メルマガ再録 (2008年9月8日) 第73号
その人にマッチしたステージを与えることによって、自発性が発揮され、その本人は飛躍的に成長します。効果的にその場を与えるにはどうすればよいのかについて考えました。
< 場の提供(ステージング) >
1.はじめに
今回のテーマは、本メルマガNo.69の第8項で取り上げた内容をヒン
トに、さらに掘り下げて書いてみます。
そこのところを思い出すために、第8項「場を与えると人は成長する」
から抜粋掲載してみます。
<ここから>
場の活用をもっとすべきだと思います。
目的・目標は設定しますが、一般的に、場の設定が足りていません。
なぜなら、場が人を成長させるのです。
そこには発表があり、そこには賞賛があり、それによって学びがあり、
成長があります。
もっと、「場」を研究し、結果から手順を作るという手法を開発して、
現場に生かす方法を考えるべきだと思います。
<ここまで>
場は、英語に代えると「ステージ」がピッタリですね。
場を提供するとはステージを与えることです。
その人にマッチしたステージを与えることによって、自発性が発揮され
その人は飛躍的に成長します。
それは、そのステージで良いところを見せたい、期待に応えたい、自慢
したいなどという深層心理が働き、さらにそれは自分でするしかないとい
うことに気付いて、自主的行動が促されるという心の働きが発揮されるか
らです。
では、効果的にその場を与えるにはどうすればよいのかについて考えて
みましょう。
2.アウトプットの効果
もう少し説明すると、アウトプットすることにより、インプットがより
効率的にノウハウとして身に付くことになります。
人に言ったり、教えたりすると格段にその内容は、スピーディーに自分
のものになります。
このことは多分皆さんも実感されていると思います。
ということで、先にアウトプットする場(ステージ)を設定しようとす
るのがこの「場」の考え方の基本です。
では次の6つの「場」の活用について考えてみましょう。
A.意見の場
B.提案・企画の場
C.計画の場
D.実践の場
E.結果発表の場
F.交流の場
3.「A.意見の場」
意見を求める時に、発表しやすい場がないと、特に下の人は意見を言い
にくいものですよね。
これが、きっちりした発表しやすい「場」を作ってあげると、じゃんじ
ゃん意見を言うようになります。
この差は大きいですよ。
意見を言うことによって、自分身そこに参画したという意識が働きます。
つまり、そこで決定される内容に付いて自分の意見も含まれているとい
う感覚です。
この感覚は、参加意識といいますが、参加意識が自主活性に直結してい
ます。
だから、意見を言える場、より言いやすい場、言わせられる場の作りが
必要であることは明白ですよね。
これについては、上手なファシリテーション(議事進行)を研究・勉強
して、実践できるようにしましょう。
4.「B.提案・企画の場」
次は提案・企画の場について説明します。
これも意見の場の変形です。
資料による意見も同じと考えてください。
自分の提案・企画が通ったら、凄く嬉しいですよね。
この感じを多く体験させて、自主性を引き出すということです。
提案するということは考えるということです。
提案がどんどん出てくる個人も、組織も素晴らしく発展します。
そういう場があるということは、積極的に考え、サロンを良くしようと
する意識が高いので、是非提案制度、企画の勉強などをしてみて下さい。
5.「C.計画の場」
計画の場と言うのは、年度計画などで、計画した内容を、全員および対
外の方をお呼びして発表させるという状況を作るということです。
だから、年度計画発表会の日程を先に決めなければなりません。
この日程があることにより、締切があるので、追い込みます。
また、個人的な豊富なども短い時間でよいので、一人ひとり発表させる
ことにより、参画意識が生まれます。
発表の時の緊張感が必要なわけです。緊張感を演出することはとても大
切なことです。
これを継続的に実践することにより、良い伝統が培われます。
6.「D.実践の場」
実践での場では、報連相でしょう。
仕事の状況やOJTの中間報告、緊急連絡、困った時の相談などの報連
相がしやすいように、門を開けておく必要があります。
これはリーダー側の姿勢が問われます。
言ってもらえないのは、言い難いオーラを出しているからです。
