでも、その宗教や政治観を相手、仲間に絶対押し付けないという
ことが前提であれば、仲間は出来ます。
 要は、人は一つに限られたくないのです。
 押しつけられたくないのです。
 自分の意志で選択したいのです。
 そんな心理を読んでおかないと、「あれっ?これって勧誘やったん?!」
と途中でトラブルになるので要注意です。

9.(6)楽しいことが好き

 ボーダーレスには、楽しいことが好きという要素は欠かせません。
 楽しいことはプラス思考につながります。
 暗いこと、悲しいこと、寂しいことは陰陽の考え方からすると必要な時、
仕方のない時もありますが、概してマイナス方向です。
 皆と共有するなら笑いがあって、楽しい方がベターですね。
 楽しいこと、笑いのあるところ、明るいところには皆が集まってきます。
 だから、意識的にその様にしていくことで、仲間が増えます。
 また笑いは身体にも良い効果をもたらすので、必要な要素です。
 楽しいことは共通点が多くあり、どんどんエスカレートして、話が弾み
ます。
 仲間で楽しい企画をしてどんどん深い友達になっていき、心の友達を多
く持って人生を豊かにする、そんなボーダーレスな思考を身につけていっ
て欲しいと思います。

10.最後に

 ボーダーレスは両刃(もろは)の刃(やいば)かもしれません。
 しかし、これが出来るようになれば、人生は大きく前が開けます。
 少しずつでも心をオープンにして、このボーダーレス感覚を身につけて
下さい。
 困った時はお電話を!

 では、また次回お会いしましょう!

人間力向上(後編) (人の根っこ作り)

メルマガ再録 (2008年10月27日) 第76号


前半テーマは、素直力、勤勉さ、思考力・向上心・勉強力、責任感、集中力、意志力・継続力、判断力・決断力。後編は、協調性、表現力、行動力、計画性、統率力・リーダーシップ、指導力、自主性。

         < 人間力向上(後編) >

1.はじめに

 前回は、人間力向上の前編として次の大項目について書きました。
 [前編]
  ( 1)素直力
  ( 2)勤勉さ
  ( 3)思考力・向上心・勉強力
  ( 4)責任感
  ( 5)集中力
  ( 6)意志力・継続力
  ( 7)判断力・決断力
 今回はその後編として、以下のテーマを考察します。
 [後編]
  ( 8)協調性
  ( 9)表現力
  (10)行動力
  (11)計画性
  (12)統率力・リーダーシップ
  (13)指導力
  (14)自主性
 今回も長くなりそうです。
 気を引き締めてお読み下さい。

2.(8)協調性

 「自分勝手」「共有出来ない」
 そんなスタッフをちょくちょく見かけます。
 なぜそうなのでしょう。
 今までそんな学校、家庭環境で育ってきたのでしょうね。
 しかし、そのままにしておくことは出来ません。
 で、その対策としてのポイントを考えました。
 ・全員参加のイベントを実行する。
 ・納得させる。
 ・気付かせる。
 ・相手のことも理解するように教える。
 ・意見交換する。
 ・皆で話し合う。
 ・全員で目標を作る。
 ・ルール(ガイドライン)を分からせる。
 ざっと、こんな感じのキーワードが役に立ちそうですね。
 いわゆる気付き教育が必要です。
 その意味では、サークル活動やワークショップを通しての共同体験がい
いですね。
 特に共に苦しみ、感動体験を共有するというのが近道でしよう。
 だから、そんなことを仕組んだレクレーションやゲームを多用して協調
性を養っていくようにして下さい。

