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場の提供 (ステージング)

メルマガ再録 (2008年9月8日) 第73号


その人にマッチしたステージを与えることによって、自発性が発揮され、その本人は飛躍的に成長します。効果的にその場を与えるにはどうすればよいのかについて考えました。

        < 場の提供(ステージング) >

1.はじめに

 今回のテーマは、本メルマガNo.69の第8項で取り上げた内容をヒン
トに、さらに掘り下げて書いてみます。
 そこのところを思い出すために、第8項「場を与えると人は成長する」
から抜粋掲載してみます。
<ここから>
 場の活用をもっとすべきだと思います。
 目的・目標は設定しますが、一般的に、場の設定が足りていません。
 なぜなら、場が人を成長させるのです。
 そこには発表があり、そこには賞賛があり、それによって学びがあり、
 成長があります。
 もっと、「場」を研究し、結果から手順を作るという手法を開発して、
 現場に生かす方法を考えるべきだと思います。
<ここまで>
 場は、英語に代えると「ステージ」がピッタリですね。
 場を提供するとはステージを与えることです。
 その人にマッチしたステージを与えることによって、自発性が発揮され
その人は飛躍的に成長します。
 それは、そのステージで良いところを見せたい、期待に応えたい、自慢
したいなどという深層心理が働き、さらにそれは自分でするしかないとい
うことに気付いて、自主的行動が促されるという心の働きが発揮されるか
らです。
 では、効果的にその場を与えるにはどうすればよいのかについて考えて
みましょう。

2.アウトプットの効果

 もう少し説明すると、アウトプットすることにより、インプットがより
効率的にノウハウとして身に付くことになります。
 人に言ったり、教えたりすると格段にその内容は、スピーディーに自分
のものになります。
 このことは多分皆さんも実感されていると思います。
 ということで、先にアウトプットする場(ステージ)を設定しようとす
るのがこの「場」の考え方の基本です。
 では次の6つの「場」の活用について考えてみましょう。
  A.意見の場
  B.提案・企画の場
  C.計画の場
  D.実践の場
  E.結果発表の場
  F.交流の場

3.「A.意見の場」

 意見を求める時に、発表しやすい場がないと、特に下の人は意見を言い
にくいものですよね。
 これが、きっちりした発表しやすい「場」を作ってあげると、じゃんじ
ゃん意見を言うようになります。
 この差は大きいですよ。
 意見を言うことによって、自分身そこに参画したという意識が働きます。
 つまり、そこで決定される内容に付いて自分の意見も含まれているとい
う感覚です。
 この感覚は、参加意識といいますが、参加意識が自主活性に直結してい
ます。
 だから、意見を言える場、より言いやすい場、言わせられる場の作りが
必要であることは明白ですよね。
 これについては、上手なファシリテーション(議事進行)を研究・勉強
して、実践できるようにしましょう。

4.「B.提案・企画の場」

 次は提案・企画の場について説明します。
 これも意見の場の変形です。
 資料による意見も同じと考えてください。
 自分の提案・企画が通ったら、凄く嬉しいですよね。
 この感じを多く体験させて、自主性を引き出すということです。
 提案するということは考えるということです。
 提案がどんどん出てくる個人も、組織も素晴らしく発展します。
 そういう場があるということは、積極的に考え、サロンを良くしようと
する意識が高いので、是非提案制度、企画の勉強などをしてみて下さい。

5.「C.計画の場」

 計画の場と言うのは、年度計画などで、計画した内容を、全員および対
外の方をお呼びして発表させるという状況を作るということです。
 だから、年度計画発表会の日程を先に決めなければなりません。
 この日程があることにより、締切があるので、追い込みます。
 また、個人的な豊富なども短い時間でよいので、一人ひとり発表させる
ことにより、参画意識が生まれます。
 発表の時の緊張感が必要なわけです。緊張感を演出することはとても大
切なことです。
 これを継続的に実践することにより、良い伝統が培われます。

6.「D.実践の場」

 実践での場では、報連相でしょう。
 仕事の状況やOJTの中間報告、緊急連絡、困った時の相談などの報連
相がしやすいように、門を開けておく必要があります。
 これはリーダー側の姿勢が問われます。
 言ってもらえないのは、言い難いオーラを出しているからです。
 リーダーは、「言ってもらいやすい雰囲気とはどんなものか」について
勉強しなければなりません。
 セミナー受講などの外部講習を受ける時は、報告書の提出を求めること
を事前に伝えておきます。
 そうすることによって、「報告しなければ!」という意識が働き、数段
吸収率が向上します。
 会議の中でもこの方法は使えます。
 後で、「~~さん、これについて感想を言ってもらいますから」と事前
に伝えておけば、注意して聞き、メモも自然に取るようになります。

7.「E.結果発表の場」

 長期計画や年度計画の結果発表、外部勉強してきた内容のサロンへの落
とし込み報告などの場は、事前に計画することが出来ます。
 出来れば、年度計画そのものに発表報告会の日程を入れておくことです。
 そうすると、決まっているものには間にあわさないといけないというC
型カーブ(直前仕上げ)の取り組みが始まり、なんとか出来ます。
 本来は事前に準備して余裕を持ってやっていくことがいいのですが、そ
れが出来ない状況は多くあります。
 だから、その心理を逆利用して、C型カーブを多く設定しておくという
のがこの裏技な分けです。
 要するに、細かく報告・発表を求めることによって、実践効率を上げ、
吸収率を向上させようと言うのが、この場の狙いだということです。

8.「F.交流の場」

 レクレーションは定期的に準備します。
 リクレーションの場を上手く設定することが出来れば、仕事の効率は素
晴らしく向上します。
 3ヶ月に1度程度の定例レクレーションと、臨時のイベントを組み合わ
せます。
 意志の疎通が出来ている職場は、効率も品質も良くなります。
 そういうことを意識して、明るいサロン、意見の通りが良いサロン、打
てば響くサロンを作りましょう

9.最後に

 今回はシンプルにまとめてみました。
 ちょっと野菜サラダを頂いた感じで、すっきりしましたね。
 これくらいのボリュームなら完読で来ますよね。
 言いたいこともまあまあ書き切れたのでよかったです。
 では、また次回お会いしましょう!

自分辞典(下巻) (ワードパワーを高める)

メルマガ再録 (2008年8月25日) 第72号


第3回は、「な」~「わ」までの50語を収録

          < 自分辞典(下巻)>

1.はじめに

 人とのコミュニケーションは、しぐさや表情などもありますが、やっぱ
り言葉の力(ワードパワー)は最強でしょう。
 前回は8651文字と言う長編でしたが、最後まで読んだ人は何人いる
ことでしょうね。
 では、言葉磨きシリーズ第3回目(下巻)を書いてみます。
 今回は「101.悩み」~(150.割り込み)までの50ワードです。

2.自分辞典(下巻)