リーダーは、「言ってもらいやすい雰囲気とはどんなものか」について
勉強しなければなりません。
セミナー受講などの外部講習を受ける時は、報告書の提出を求めること
を事前に伝えておきます。
そうすることによって、「報告しなければ!」という意識が働き、数段
吸収率が向上します。
会議の中でもこの方法は使えます。
後で、「~~さん、これについて感想を言ってもらいますから」と事前
に伝えておけば、注意して聞き、メモも自然に取るようになります。
7.「E.結果発表の場」
長期計画や年度計画の結果発表、外部勉強してきた内容のサロンへの落
とし込み報告などの場は、事前に計画することが出来ます。
出来れば、年度計画そのものに発表報告会の日程を入れておくことです。
そうすると、決まっているものには間にあわさないといけないというC
型カーブ(直前仕上げ)の取り組みが始まり、なんとか出来ます。
本来は事前に準備して余裕を持ってやっていくことがいいのですが、そ
れが出来ない状況は多くあります。
だから、その心理を逆利用して、C型カーブを多く設定しておくという
のがこの裏技な分けです。
要するに、細かく報告・発表を求めることによって、実践効率を上げ、
吸収率を向上させようと言うのが、この場の狙いだということです。
8.「F.交流の場」
レクレーションは定期的に準備します。
リクレーションの場を上手く設定することが出来れば、仕事の効率は素
晴らしく向上します。
3ヶ月に1度程度の定例レクレーションと、臨時のイベントを組み合わ
せます。
意志の疎通が出来ている職場は、効率も品質も良くなります。
そういうことを意識して、明るいサロン、意見の通りが良いサロン、打
てば響くサロンを作りましょう
9.最後に
今回はシンプルにまとめてみました。
ちょっと野菜サラダを頂いた感じで、すっきりしましたね。
これくらいのボリュームなら完読で来ますよね。
言いたいこともまあまあ書き切れたのでよかったです。
では、また次回お会いしましょう!
メルマガ再録 (2008年7月28日) 第70号
自分の気になる言葉を自分なりに定義することで、言葉に対する自信を付けることが出来ます。初回はあ~こまでの50語を収録。
< 自分辞典(上巻)>
1.はじめに
なぜか、前回のメルマガを書いているときに自分辞典と言う言葉が浮か
んできました。
自分が気になる言葉を短い文章で、辞典のように説明する、定義すると
いう内容のものです。
これは、株式会社武蔵野の小山昇社長が発行されている本にこのアイデ
アはあります。
その本は「仕事ができる人の心得」(阪急コミュニケーションズ)です。
この本から例題を抜粋しようと思ったのですが、今は貸し出し中で手元
にありません。残念。
2.自分辞典の作り方
まず、気になる単語を列挙します。
次に、その言葉を定義します。
定義の方法は、その言葉の意味だけを説明するのではなく、感じるまま
にその言葉を分析説明するということでもOKです。
そして、あえてブロッキングせず、それを「あいうえお」順に並べ替え
て完成です。
このメルマガの途中で、自分でもヒラメキがあったら単語をメモし、後
から自分辞典をあなたも作ってみてください。
3.自分辞典
たくさんある方が辞書らしいと思い、150のワードを思いつくままに
リストアップしました。
ではスタートです。
1.「アイスブレーキング」
緊張を解きほぐすこと。グッド&ニューなどのコミュニケーション促
進やミニゲームなどを用いて活性を上げる。初対面の人たちとのワー
クショップの前に実施すると効果てきめんです。
2.「愛」
博(ひろ)い意味の思いやる気持ち。相手を尊重することから生まれ
る感情。自我を捨てることにより本物となる。
3.「アシスタント」
補助的役割をする人。その役割を積み重ねることによって一人前にな
れる。希望一杯の人。アシスタント自体が一つの仕事の形態をなして
いる場合もあるので、それはそれはで専門職といえる。
4.「遊び」
余裕。”忙中閑あり”という言葉がある。いくら忙しくても暇を見つ
ける心の余裕を言う。働きながら遊ぶコツを会得するとストレスフリ
ーとなる。オリジナルな遊びを考えることは大変クリエイティブで、
仕事上で企画などの役に立つので大いに遊ぶこと。
5.「あなた」
自分との対象者。手が届く範囲にいて目を見れる人。
6.「アナロジカルシンキング」
類推思考。そのものの要素を分析・追及し、そのコアとなる機能を突