3.(9)表現力

 「自分からは決して意見を言わない」「人前で必要以上にものが言えな
い」「意見を求められて指名されても黙ってしまう」
 慣れてないから言えないというレベルをはるかに超えて、ものが言えな
いスタッフがいます。
 どうしたらいいでしょうか?
 確かに、勤続年数が増えるとそれなりに言える様にはなります。
 しかし、今の瞬間に最低限自分の意思表明は出来るようにしないと、お
客様との会話さえ困ってしまいます。
 特に美容室はサービス業なので、それでは困ったものです。
 結果的には時間が解決するものだと思いますし、そういうスタッフが店
内にいることで優しくもなれますが、早く一人前にしゃべれることに越し
たことは無いですよね。
 ということで、ポイントを考えて見ました。
 ・言わない、言えない理由を考えてみる。
 ・本人が囚われている内容を聞きだして、解決してあげる。
 ・店以外でもコミュニケーションの場を設定し、しゃべれるムードを作
  って上げる。
 ・日頃から理解・尊重して上げる。
 ・質問したり、話題を振って話をさせる。
 ・責任を持たせて、報告させる。
 ・発言のルールを作る。
 ・対等な立場でものが言えるようにする。
 ・会議の仕方を工夫する。(ブレーンストーミングやバズセッション等
  を利用する)
 ざっとこんな感じのことが考えられます。
 いずれにしても、周囲の皆で支え合ってその本人の成長を見守ってあげ
ることが大切ですね。

4.(10)行動力

 「実行しない」「実行できない」「報連相できない」
 取り掛かりが遅い、行動が鈍い、言うべき時に言えない、期待通りの結
果が得られないということはよくありますね。
 その底に流れる問題点はなんでしょうか?
 私は、イメージ不足だと思います。
 行動にはイメージが先行しないと、上手く行くはずがありません。
 イメージしていないと、いきなりそのことが眼前に現れて、咄嗟に対処
することになります。
 心積りができていないものに上手く対処・対応することは至難の技です。
 ということは、つまり、行動に先立つイメージ作りをいかにさせるかと
いう命題に置き換えて考えることが出来ます。
 それであればその物事のロープレなどを多用し、シミュレーションをさ
せる、反復練習をさせる、人前で発表をさせるなどの工夫が考えられます。
 もっと細かくは以下のアイデアを参考にして下さい。
 ・義務感を与える。
 ・期限を決めてさせる。
 ・達成感を味あわせる。
 ・言われながらでもさせる。
 ・手帳、ノートを利用させる。
 ・俊敏(しゅんびん)さを身に付けさせる。
 ・メモを取らせる。
 ・出来ないところを見つける。
 ・有言実行させる。
 ・その事の意味をわかってもらう。
 ・チェック/アドバイスする。
 ・言いやすい雰囲気を作ってあげる。
 ・伝達のつながりを確認する。
 ・グループメンバーで企画させる。
 ・要するに、「するか」「しないか」であることを認識させる。
 ・「くそったれ、やったらええんやろ!」と良い意味の居直りの意識を
  持たせる。
 いかがですか? ヒントにはなりますよね。

5.(11)計画性

 「計画を立てられない」「物事を段取りよく出来ない」「イレギュラー
に対処できない」
 初級者には1~3ヶ月、中級者には1年、上級者には3~5年の計画を
立てさせるというのがサロン内の計画つくりのセオリーです。
 出来る範囲の出来る限りの計画を精密に立てさせることによって、実績
の精度が向上します。
 「計画は未来の先取り」であることを認識させ、適切なデータを駆使し
て計画させるように指導しましょう。
 以下のようなキーワードが参考になるでしょう。
 ・事前のデータ、情報を知る。
 ・目標に対する方向付けをする。
 ・ミスを気付かせる。
 ・自分の中だけで廻っているので段取りが悪いことを気付かせる。
 ・企画、計画を立てる方法を知らないので教える。
 ・計画を作らせる。
 ・「夢」からのブレイクダウンをさせて気付かせる。
 ・改善点を一緒に考える。
 ・幅広く話し合う。
 ・意識の弱さを注意する。
 ・シミュレーション、シナリオライティングする力を付けさせる。
 段取りを上手くできるようになれば一人前で、次のステップに進めます。
 段取りも、イレギュラーへの対処も、経験を積むことが一番ですが、行
動力の項でも取り上げた「イメージする力」と「シミュレーションする力」
を身に付ける様に指導すれば、即効性が発揮できます。

