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マトリックス思考法 (思考を表面化するツール)

メルマガ再録 (2006年5月22日) 第18号


頭の中で考えているだけではまとまりがつきません、対象とするテーマを、碁盤の目状の表に記載するように展開して考えることにより、課題が明瞭に視覚化できて、解決策が見えてきます。

         < マトリックス思考法 >

1.はじめに

 マトリックス思考法って私の造語ですので・・・と書きかけて、もしや世の中にあるのではと思い、インターネットで検索してみると・・・やっぱり、ありましたわ。それが以下の内容です。
<ここから>
 『3X3マトリクス思考 ~ 見えてくる明日の形を築き上げる思考法です ~
 時間(When)と場所(Where)は誰でも共通に与えられています。しかし個人によって人生が大きく変わってくるのは何故でしょう?。それはその人の目的(What)や存在意義などの理由(Why)が異なるからと言えます。自分を見つめ、明確な目的を持っている人間ほど強い者はありません。その目的に向かって自分(Who)が、誰に対して(Whom)、いくらで(How much)、どのように(How)人生を送っていくか、仕事や物事を進めていくか?いかに明日を見える形にする設計図(企画)を描いていくかが重要となります。そしてそれらは実際に実践できなければ意味がありません。』
<ここまで>
 WHO,What,Where,When,Why,Whom,How,How muchの6W2Hがその要素です。
 3×3のマトリックス枠を書き、中央のマスにテーマを書いて、周りにこの6W2Hを配置して、その内容を埋めて行き、相関関係において解決策・実行案を作っていくのが、この3X3マトリクス思考のやり方みたいです。
 余り詳しく研究していないので具体的には分かりませんが、これはこれで利用の価値がありそうですね。

 またまた前置きが長くなりましたが、私のマトリックス思考法はこれとは関係のないものです。
 私の言うマトリックス思考法とは、「対象とするテーマを表または2次元グラフに表わすように平面に展開して考えればまとまりやすいよ」という感じの思考テクニックです。
 では、その内容を書いてみます。

2.表

 表は分かりやすいですね。
 縦横の升目になったものです。
 この表が何か話をしている時に頭に浮かんできて、整理出きる様になればあなたも一人前の企画者です。

3.表の例題

 縦軸に項目、横軸に項目の要素が展開されたものです。
 チームワークの改善なら、縦軸にオーナーとの関係、上司との関係、同僚との関係、部下との関係等が出てきます。
 横軸なら、現状認識、理想の形、問題点、改善アイデア、行動計画等が上げられるでしょう。

4.ガントチャート

 ガントチャートとは、日程表みたいな感じの表です。
 縦軸に項目、横軸に時間系列を書き、時間の経過とともにすべき事を右下方向に記入していく形式の表です。
 実行計画などを頭の中でシミュレーションしてみる時は、すぐさまこの表を思い出し、整理すると思考が顕在化され整然とします。

5.ガントチャートの例題

 「サロン合宿を企画せよ!」というテーマが与えられたとします。
 そうすると、縦軸は日程表、参加対象者、場所決定、予算組、プログラム、準備資料、関係者への配慮、お客様へのお知らせ等の項目がリストアップされるでしょう。
 横軸は、経過日程です。
 全体日程表を見ながらどのタイミングで次につなげるかを調整することが大切です。
 実行日から逆算するとより真実味が出てきます。

6.クロスチャート

 クロスチャートは、傾向を示すのに便利です。
 やり方は、紙面の中央に水平線と垂直線でクロス(十字)を書きます。
 そして、そのものが持っている特性・傾向をそのポジションニングによ位置付けします。

7.クロスチャートの例題

 例えば雑誌のクロスチャートを作るとします。
 横軸の右端はフェミニン、左端はカジュアル、縦軸の上端はクール、下端はロマンティックとします。
 この場合、さらにラインを追加します。右上端はシック、左下端キュート、左上端シャープ、右下端エレガントなどにするとより明確に傾向が示せるでしょう。
 そして、いろいろな雑誌を持ち寄り、どの部分の位置付けになるかを検討してはめていきます。
 雑誌クロスチャートがあると、お客様から日常読んでいる雑誌をお聞きして、お客様の傾向を分析することが出来るので、カウンセリングの役に立ちます。

8.フローチャート

 フローチャートは流れ図です。
 フローチャートはコンピュータのプログラムを作る前に、流れを確認する時に作成したりします。
 また、業務改善(業務システム図)や工程改善(工程図)をする時の物・人作業・マシン作業の流れを分析する時などにも使用します。
 プロジェクトを管理する場合、旅行の行程表も、これに当たります。

9.フローチャートの例題

 上から下に(または左から右へ)時系列に発生項目を記載し、それがどんな意味合いを持つ作業かによって項目枠の形を変えて見やすくします。
 メインの流れとは別に外注などの外工程は別のラインで作図し、メインの流れに合流する部分で線を直結させます。
 工期を守る上で重要な「クリティカルパス」という言葉があります。
 「クリティカルパス」とはプロジェクトにおいて、事実上プロジェクト全体のスケジュールを決定している作業の連なりのことを指します。
 「クリティカルパス」上の作業が遅れると、プロジェクト全体のスケジュールが遅れてしまうので、「クリティカルパス」上の作業を円滑に進行させることがプロジェクト管理上で重要となります。プロジェクトを遅らせないために、「クリティカルパス」上のタスク(仕事)が遅れた際に資源を投入して遅れを取り戻せるよう、タスク配置を最適化することが求められます。

10.ネットワーク図

 時系列は関係なく、相互関連を中心に書かれたものがネットワーク図です。
 特性や、想い等何でも自由に書けることから、マインドMAPや特性要因図、紹介系統図、組織図もある意味このネットワーク図と言えるかもしれません。
 コンピュータなどのネットワークやシステムの関連を示すにはこの図が適しています。