き止める。そしてそれと同様の機能を有するものを他から探し出し、
それを応用しようとする思考法。ベンチマーキングとは一味違う。
7.「アプローチ」
そのものに迫る・接近する道のり。ゴルフではピンの近くで放つショ
ットをいう。人に近づく、発表内容の本質に迫るステップなどもいう。
アプローチが上手くないと、プロセスがぼやけて対象になる全体像が
明確にならない。
8.「甘え」
安易な妥協の産物。自立していない状態。甘えが習慣化・常態化して
しまうと、自立心がなくなり、考える力が低下する。
9.「Eメール」
現在においてなくてはならない必須の情報交換ツール。こまめに着信
をチェックし、スピーディーに処理することが求められる。返信の状
態によって人格が見極められるので要注意。
10.「育成」
対象者のレベルを向上する手助けをすること。教える側と教わる側の
コンビネーションが上手く行かないと、吸収効率が悪いので注意。ノ
ウハウよりもまず教わる姿勢を身につけさせることが大切。
11.「意志」
意志が明確である、意志が強い・弱い、などという使われ方をする。
”考え”にパワーを与えたものといえる。意志が弱いと困難(成長が
目に見えない時期など)を乗り越えられないので、周囲のサポートが
必要になる。
12.「遺伝子」
前世から今世に、今世から後世に、永遠に物体をコピーする能力を持
つもの。形はもちろんのこと性質までも伝える。遺伝子を中心に考え
ると人体は遺伝子の乗り物であるとも言われる。私は皆に対し、自分
の事を知るのに「耳を澄まして遺伝子の声を聞こう」と発信している。
13.「営業」
売り手側と買い手側の商売上の接点。今は商品自体を売り込む前に営
業マンの人物を売り込む(営業する)ことが一番といわれている。マ
ーケティングの手法を勉強することは大変役に立つ。
14.「A→D変換」
アナログ(定性的)表現をデジタル(定量的)表現に変えて、効果測
定しやすくする工夫を織り込んだ表現技法。これを修得すると必ず結
果が出る必殺のテクニック。DOHOWの極致と自分では思っている。
15.「偉い人」
中道、王道、中庸の道を究め、適切な判断を優しさを持って瞬時に出
来る人。決して地位や名誉やお金を多く持っているだけの人ではない。
16.「エンロール」
周囲を巻き込む動作。自分の意見を主張し、周囲を納得させ、その考
えに同調させられること。コンセプトがあってもエンロール出来なけ
ればコンセプトがないのと同じ。
17.「OJT/OFFJT」
OJTはオン・ザ・ジョブ・トレーニンのことで、個人教育を前提と
した仕事をさせること。OFFJTはオフ・ザ・ジョブ・トレーニン
グで、会議や講習、セミナーなどの集合教育をいう。要は効果的に使
い分けること。
18.「会社」
いろいろな人が集まって、一つの方向に向かって営利活動を行う団体。
従って、方向性が不明確なものは会社ではない。ただの集合体。
19.「改善」
現状よりさらに合理的で、効率的で、快適な方向にレベルアップする
ためにアイデアと努力で推進する姿勢。単に合理性・効率だけを追求
することは好ましくない。あくまでも適正に行うことが求められる。
20.「価格」
原材料費に、経費と利益を上乗せした品物およびサービスの値段。そ
の価格が価値よりも高いと思われると、リピートしない。価格はその
サロンの営業コンセプトである。
21.「価値」
対象となる品物・サービスが提供する値打ち。価値が価格よりも高い
と思われるとリピーにつながる。価値を向上するためにいろいろな付
加を足していく。いわゆる付加価値であるが、これを基本価値に繰り
入れていく努力が企業自体の価値を向上させる。
22.「家庭」
世界の最小単位。初期教育の現場。夫婦の努力する姿、真摯に生きる
姿勢が何よりも教えになり、優しい子を作る環境になる。再度家庭の
もてるパワーを復権しなければならない。
23.「我慢」
出口を見つけるまでの時間。我慢のための我慢ではなく、夢・希望・
目的のための一時の停滞と考える。トンネルには必ず出口があると信
じ切る気持ちを持つことで打開策を見つけることが出来る。
24.「考える」
物事を煮詰めて、その答えを出す思考方法。考えることは生きている
証である。考えることにより人は進化する。進化なくして、人は生き
ているとは言いがたい。その場の全員の考えを集約することでそこに
その場の答えがある。それを無視して、何に答えを求めるのか!