6.(12)統率力・リーダーシップ

 「リーダーになりたがらない」「陰に隠れようとする」「まとめ方がわ
からない」
 チームを引っ張っていくには何が重要なことかが分かっていない。
 技術者からスライドしてサロンの幹部・オーナーになったという人は大
方、この悩みを抱えています。
 当然でしょう。
 そういう勉強をしていませんからね。
 しかし、習わなかったからと言って、出来ないでは済みません。
 そこで、この統率力のポイントを考えてみましょう。
 何のために仕事をしているのかを考えれば自然に分かりますよね。
 「お客様のきれい」のために仕事しているんですよね。
 そしてスタッフには、働きやすい環境を作ってあげて伸び伸び仕事をし
てもらいたいわけですよね。
 それをストレートに伝え、それが出来た時はさらにどんな環境を作って
いこうかと言う夢を語っていけばいいわけですよね。
 そうです。
 それで良いんです。シンプルです。
 しかし、原点を忘れて、目先のことばかりを追いかけるようになればど
こかの歯車がギクシャクして、円滑に行かなくなります。
 その「原点に戻る」ということを考え直してください。
 そうすると、全てがはっきり見えてくるでしょう。

7.(13)指導力

 「下の面倒をみない」「指導が適切でない」
 自分が出来ることと、指導するということは別物なんですね。
 下のアシスタントの育成にかかわることは、自分もそうしてもらったよ
うに美容室としては自然の流れです。
 技術しかり、接客しかりですが、指導の仕方が分からないという先輩を
見ます。
 確かに、インストラクターという一つの分野があるように、指導という
ものも一つの技術であることは言えると思います。
 しかし、上手に教えようとか、早く仕上げてやろうとか思わずに、自分
が教えてもらったまま素直に教えればそれでいいのです。
 また、もっと上のクラスになり、指導しなければと思うと逆にヘマをや
ってしまうことがあります。
 だから、余り窮屈に考えるのではなく、自然にやればいいわけです。
 教育より共育、指導より志導を考えて、本人の力を出し切るためのサポ
ート役として、部下を支えていくようにしましょう。

8.(14)自主性

 「自分からしたがらない」「言われてもしぶしぶしかしない」
 自主性は、全ての項目のスタートであり、エンドです。
 自主性がなければ何も始まりません。
 自主性がなければ全て受身になります。
 一度、全て受身でやってみて下さい。
 面白くないですよ。
 嫌々になりますよ。
 やらされ感満タンですよ。
 そんな生き方って、つまらないですよ。
 自分から何かをやっていくという姿勢が発揮された時が、生きているっ
て実感できる瞬間(とき)です。
 人は誰もが良い気分で生きて行きたいのです。
 生きているというライブな感覚が欲しいのです。
 それが味わえないから、ひきこもったりするのです。
 だから、そんなスタッフの気配を感じたら、ステージに押し上げること
です。
 楽しくやろうと、舞台に上げることです。
 初めはシャイに振舞っていても、徐々に慣れてきて、きっと楽しさが分
かってきます。
 「今、この瞬間にこれをしておかないと後から後悔するよ」ってささや
いて上げて下さい。
 周囲がこんな優しい幹部、上司なら、きっと素晴らしいサロンが出来上
がるでしょうね。
 そんなサロン創りを期待しています。

9.最後に

 何をするにも、その本人の志向性・指向性・思考性がしっかりしていな
いと積み上がりません。
 ここに書いていることからさらに各店でコア(本質的)な部分に入り込
んで対策することを望みます。
 しかし、なんか、結構最後の方は自分の世界にはまった感じがありまし
た。
 まっいっか!

 では、また次回お会いしましょう!