101.「悩み」
  自分の頭の中で処理しきれない問題をなんとかしようとする時に発生
  するジレンマ(矛盾)。悩むことに囚われることにより、ストレスと
  なり身体を傷める。悩みは自分のコントロール出来ないことをコント
  ロールしようとすることで発生する。悩みとストレスと身体を切り離
  して考えることが出来る様になれば、悩むことで身体を傷けることは
  ない。
102.「ナレッジマネージメント」
  個人の中に潜んでいるノウハウを顕在化・表面化して、皆が使えるよ
  うに共有化して効率を上げようとする経営手法のこと。一般化された
  ノウハウは、しばらくするとまた個人の中で独自のノウハウとして蓄
  積されるのでまた同じサイクルで顕在化して共有化する。
103.「人間性」
  人間が本来持っている能力や感性のこと。人間は生まれた時は無垢の
  状態で善であるとする性善説と、生まれた時は汚(けが)れているの
  で悔い改めるために人生があるとする性悪説がある。人間性を磨かな
  いと、優しくて大きな人にはなれない。
104.「認識」
  その物事がしっかり確認・理解できている様子。認識が甘いと、次の
  行動がいい加減になり、期待した結果が出させない。
105.「忍耐」
  耐え忍ぶこと。忍耐力が強いことが必ずしも良いとは言えない。単に
  耐え忍んでいるだけでは打開策がないので、良いように展開しない。
  展開するネタを作ってその間耐える(我慢する)ことは意義があるが、
  いずれにせよ、忍耐は努力の過程であるととらえたい。
106.「根回し」
  議題に上がる前に、事前に関係者にそのことを告げておいて、有利に
  その物事を動かそうとするいかにも日本的発想のアイデア。この根回
  しは心理を突いており、効果的に使うと威力を発揮する。しかし、や
  り過ぎはいけない。
107.「パソコン」
  今の世の中、これなしでは成り立たない。私のパソコン歴は昭和54
  年からなので29年選手。パソコンの勉強を始めた当時、ここまで発
  達するとは予想だにしなかった。便利だけど怖いツールでもある。
108.「働く」
  単純には、自分の仕事をこなすこと。また自分を表現できる場である
  と考えれば、自分の経験とアイデアを活かし仕事自体の付加価値を高
  めることで、自分の価値を認めてもらえ、さらにそこから働き甲斐を
  つかみ成長することも出来る。そのためにはより幅広い知識と経験を
  積む必要がある。
109.「反骨精神」
  なにくそとめげずに立ち向かっていく根性・精神力のこと。これが身
  に付いていないと、苦難や逆境に立ったときに、すぐに挫折してしま
  い立ち直ることができない。革新者は最初は必ず異端児である。革新
  者は、その物事を成し遂げようとすると、その異端に対する敵視を超
  えていくのに、反骨精神が絶対必要である。
110.「反省」
  実績に対する振り返りのこと。反省のポイントは、次に何が活かせる
  かと言うところにある。良かったところは再現性を確認する。良くな
  かったところは、どうすればよくなるかを考える。そしてそれを皆で
  共有する。これを繰り返すことで成長がある。
111.「比較」
  データとしての比較はしっかりすべきであり、そこから傾向と対策を
  導き出すことが大事である。しかし、人においては、比較は、悩みに
  おける諸悪の根源といわれている。自分と他人とを比較すると、そこ
  には優越感と劣等感が生まれる。比較せずオンリーワンと考えると、
  そこには尊敬と尊重が生まれる。
112.「ヒストリー」
  歴史のこと。地球には地球の歴史があり、世界には世界の歴史があり、
  一人ひとりには、各人のヒストリーがある。「どんな人も人生におい
  て1冊は本が書ける」と言う言葉がある。まさに歴史の1ページを今
  生きているのである。1分1秒を大切にしたい。
113.「人」
  人間のこと。人間を多角的に見るときにも使う言葉。個人、対人、人
  柄、人格、人々、人達、他人、人類など。人は、物質的な満足だけに
  囚われるのではなく、精神的な向上を目指すべきものである。
114.「病気」
  身体、気持ちが病むこと。病(やまい)は気からと言われる。気の流
  れが低下すると、身体が不調になる。病気は必然である。病気になっ
  た時はそれを受け入れ、しっかり対処しなければならない。
115.「品質」
  製品やサービスの質のこと。品質管理とはその質を一定に保つこと。
  品質は決められた一定のレベルを守ることが原則である。そのために
  品質管理があり、品質向上を推進するためにQC(クォリティ・コン
  トロール)という小サークルにおける改善活動がある。全社的品質管
  理は(トータルQC)という。私はその運動の推進役として活動する
  ことによりいろいろなノウハウを身につけた。
116.「ファイル」
  書類を綴じること。またその綴じた物自体をいう。ファイリングとい
  う言葉になると、書類の順序や綴じ方にも及ぶ。そもそもファイリン
  グとは、一度綴じた資料が必要な時にサッと取り出せるということが
  目的である。ただ単に綴じただけで、探しも出来ないファイリングは
  意味をなさない。しっかりした構造と体系化とインデックス(目次)
  管理が必要であり、それを継続する心構えが必須である。
117.「ファシリテーション」
  上手な会議進行のこと。会議が狙う効果は、ファシリテーションの上
  手下手で全く変わってくる。短時間で結論と行動計画までを導き出せ
  るであろう会議で、延々と問題点を指摘しているという場面を見るこ
  とがある。また、出席者が腰を引いてしまって、全く意見が出ず、上
  司だけがしゃべっているという風景も見かける。周知を集めて何とか
  したいと思っているサロンは、ファシリテーションをもっともっと勉
  強すべきである。
118.「FISH」
  アメリカ・シアトルの世界一元気な魚市場での成功例は、次の4つの
  キーワードからなっている。「1.遊ぶ(楽しむ)、2.人を喜ばせる、
  3.注意を向ける、4.態度を選ぶ」。これらをマスターすれば、き
  っとあなたのサロンも繁盛店になれる。
119.「不足」
  不足とは満ち足りていないこと。いくら満ち足りていたとしても、不
  足という感情・感覚は生じるものである。だから、知足(足るを知る)
  と言うことが大切になる。欲を言わない。今が幸福であるという感情
  を持てば、視界はすぐに拓ける。
120.「フラグシップ」
  旗を掲げて方向性を示すことである。皆の方向性が明確でない場合、
  「こっちですよ!」と言うツアーガイドさんの旗が、フラグシップそ
  のものである。いろいろな意見が飛び交って収拾がつかない時などは、
  このフラグシップを前面に押し出し、目的を再確認することにより意
  見をまとめるなどの使い方がある。まさに経営理念そのもの。
121.「プライド」
  誇り。自尊心。広辞苑には「自尊心とは、自分の尊厳を意識・主張し
  て、他人の干渉を排除しようとする心理・態度」とある。プライドは
  「百害あって一利なし」という人もいる。プライドを捨てないと吸収
  できない。プライドを捨ててこそ吸収できることは多い。プライドを
  捨てたところに本当のプライドがある。
122.「プラス思考」
  物事を前向きに捉える思考の仕方。駄目なところを視点を変えて見て
  (リフレイミング)、そこから何を学んでそれを次に生かせるかと考
  えたりできること。この考え方を身に付けると、何でも勉強の材料と
  なる。但し、極端なプラス思考をするとなんでもありの様に思われる
  ので注意のこと。
123.「プレゼンテーション」
  提出、呈示、披露などの意味。自分の考えや提案を皆の前で発表した
  り、コンペティション(企画競争)等で依頼された案件についてこち
  らかの企画を説明したりすること。最近では「プレゼン」と短縮され
  て、一般的に使う言葉となってきた。企画発表などでは、それ用のコ
  ンピュータツールも多く登場しており、立派なプレゼンが手軽に出来
  るようになってきているので活用しない手はない。
124.「プロセス」
  過程のこと。スタートのA地点から、ゴールのB地点までの途中の段
  階をフロセスという。成果主義ではゴールの成績のみが重視される。
  それは、プロセスの良し悪しは判定しにくいこと、またプロセスは最
  終成績に現れているというドライな判断によるものである。しかし日
  本的発想では、プロセスにこそ成果が含まれているという思想がある
  ので、プロセス評価にも重きを置くことが多い。
125.「報連相」
  報連相は、報告・連絡・相談の頭文字を短縮したもの。報連相は実行
  効率を向上させるために絶対必要な要件である。これが出来ていない
  チームは、リーダーが方向性を誤ってしまい、判断と決断が遅れてし
  まい、結果的に思った成果が出ない。これを強化するのには、OJT
  (仕事中での教育・訓練)やDOHOW(実行上のノウハウ)を強化
  しなければならない。
126.「ホスピタリティ」
  おもてなしの心。一般的に、サービスはマニュアルで決められた範囲
  内での行いであるが、このおもてなしの心は、それを超えた部分での
  心から湧いて出てくるようなサービスをいう。サプライズは仕掛けが
  準備されているという感があるが、ホスピタリティにおいては、純粋
  にそのサービスマン(レディ)が、ちょっと気を利かすということで
  よい。その積み重ねが、お店の雰囲気と品格を押し上げていく。
127.「ホッパー図」
  ホッパー図とは、INPUT~PROCESS~OUTPUTの3ブ