25.「環境」
主たる目的の周囲を構成する要素。環境が人を作るのではないが、環
境がないと人は安心して力を発揮することが出来ない。環境はそろえ
てもらうという発想より、自分たちで揃えていくという積極的な発想
が必要。
26.「感謝」
有り難いという謙虚な気持ち。初めは小さなことに感謝できるが、そ
れに慣れてくると鈍感になってしまうので注意が必要。感謝の気持ち
常に持ち合わせるために死生観をしっかり持ち、命のことを考える事。
”ありがとう”は大変エネルギーの高い言葉なのでなかなか言いにく
いが、それを意識することで、感謝の気持ちは高まる。
27.「感動」
感じて動かされること。大感動した時は、それを誰かに伝えたくなる
という人間の特性があり、それによって輪を広げて行こうとするのが
感動経営。これにより来られたお客様は、より上質な方向に向かう。
28.「起案書」
企画の前段階で、とりあえずアイデアを文章にして本格的な企画をし
ても良いかどうかを問う書式。軽いタッチで誰でも書ける様式にして
社内の提案ムードを盛り上げ、自主活性型の仕組を作るツールにする。
29.「企画書」
起案書で仮承諾をもらっているので、本格的にメリット・デメリット、
導入手順などを企画提案する書式。これで採否の最終決定がされる。
企画が甘いと失敗する。なので、しっかりと深く考えられた企画を行
う。内容としては、読み手の立場に立った書き方をすれば通りやすい。
30.「技術」
その物事をこなすのに必要な専門知識、専門技能、智恵、経験、DO
HOWなどの総体的スキルのこと。これが不足していると良い仕事が
出来ない。技術を修得するには、集めたノウハウ技術を体系化して、
きっちりまとめるておき、すぐに使えるようにしておくこと。すぐに
出てこないと意味がない。
31.「議事録」
会議で話し合ったことを記録しておくドキュメント様式のこと。活用
方法として、欠席者への浸透、宿題の徹底、次回の準備などに生かせ
れば効果は抜群。継続的にファイリングしておけば過去の動きが残せ
るので、サロンの財産となる。
32.「キャリアプラン」
永年勤続する上でその人にあった将来ポストを準備してあげること。
それなりのサロン規模にならないとなかなか準備できないのが現状。
安心して働ける環境作りの大きなポイントである。
33.「給与」
働いた対価として頂けるお金または現物。人は皆このために働くが、
給与を目的とするのではなく、働いた結果の報奨として頂けると言う
スタンスが喜ばしい。給与を頂いたら必ず、上司とオーナーにお礼を
伝えることがマナーである。
34.「教育」
本当は広い意味で使うのであろうが、教育という教えて育てるという
字の感じからして、かなり一方的な形での教え込みという感じがする
言葉。ティーチング。トレーニング。最近は、共育(共に育つ)とい
う字を当てるサロンが多い。
35.「共有」
一つの話題を皆で共通認識すること。「シェアする」とも言う。共有
していないと各自がバラバラの方向に動いてしまうので注意が必要。
幹部会の検討結果が現場に報告されず、「聞いてません!」というサ
ロン体質だけは最低限改善すべきである。
36.「グッド&ニュー」
最新の新しいニュースをコメントすること。アイスブレーキングゲー
ムとしてよく用いる。悪いニュースも発表ありで、その場合はリフレ
イミングといって角度を変えてそこから学んだことを報告することで
それも良いこととされる。朝礼などで定期的に実施することで、良い
ところを見るという作業が日常的になり、グッド視点が確立される。
37.「クレド」
経営理念や行動指針、スローガン、行動の規範、使命(ミッション)
などの経営の信条を示す一連のものである。特にリッツカールトンホ
テルのクレドが有名。これを真似て多くのサロンでも作成しているが
実際に機能していないのはいかがなものか。
38.「経営理念」
経営をしていく上で、一番大切にしている心の部分のこと。何のため