人間力向上(前編) (人の根っこ作り)

メルマガ再録 (2008年10月13日) 第75号


全ては人が考え、実行することです。その人材の基礎を磨くことに対して、14の項目をリストアップして、その一つ一つに関して向上させるための考察を試みています。

         < 人間力向上(前編) >

1.はじめに

 「サービスはマニュアルでするものではありません。心から湧き出てく
る思いでさせて頂くことが本当のサービスで、それをホスピタリティーと
言います。」
 と、説明されても?
 仕事はそこそこ出来るが気配りになると?
 技術は出来るが、愛想がもう一つ?
 などというサロンスタッフさんの悩みを聞くことが多いですね。

 「こういう問題は個人にかかわることなので・・・」と言われるサロン
と、「いや本当、どうにかしたいのですが・・・」というサロンの2つの
パターンに分かれますね。
 その人間性などというエリアに入りたくないというサロンは、ビジネス
と割り切ってやっていくことになり、面貸しのサロンの方向に行きます。
 後者の「どうにかしたい」というサロンは、いつも悩んでいます。
 その悩みのポイントをいくつかに大別して、それについて細かく分析し、
対策を考えてみましょう。
 大項目は以下の通りです。
 ( 1)素直力
 ( 2)勤勉さ
 ( 3)思考力・向上心・勉強力
 ( 4)責任感
 ( 5)集中力
 ( 6)意志力・継続力
 ( 7)判断力・決断力
 ( 8)協調性
 ( 9)表現力
 (10)行動力
 (11)計画性
 (12)統率力・リーダーシップ
 (13)指導力
 (14)自主性
 上記は、厳密に言うと「人間力」という部分と「能力」という部分に分
かれるのでしょうが、一体となっているので、ここではあえて同等の扱い
をすることにしましたのでご了承下さい。

2.(1)素直力

 素直に勝るものはなし。
 しかし、これがなかなか出来ないですね。
 「素直になれ」と言っても、なかなか「我」が強くてなれない。
 自分を持っているということは大切だし、良いことだと分かっていても
なれない。頭じゃ分かっているが、行動がともなわない。
 さて、どうしましょう?
 そういう人には、こちらがメンターになってあげることが大切ですね。
 メンターは、以前にも本メルマガでも取り上げましたが以下の様に3つ
の要素に要約できます。
 1.見本になる(相手を~したければ、まず自分が~することである)
 2.信頼する(本人のパワーを引き出す力になる)
 3.支援する(相手を思いやる気持ちを持つこと)
 こちら側が相手の気持ちを本当に理解し、同調・協調して、育成してい
くというスタンスをきっちり持つことですね。
 本人は素直になりたくてもなれないというジレンマを持っているはずで
す。そこをしっかり見据えて、じっくり育成に取り組みましょう。

3.(2)勤勉さ

 「遅刻する」「手を抜く」「レッスンしない」
 彼らは、どう思ってそれをしているのでしょう。
 心のコンディションが100%ではないのでしょうね。
 ということは、その満たっていない不足分を自分で気付かせて、埋める
ように導いてあげることですね。
 こういう場合にナイスなテクニックがコーチングです。
 「最近どう?」、そう、例のやつです。
 軽い感じで話し出し、その原因をソフトに引き出し、本人のセリフで次
の行動を決めてもらうようにします。
 絶対にこちらから答えを言ってはいけません。あくまでも自主性を尊重
しなくてはなりません。
 長い目でみたら我慢も必要ということです。
 そして日頃から注意を払い、気にしているよと言うゼスチャーをしてあ
げることも考えてください。
 そういうこちらの行動が、本人の支えになるものです。

4.(3)思考力・向上心・勉強力

 「問題意識がない/薄い」「考えようとしない」「考え方を知らない」
こんな彼らをどの様に導くか?
 「考える気がない」と「考えたいけど考え方が分からない」とでは、表
面的には似ていますが非なるものです。
 「考える気がない」人には、考えることの楽しさを教えます。
 意見を言ってもどうせ取り上げてもらえないという過去の経験から閉じ
こもっていることがあります。
 その扉を再度こじ開けて、仕事の本質を教えて理解させ、一緒に楽しん
でいくことを訴えましょう。
 「考え方が分からない」人には、心と技のあいだのスキルを教えて下さ
い。
 ナタを持っていないと藪・雑木林は前に進めません。そんなツールを持
たせることにより、推進力が身に付くでしょう。