11.ネットワーク図の例

 中心にあるものから外に向けて、派生・関連するものを漏れなく記載します。
 そして派生した物同士との関連も位置付けて見やすくします。
 そして、全体を関連付けて適正を判断できる様にします。
 この図を作るには、高所から見る視野・視点が必要とされます。

12.サマリー/ストラクチャー管理

 サマリーファイル形式は1列方式での管理、ストラクチャー形式は階層管理に向いた管理方式です。
 個人の情報などはサマリーで、紹介や組織図などにはストラクチャー形式の管理・書き方が適しています。
 必要に応じた管理、まとめ方、表現が必要です。

13.最後に

 まだまだこういった考え方・思考法はあるでしょうが、要するに、どんな課題があっても、その物事を一点で深く考えるのではなく、全体としてまず捉え、それから深く入るということが考え方・アプローチの基本です。
 さらに、頭の中を平面的にさらに立体的に活用することが出来れば、もっともっと思考することが面白くなってくると思います。
 思考は人間に与えられた特権・特殊能力です。
 これをどんどん活用出来る様に訓練していきましょう。

 いろいろな思考方法を知っていると、その時にマッチしたテクニックで複雑な問題も簡単に?まとめることができるし、解決策も見つかります。
 勉強は奥の深いものがあります。
 今回のマトリックス思考法を使って、じゃんじゃんチャレンジしてみて下さい。

ではまた次回お会いしましょう!

効果的報連相 (正確な判断を促す)

メルマガ再録 (2006年4月24日) 第17号


自分から何らかのアクションを起こさないと報連相にはなりません。報連相は、血液みたいに隅々に新鮮な酸素を届ける役割を果たします。会社組織の潤滑剤として、大変重要な意味を持っています。

< 効果的ホウレンソウ >

1.はじめに

 ホウレンソウ(報連相)って普通に使っていますが、これって社会人の常識ですよね。
 「今度のプレゼンは大変だ」とか、「今日はチョッキ(直帰)だから後よろしく」とか言いますが、そんなビジネス用語の一つですね。
 知らない人のために再確認しますが、報連相は、「報告」「連絡」「相談」の頭文字を続けた言葉です。
 「報告」とは、広辞苑によると「ある任務を与えられたものが、その遂行の情況・結果について述べること。また、その内容。」です。
 「連絡」とは、「相手に通報すること。相互に意思を通じ合うこと。」
 「相談」とは、「互いに意見を出して話し合うこと。また、他人に意見を求めること。」となっています。
 要するに、自分から何らかのアクションを起こさないと報連相にはならないということですね。
 これを元に考えてみると、報告は定例義務、連絡は緊急義務、相談は任意と言う感じがしますね。
 では、今回はこの報連相について考え、効果的に行うヒントについて考えてみましょう。

2.悪魔のサイクル

 「報連相は苦手で!」ということをよく聞くことがあります。
 なぜでしょう?
 ではまず「報告」について、その苦手理由を考えてみましょう。
 仕事ですから、任務(ミッション)には必ずテーマと期限があります。
 実績がその期限に間に合っていないとしたら、誰しも報告はしたくないですよね。注意される、怒られる、文句を言われる・・・ということで、どんどん自分の気持ちが萎縮していき、極端な話、最後にはストレスでうつ状態になるという人を最近よく見かけます。
 また、自分のペースでやりたい。だから報告より結果だろう!と自分勝手に解釈して、報告しないというケースもあります。
 しかし、そんなことを上司が見逃すわけがありません。こっぴどく叱られます。そうすると、またその嫌な体験が積み重なって、気持ちはどんどんヘヴィーになってしまいます。
 「連絡」もそうです。緊急事態の発生に対し、その報告義務を怠ると、通常報告以上に大変な事態になってしまいます。
 では、「相談」です。これって、なかなか適切に答えてくれる先輩・上司がいない。いたとしても時間が取れない、タイミングが合わない、二人で話していると変な目で見られる、などの理由で、なかなかうまく相談に乗ってもらえないのが現状でしょう。それでまたどんどん自分だけで悩んでしまう。
 この様にどんどん辛い方向に行くことを「悪魔のサイクル」と言います。
 このサイクルに入ると、仕事は面白くない、やる気もない、楽しいわけもないという症状になり、ひどい場合は出社拒否症になってしまいます。
 悪魔のサイクルと逆の動きが天使のサイクルです。
 少し工夫するだけで、どんどん仕事が楽しくなります。では次の項で、そんな天使のサイクルになる方法を考えてみましょう。

3.報告のポイント

 まずミッションの全体像をよく理解することです。この把握がおろそかになると、全体がボヤけて、何を・いつ・どうしたら良いのかが分かりません。だから、まず全体把握が一番です。
 指示された時に、それを復唱すること、メモを取ることが大切です。また不明な点・疑問な点は、必ず質問し、中間での報告義務についても質問します。
 それがつかめたら、スケジューリングの中に、報告日程を入れます。この時、無理をしないことです。
無理は必ず遅れとなって現れます。
 報告内容には強弱を付けます。軽く報告する、きっちり報告する、口頭で報告する、文章で報告するなどに区分すれば、毎回の内容が明確になりフットワークが軽く報告できます。
 上司が報連相させたい内容・知りたい項目は「現状の進行状況、問題点、今後の展開、そして期限通りに仕上がるか?」ということです。
 つまり報告は、その結果が見える判断材料となるネタが提供できているかということに尽きます。
 こう考えると、遅れている部分についても、包み隠さず明確に報告しなければならないことが分かるでしょう。
 遅れている理由は理由として、とにかく明確に現状を知らせることが報告業務の最大のポイントです。
 ここまでは中間報告ですが、最終報告もあります。
 最終報告では、「目的を達したか?」「目標達成はどうだったのか?」「プロセスで学んだことは何か?」「全体を通しての成果はなにか?」「波及効果出来ることはあるか?」「ノウハウの共有はできるか?」等について言及されていれば、なかなか立派な報告と言えるでしょう。