に仕事をするのか、我々はこのサロン経営を通して何を成し遂げよう
としているのかなどについて明文化されていること。この理念がしっ
かりしていないと、サロンの方向性を見失ってしまう。
39.「経験」
体験とは実際に自分の身体に覚えこんだこと。経験は体験よりも広く
知識や印象・感動などの認知レベルも含む。自分が体験・経験をした
ことを通してのみ人は語ることが出来る。
40.「傾聴」
漠然と、漫然と聴くのではなく、耳を傾けて注意深く聴くこと。この
傾聴と言う言葉の中には”積極的に聴く”という要素も含まれている。
その時に聴いた話を次に伝えようとすれば、傾聴せざるを得ない。
41.「結果」
結果はそれだけでは存在しない。起案~計画~目標設定~実践~フォ
ロー&チェックがあって、結果がある。従って、結果はそのプロセス
全体の要因を含んでいる。そのことを考えると、全てにその精度が問
われる。簡単には目標と結果を比べることによって、成果を見つける
ことが出来るが、未達成の要因は全てに潜んでいる。
42.「健康」
”健”はすこやかなこと。”康”はやすらかなこと。つまり、そのも
のが正常な状態で機能していること。あなたのサロンは健康ですか?
43.「検証」
出た結果を実際に調べて証明すること。こうすることによって軽視さ
れがちな結果をノウハウとして再構築することが出来る。
44.「コアとフレーム」
コアは核・中心。フレームは枠・周囲。原因から発生した結果が現象。
つまり、現象を煮詰めていくと原因に突き当たる。原因は現象に隠さ
れてなかなか見えないものである。それを突き止めるには「なぜ?」
を数回繰り返すとよい。原因が突き止められれば「そのためには?」
を数回繰り返して、効果的な行動を引き出すことが出来る。
45.「効果」
期待通りの良い結果のこと。効果を得ようとすれば、それまでの全て
の段階がうまく機能し、良い結果が得られるように仕組まれているこ
とが大切である。行動計画の段階で「効果測定」欄(何によりそれを
成し遂げたことが分かるのか?)を追加しておくと実行効率は途端に
向上する。
46.「考察」
対象となる事象を自分なりに考えて解き明かすこと。考察することに
より研究心・探究心が向上し、イマジネーション(想像・創造)する
力が自然と身に付く。
47.「行動」
私は持論として「人間は、自分で考えたことは自分から進んで実行す
る」という見解を持っている。このことは私には「自主活性型のサロ
ンを作る上で、いやもっと広く言うと人間としての行動の大原則だ」
と思えてならない。このことを前提にして、今やっているサロンの運
営を全て見直してみて欲しい。
48.「効率」
一度あることは二度ある。これを考えると、二度目は慣れているので
早く終わるはずである。私は「人間は進化の動物である」と思ってい
る。従って、より効率的にということは自然な欲求であると思う。
49.「合意形成」
関係する者の意見がバラパラでは、方向性が定まらないし、それでは
会社とは言えない。より良くするための建設的反対意見は歓迎だが、
単に反対だけの意見は意味をなさない。合意を形成するだけで進行方
向のパワーは、何倍にも増幅する。
50.「コーチング」
個人の特性を生かした指導方法のテクニックの一つである。対象者は
コーチの質問に対し、自分で考えたことを述べる。コーチはただそれ
を聞き入れ、自主性を重んじて練習させる。素晴らしいコーチは、そ
れだけでなく、フォーカスのポイントを心得ていて、ちょっとのヒン
トで素晴らしい結果を与えることが出来る。
4.最後に
う~~ん。段々長くなってしまいますわ。
初めは150ワード、1回で書けるかと思いましたが、ムリムリ。
今回は「あ」~「こ」まででしたね。
ということで、3回シリーズになります。
しかし、自分のワードを再確認する意味でも、70回目の節目というこ
とでも、このシリーズは意味がありますね。
では、また次回お会いしましょう!