5.(4)責任感

 「最後までしない」「すぐ人に仕事を振る」「結果に対する責任を取ろ
うとしない」
 これらは自分の自信の無さから来ていますね。
 自信を持たせるための方法を考えましょう。
 責任とは、職務・使命に伴う果たすべき役割のことです。
 責任能力とは、職務・使命を果たすべき能力のことです。
 責任感とは、責任を重んじ、それを果たそうとする気持ちです。
 「責任を果たしていない」ということは、その役割を全うしていないと
いうことです。
 責任感が不足している人は、その職務・使命に対する認識が甘いという
ことなので、しっかりその部分を教育する必要があります。
 また、自信不足でそれができていないのなら、段階を追った責任の持た
せ方を工夫すべきです。
 つまり、過度の責任はそのプレッシャーで本人がつぶされてしまうこと
があるのです。
 サロン内ではこのケースを何回も見てきています。役職を任命した翌日
に、田舎に帰ってしまったということさえあるのです。
 だから、役職・責任を与える場合は、よく事前に話し合って、適切な範
囲の負荷に調整しておかないといけないと思います。
 責任を押し付けるのではなく、責任を全うできるようにサポートしてい
くことが大切です。
 そして、徐々にその範囲を増やして行き、しっかり責任の取れる人を作
っていきましょう
 細かいテクニックについては以下のキーワードが役に立つでしょう。
 ・自信を持たせる。
 ・随時、聞いて上げる。
 ・上の者がその人に合った仕事をやらせ、自信を持たせる。
 ・次の段階のことを考えさせる。
 ・繰り返し注意する。
 ・始めに宣言させる。
 ・皆で後押しする。
 ・言いやすい雰囲気を作って上げる。
 ・段階的にやらせる。
 ・良いところは誉める。
 ・仕事を振った後の自分の責任を考えるように言う。
 ・小さい企画からやらせてみる。
 ・教える側が粘り強く共育する根性が必要。

6.(5)集中力

 集中力が散漫だと、折角良いアイデアが浮かんでも、良い実行計画にな
りません。
 集中することにより、レベルが向上します。
 集中することにより本気になります。本気に勝るものはありません。
 本気になると、何も怖いものがなくなります。
 そんな、集中する方法を教えます。
 簡単に集中できるのは、自分の発想が一番冴える場所に座り、目を閉じ
ることです。
 そして、その課題をひとつひとつひも解き、書き出していきます。
 その関連性を線で結んだりしてイメージを具現化します。
 そうしてから一つづつの改善をじっくり考え、行動に落としていくとい
う方法が良いでしょう。
 集中できない時には集中しないことです。
 しかし、よく考えて下さい。
 締め切り前は集中しますよね。
 それは、他の要件を無視せざるを得なくて、それだけに集中せざるを得
ないという強制的環境がそこにあるからです。
 締め切り前にその環境が作れるように努力しましょう。

7.(6)意志力・継続力

 「すぐあきらめる」「途中で投げ出す」「わすれてしまう」などという
傾向の人がいます。
 そこで「夢のリフレッシュ」という言葉を作りました。
 宝石だって、ハサミだって、鏡だって、磨かないと光らないし、使い物
にならないのです。
 夢も目的も、磨かないと鈍るし、光らないのです。
 「夢のリフレッシュ」してますか?
 全ては酸化して鈍るのだということを念頭に入れておきましょう。
 さて、意志が弱い人、継続力がない人に共通するものはなんでしょう?
 やり遂げる気が薄いということでしょう。
 それをやったからといって、やらなかったからといって、余り実害や達
成の報奨、やったった感がないということでしょう。
 それなら逆に、厳しいペナルティや豪華な達成賞品を提供すればやるで
しょうか?・・・やらない人はやらないのです。やれないのです。
 結局は、続け方を知らないのです。
 意志が弱いと片付けてはいけません。
 続ける方法を教えてあげてください。
 続ける方法ですか?・・・それは、「夢のリフレッシュ」です。