4.連絡のポイント

 クレームやトラブルは緊急連絡が必要です。
 これらに対しては、自分のミスを隠すのではなく、お客様にとってどうすべきか、何をすれば一番良いのかを優先的に考えて行動します。スピードと誠心誠意がポイントであることを認識して、緊急事態を乗り切りましょう。
 連絡は、タイミングが必要です。
 集合の連絡をするのに、期限が切れていては意味がありません。賞味期限の切れた情報をもらっても、何の意味もありがたさもありません。
 だから、面倒くさい、後でもいいかな?なんて甘い考えを持つのではなく、今しなければというタイミングで思い切って連絡する勇気が必要です。過去の経験からして、そのチャンスを逃がすと、大変後悔します。
 また、グッドコミュニケーションもこの連絡から生まれます。
 仕事は、意思疎通がうまくいってこそ、部門間、先輩後輩、同輩間のこだわり、わだかまりもなくなり良い仕事が出来ます。
 相手を気遣う優しさや、感謝の気持ちや、細かい連絡がどんなに効果を発揮するかしれません。
 常に相手を思いやる気持ちで連絡をしましょう。それがポイントです。

5.相談のポイント

 「予定通りに行かない、不具合が出た、しかし、自分にはどうしたら良いのか分からない」といった時の対処で相談というツールを使います。
 相談して返ってくるのはアドバイスと相手からの思いやりです。
 事後では駄目です。事前にその問題について相談するということは、相談された相手も頼りにされていると感じてくれて気持ちの良いものです。
 ここだけの話、この手を使うと上司はイチコロです。「おっ、珍しいな、谷口!悩んでるんか?よしよし教えてやろう!」となる訳です。
 相談については、こんな物語があります
 お父さんが、大人でしか動かせない様な大きな石の塊を前に、息子に言いました。
 「どんな手段を使っても良いからこの石を動かしてごらん。」
 そうすると息子はそれを動かそうと、いろいろとやってみます。素手や肩で押したり、足で蹴ったり、棒をテコにしたり・・・でも、まったく石は動きません。
 そして息子は疲れてお父さんに言います。「こんな大きくて重い石は僕には動かせないよ!」。
 そこでお父さんが言います。
 「息子よ、初めにお父さんは言っただろう!。どんな手段を使っても良いからって!それはね、お父さんに相談して、一緒に動かして欲しいって言うことも、立派な手段の一つなんだよ!」と教えます。
 どうですか?
 意外に盲点だったりするんです。この相談ってツール。使えると思ったらどんどん近くの人に相談して、バンバン知恵をもらっちゃいましょう。

6.実行者側から見た報連相

 実行者側にとっては、報連相は成果、結果を高めるためのツールです。
 それを悪魔のサイクルで、義務と考えるのは狭い考え方です。
 目標を達成するために与えられた公的な武器な訳です。
 だから、それをどんどん活用しましょう。
 要するに、そのミッションをいかにやり遂げるか、その目的・目標を達成しようとする気持ちが強ければ強いほど、報連相は必要になり、自然と使うようになると言うことです。
 この「報連相はツールである」という発想をもっと現場に浸透させる様にして下さい。
 これが定着、活用されるようになればサロンの中は大変活性化されます。
 そりゃそうですよね。常に報告・連絡・相談が絶え間なくされているということは、サラサラの血が身体中を巡っているって感じですものね。
 この報連相だけ取ってみても、全社運動としてのテーマに挙げれば、素晴らしい集団になること請け合いです。
 では、次に管理者側から見た報連相について考えます。

7.管理者側から見た報連相

 「報連相が出来ていない」とばかり現場の者を叱っても、それはそういう環境を与えていない管理者の責任です。
 特に報連相ができているかどうかは、伝統に負うところが多いようです。
 どうしても新人は先輩を見習う習慣があり、初めは意気込んでやらねばと思っていても、こんなもんでいいんだと妥協するからです。
 ではどうするか?
 管理者が報連相を勉強しなければなりません。さらに、報連相には上記で書いたような特性があることを知り、徹底指導を行うことです。
 そして、報連相を徹底させることにより、仕事の把握力を向上させ、成果を出させるという教育的側面を利用して、スタッフの成長を促します。
 OJT、OFFJTの項目でも書きましたが、仕事を通して実践指導していくことが最短のトレーニングになり、会社・スタッフの成長への近道でもあります。

8.最後に

 報連相って、かなり奥が深いものでしょ?
 要するに報連相はプロセス管理ですね。
 物事は、インプット、アウトプットだけでは成果はありません。
 プロセスを管理することで、結果・成果は格段に違ってきます。
 いかにそういった体質を作れるかに挑戦してみて下さい。

9.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「マトリックス思考法」です。
 即座に考えをまとめたり、整理したり、一覧にしたりというテクニックを公開します。
 では、次回もお楽しみに!