  ロックに分けて考え方をシンプルにして、簡単に最大の効果を得よう
  とする課題解決型シンキングスキルのことである。まずアウトプット
  (期待する効果)を設定し、次にインプット(それに必要な材料)を
  探して書く。最後に、それをどの様に加工すればよいのかのプロセス
  を考えると、効果は見えてくる。谷口独自の発想法。
128.「ホメオスタシス」
  恒常性。人間は動物である。本来、外敵の危険から身を守り、命を永
  らえる必要があるので、特に危険には近寄ろうとしない。そんな保守
  的な動物の性質を持ち続けている。従って、新しいことには挑戦しに
  くく、構えてしまうという性質がある。これをホメオスタシスという。
  このことを良く知っておくと、対人関係の向上では参考になる。
129.「ポリシー」
  方針、政策。ポリシーが明確でないと方向性を失ってしまう。「ポリ
  シーとスタイル」と言う言葉がある。ポリシーを貫けば、自然とその
  延長線にはひとつのスタイルが出来上がる。芸術家など、一つのこと
  を極めた人には雰囲気がある。そんなサロンを作って欲しい。
130.「本」
  人は、そんなに多くの実体験を出来るものではない。それを補うのが
  本である。本はいろいろな疑似体験が出来る。本を多く読んでいる人
  はなぜか余裕が伺える。私も余り多くではないが、少しは本を読む。
  主には人から薦められた本であるが、たまに本屋で目的の本を探して
  いてついでにこれもという感じで買ったものにヒットするものがある。
  本は、ヒラメキで数多く購入することをお勧めする。
131.「マインド」
  精神のこと。一時、サティアンにこもってマインドコントロールされ
  るなどという物騒な宗教があった。ある言葉の専門家に教えて頂いた
  のだが、サービスマインドという言い方はサービスを強制しているよ
  うな感じらしい。それ以来、自分では「マインド」の使い方に少々困
  っている。
132.「満足」
  期待した通りのサービスや結果を得られた時に用いる言葉。しかし、
  満足の域では、まだリピーターにならないし、紹介もしてもらえない。
  大満足にさせて初めて、人に伝えたくなるもの。満足の一歩上を行く
  大満足のサービスとは何かについて研究して頂きたい。
133.「メンター」
  心の師匠とも言うべきメンタル面の指導者のこと。メンターとしての
  要素は次の3つある。1.見本になる(相手を~~したければ、まず
  自分が~~することである) 2.信頼する(本人のパワーを引き出
  す力になる) 3.支援する(相手を思いやる気持ちを持つこと)
  各人がメンターになる研究・勉強をすれば、お互いが素晴らしいパー
  トナーになれること請け合いである。
134.「儲け」
  金銭的には、仕事に対しての対価を頂戴し、経費を差し引いた分の残
  りを利益(儲け)と言う。また「銭儲けより人儲け」という言葉もあ
  る。人との関わりを大切にすることで、周りの仲間が増えて、守られ
  ているという感じになる。そうありたいものだ
135.「目的」
  WANT(~~したい)という欲求のイメージを言葉、文章にしたも
  のである。目的が明確でないと目標も手段も的確には示せない。目的
  はコアであり、目標・手段はフレームである。目的主義を貫かないと
  行き先、やり方をまちがうことになる。
136.「目標」
  目的を達成したかどうかの目安となる具体的な形または数字。目標設
  定の仕方、およびそのプロセスによって目的が達成できるかどうかが
  決まる。その目標の精度は、実績が目標の+-10%以内に入らない
  と、正確だったとは言えない。目標があるから実績との差が明確にな
  り次の手段が生まれる。まず目標ありきである。
137.「モチベーション」
  動機付けのこと。「テンションは緊張、やる気、張力などを意味する
  和製英語。モチベーションは、行動へ駆り立て目標へ向かわせるよう
  な内的過程のこと。」ということです。モチベーションが上がればテ
  ンションは必然的に上がります。
138.「問題対処・解決」
  問題の対処とは、マニュアル的な処理の仕方を言う。問題解決は自分
  やチームで考えて処理していくやり方を言う。対処では一定の処置は
  出来るが、全てのことには対応できない。問題解決をするには、自分
  の力を付けなければならない。問題解決型の考えに沿って教育してい
  く考え方を持つべきである。
139.「勇気」
  物事を達成しようとした時には必ず困難が待っている。その困難は達
  成を邪魔するものではなく、達成の努力に対して与えられる、体験的
  ノウハウ、DOHOW(ドゥハウ)を賞賛するお土産である。困難が
  多いほど、それをクリヤーした時の賞賛は大きい。そのためのツール
  として神は勇気を与えて下さった。(ん?)
140.「友人」
  友人を一杯持とう。そのためには、オープンマインド(まず自分から
  心を開くこと)、ボーダーレス(境界を作らない)、来るもの拒まず、
  秘密を持たないなどの精神が必要である。そうしたら一杯人が集まっ
  てきて友人が一杯出来る。今の自分の周りの友人達は、今までの自分
  が作り出した結果(ミラー現象)である。
141.「優先」
  英語ではプライオリティーという。会議の議事の優先順位を付ける時
  の順序は次の通りである。緊急議題、連絡だけで終わる議題、簡単に
  終わる議題、話し込まなければ結論が出ない議題の順に行う。仕事の
  優先順位も多分、同じ要領でいける。緊急連絡、定例連絡、先が見え
  ている仕事、よく考えないと終わらない仕事。仕事の優先付けに困っ
  た時は上司に相談すること。
142.「夢」
  こうありたいという漠然としたイメージのこと。夢を実現するには、
  イメージをさらに明確にしていくことで第1歩がスタートする。職業
  を夢にするのは誤り。その職業を通して、最終的に何をしたいのかと
  言うのが本当の夢。子どもにあなたの夢は?と聞いて、野球選手と言
  った場合、そして何をしたいのですか?とさらに質問して、子どもが
  「子供たちに夢を与えたいとか、社会貢献」と応えたら、マジ怖い?
143.「予定」
  現在以降のすべきことの内容。多分、大概の人は手帳に書いている。
  アポイントを入れるのが上手な人と、そうでない人がいる。上手な人
  は「日程取ってもらえますか?自分はこの日とこの日が空いています
  がどうですか?」で決まってしまう。下手な人は「いつにしましょう
  か?また連絡します」でなかなか決まらない。予定を取るのが上手い
  人は仕事も出来る。
144.「利益」
  利益は、見る角度によって様々な利益がある。売上から仕入を引いた
  粗利益。さらにそこから営業経費・一般管理費を指し引いた営業利益、
  税引き前の利益、税引き後の利益・・・。そういう経理上の構造を知
  ることも勉強。結局は利益が残らないと次に投資できない。給与は経
  費ではなく、投資(教育)という感覚が欲しい。
145.「理解」
  英語ではアンダースタンド。相手のアンダー(下に)スタンド(立つ)
  ことよって、初めて相手を理解できるということ。上から目線や対等
  ではなく、下から見るという目線はなかなか出来るものではないが、
  「本当に相手を理解したい時は、相手の向こう側に投げ縄を打たない
  と相手を捕まえることは出来ない」と北川八郎先生は言う。
146.「レポート」
  ある出来事を再現して次の人に伝える技。映像であれ、言葉であれ、
  文章であれ、次に伝えるという前提でそのことを理解するのと、自分
  だけの勉強と思っている時では、理解の深さが数倍違う。だから、初
  めからレポート提出ということを伝えておくことが教育になる。店で
  のミーティング議事録は必ず残すようにすること。それが成長の第一
  歩である。
147.「ワークショップ」
  ワークショップは、もともとは「仕事場」などで共同で何かを作る場
  所を意味していたが、最近は問題解決やトレーニングの手法、学びと
  創造の手法としてこの言葉が使われる事が多くなってきた。この手法
  を身に付けると、それだけで飯が食っていけるほどのテクニカルなス
  キルである。一度私とサロンに同行します?
148.「ワークデザイン」
  ワークデザインを言っている人は少ない。物事に対する目的レベルを
  より上位に持って行く手法である。一般的には目線を上げるとも言わ
  れる。その物事をより上位に位置付けできると、山中を歩いていて急
  に高台に出たという感じで視界が急に開ける。この時に目が覚めたよ
  うな爽快感がある。研究の価値ありのスキルである。
149.「笑い」
  笑えるというのは幸せなことだ。無理やり笑うことにも効果があると
  いう。だから最近ガンの治療にも笑いを取り入れている。笑いは人と
  人をつなぐ潤滑油だ。あかちゃんの天使の微笑み、新入生の笑顔、ビ
  ジネスマンの愛想笑い、大人のスマイル、笑うにもいろいろあるけれ
  ど、笑う時はみんな良い顔をしている。笑いの絶えない職場を皆は希
  望しているのに・・・
150.「割り込み」
  予定の仕事をしているのに急な仕事が入り込むこと。最優先の事態が
  発生した時はそれどころではない。先日も地震速報を流すのに、画面
  のスイッチの切り替えが早すぎて、スタジオ中が混乱している様子が
  映っていた。その様に急な割り込みは現場をメチャメチャにしてしま
  う。しかし、そういうイレギュラーは発生するものである。緊急連絡
  マニュアル、クレームマニュアルなどを準備しておくことも考えなけ
  ればならない。