8.(7)判断力・決断力

 「判断出来ない」「優柔不断である」「判断・決断が遅い」そんな傾向
の人に対する対策です。
 判断力・決断力に欠けるという人は、日頃からの考え方のクセだと思い
ます。
 大概ですが、「この対策が最高のものとは思えない」「他にもっと良い
ものがあるのではないか」「今これに決めると後で後悔するのでははない
か」などと、現状に目を向けず、将来のベター、ベストに気を取られてい
る傾向にあります。
 この考え方は、「そりゃ、そうです」。
 現状におけるベストは、未来からみたら駄アイデアかもしれません。
 しかし、そればかりに囚われていると、機を逸します。
 だから、今のベストを信じることです。
 駄案かも知れませんが、皆でそれを信じて磨き上げることによって、
素晴らしい実行案にもなるのです。
 相手を信じ、チームを信じ、サロンの皆を信じて判断・決断すること
により、皆のパワーが結集し、思う以上の成功が待っているのです。

9.最後に

 一回で書けるかと思いましたが、またまた長文になってしまったので、
前後編に分けることにしました。
 では、また次回お楽しみに!

DOHOW (実践上のノウハウ)

メルマガ再録 (2008年9月22日) 第74号


実行ロスをなくすための工夫のことです。プラン時点で確実に実践に結びつくA→D変換手法や、上手な報連相の方法、効果策定の方法などについて言及しています。

          < DOHOW >

1.はじめに

 DOHOWは行動上の実行効率を向上するためのノウハウのことです。
 意外や、過去のメルマガタイトルの中で取り上げていなかったので、今
回はこのタイトルにしました。
 また、9月6日に開催したIDL個人能力開発講座でこの「DOHOW」
をテーマとしたこともあり、丁度タイミングも良いので、その時に説明した
内容にちょっと味付けして考察してみます。

2.PLAN

 まず、PLAN(計画)時点での注意点から考えてみます。

(1)目的・目標が明確に分かっている<継続性向上>
 ・目的がしっかり理解できて、目標が明確になっていることです。
 ・目的は、すべてのことに優先し、それがモチベーションの継続につな
  がります。
 ・目標は、自分の行動レベルまでしっかりブレイクダウンされているこ
  とが重要です。

(2)計画書を作成している<書面化>
 ・計画は必ず書面にします。
 ・出来るだけシンプルに、分かり易く作成します。
 ・骨子(要項)の部分をTOPに持ってきてインパクトを与えるなど、
  資料作りの工夫に付いて少し勉強が必要です。
 ・資料は一人歩きすることを考えて、社外秘などにする場合もあります。
 ・数字などの部分には特に注意を払って記載してください。

(3)テーマを実行レベルに落とす
 ・全体としての計画は分かるが、自分自身は今からすぐ何をすべきなの
  かが分かっていないというケースをよく見掛けます。
 ・ありがちなパターンです。
 ・改善のアイデアが出たらそれで出来たと思いがちです。
 ・ここが大きな落とし穴になっています。
 ・ここが成功するかどうかの分かれ道です。
 ・もっともっと掘り下げて、行動に落とさなければなりません。
 ・この部分にもっと時間を割り当てて、徹底的に行動に落とします。
 ・その時に必要なのがA→D変換のテクニックです。
 ・必ず数字を入れた表現にすることです。
 ・どうしてもデジタル化(評価できる形)に出来ない場合は、周囲のア
  ンケートを取って評価を得るなどの方法まで考えます。
 ・行動計画表の最終欄には、行動日程~フォロー者~効果測定という項
  目を作って記入するようにしましょう。

(4)結果を図れる共通のモノサシを作る<効果測定>
 ・結果の測定は、実績が出たから評価するのではありません。
 ・目標との照らし合わせが必須です。
 ・結果の評価とは、目標(行動の具体化)と実績の差を知る作業なわけ
  です。
 ・実績自体が物語るのは、事実のみです。
 ・その事実を評価するには、対象となるしっかりした目標があってこそ
  評価になるわけです。
 ・そこのところを良く考えてください。
 ・だから比較できるように最初から仕組んでおくことが肝心なわけです。
 ・それが共通のモノサシであり、効果測定項目です。