情報整理とファイリング (情報のセレクトと保存方法)

メルマガ再録 (2006年4月10日) 第16号


情報は何気なく集めても駄目です。いつもアンテナを張って、自分の意図する情報をつかむようにして下さい。そしてすぐに探すものが見つかるように保存しなければなりません。

< 情報整理とファイリング >

1.はじめに

 今我々が受け取る情報は膨大なものがあります。
 その中から自分の欲しい、意図するものをセレクト/チョイスするには、それなりの選択眼と情報整理の技術が必要です。
 すぐに使う情報はストックする必要はないでしょうが、後で使用したいとか、一時保管しておくというという場合にはファイルしておく技術も必要です。
 ホッパー図でいうと、インプット=各種入手情報、プロセス=ファイリング、アウトプット=資料活用ということになります。
 ではそれぞれの項目について考えてみましょう。

2.各種入手情報

 入手する情報の形式別に整理してみましょう。
 ①紙媒体(メモ、コピー、FAX、書籍、新聞、雑誌等々)
 ②生活媒体(TV、ラジオ、電話等々)
 ③電子媒体(メール、メルマガ、ホームページ、ブログ、映像・画像・音声データ等々)
 ④メディア媒体=FD、CD、DVD、HD、USBメモリ、メモリー
  カード、カセット、ビデオテープ、等々)
 ⑤五官(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)
 入手媒体において、それぞれ情報格納方式(ファイリング)があります。
 媒体を絞り込むと、最終的には紙かコンピュータかメディアかということになるので、そのファイリング&活用方法についてまとめてみましょう。

3.ファイリング(紙媒体)

A.大区分の整理整頓(セパレーション)

 今ここに、紙資料の塊があったとします。
 まず何から手をつけますか?
 その前に、整理整頓という言葉がありますが、それを説明すれば答えが見つかるでしょう。
 「整理」とは必要な物と不要な物に区分することで、「整頓」とは取り出しやすいように並べることです。
 そうです。まず、「整理」です。必要・不要を分けるのです。
 この段階で、優柔不断な人は困ります。資料をほかせないのです。
 保管スペースに地価があるとすれば、デスク周りは都心です。倉庫は地方です。特にデスク周りに置く物は少なくして家賃を少なくする必要があります。不要品は地方に置くことです。
 つまり、区分できないということはそれだけで費用を無駄遣いしているということです。
 どうしてもほかせないという人には、奥の手があります。不要だと思うけどほかせないという物はダンボール箱に詰め、まずデスクの下におきます。やっぱり必要だったという時にはそこから復活させます。
 1~3ヶ月たっても使わない物があります。それはもう不要品です。ということで倉庫の隅に追いやります。
 必要という資料については、次の大区分インデックスの例を参考にして分けていきます。
 <年間計画、議事録、レポート、給与規定・就業規則、評価規定、社内規定、技術、教育、販促企画、外部情報>等々
 これ以外のインデックスがあれば当然追加して下さい。
 ここまで、OKですか?

B.小区分の整理整頓(セレクト&ソート)

 上記で出来たと思ってはいけません。普通はそこで止めてしまいますが、ここからが勝負です。
 次は、上記で大区分された資料の1つの山を取り上げます。
 この資料の山を再度上記と同じ様な方法で小区分します。
 小区分も発生ごとに仮タイトルを作って資料分けしますが、小区分までインデックスするとファイルがインデックスだらけになるので区分の時だけに使用します。
 この時のポイントは、意味を持って並べることです。自分が関連して想像しやすい形で区分し、その資料を検索して引き出す時に、自分なら多分ここにファイルするだろうなという感じで位置づけます。
 古い資料は下に、新しい物は上に積んでいきます。

C.製本

 この様に大区分された資料の山が8つ出来たとしましょう。
 これを綴じなければなりません。
 私は「KING JIM №1475」5cm厚の自立型ファイルを使用しています。これは2穴のパイプファイルで、途中からの抜き差しが容易なので、これを愛用しています。
 フラットファイルといわれる紙ファイルは、少しの資料や一時的に使うのには適していますが、量が多くなると使えません。
 クリヤーシートファイルは、原稿や写真を管理するのにはいいでしょうが、これまた大量の資料をファイルするには向いていません。
 パイプファイルにはカラーのインデックスページが付いています。それを利用して、上記で区分した大インデックスを書きます。
 そして、年間計画や議事録を上にしてファイルしていきます。
 中身がファイル出来たら背表紙に大きな字でファイル名を書き入れます。
 最後に、表紙の裏にファイルした日付を入れて完成です。

4.ファイリング(コンピュータ)

 メールのソフトは各種あるみたいですね。私はオーソドックスにアウトルックエクスプレスを使用しています。
 アウトルックは、保存ファイルを作るときに読みの順番に並ぶので、より上位に位置づけたい場合は、ファイルネームの先頭に「1~9」までの数字やスペースを付けるなどして工夫しています。
 メルマガは、登録すれば自動的に送ってきます。しかし、やたら登録すると読むのに大変です。有効な記事があれば、その回のメルマガを保存用ホルダーに移動するか、その部分だけコピーして、ワード文章に貼り付けて別管理しています。これが結構役に立ちます。初めの内はいろいろなメルマガを一杯とって見るようにしましょう。その内、自分の欲しい、自分にマッチしたメルマガが見つかるでしょうから、それに絞り込んでいくということにしましょう。
 ホームページの場合のお気に入り登録すると、そのアドレスはショートカットキーとして、My DocumentのFavoritesというフォルダーに保存されます。
 私は、よく見るホームページやブログはデスクトップにフォルダーを1つ作り、その中にそのショートカットキーのコピーを入れています。そうすると、自分の好きなホームページ/ブログヘすぐに飛ぶことが出来ます。非常に便利です。
 映像・画像・音声データは、ボリュームが大きくなるので、気をつけなければなりません。出来れば、CDやDVDに保存して、本体のHD(ハードディスク)の容量を軽くしておきましょう。
 HDの容量を見るには、マイコンピュータ~ローカルディスク(C)をシングルクリックして、いつも気にする様にしましょう。空き容量がある様に見えますが、実際にはワークエリアを広く使うので、こまめに次の処理をしましょう。
 <スタートキー~プログラム~アクセサリー~システムツール~ディスクデフラグ>
 空き容量が少なくなったり、動きが鈍くなったりしてきた場合などもこれをすれば、連続した空き容量を確保してくれるので、サクサク動く可能性があります。
 作成したファイルは、圧縮格納を心掛けます。
 画像編集の中間ファイルは桁外れにボリュームを食います。だから、これで編集が完了した、もうこれ以上触らないという時点で、JPEGファイルなどに圧縮してしまいます。5~10分の1くらいにデータボリュームが圧縮されます。
 また、写真を相手に送る時は、あまり大きなファイルを送ると相手のメールBOXが満杯になったりして受けてくれないことがありますので、適度な大きさに調整する必要があります。
 小さい写真なら50~100MB、大きくても200~300MBあればきれいな写真が送れますので、それまでサイズを小さくして送ります。
 サイズを小さくするには、私はフリーウェアのVIXを使っています。URLで「VIX」と入力して検索すれば出てきますので、それをダウンロードして下さい。使い方は意外に簡単ですのでやってみて下さい。