3.最後に

 やっと終わりました。
 まあ、自作自演ということなので続けようと思えば延々とやってられる
んですが、この辺にしといたろ!
 皆さんも是非、自分辞典、やってみましょう!

 では、また次回お会いしましょう!

自分辞典(中巻) (ワードパワーを高める)

メルマガ再録 (2008年8月11日) 第71号


第2回は、「ご」~「ど」までの50語を収録。

          < 自分辞典(中巻)>

1.はじめに

 言葉で相手を傷つかせたり、勇気を与えたり出来ますね。
 言葉はその人が考えていることの代名詞ですよね。
 ということは、より言葉を磨くことで、より自分の考えていることをス
トレートに、感じ良く伝えられるとすれば、言葉を磨くことは絶対に必要
なことでしょう
 そんなことにこだわった、自分辞典の2回目です。
 今回は「こ」(51.ゴールドスタンダード)~「な」(100.仲間)
までを書いてみます。

2.自分辞典(中巻)

51.「ゴールドスタンダード」
  経営理念、経営方針、社是、社訓、行動指針、スローガンなどの経営
  の方向付けや行動の基盤となるものの総称。黄金律といわれ、これが
  全てのバックボーンとなってしっかりした会社が出来る。
52.「志」
  自分の未来、周囲の将来のあるべき姿に向かって尽力できること。志
  を高く持って歩むことで、自分の人生は豊かになる。背筋を伸ばし、
  視線を上げることで志を高く保とう。
53.「克己心」
  自分に打ち勝つ心。人間はどうしても怠けたい、し易い方向(煩悩)
  に流されがちである。それに打ち勝つためには、己に勝つしかない。
  強い信念、志を持つことで克己心が発揮される。
54.「コラボレーション」
  複数の立場や人によって行われる協力・連携などの共同作業のこと。
  音楽などでは、異質なサウンドが混ざり合って、今までになかったテ
  イストのものが出来上がるという面白さが期待できる。
55.「コンセプト」
  日本語では端的に言い表せる言葉がない。一般的に「概念」と訳され
  る。灯台の光と思うと分かりやすい。方向を示すもの。会社のコンセ
  プトは短いキーワードにして、全員が覚えて、いつでもそれが判断基
  準とすることが出来れば、全員に浸透する。
56.「コントロール」
  期待するある一定の品質やスピードなどに保たれていること。この言
  葉を使用する時、人を対象にした時はマインドコントロールというイ
  メージが強くて嫌がられる。またベクトル合わせと言う言葉もあるが、
  こちらも同様、使用上の注意が必要。
57.「コンピテンシー」
  ハイパフォーマー(よく出来る人)に学ぶということ。その人の行動
  特性を分析・研究し、行動レベルを7段階の区分した評価シートを作
  成し、まず自分と周囲の判定で、自分の現在の位置づけを認識する。
  そして、さらに上位に行くための具体的行動を決めて、レベルアップ
  させていく教育手法。さらに評価シートは、アナログ面の人事考課表
  として使用出来る。
58.「在庫」
  必要な時に品切れを起こさない様に、一定量の品物を倉庫に保管・用
  意しておくこと。在庫切れを発生させると仕事に支障をきたすので、
  在庫を多く保有しがちになるが、そうすると在庫金額が膨らんで、利
  益が圧迫されるので注意。帳簿の在庫量と実際の在庫量(棚卸し、実
  在)を照らし合わせてその差を確認し、合わない場合それを追跡して
  合わせることにより、より精度が向上する。
59.「悟り」
  ある種の突き抜けた境地に至ること。本当の意味の悟りは凡人には無
  理だが、ある意味小さな気付きの積み重ねで、ある時大きく分かる時
  があるのも、悟りの一種かもしれない。ゴルフのスイングのコツなど
  で「悟った」と思うが、また次の瞬間、真っ暗になったりする。これ
  が凡人たるゆえん。
60.「仕事」
  その作業で価値を提供できること。価値のない仕事は、手を動かして
  いるだけの作業。人生、自分の仕事をしなくて、何をする!
61.「システム」
  仕組まれた構造と動きを言う。一定の品質を保とうとすると、システ
  ムが正常に稼動していないと維持できない。システムは生き物で、常
  に改変・メンテナンスが必要。それがなされないとシステムはすぐに
  ダウンしてしまい、陳腐化する。
62.「自然」
  ほったらかしにしておく状態。しかし、自然には天が作った一定の法
  則・リズムがあり、自動的にサイクルする仕組がある。地球における
  このリズムを人間が壊してしまい、今や地球は大変なことに直面して
  いる。
63.「質問」
  相手に対し、疑問な点を聴くこと。個人的に質問だけでなく、団体と
  して代表で質問することもある。相当相手のことに対する予備知識が
  ないとありきたりの問い掛けになり、核心のことについて引き出すこ
  とが出来ない。インタビューのテクニックは、是非身に付けるべきで
  あり、その力が自分を成長させる力に等しいと考える。
64.「実績」
  物事を実行・完了した時に発生する事項。またそれを振り返える言葉。
  通常、目標と対で用いられる。実績は反省の材料となり、次のステッ
  プへの重要な資源となる。
65.「指導」
  先達あるいは経験者あるいは指導を専門とするものが、未熟な者に対
  し、その心構え・技術等を教授すること。指導は、対象者の性格や行
  動特性をよく把握し、効果的かつ効率的に導くこと。
66.「事務局」
  情報の要・キーステーションである。イベントの中心的役割として関
  係者より情報を集め、また情報を供給する役割を担っている。事務局
  の気配りにそのイベントの品質がかかっている。
67.「使命」
  ミッションとも言われる。他から与えられたもの、自ら設定したもの
  の両方があるが、その指令を全うする責任感を使命感という。使命感
  が弱いと途中で挫折してしまう。
68.「社会人」
  成人として社会に巣立ち、一人前として扱われる立場の人。社会人と
  しては、マナーやエチケットはもちろんのこと、自己責任や仕事の達
  成度合いが問われる。
69.「集中」
  一つのことに的を絞り込むこと。集中するとそこからは逆に発散のエ
  ネルギーが発生する。その効果により展開が始まる。各自、集中でき
  る場所・シチュエーションを持っておくことにより、創造的な仕事が
  可能になる。
70.「終礼」
  1日の終りにスタッフ全員が集合して、本日の反省や翌日の準備を行
  う場。この場面を上手くコントロール出来れば仕事の意識が高まり、
  明日につなげることが出来る。
71.「手段」
  目的を達成するための手法を手段という。あまり考えずに手段を目的
  にしてしまっている人をよく見る。この目的と手段を明確に区分し、
  目的思考になるといろいろな手段が見えてきて、難局を乗り越えるこ
  とが出来る。
72.「準備」
  物事は段取りで成否が決まるといわれている。準備とは先を読む力で
  ある。その物事がどう展開するかを予想して、その先取りとしての準
  備をしておくことで、サービスは格段に向上する。「準備率向上」を
  念頭において、仕事に集中してもらいたい。
73.「情熱」
  内側から湧き上がる熱い想い。この想いがないと困難を乗り切ること
  が出来ない。熱しやすく冷めやすいという人もあるが、本当の情熱は
  その対象となる物事に対する想いが強ければ強いほど執着心が強く、
  簡単に消せるものではない。
74.「情報」
  情けに報いると書く。本当にきっちり情報を発信できる人は少ない。
  組織が上手く機能していない例を見ると、必ずといっていいほど情報
  不足である。人は自分にとって有効な情報を常に欲しがっている。な
  ぜならそれが自分の行動を決める判断材料の全てだからである。
75.「親切」
  困っている時の手助けをいう。親切とおせっかいは紙一重。してあげ
  る側の人は親切と思ってもされる側には大きなおせっかいであるとい
  うこともしばしばあるので注意が必要。
76.「信用」
  疑う余地のない状態。信用を築くには長い時間とそれなりの努力が必
  要。しかし、一度の失敗で無に帰すこともある。食品偽装問題などは
  その最たるものである。
77.「信頼」
  信用が積み上がって本当に全てを任せられる状態をいう。相手を信頼
  して仕事を任せると、相手は信頼してもらったことに応えようとして
  最大の努力を行う。相手を信頼しきることは難しいことだが、そうす
  るしか人を伸ばす方法はない。
78.「人材」
  人罪~人在~人材~人財などとランクによる当て字を使ったりする。
  やはり、人財にならないと自分も面白くないだろう。企業として人材
  の確保は生命線だが、「素晴らしい会社」にならないと人が自動的に
  応募してくる会社にはならない。
79.「人脈」
  人脈なくして自分は存在しない。人脈は次第に自分のレベルに合った
  ものになっていく。人脈は、活用しようという下心ではなく、相手に
  尽くす姿勢が優先する。そうすることでその返礼として、自分の位置
  付けも向上していく。
80.「スタイリスト」
  美容業界ではアシスタントという技術修得段階からスタイリストとし
  てカットデビューする。さらにハイパフォーマーになるにはいくつも
  の段階が待ち受けている。それを乗り越えて、一人前のスタイリスト
  になるには、心の部分の充実が欠かせない。
81.「誠心誠意」
  ウソをつかず、心の底からそのことに尽くすことである。クレームの
  対応などでよく出てくる言葉だが、誠心誠意相手に尽くすと、必ず同
  じ人間として理解していただける段階に至る。(しかし、最近のモン
  スターペアレントには通用しないかも?)
82.「成長」
  人の成長段階には極めて著しいとき(クライマックス)と、そでない
  時(プラトー)がある。成長が停滞していると思われる時でも内面で
  は熟成醗酵している。このことを知っていれば、我慢・忍耐・継続が
  出来る。
83.「責任」
  権限の裏にある、成し遂げなければならない範囲。責任を全うしない
  場合、それは仕事から逃げているということになる。担当者が責任を
  放棄した場合、場合によっては最高責任者まで責任の範囲が及ぶこと
  もある。
84.「潜在意識」
  日常の顕在意識とは別の世界で、意識さえもしない深い無意識の世界。
  自分は思っていなくても、深い部分の潜在意識の世界では皆つながっ
  ているといわれていて、私の想像を超えたところにあるメンタルな世
  界である。
85.「組織」
  目的を達成するために作られた有機的な構造のこと。短期の組織には
  プロジェクトやタスクフォースといった形式があり、それらは目的を
  達した時点で解散する。会社では、組織ありきではなく、その時点に
  マッチした会社の目的にかなった組織構造にすべきである。
86.「損得」
  自分にとって利益のあることは得、ならないことは損、という割り切
  った考えがあるが、長い目で見れば「得なことが損」「損なことが得」
  になったりする。例えば、山の奥の立地の悪いそばやが流行ったり、
  人通りの多い駅前の美容室が廃れたりすることもある。
87.「対策」
  問題点に対し、そのことの再発を防止することを対策と言う。「努力
  します」などの人的要素が強い対策は再発しやすい。2度と発生しな
  いようにするには、源流管理など抜本的・恒久的対策が望まれる。
88.「楽しみ」
  自分の好きなことが期待できる状態。人にとって、生き甲斐と言う楽
  しみがない場合、なにも楽しくなくなる。楽しみがあれば目前の苦し
  いことに耐えられる。そんな演出を必要としているのでは??
89.「チームワーク」
  チームワークが良いという状態は、チームの意思疎通が良く、円滑な
  チーム運営が出来ていること。チームワークを良くするには、リーダ
  ーがチームを上手くリードし、メンバーがしっかり活躍できている状
  態を作ることが大切。
90.「朝礼」
  営業開始前に行うスタッフの小ミーティング。当日の準備の伝達共有
  を徹底的に行い、テンションアップを行うことが一番の狙い。服装・
  ヘアスタイルのチェックなども忘れてはならない。
91.「通勤」
  出勤と退勤がある。通勤時にもお客様に見られているという意識を持
  ち、マナー・節度を守った行動が望まれる。出勤は特に時間的余裕を
  持って早めに行動し、絶対に遅刻をしないこと。
92.「データ」
  デジタルデータの場合は、ある一定の期間において同一根拠の数字を
  列挙したものをいう。アンケートなどで意見を書いて頂いたものはア
  ナログデータと言う。データは傾向分析を行う上で必要なものであり
  そこから読み取れることを共通認識にして対策を立案し、次の行動に
  生かしていくことが大切。
93.「手帳」
  主に予定を管理する目的で使用する手の平サイズの記録帳。私は実績
  や気付きのメモも記入している。ビジネスマン、キャリアウーマンに
  とっては、命の次に大切なもので、これを無くすと泣きそうになる。
94.「哲学」
  哲学とは、一つのことをいろいろな角度から追及して行く学問の一種。
  企業哲学、経営哲学と言った場合、企業理念、主義、主張ということ
  で、根っこにある考え方という様に捉えてよいだろう。
95.「天職」
  その人が一番力が発揮できる仕事。まるで天から与えられた仕事のご
  とく、その人にピッタリの仕事を天職と言う。本当は天職などない。
  いや逆に、全て天職だと言ってもよい。今やっている仕事を天職と思
  ってやることで、本当の天職に行き着く。(はず)
96.「テンションアップ」
  物を引っ張ってそこに生じる引っ張り強度をテンションと言う。一時
  的な心の高揚。朝礼などで朝一番のテンションが低いのでゲームなど
  をして一気に引き上げる。
97.「動機」
  何かをしようとする時のきっかけとなる想い。動機の純粋性が問われ
  る。動機が純粋であればそのことは積極的に進めるべきである。
98.「ドキュメント」
  記録すること。また記録されたもの。私は「ドキュメントを制するも
  のはその場を制する」と思っている。なぜなら、ドキュメントを作成・
  管理する人の元には情報が集中するからである。ドキュメントする力
  は、企画する力に通じている。
99.「努力」
  努力とは、ある目的に向かって実績を積み重ねていく途中段階のこと
  である。ただただガンバルという漠然としたものではなく、何のため
  にということが明確になっていないとその努力は徒労に終わることが
  ある。
100.「仲間」
  心が通じ合った友人達のこと。心が折れそうになった時に勇気付けて
  くれたり、楽しいことを分かち合えたりということを通じて、より仲
  間意識が強くなる。楽しい仲間は、多いほうが良い。