メルマガ再録 (2008年7月14日) 第69号
「人の性格は環境に左右される」という様な考えがありますが、本当にそうなのだろうか?」「人が変わるとはどういうことなのか?」 などの課題について考察しています。
< 環境と人 >
1.はじめに
今回は、「環境」と「人」の関係について考えてみます。
「人の性格は環境に左右される」という様な考えがありますが、本当に
そうなのだろうか?」「人が変わるとはどういうことなのか?」などとい
う大それた課題について考察してみたいと思います。
私には多くを語る資質はありませんが、そこは度胸でいつものようにC
KEN流に切ってみたいと思います。
2.いろいろな言葉
人と環境に関する言葉をいくつか探してみました。
「A.環境が人をつくるのではない」(ジェームズ・アレン)
「B.人は内側から動機付けられる」(ネッツトヨタ南国㈱横田英毅)
「C.人材育成ではなく、人材解放である」(臥龍/角田識之)
「D.信頼されるには師匠を持つこと」(バグジー久保華図八)
「E.人は自分の考えたことは実行する」(CKEN谷口隆)
「F.場を与えると人は成長する」(CKEN谷口隆)
では、いつものように上記の命題に対し考えて行きましょう。
3.「A.環境が人をつくるのではない」
「環境が人をつくるのではない」とジェームズ・アレンは言います。
この本「原因と結果の法則」のこの文章を読んで、ビックリしました。
エッ! 今まで、「人は環境によって作られる」と周囲は言うし、私も
そう信じていたからです。
その本は今貸し出し中でよくは覚えていませんが、「環境が自分を変え
るのではなく、あくまでも変わるのは自分の意志だ」ということだったと
記憶しています。
これはなかなかグッと来ましたね。
環境が自分を作ってくれるという甘ったるい考え方を払拭し、自分の頭
で、自分の信念で、自分の足で進まないといけないと、自立心を煽られま
したね。
そういう本の中の一行でハッと気づくことってありますよね。
似たような経験で、コーチングの本で「プラス思考はマイナスを意識し
ている」って書いていました。
だから、本当のプラス思考は、そういうことを意識しないで普通にやれ
ている状態、ナチュラル思考(谷口造語)を目指すのが、究極のコーチン
グであるというニュアンスのことを書いていましたね。
そう。深い。
4.「B.人は内側から動機付けられる」
ここ2回ほど、ネッツトヨタ南国㈱横田英毅会長さんのお話を聞く機会
がありました。
横田さんは、失礼な表現になりますが、表向きはボーとした感じですが、
すっごく考えておられて、味のある方です。面白いんですよね。
ショールームでボーと座って観察している。そうすると何か気になるこ
とが目に入ってくる。そしたら、そのことを咎(とが)めるのではなく、
「彼女がそうすることには理由があるはずだ」「なぜそうしたのだろうか
?」「どうしたらそのことを直すことが出来るだろうか?」と考えられる
そうです。
全ては原因主義というか、なぜなぜと問いかけて、それを根本的に直し
ていくという源流改善主義的な考え方をしておられるのだなあと感心する
わけです。
大久保寛司さんも、伊那フォーラム2008のパネルディスカッション
で、そのあたりのことを「凄い考え方ですね」と感心されていました。
さて、横田さんは「人は、内側から動機付けられる」と言われています。
そうですね。この表現は前項のジェームズ・アレンの言葉と同じではな
いでしょうか。
「人は内側から動機付けられる」ということは、「人は外側から動機付
けられるものではない」と言い換えれますよね。
自分がその気にならないとしないと言うことです。
いくら美味しい食べ物を用意されても食欲がないと手を付けないし、い