5.ファイリング(メディア媒体)

 特に重要なのが、コンピュータを買い換えたりした時のソフトやドライバーの再インストールですね。今は大概CDですので、この分のディスクは固めて置いておくようにしましょう
 その他、映像・画像・音声などのCD・DVDは、別に固めておきましょう。
 USBメモリーカードは、非常に便利です。是非1つは持っておきましょう。なぜならすぐにその場でデータをもらうことが出来ますからね。
 デジカメ、携帯電話などに入っているメモリーカードのデータをパソコンに取り入れるには、カードリーダーライターが便利です。今は1台にいろいろなカードに対応した形のスロットがあり、USBでつながりますから、簡単に取り込めます。

6.活用方法

 今や情報の入り口も、プロセスも、ファイリング方法も多種多様になっており、それをいかに活用するかに掛かってきています。
 探す帳票・データが瞬時に出てこないと、よく出来たファイリングとは言えません。
 保存したデータが探せないのでは、保存していないと同じです。いや、それより性質が悪いです。探す時間のロスを考えてみて下さい。
 ということで、自分の信じることが出来るファイリングをして下さい。
 ファイルから出したデータは必ず元のあった場所に返します。必ずです。これはその資料があった場所を画像として自分が認識しているイメージを壊さないためです。この辺にあったよな?ってまったく整理整頓しない人が覚えていることがありますよね。あれば画像認識です。
 それからファイルのメンテナンスですが、常に必要です。
 そうしないと、新旧データがごっちゃになり、訳の分からないことになります。新データを入れた場合、旧データを残す必要がある場合は、新データに必ず日付を記します。
 入れ替えする場合は、旧データの文面をチェック(重要なことを追記している可能性があるので)して廃棄します。
 ファイルが一杯になった場合は、予備のファイルに移すか、表紙だけの厚紙を作って、綴じ紐でくくるということをしています。
 なかなか資料はほかせないですが、議事録等の古いものは、データとして残っている場合は廃棄してもいいでしょう。
 ファイルは生き物です。
 常にメンテナンスを心掛けましょう。

7.最後に

 今回は、ディテイル(詳細)でマニアックな内容になってしまいましたが、今どきはこれくらいは分かる人が多いでしょうから、理解してくださいね。
 前回はドキュメントの作成方法、今回はそのファイリング方法について説明しました。
 情報収集は何気なく集めても駄目です。いつもアンテナを張って、自分の意図する情報をつかむようにして下さい。
 情報はアウトプットすることによってまた入ってきます。
 皆さんも、今日の内容を参考にして、快適なファイリングをして、すっきりした情報管理をして下さいね。期待しています。

8.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「効果的ホウレンソウ」です。
 ホウレンソウ(報告・連絡・相談)が上手く行かなくて困っている人が多いのではないでしょうか?
 そんな問題点について考察してみます。
 では、次回もお楽しみに!

ドキュメント技術 (記録のテクニック)

メルマガ再録 (2006年3月27日)  第15号


しっかり記録することで検討した内容が明確になり、それを再確認することで実行確率が向上します。記録で足元を固め、そこから前進することで、次の展開が見えてきます。

< ドキュメント技術 >

1.ドキュメント技術とは?

 ドキュメント(Document)とは、文書、記録、証拠等の意味です。ドキュメンタリーとは、証拠書類、事実の記録等のことです。
 「人間は忘れる動物である」「思い出す工夫をしておけば思い出せる」というのが私の定義です。
 そうすると、何か話し合って忘れてならないことは、何かに書き留めておく必要が生じます。
 私は、忘れ防止の対策として「記録を作成する」ことにこだわってきました。
 私の記憶が正しければ、人間は見たものは全て覚えているんだそうです。それは眠りかけの時のレム睡眠中に目玉がグルグル回り、脳に書き込みされるというものです。(ほんまかな?)
 忘れると言うことは、覚えてないのではなく、思い出せないのです。つまり、その書き込みされた記憶を呼び出すことが出来ないということです。
 コンピュータは完璧に出来ますが、人間には出来ません。
 忘れて支障のないことは忘れていいのですが、仕事や思い出などでどうしても忘れてはならない場合はどうするか?広く他人に知らせたい、後進に何かを伝えたい、こんなニーズにもドキュメントは必要です。
 文書であれ、写真であれ、映像であれ、何かの媒体にアウトプットして残す作業が必要です。
 では、ドキュメントをいかにして残し、それを利用するかについて今回は考えてみたいと思います。
 ドキュメントには「同一品質で、残す、伝える、再現できる」と機能があるということを念頭において、考察開始です。