3.最後に

 今回もうんと考えました。
 この2週間、時間が空いたら1つづつを積み重ねて、なんとか50ワー
ド完成しました。
 どうしても長くなってきますね。
 でも、次回も頑張ります。

 では、また次回お会いしましょう!

自分辞典(上巻) (ワードパワーを高める)

メルマガ再録 (2008年7月28日) 第70号


自分の気になる言葉を自分なりに定義することで、言葉に対する自信を付けることが出来ます。初回はあ~こまでの50語を収録。

          < 自分辞典(上巻)>

1.はじめに

 なぜか、前回のメルマガを書いているときに自分辞典と言う言葉が浮か
んできました。
 自分が気になる言葉を短い文章で、辞典のように説明する、定義すると
いう内容のものです。
 これは、株式会社武蔵野の小山昇社長が発行されている本にこのアイデ
アはあります。
 その本は「仕事ができる人の心得」(阪急コミュニケーションズ)です。
 この本から例題を抜粋しようと思ったのですが、今は貸し出し中で手元
にありません。残念。

2.自分辞典の作り方

 まず、気になる単語を列挙します。
 次に、その言葉を定義します。
 定義の方法は、その言葉の意味だけを説明するのではなく、感じるまま
にその言葉を分析説明するということでもOKです。
 そして、あえてブロッキングせず、それを「あいうえお」順に並べ替え
て完成です。
 このメルマガの途中で、自分でもヒラメキがあったら単語をメモし、後
から自分辞典をあなたも作ってみてください。