(5)晴曇雨対策を事前に考えておく<コンテンジェンシープランニング>
 ・計画は上手く行くということを前提に考えがちです。
 ・計画通り進んだらこんな楽しいことはありませんね。
 ・しかし、現実は厳しいものがあります。
 ・必ずと言っていいほど、予想しなかったことが発生します。
 ・その時が勝負です。
 ・その時にあたふたしないように、事前にそのリスクと対策までを考え
  ておくと言うのがこの「コンテンジェンシープランニング」という考
  え方で、リスクマネジメントの一つの手法です。
 ・リスクマネジメントは、一般に保険と言う考え方ですが、この考えは
  あくまでも中間時点での対応策を事前に計画に織り込んでおくという
  ものですので、サロンでもしっかり計画に入れて下さい。

3.DO

 意外に難しいのがこの実行中のフォローです。
 では、実行中のDOHOWについて説明します。

(1)見守る<メンター>
 ・実行している時は本人の自主性に任せるしかありません。
 ・ということは、その自主性をフォローアップしてあげることについて
  指導者側はもっと考えるべきではないでしょうか。
 ・そう考えた時に参考になるのがメンターです。
 ・メンターは、このメルマガでも取り上げましたが、福島正伸先生がな
  んと言っても第1人者でしょう。
 ・メンターとは、心の師匠とも言うべきその対象者のメンタル面の良き
  理解者であり、良き指導者であるということです。
 ・安心して伸び伸びと仕事に取り組める環境こそ、その本人の成長を促
  すものはありませんからね。

(2)教育に生かす<コーチング/OJT>
 ・現場は最高の教育の場です。
 ・意外にこの場をスルーしている上司が多いですね。
 ・と言うのは、しっかりしたOJTテクニックを身につけていないから
  です。
 ・単に注意するというだけではOJTではありません。
 ・報告を聞いたときに、次の課題をその場ですぐさま与えることがポイ
  ントです。
 ・だから、常日頃、対象者本人の長所・不足点を認知し、どの方向に導
  いて行くかについて指導要領をまとめておき、咄嗟に対応するという
  ことをしていくことが出来ないといけないわけです。
 ・しかし、それが強制ではなく、コーチングテクニックを使って、自主
  性を引き出していくというのは言うまでもありません。

4.CHECK

 成果を出すにはこのチェックは欠かせないものです。
 では、効果的で上手なチェックについて考えてみます。

(1)中間チェックを義務付ける<場の設定>
 ・計画の時点で、中間チェックのタイミング、報告様式を決めておくこ
  とをお勧めします。
 ・報告日程を決めておくことにより、そこまでの内容を充実させようと
  するという気持ちが高まって、成果にもつながります。
 ・年度計画の中間チェックなどは、後半の目標修正や行動の見直しなど
  があるので、きっちりやりましょう。
 ・月間や年間の見直しは、3分の1経過時点くらいで見直すと、後半の
  作戦見直しと実行が出来て効果が期待できるので早めに行いましょう。

(2)中間報告をさせる<報連相>
 ・報連相はなかなか難しい仕事のようです。
 ・タイミングよく、きっちり報告できる人材はなかなかいません。
 ・というのは、上司がそれを強く求めていないからです。
 ・してくれるだろう、という安易な気持ちが野放しになる原因です。
 ・だから、習慣になるまで徹底的に求めることです。
 ・そして、それが出来るようになったらより高度なことを任せていくよ
  うにすれば、その本人のスキルも向上します。
 ・「報連相のタイミングが分からない」という質問を受けたら、何でも
  いつでもいいから伝えてくださいとアドバイスして下さい。
 ・そしたら、だんだん様子が分かってくるので、適度なところで出来上
  がります。

5.ACTION

 このアクションという項目は、チェックによって発生した修正の行動を
いいます。
 目標を必達するためには、このアクションがすぐさま有効になるように
心掛ける必要があります。
 ここでは、少し解釈を広げて、忘れ防止、リスク対策などのサブ的要素
も含めて考えてみます。

(1)決めたことを必ず実行する<議事録>
 ・会議の3悪「会して議せず、議して決せず、決して行わず」にあるよ
  うに、決めたことを実行しないということは、何のための会議だった
  か分からなくなります。
 ・折角時間を使い、アイデアを絞って練り上げた案を、皆が認知せず、
  実行しなかったら、全く意味のないものになってしまいます。
 ・そのために、議事録を作成して、決めた内容を徹底して実行するよう
  にします。
 ・議事録の効果としては、その会議に参加しなかった人にも、企画の場
  に参加してもらったように感じてもらえるので、協力度が増します。
 ・全員参加での取り組みで、持てる力を集中することが大切です。