2.事前準備

 まず、そのドキュメントをどの様に使うのか(アウトプット)を明確にします。
   自分だけのものなのか、公的な記録なのか?
   急ぐ必要があるのか、ゆっくりでいいのか?
   精度は細かく必要か? ラフでいいのか?
   誰に配布するのか?
   どの様な手段(紙、メール、FAX等)で相手に知らせるのか?
   渡す媒体は、文書か、写真か、映像か?
 などによって、ドキュメントの作り方が変わってきます。
 つまり、まずそのあたりをきっちり押さえた上でトキュメント形式を決めておかないと、後でえらい目に合いますので、要注意です。
 準備物としては、筆記道具、デジカメ、ヴォイスレコーダー、ビデオカメラなどを必要に応じて使い分けます。
 ちなみに、私は臨場感の中で聞こえてくることを重視しているので、ヴォイスレコーダーを使いません。だから私のレポートは、谷口フィルターが掛かっているものになりますが、それが返って喜ばれたりしています。

2.メモの取り方

 個人的なメモを細かく取っている内に、徐々に慣れて公的な議事録も取れるようになります。
 メモって、面倒くさいですが、これがドキュメントの源泉です。
 まず、日常のメモの取り方です。
 やっぱり日記でしょう。毎日少しづつでも文字を書く習慣が必要ですね。
 次に、ブログ日記などで、発信することもいいですね。コメントが返ってきたりすると嬉しいですよ。
 ちょっとした思いつきをメモに残して、後でそれを整理することもしてみるといいですね。
 私は、手帳の後半部分のメモ欄ページを利用してネタ帳にしています。急に挨拶をさせられる時などに非常に役に立ちますよ。
 もっとベーシックは、とにかく忘れない様にメモしまくることですね。そして、それをいつも目が行く場所に貼り付け、忘れ防止にすることです。
 そんな細かいメモ術が、実は、記録する習慣に発展します。それが出来るようになると、会議やレポートのメモを取ることもたやすくなってくるのです。

 では、会議メモの取り方のポイントを説明しましょう。
 決して初めから完璧に多くを書こうとしないことです。完璧に書こうとすると、返って肝心のことを書き漏らしたり、間違ったりすることになるので、ゆったり構えることです。
 最初は、テーマと結論さえあれば、まずは合格です。
 しかし、書いているとだんだんそれだけでは物足りなくなります。テーマから結論・結果に至る経過が欲しくなります。
 その段階に来たら、徐々に内容・プロセスを記録します。
 しかし、いい加減な会議などでは、話ばかりで結論がないということが多いですよね。こういう会議は議事録担当者泣かせですね。
 思い切って発言し、結論は何ですか?と、聞いてみましょう。
 意外に目からウロコがポロリだったりして・・・

 先日直接聞いたお話ですが、臥龍(角田)先生は、セミナーで聞いて使えると思った部分はその場で携帯メールに書き込み、すぐ自分のパソコンにメールされるそうです。
 そうすると、それを少し加工するだけでしっかりした文章に仕上げられるので便利ですよと言っておられました。こんな方法でメルマガのネタを仕込んでおられるのは流石ですね。

3.議事録について

 議事録は時系列を重視します。だから、全体の進行把握が必須です。
 会議の開始・終了時刻、出席者・欠席者、遅刻者・中退者・中座者、ことによっては、テーマ単位の進行時間記録等々が、自然にメモできなければなりません。
 初めのうちは、これらの事をメモし忘れて困ることがあります。それを防ぐために、議事録者としての私の経験ですが、「何かあったら時計を見る」ことです。
 なぜかと言うと、「思い出す工夫をしておけば思い出せる」ということを最初の項であったのを思い出して下さい。
 つまり、こうです。ちらっとでも時計を見ておくと、この時の休憩は何時から何時までだったかなあと悩んでも、静かに目を閉じて思い起こすと頭の中に時計を見たシーンが蘇ってきて、文字盤の何時何分が見えてきます。本当ですよ。やってみて下さい。私の経験ですから。
 議事録は、テーマ主体の場合と、意見主体の場合があります。
 テーマ主体型では、議事録は簡単です。基本はテーマと結論です。さらにプロセスがあれば申し分ありません。
 しかし、意見主体型は、結論がない場合があります。その時は意見の内容と流れをメモしていかないと、記録になりません。
 このケースにおいては、発言者の名前とポイントをメモしていきます。出来るだけ私情を入れずに、ストレートに簡略化して書きます。
 分からないところがあれば、会議の後、その部分を本人に聞きに行って聞き取れなかったので教えて下さいと言えば、気持ちよく答えて頂けるので積極的に質問しましょう。
 また、ホワイトボードの文字はデジカメで記録して下さい。
 ボード文字は、その場の臨場感を端的に表せますので、できる限り議事録に掲載するようにしましょう。
 テーマが前後したり、何回も同じテーマが出てくる場合は、1つの項目にまとめます。これは時系列を無視したことになりますが、出席者もその部分については分かっているため問題はありません。
 パワーポイントを使った場合の報告は、次の項で説明します。

4.講演レポートについて

 レポートは、議事録と違い、出席者以外の方にも分かって頂かなければならないという使命を持っています。この点が大きく違うということの認識をしっかり持っていないとよいレポートは書けません。
 その講演を知らない人に分かってもらうには、その講内容より先に、その講演会に至る背景、経過が説明されていないと解釈しにくいということです。そういうコメントがレポートのトップにあって、講師のプロフィールなどがあれば言うことはないでしょう。
 そして、講演会場の外観やエントランス、受付などの風景が写真であればよりその講習会の感じがイメージしやすく、読み手の側に立ったレポートになり得るわけです。このあたりが親切の見せ所です。
 そして講演記録です。
 講師先生の講演スタイルにより、主に「口頭重視」「配布資料重視」「プロジェクター重視」の3つのパターンがあります。