くら高価な装飾品を見せられても興味がなかったら欲しいとも思わないで
すね。
横田さんは、「問題対処ではなく、問題解決が大切である」とも言われ
ています。
問題対処はマニュアル的であり、問題解決は自分の頭で考えて解決して
いくのでそれがどんどん経験となり、より賢くなっていくということです。
こういう考え方を進められているのは、「人は内側から動機付けられる」
ということを実践していることに過ぎません。
マニュアルは外から与えられたものであり、問題を解決する方法を身に
つけることは、自己を高める欲求に合致しているからです。
5.「C.人材育成ではなく、人材解放と考えるべき」
感動経営コンサルタント臥龍(角田識之)先生は、「人材を伸ばすには、
育成ではなく、解放である」と言われています。
育成とは、「やしない育てること、育て上げること」と広辞苑には書い
ています。
開放は、「解き放つこと」「束縛を解いて自由にすること」です。
この2つの意味の差は大きいですね。
メルマガ第57号に書いた「サヴァン」を思い出してください。
ちょっと、振り返ってみます。
<ここから>
(前略)
サヴァンは知的障害が「あるにもかかわらず」ではなく、「あるからこ
そ」能力を発揮する。アラン・スナイダー豪シドニー大教授(脳学者)は
「人はみな同様の能力を潜在的に持つが、普段は封じ込めている」とみる。
サヴァンの場合は障害のため鍵が外れ、脳がのみ込んだ情報を抽象化も取
捨選択もしていないナマの状態で出し入れできると言うわけだ。実際、脳
機能の一部を抑える実験でサヴァン的才能が現れた。
ニコラス・ハンフリー英ロンドン大教授(進化心理学)は「進化の過程
で人類はサヴァンのような能力を積極的に放棄した」と考える。人類は集
団を形成するようになったが、社会生活を送るうえで「あまりに大きな能
力」はかえって邪魔になる可能性がある。人類は、より抽象的で総合的な
言語能力、対人能力を優先させたというのだ。
(後略)
<ここまで>
ということで、元々持っている能力を開放するという考え方の方が、自
己成長が早いと思われます。
教えるのではなく、引き出す。
これが教育のポイントでしょう。
6.「D.信頼されるには師匠を持つこと」
バグジーの久保華図八先生は、「信頼される人になるには、師匠を3人
持つことだよ!」と言われています。
自分がだんだん出来るようになり、上の立場になると傲慢になっていく
ので、それを戒めるためにも師匠を持つべきなのです。
先日の横田会長の講演の中で「卒啄同時(そったくどうじ)」という言
葉を知りました。
気になったので、調べてみたところ、なかなか味わいのある言葉でした。
師匠と弟子の関係で、なかなかテーマ的にはマッチしそうなので、ホー
ムページから抜粋してみます。
<ここから>
(卒啄同時)
卵の中からヒナが殻を破って生まれ出ようとする瞬間、内側からヒナが
殻をつつくのを「そつ」、外から親鳥がつつくのを「啄」という。
このタイミングが合わないとヒナは死んでしまう。
この自然の不思議さを表現した言葉が「卒啄同時」である。
「卒啄の迅機」ともいう。
禅の世界では、師匠と弟子の間で佛法を相続、伝授するときに使われる
大切な言葉である。
師匠から弟子へと伝えられている佛法を、コップの水に例え、「一器の
水を一器のうつわに移すがごとく」と表現している。
弟子の器が小さ過ぎると水(佛法)はこぼれてしまう。
器が大き過ぎると物足りないものである。
絶妙のタイミングが要求される。
師匠の悟りの力量と弟子の悟りの力量が、同等でなければならないので
ある。
ヒナに力がないとき、親鳥が啄(つつ)けばヒナは死んでしまうのであ
る。反対に親鳥に啄く力がないときも、ヒナは死んでしまうのである。