(2)忘れさせない<フォロー者をつける>
 ・よくある話ですが、「あの件はどうなりましたか?」という質問に対
  して、「すっかり忘れていました」という答えがあったりします。
 ・なんと情けないという状況ですが、忘れる本人も本人ですが、中間チ
  ェックしていない方も同罪ですね。
 ・こういうことを無くすのに、実行のフォロー者を初めから決めておく
  ことが良いでしょう。
 ・また、ちょっとした逆風ですぐに挫折して諦めるということがあって
  は、実行の効率は上がらないし、結果が出せません。
 ・継続するためのモチベーションの保持に関しても、フォロー者はアド
  バイスしていくことも大切なことです。

(3)コミュニケーション<レクレーション>
 ・実行効率を向上するには、チームワークは欠かせない要素です。
 ・チームワークを作るには、コミュニケーションを活発にすることがあ
  ります。
 ・コミュニケーションを活発にするには、レクレーションを活用するこ
  とです。
 ・結構これが現場のDOHOWだったりします。
 ・定期的なレクレーションを企画して、楽しい職場を作りましょう。
 ・「明るい職場は、レクレーションから!」

(4)リスク対策を考えておく<保険>
 ・中間でのリスク回避については、コンテンジェンシープランニングで
  決めた行動を実行します。
 ・その際には、目標必達の心構えで臨むことはいうまでもありません。
 ・さらに、目標期間が終了して目標に達しなかった場合の対策・処置も
  準備しておかないといけません。
 ・翌年にどう持ち越すか、あるいは年度内でどのように処置するか 等
 ・月間目標に対しても同じ様なことがいえます。
 ・目標の精度は、ピッタリ当たることにこしたことはありませんが、大
  概は実績が目標に届きません。
 ・目標の誤差の精度ですが、10%以内といわれています。
 ・期間の中間で大幅なズレが生じた場合は、上方又は下方修正をします。
 ・そしてまた100%超えを目指して頑張ります。

6.必要な資質

 DOHOWとして実行効率を向上するのに必要な資質を考えてみました。

(1)継続力
 ・冒頭の部分でも書きましたが、やっぱり目的・目標が明確に分かって
  いるということでしょうね。
 ・それと、周囲のサポート。
 ・粘り強く目標に向って働きかける力は周囲を巻き込む力を発揮するも
  のです。

(2)集中力
 ・物事を達成する瞬間には何らかのオーラが出ていると思います。
 ・「集中すれば火もまた涼し」という言葉がありますが、集中力を発揮
  することにより、まさに達成のエネルギーが発揮されます。

(3)判断力・決断力
 ・判断する力は行動には付き物です。
 ・行動は、細かく言えば判断と実行の連続です。
 ・2者択一の選択をしてきて、今の姿があるわけです。
 ・つまり、これからの判断の基準を少し変えれば、人生変わってくると
  いうことです。
 ・現在は過去の未来です。
 ・だから、未来を作ろうと思えば、今を変えれば良いのです。
 ・判断力に自信のない人は、今から勉強を重ね、感性を磨いて、少しづ
  つでも未来の自分を築いて欲しいと思います。

(4)統率力・指導力
 ・目標を達成するには、一人の力では不足です。
 ・チームワークを発揮し、不可能を可能にしていく姿勢が不可欠です。
 ・それには、チームの力を結集し、燃える集団に変えていくリーダーシ
  ップが求められます。

7.最後に

 こんな感じの内容がDOHOWとしてのポイントでしょう。
 全体として目的を自分のものとし、目標意識を高く持ち、必達するとい
う執着心を全員で発揮することが出来れば、目標は達成できます。
 いわゆる計画が絵に描いた餅にならないように、真剣にDOHOWを研
究して、成果に結びつけて下さい。

 では、また次回お会いしましょう!

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