3.自分辞典

 たくさんある方が辞書らしいと思い、150のワードを思いつくままに
リストアップしました。
 ではスタートです。

1.「アイスブレーキング」
  緊張を解きほぐすこと。グッド&ニューなどのコミュニケーション促
  進やミニゲームなどを用いて活性を上げる。初対面の人たちとのワー
  クショップの前に実施すると効果てきめんです。
2.「愛」
  博(ひろ)い意味の思いやる気持ち。相手を尊重することから生まれ
  る感情。自我を捨てることにより本物となる。
3.「アシスタント」
  補助的役割をする人。その役割を積み重ねることによって一人前にな
  れる。希望一杯の人。アシスタント自体が一つの仕事の形態をなして
  いる場合もあるので、それはそれはで専門職といえる。
4.「遊び」
  余裕。”忙中閑あり”という言葉がある。いくら忙しくても暇を見つ
  ける心の余裕を言う。働きながら遊ぶコツを会得するとストレスフリ
  ーとなる。オリジナルな遊びを考えることは大変クリエイティブで、
  仕事上で企画などの役に立つので大いに遊ぶこと。
5.「あなた」
  自分との対象者。手が届く範囲にいて目を見れる人。
6.「アナロジカルシンキング」
  類推思考。そのものの要素を分析・追及し、そのコアとなる機能を突
  き止める。そしてそれと同様の機能を有するものを他から探し出し、
  それを応用しようとする思考法。ベンチマーキングとは一味違う。
7.「アプローチ」
  そのものに迫る・接近する道のり。ゴルフではピンの近くで放つショ
  ットをいう。人に近づく、発表内容の本質に迫るステップなどもいう。
  アプローチが上手くないと、プロセスがぼやけて対象になる全体像が
  明確にならない。
8.「甘え」
  安易な妥協の産物。自立していない状態。甘えが習慣化・常態化して
  しまうと、自立心がなくなり、考える力が低下する。
9.「Eメール」
  現在においてなくてはならない必須の情報交換ツール。こまめに着信
  をチェックし、スピーディーに処理することが求められる。返信の状
  態によって人格が見極められるので要注意。
10.「育成」
  対象者のレベルを向上する手助けをすること。教える側と教わる側の
  コンビネーションが上手く行かないと、吸収効率が悪いので注意。ノ
  ウハウよりもまず教わる姿勢を身につけさせることが大切。
11.「意志」
  意志が明確である、意志が強い・弱い、などという使われ方をする。
  ”考え”にパワーを与えたものといえる。意志が弱いと困難(成長が
  目に見えない時期など)を乗り越えられないので、周囲のサポートが
  必要になる。
12.「遺伝子」
  前世から今世に、今世から後世に、永遠に物体をコピーする能力を持
  つもの。形はもちろんのこと性質までも伝える。遺伝子を中心に考え
  ると人体は遺伝子の乗り物であるとも言われる。私は皆に対し、自分
  の事を知るのに「耳を澄まして遺伝子の声を聞こう」と発信している。
13.「営業」
  売り手側と買い手側の商売上の接点。今は商品自体を売り込む前に営
  業マンの人物を売り込む(営業する)ことが一番といわれている。マ
  ーケティングの手法を勉強することは大変役に立つ。
14.「A→D変換」
  アナログ(定性的)表現をデジタル(定量的)表現に変えて、効果測
  定しやすくする工夫を織り込んだ表現技法。これを修得すると必ず結
  果が出る必殺のテクニック。DOHOWの極致と自分では思っている。
15.「偉い人」
  中道、王道、中庸の道を究め、適切な判断を優しさを持って瞬時に出
  来る人。決して地位や名誉やお金を多く持っているだけの人ではない。
16.「エンロール」
  周囲を巻き込む動作。自分の意見を主張し、周囲を納得させ、その考
  えに同調させられること。コンセプトがあってもエンロール出来なけ
  ればコンセプトがないのと同じ。
17.「OJT/OFFJT」
  OJTはオン・ザ・ジョブ・トレーニンのことで、個人教育を前提と
  した仕事をさせること。OFFJTはオフ・ザ・ジョブ・トレーニン
  グで、会議や講習、セミナーなどの集合教育をいう。要は効果的に使
  い分けること。
18.「会社」
  いろいろな人が集まって、一つの方向に向かって営利活動を行う団体。
  従って、方向性が不明確なものは会社ではない。ただの集合体。
19.「改善」
  現状よりさらに合理的で、効率的で、快適な方向にレベルアップする
  ためにアイデアと努力で推進する姿勢。単に合理性・効率だけを追求
  することは好ましくない。あくまでも適正に行うことが求められる。
20.「価格」
  原材料費に、経費と利益を上乗せした品物およびサービスの値段。そ
  の価格が価値よりも高いと思われると、リピートしない。価格はその
  サロンの営業コンセプトである。
21.「価値」
  対象となる品物・サービスが提供する値打ち。価値が価格よりも高い
  と思われるとリピーにつながる。価値を向上するためにいろいろな付
  加を足していく。いわゆる付加価値であるが、これを基本価値に繰り
  入れていく努力が企業自体の価値を向上させる。
22.「家庭」
  世界の最小単位。初期教育の現場。夫婦の努力する姿、真摯に生きる
  姿勢が何よりも教えになり、優しい子を作る環境になる。再度家庭の
  もてるパワーを復権しなければならない。
23.「我慢」
  出口を見つけるまでの時間。我慢のための我慢ではなく、夢・希望・
  目的のための一時の停滞と考える。トンネルには必ず出口があると信
  じ切る気持ちを持つことで打開策を見つけることが出来る。
24.「考える」
  物事を煮詰めて、その答えを出す思考方法。考えることは生きている
  証である。考えることにより人は進化する。進化なくして、人は生き
  ているとは言いがたい。その場の全員の考えを集約することでそこに
  その場の答えがある。それを無視して、何に答えを求めるのか!
25.「環境」
  主たる目的の周囲を構成する要素。環境が人を作るのではないが、環
  境がないと人は安心して力を発揮することが出来ない。環境はそろえ
  てもらうという発想より、自分たちで揃えていくという積極的な発想
  が必要。
26.「感謝」
  有り難いという謙虚な気持ち。初めは小さなことに感謝できるが、そ
  れに慣れてくると鈍感になってしまうので注意が必要。感謝の気持ち
  常に持ち合わせるために死生観をしっかり持ち、命のことを考える事。
  ”ありがとう”は大変エネルギーの高い言葉なのでなかなか言いにく
  いが、それを意識することで、感謝の気持ちは高まる。
27.「感動」
  感じて動かされること。大感動した時は、それを誰かに伝えたくなる
  という人間の特性があり、それによって輪を広げて行こうとするのが
  感動経営。これにより来られたお客様は、より上質な方向に向かう。
28.「起案書」
  企画の前段階で、とりあえずアイデアを文章にして本格的な企画をし
  ても良いかどうかを問う書式。軽いタッチで誰でも書ける様式にして
  社内の提案ムードを盛り上げ、自主活性型の仕組を作るツールにする。
29.「企画書」
  起案書で仮承諾をもらっているので、本格的にメリット・デメリット、
  導入手順などを企画提案する書式。これで採否の最終決定がされる。
  企画が甘いと失敗する。なので、しっかりと深く考えられた企画を行
  う。内容としては、読み手の立場に立った書き方をすれば通りやすい。
30.「技術」
  その物事をこなすのに必要な専門知識、専門技能、智恵、経験、DO
  HOWなどの総体的スキルのこと。これが不足していると良い仕事が
  出来ない。技術を修得するには、集めたノウハウ技術を体系化して、
  きっちりまとめるておき、すぐに使えるようにしておくこと。すぐに
  出てこないと意味がない。
31.「議事録」
  会議で話し合ったことを記録しておくドキュメント様式のこと。活用
  方法として、欠席者への浸透、宿題の徹底、次回の準備などに生かせ
  れば効果は抜群。継続的にファイリングしておけば過去の動きが残せ
  るので、サロンの財産となる。
32.「キャリアプラン」
  永年勤続する上でその人にあった将来ポストを準備してあげること。
  それなりのサロン規模にならないとなかなか準備できないのが現状。
  安心して働ける環境作りの大きなポイントである。
33.「給与」
  働いた対価として頂けるお金または現物。人は皆このために働くが、
  給与を目的とするのではなく、働いた結果の報奨として頂けると言う
  スタンスが喜ばしい。給与を頂いたら必ず、上司とオーナーにお礼を
  伝えることがマナーである。
34.「教育」
  本当は広い意味で使うのであろうが、教育という教えて育てるという
  字の感じからして、かなり一方的な形での教え込みという感じがする
  言葉。ティーチング。トレーニング。最近は、共育(共に育つ)とい
  う字を当てるサロンが多い。
35.「共有」
  一つの話題を皆で共通認識すること。「シェアする」とも言う。共有
  していないと各自がバラバラの方向に動いてしまうので注意が必要。
  幹部会の検討結果が現場に報告されず、「聞いてません!」というサ
  ロン体質だけは最低限改善すべきである。
36.「グッド&ニュー」
  最新の新しいニュースをコメントすること。アイスブレーキングゲー
  ムとしてよく用いる。悪いニュースも発表ありで、その場合はリフレ
  イミングといって角度を変えてそこから学んだことを報告することで
  それも良いこととされる。朝礼などで定期的に実施することで、良い
  ところを見るという作業が日常的になり、グッド視点が確立される。
37.「クレド」
  経営理念や行動指針、スローガン、行動の規範、使命(ミッション)
  などの経営の信条を示す一連のものである。特にリッツカールトンホ
  テルのクレドが有名。これを真似て多くのサロンでも作成しているが
  実際に機能していないのはいかがなものか。
38.「経営理念」
  経営をしていく上で、一番大切にしている心の部分のこと。何のため
  に仕事をするのか、我々はこのサロン経営を通して何を成し遂げよう
  としているのかなどについて明文化されていること。この理念がしっ
  かりしていないと、サロンの方向性を見失ってしまう。
39.「経験」
  体験とは実際に自分の身体に覚えこんだこと。経験は体験よりも広く
  知識や印象・感動などの認知レベルも含む。自分が体験・経験をした
  ことを通してのみ人は語ることが出来る。
40.「傾聴」
  漠然と、漫然と聴くのではなく、耳を傾けて注意深く聴くこと。この
  傾聴と言う言葉の中には”積極的に聴く”という要素も含まれている。
  その時に聴いた話を次に伝えようとすれば、傾聴せざるを得ない。
41.「結果」
  結果はそれだけでは存在しない。起案~計画~目標設定~実践~フォ
  ロー&チェックがあって、結果がある。従って、結果はそのプロセス
  全体の要因を含んでいる。そのことを考えると、全てにその精度が問
  われる。簡単には目標と結果を比べることによって、成果を見つける
  ことが出来るが、未達成の要因は全てに潜んでいる。
42.「健康」
  ”健”はすこやかなこと。”康”はやすらかなこと。つまり、そのも
  のが正常な状態で機能していること。あなたのサロンは健康ですか?
43.「検証」
  出た結果を実際に調べて証明すること。こうすることによって軽視さ
  れがちな結果をノウハウとして再構築することが出来る。
44.「コアとフレーム」
  コアは核・中心。フレームは枠・周囲。原因から発生した結果が現象。
  つまり、現象を煮詰めていくと原因に突き当たる。原因は現象に隠さ
  れてなかなか見えないものである。それを突き止めるには「なぜ?」
  を数回繰り返すとよい。原因が突き止められれば「そのためには?」
  を数回繰り返して、効果的な行動を引き出すことが出来る。
45.「効果」
  期待通りの良い結果のこと。効果を得ようとすれば、それまでの全て
  の段階がうまく機能し、良い結果が得られるように仕組まれているこ
  とが大切である。行動計画の段階で「効果測定」欄(何によりそれを
  成し遂げたことが分かるのか?)を追加しておくと実行効率は途端に
  向上する。
46.「考察」
  対象となる事象を自分なりに考えて解き明かすこと。考察することに
  より研究心・探究心が向上し、イマジネーション(想像・創造)する
  力が自然と身に付く。
47.「行動」
  私は持論として「人間は、自分で考えたことは自分から進んで実行す
  る」という見解を持っている。このことは私には「自主活性型のサロ
  ンを作る上で、いやもっと広く言うと人間としての行動の大原則だ」
  と思えてならない。このことを前提にして、今やっているサロンの運
  営を全て見直してみて欲しい。
48.「効率」
  一度あることは二度ある。これを考えると、二度目は慣れているので
  早く終わるはずである。私は「人間は進化の動物である」と思ってい
  る。従って、より効率的にということは自然な欲求であると思う。
49.「合意形成」
  関係する者の意見がバラパラでは、方向性が定まらないし、それでは
  会社とは言えない。より良くするための建設的反対意見は歓迎だが、
  単に反対だけの意見は意味をなさない。合意を形成するだけで進行方
  向のパワーは、何倍にも増幅する。
50.「コーチング」
  個人の特性を生かした指導方法のテクニックの一つである。対象者は
  コーチの質問に対し、自分で考えたことを述べる。コーチはただそれ
  を聞き入れ、自主性を重んじて練習させる。素晴らしいコーチは、そ
  れだけでなく、フォーカスのポイントを心得ていて、ちょっとのヒン
  トで素晴らしい結果を与えることが出来る。