ここで問題となることは、タイミングを間違えるとどちらの場合も、ヒ
ナが死んでしまうということである。弟子の立場からいえばたまったもの
ではない。
しかし、どう理屈を並べようが、どうしようもない立場なのである。師
匠は師匠であり、弟子は弟子である。
この立場が混乱してしまい次のような逸話も生まれてくるのである。
ある修行僧は師匠のもとへ押しかけ「悟りの機が熟しました。どうか、
啄いて、殻を破ってください」と言った。
師匠は「啄いても良いが、命は大丈夫か」と問うと、生意気にも「弟子
の私が悟らなければ、師匠のあなたが物笑いになりましょう」と答えた。
師匠は途端に「未熟もの」と一喝した。
この一喝が師匠の「啄」であったのである。
師匠の一喝は、慈悲心の表れである。
<ここまで>
凄く含蓄のあるお話でしょう。
高度な次元での教育話ですが、師匠を持ち、勉強する環境は必要ですね。
7.「E.人は自分の考えたことは実行する」
私は常に、「人は自分の考えたことは実行する」ということが基本中の
基本として考えています。
この考え方は、前項のジェームズ・アレンや横田会長さんの思想と同じ
ではないかと思います。
動かない、動けないのには理由があります。
人から教えられて、そうした方が良いのは分かっているが、なぜか一歩
踏み出せない。二の足を踏んでしまう。
次の問題にぶつかった時に、自分の中から解決策が出てくると思えれば
前進するし、やっぱりそのことが自分の中から湧いてこないと思っている
間は足踏み出せない。
それは、自然な姿です。
だって、自信のないことは出来ないですよね。
その源流には、以前も書きましたが「ホメオスタシス(恒常性)」があ
るのだと思います。
これは人間の特性そのものです。
だから、そういうことであるということを前提に物事を考えれば、次の
やり方が見えてきます。
その物事について、自分が納得して自分のものになった瞬間から人間は
行動をスタートさせるということです。
次の行動のイメージが湧いてくる状態で初めて行動が伴う、と言うこと
をよく認識して、育成指導していきましょう。
8.「F.場を与えると人は成長する」
「環境が人をつくるのではない」「人は環境によって作られるものでは
ない」ということはいえますが、場を与えると人は成長すると思います。
この「環境」と「場」の違いを説明します。
環境は、家庭内や職場上のベースメント(基盤)です。
場は、直接的なテーマです。
例えば、給料は環境で、感想文を発表するのが場です。
給料を高くしても、その場はモチベーションが上がりますが、やがてま
たもっと欲しいという不満になります。
その点、問題を解決したり、知識が向上したり、人間性が磨かれたりす
る課題には、生き甲斐、やり甲斐を感じて、自己の成長意欲はなくなるこ
とがありません。
そういう意味で、自己研鑽の場が大切と言うことです。
場の活用をもっとすべきだと思います。
目的・目標は設定しますが、一般的に、場の設定が足りていません。
なぜなら、場が人を成長させるのです。
そこには発表があり、そこには賞賛があり、それによって学びがあり、
成長があります。
もっと、「場」を研究し、結果から手順を作るという手法を開発して、
現場に生かす方法を考えべきだと思います。
この発想は、ひょっとしたら相当NEWかも知れませんよ!
是非、誰か実践した例を報告して下さい。
9.最後に
人材の開放~場の提供までを考えていく本質的な教育論を提案しました
が、理解して頂けましたか?
なんか今回のメルマガはまた新しいトーンで書いた感じがします。
全く前後の脈絡を考えず、各項目に集中して書いたので、つながりを感
じないかも知れませんが、勘弁してね。
では、また次回お会いしましょう!