 「口頭重視」の場合は、ひたすらメモです。たまにレポート用に講師先生や受講者の状況をデジカメします。出来るだけ自分で撮ります。イメージが流れているので、感じが統一されます。
 書ききれない場合は、キーワードだけ書きます。そして、次のテーマに移行して内容を書きます。少し間があれば、さかのぼってさっきのキーワードにコメントを補完します。キーワードさえあれば、ほぼ内容は覚えているので、まとめる時に思い起こして書き足します。これは訓練で出来る様になります。
 レポートをまとめる場合は、事前状況写真を配置し、講演記録を重視しつつ、時系列を意識して講習中の先生の写真や風景を配置してレポートを仕上げます。

 「配布資料重視」の場合は、なかなか難しいです。配布資料があるのでこれに頼りそうになるのですが、基本的には資料はないものとしてメモを取ります。なぜかというと、資料があるのでメモは簡単にと安易に構えていると、資料以外の貴重な例え話などを聞き逃してしまうからです。
 この講演レポートをまとめる場合は、配布資料が公開OKの場合においては、講演記録の随所に、配布資料写真を挿入します。
 なぜ配布資料を写真にしなければならないかと言うと、そのレポート内に写真で取り込んでおくと、レポートの一部として記録されるので紛失の心配もなく、資料だけが一人歩きすると言うこともないからです。

 次に「プロジェクター重視」の場合です。記録の取り方は一緒です。
 おもにパワーポイントを使用しての説明になると思いますが、注意すべきは、そのデータが公開可能かどうかです。
 可能な場合は、そのデータが講師先生から頂けるかどうかです。
 頂くことが出来る場合は、それをレポートの随所に効果的に貼り付ければ最高です。撮影したスクリーン写真を使用する場合は写真の精度が問題になります。
 この場合、良く練習しておかないと、薄暗い中での撮影はなかなか難しいものですので、事前練習が必要です。フラッシュをONするとボヤっとなるし、OFFのままだと暗いし、、、
 このケースのレポートまとめは、データが多くなる傾向があるので、出来るだけ効果的なデータ(写真)を使用し、後は記録文でつなぐというスタイルが良いでしょう。
 データ量としては、1MB以内に収めることにしましょう。
 あまり大きいサイズのレホートを作ってしまうと相手先のメールBOXが一杯ですとメッセージが返ってくる場合があるので気を付けましょう。

5.見学会レポートについて

 見学会のレポートは、写真重視がよいでしょう。
 出来れば準備段階からドキュメントを残し、最終まで満遍なく記録することがキモです。
 見学先の方の講話はもちろんのこと、移動途中での良い話や、会話のメモも有効的です。
 全体がストーリーとして流れていることが大切です。
 写真は、全員の集合写真は必ず入れます。そして、懇親会などではカメラ視線でのグループ写真を多く取ると、良い雰囲気のものが出来上がります。
 写真を編集する時に、吹出しをつけたりするとより一層効果的です。

6.ドキュメント活用術

 作成した議事録は、その会議の出席者に配布します。部外者には配布できません。取り扱いは要注意です。特に幹部会クラス以上の議事録は、未公開の機密情報が含まれている可能性があるので、十分気を付けましょう。
 逆に、公開すべきはどんどん公開し、情報共有に心がけます。
 情報は血液です。どんどんフレッシュな情報を提供し活性化しましょう。
 レポート類は、内々のものと発信可能なものに区分されます。
 内々のみに配布すべきものは、その関係者にきっちり届くようにします。
一般への発信可能なものは、コピーやメールなどを利用して、どんどん配布しましょう。喜んで頂ける事、請け合いです。

7.最後に

 今回は、今までと一味違う内容だと思いますが、どうでしたか?
 私は昔、議事録を書いて親会社に送ったところ、そこの上司の方が私の議事録をチェックされて、真っ赤っかになって校正された議事録が送り返されてきました。
 「なんでやねん!」とメチャクチャ腹が立ちました。
 しかし、その時学びました。「注意してもらわないと分からないことがある。」貴重な体験でした。
 その時依頼、俄然ドキュメントに本気に取り組むことになりました。

 私は長年の経験から「ドキュメントを制する者は、その場を制す」という信念を持っています。
 なぜかというと、ドキュメントを作っていると、やがてそこに情報が集中するようになってきます。
 「あれはどうなった?」「これお願いします!」なんてなことが当たり前になってきて、やがて全ての機能がそこに集約されてきます。
 そうなると、面白いことがおきます。
 そうです。
 結果的に。みんなの輪の中心にいる様になるのです。
 これが今の私のポジションになっています。

 是非、皆さんも頑張って、ドキュメンターになって下さい。
 出来たドキュメントを送って下さい。楽しみにしています。

8.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「情報整理とファイリング」です。
 これで困っている人が多いですね。
 すっきりとさせますよ。
 では、次回もお楽しみに!