4.最後に

 う~~ん。段々長くなってしまいますわ。
 初めは150ワード、1回で書けるかと思いましたが、ムリムリ。
 今回は「あ」~「こ」まででしたね。
 ということで、3回シリーズになります。
 しかし、自分のワードを再確認する意味でも、70回目の節目というこ
とでも、このシリーズは意味がありますね。

 では、また次回お会いしましょう!

環境と人 (成長のきっかけ)

メルマガ再録 (2008年7月14日) 第69号


「人の性格は環境に左右される」という様な考えがありますが、本当にそうなのだろうか?」「人が変わるとはどういうことなのか?」 などの課題について考察しています。

           < 環境と人 >

1.はじめに

 今回は、「環境」と「人」の関係について考えてみます。
 「人の性格は環境に左右される」という様な考えがありますが、本当に
そうなのだろうか?」「人が変わるとはどういうことなのか?」などとい
う大それた課題について考察してみたいと思います。
 私には多くを語る資質はありませんが、そこは度胸でいつものようにC
KEN流に切ってみたいと思います。

2.いろいろな言葉

 人と環境に関する言葉をいくつか探してみました。
 「A.環境が人をつくるのではない」(ジェームズ・アレン)
 「B.人は内側から動機付けられる」(ネッツトヨタ南国㈱横田英毅)
 「C.人材育成ではなく、人材解放である」(臥龍/角田識之)
 「D.信頼されるには師匠を持つこと」(バグジー久保華図八)
 「E.人は自分の考えたことは実行する」(CKEN谷口隆)
 「F.場を与えると人は成長する」(CKEN谷口隆)
 では、いつものように上記の命題に対し考えて行きましょう。

3.「A.環境が人をつくるのではない」

 「環境が人をつくるのではない」とジェームズ・アレンは言います。
 この本「原因と結果の法則」のこの文章を読んで、ビックリしました。
 エッ! 今まで、「人は環境によって作られる」と周囲は言うし、私も
そう信じていたからです。
 その本は今貸し出し中でよくは覚えていませんが、「環境が自分を変え
るのではなく、あくまでも変わるのは自分の意志だ」ということだったと
記憶しています。
 これはなかなかグッと来ましたね。
 環境が自分を作ってくれるという甘ったるい考え方を払拭し、自分の頭
で、自分の信念で、自分の足で進まないといけないと、自立心を煽られま
したね。
 そういう本の中の一行でハッと気づくことってありますよね。

 似たような経験で、コーチングの本で「プラス思考はマイナスを意識し
ている」って書いていました。
 だから、本当のプラス思考は、そういうことを意識しないで普通にやれ
ている状態、ナチュラル思考(谷口造語)を目指すのが、究極のコーチン
グであるというニュアンスのことを書いていましたね。
 そう。深い。

4.「B.人は内側から動機付けられる」

 ここ2回ほど、ネッツトヨタ南国㈱横田英毅会長さんのお話を聞く機会
がありました。
 横田さんは、失礼な表現になりますが、表向きはボーとした感じですが、
すっごく考えておられて、味のある方です。面白いんですよね。
 ショールームでボーと座って観察している。そうすると何か気になるこ
とが目に入ってくる。そしたら、そのことを咎(とが)めるのではなく、
「彼女がそうすることには理由があるはずだ」「なぜそうしたのだろうか
?」「どうしたらそのことを直すことが出来るだろうか?」と考えられる
そうです。
 全ては原因主義というか、なぜなぜと問いかけて、それを根本的に直し
ていくという源流改善主義的な考え方をしておられるのだなあと感心する
わけです。
 大久保寛司さんも、伊那フォーラム2008のパネルディスカッション
で、そのあたりのことを「凄い考え方ですね」と感心されていました。

 さて、横田さんは「人は、内側から動機付けられる」と言われています。
 そうですね。この表現は前項のジェームズ・アレンの言葉と同じではな
いでしょうか。
 「人は内側から動機付けられる」ということは、「人は外側から動機付
けられるものではない」と言い換えれますよね。
 自分がその気にならないとしないと言うことです。
 いくら美味しい食べ物を用意されても食欲がないと手を付けないし、い
くら高価な装飾品を見せられても興味がなかったら欲しいとも思わないで
すね。

 横田さんは、「問題対処ではなく、問題解決が大切である」とも言われ
ています。
 問題対処はマニュアル的であり、問題解決は自分の頭で考えて解決して
いくのでそれがどんどん経験となり、より賢くなっていくということです。
 こういう考え方を進められているのは、「人は内側から動機付けられる」
ということを実践していることに過ぎません。
 マニュアルは外から与えられたものであり、問題を解決する方法を身に
つけることは、自己を高める欲求に合致しているからです。

5.「C.人材育成ではなく、人材解放と考えるべき」

 感動経営コンサルタント臥龍(角田識之)先生は、「人材を伸ばすには、
育成ではなく、解放である」と言われています。
 育成とは、「やしない育てること、育て上げること」と広辞苑には書い
ています。
 開放は、「解き放つこと」「束縛を解いて自由にすること」です。
 この2つの意味の差は大きいですね。
 メルマガ第57号に書いた「サヴァン」を思い出してください。
 ちょっと、振り返ってみます。
<ここから>
 (前略)
 サヴァンは知的障害が「あるにもかかわらず」ではなく、「あるからこ
そ」能力を発揮する。アラン・スナイダー豪シドニー大教授(脳学者)は
「人はみな同様の能力を潜在的に持つが、普段は封じ込めている」とみる。
サヴァンの場合は障害のため鍵が外れ、脳がのみ込んだ情報を抽象化も取
捨選択もしていないナマの状態で出し入れできると言うわけだ。実際、脳
機能の一部を抑える実験でサヴァン的才能が現れた。
 ニコラス・ハンフリー英ロンドン大教授(進化心理学)は「進化の過程
で人類はサヴァンのような能力を積極的に放棄した」と考える。人類は集
団を形成するようになったが、社会生活を送るうえで「あまりに大きな能
力」はかえって邪魔になる可能性がある。人類は、より抽象的で総合的な
言語能力、対人能力を優先させたというのだ。
 (後略)
<ここまで>
 ということで、元々持っている能力を開放するという考え方の方が、自
己成長が早いと思われます。
 教えるのではなく、引き出す。
 これが教育のポイントでしょう。

6.「D.信頼されるには師匠を持つこと」

 バグジーの久保華図八先生は、「信頼される人になるには、師匠を3人
持つことだよ!」と言われています。
 自分がだんだん出来るようになり、上の立場になると傲慢になっていく
ので、それを戒めるためにも師匠を持つべきなのです。

 先日の横田会長の講演の中で「卒啄同時(そったくどうじ)」という言
葉を知りました。
 気になったので、調べてみたところ、なかなか味わいのある言葉でした。
 師匠と弟子の関係で、なかなかテーマ的にはマッチしそうなので、ホー
ムページから抜粋してみます。
<ここから>
 (卒啄同時)
 卵の中からヒナが殻を破って生まれ出ようとする瞬間、内側からヒナが
殻をつつくのを「そつ」、外から親鳥がつつくのを「啄」という。
 このタイミングが合わないとヒナは死んでしまう。
 この自然の不思議さを表現した言葉が「卒啄同時」である。
 「卒啄の迅機」ともいう。
 禅の世界では、師匠と弟子の間で佛法を相続、伝授するときに使われる
大切な言葉である。
 師匠から弟子へと伝えられている佛法を、コップの水に例え、「一器の
水を一器のうつわに移すがごとく」と表現している。
 弟子の器が小さ過ぎると水(佛法)はこぼれてしまう。
 器が大き過ぎると物足りないものである。
 絶妙のタイミングが要求される。
 師匠の悟りの力量と弟子の悟りの力量が、同等でなければならないので
ある。
 ヒナに力がないとき、親鳥が啄(つつ)けばヒナは死んでしまうのであ
る。反対に親鳥に啄く力がないときも、ヒナは死んでしまうのである。
 ここで問題となることは、タイミングを間違えるとどちらの場合も、ヒ
ナが死んでしまうということである。弟子の立場からいえばたまったもの
ではない。
 しかし、どう理屈を並べようが、どうしようもない立場なのである。師
匠は師匠であり、弟子は弟子である。
 この立場が混乱してしまい次のような逸話も生まれてくるのである。
 ある修行僧は師匠のもとへ押しかけ「悟りの機が熟しました。どうか、
啄いて、殻を破ってください」と言った。
 師匠は「啄いても良いが、命は大丈夫か」と問うと、生意気にも「弟子
の私が悟らなければ、師匠のあなたが物笑いになりましょう」と答えた。
 師匠は途端に「未熟もの」と一喝した。
 この一喝が師匠の「啄」であったのである。
 師匠の一喝は、慈悲心の表れである。
<ここまで>
 凄く含蓄のあるお話でしょう。
 高度な次元での教育話ですが、師匠を持ち、勉強する環境は必要ですね。

7.「E.人は自分の考えたことは実行する」

 私は常に、「人は自分の考えたことは実行する」ということが基本中の
基本として考えています。
 この考え方は、前項のジェームズ・アレンや横田会長さんの思想と同じ
ではないかと思います。
 動かない、動けないのには理由があります。
 人から教えられて、そうした方が良いのは分かっているが、なぜか一歩
踏み出せない。二の足を踏んでしまう。
 次の問題にぶつかった時に、自分の中から解決策が出てくると思えれば
前進するし、やっぱりそのことが自分の中から湧いてこないと思っている
間は足踏み出せない。
 それは、自然な姿です。
 だって、自信のないことは出来ないですよね。
 その源流には、以前も書きましたが「ホメオスタシス(恒常性)」があ
るのだと思います。
 これは人間の特性そのものです。
 だから、そういうことであるということを前提に物事を考えれば、次の
やり方が見えてきます。
 その物事について、自分が納得して自分のものになった瞬間から人間は
行動をスタートさせるということです。
 次の行動のイメージが湧いてくる状態で初めて行動が伴う、と言うこと
をよく認識して、育成指導していきましょう。

8.「F.場を与えると人は成長する」

 「環境が人をつくるのではない」「人は環境によって作られるものでは
ない」ということはいえますが、場を与えると人は成長すると思います。
 この「環境」と「場」の違いを説明します。
 環境は、家庭内や職場上のベースメント(基盤)です。
 場は、直接的なテーマです。
 例えば、給料は環境で、感想文を発表するのが場です。
 給料を高くしても、その場はモチベーションが上がりますが、やがてま
たもっと欲しいという不満になります。
 その点、問題を解決したり、知識が向上したり、人間性が磨かれたりす
る課題には、生き甲斐、やり甲斐を感じて、自己の成長意欲はなくなるこ
とがありません。
 そういう意味で、自己研鑽の場が大切と言うことです。
 場の活用をもっとすべきだと思います。
 目的・目標は設定しますが、一般的に、場の設定が足りていません。
 なぜなら、場が人を成長させるのです。
 そこには発表があり、そこには賞賛があり、それによって学びがあり、
成長があります。
 もっと、「場」を研究し、結果から手順を作るという手法を開発して、
現場に生かす方法を考えべきだと思います。
 この発想は、ひょっとしたら相当NEWかも知れませんよ!
 是非、誰か実践した例を報告して下さい。

9.最後に

 人材の開放~場の提供までを考えていく本質的な教育論を提案しました
が、理解して頂けましたか?
 なんか今回のメルマガはまた新しいトーンで書いた感じがします。
 全く前後の脈絡を考えず、各項目に集中して書いたので、つながりを感
じないかも知れませんが、勘弁してね。

 では、また次回お会いしましょう!

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