ワークショップ (体験型気付き教育)

メルマガ再録 (2006年3月13日 第14号)


専門家の助言を受けながら,参加者が共同で研究や創作を行う場のことです。一方的に説明を受けるセミナーや講演ではなく、実際に対面して意見交換する中から自分自身で気付くことで認識が高まります。

< ワークショップ >

1.ワークショップとは?
 決して「作業服・ツナギ・鳶服・軍手・安全靴・足袋・白衣・長靴・安全用品・工具等の販売」などのショップのことではありません。
 ここでいうワークショップとは、「体験参加型気付き教育」「専門家の助言を受けながら,参加者が共同で研究や創作を行う場」ということです。

2.ワークショップの効果

 ワークショップでは、一つのテーマに対して意見交換をすることにより、「そういう考え方もあったんだ!」と他人の意見を聞き入れ、認め合います。
 その中で気付いたことを自分の思考に取り込むことにより、より大きな思考が出来る様になっていきます。
 また、テーマ検討における役割分担がそれぞれの能力向上に役立ちます。
 リーダーに任命された人のリーダーシップ、書記の人の記録能力、タイムキーパーの時間観念、発表者の発表能力などの役割能力の向上につながり、それが全体の意識を向上させることになるわけです。
 このワークショップ型検討会を多用することにより、それらが相互に作用して、自然に自主活性化型サロン作りが可能となっていきます。

3.ワークショップの流れ

(1)事前準備

「1-1 テーマを決めます」
 サロンであれば、「感動の接客をするには?」「技術の連携を良くするには?」「店着率を向上するには?」等々、いろいろなテーマが考えられます。

「1-2 対象者を集めます」
 テーマが決まったら、そのテーマを検討するのに適切なメンバーを集めます。
 この「1-1」と「1-2」の手順は、逆の場合もあります。
 通常のミーティング中に、ワークショップを利用した方がよりベターと判断した場合は、幹事グループでテーマを即時設定し、展開するという方法も良いでしょう。

「1-3 進行を検討しておきます」
 進行をシミュレーションして、時間配分、グループ分け等を考えておきます。
 時間配分の例としては次の様な感じです。
   前説          15分 (インストラクター)
   検討      1時間15分 (グループ)
   グループ報告    25分 (グループ発表者)
   まとめ          5分 (インストラクター)
 グループ人数は、4~6名くらいが良いでしょう。

(2)前説

「2-1 オリエンテーションを行います」
 インストラクターから、本日集まってもらった主旨の概要と進行要領を簡単に説明します。次に準備したグループ構成を発表します。

「2-2 グループに分かれます」
 グループ構成者名を発表したら、すぐにそのグループ単位でまとまって再着席します。この席替えは素早くします。

「2-3 4役を決めます」
 インストラクターから、「リーダー、書記、タイムキーパー、発表者」の4役を決めるように指示し
 ます。
 会議の役割分担を明確にすることにより、会議への参加意欲が湧き、より活発な討議が繰り広げられます。
 必要であれば、グループ名も付けるように指示します。

「2-4 インストラクターから検討要領と報告要領を説明します」
 ここで再度インストラクターから本日のテーマの検討プロセス要領と着地点(アウトプット、報告すべき内容)を説明します。
 この時点では、役割分担が決定しているので、真剣に聞き入れます。

(3)ワークショップ展開

「3-1 テーマに沿って話を展開します」
 例えば「時間短縮」というテーマだとすると、リーダーはファシリテーション技術を使って、時間短縮に対する要素分析と現状認識、対策を考えるように会議を進行します。
 その時、各自から出来るだけ多くの意見を引き出し、少数意見でも、新人の意見でも大切にする様に仕向けます。
 時間内で終われるようにタイムキーパーは進行を促します。
 約1時間くらいの検討時間ですので、その中で対策が実施出来る内容に絞るのがポイントです。
 検討が行き詰ったら、インストラクターが助け舟を出します。「例えばこういうこともあるよね、その意見面白いからもっと膨らませてみたら良いかも?先日こんなこともあったよ」などなど。

「3-2 書記は検討途中の記録を書き留めます」
 書記はそれらの意見を出来るだけ多く書き留め,報告時に再現できる様に記録します。ホワイトボードがあればなお結構です。

「3-3 意見を発表用にまとめます」
 書記の資料を参考にして、グループ内で発表者が中心になり「この部分を強調しよう」とか「ここを面白くコントにして発表しよう」とか検討します。

(4)結果報告と気付きの共有

「4-1 発表の要領と発表内容の共有化を説明します」
 インストラクターより発表の要領を説明します。
 各チームの発表順番と持ち時間を伝えます。
 発表を聞く時は、自分のグルーブには出てこなかった考え・アイデアに特に注意を払い、共有化する様に指示します。

「4-2 各グループから検討プロセスと結果を報告します」
 インストラクターのガイドで、各グループから発表用にまとめたものを発表者が発表します。
 ここが面白くできるほどレベルが高い様です。面白くできるということはアピールを考えていると言うことです。
 こんなところからも、レベルアップは始まります。
 時間があれば、各自から共有できた内容に関して一言コメントをもらえればより良いでしょう。

(5)インストラクターコメント

 最後に、インストラクターより本日の進行内容についてコメントします。
 リーダーの進行状況、グループメンバーの協力度合い、テーマに対するまとめ方法、発表者へのコメント等々、気の付いた事柄を途中でメモしておき、次回さらに上手にワークショップが出来る様に最後にコメントします。

4.最後に

 ワークショップは「気付き」が重要であることを認識の上、会議運営することです。
 単に結果だけを求める形だけの会議に陥らない様に、リーダーの会議進行に対する指導が事前に必要です。
 しかし、この手法を習得すれば、いろいろな問題は自分達で解決することが出来るようになります。
 あまり大きな声では言えませんが、この手法は、コンサルタントにとっては、最大の武器なのですが、今回は全て公開してしまいました。
 ワークショップは、ミニプレゼン大会ということも言えます。
 これを繰り返すことにより、インプット~プロセス~アウトプットまでのステップを頭に叩く込むことが出来ます。
 これが非常に重要な要素です。
 「アウトプットを意識したインプット&プロセス」「グループメンバーからの意見の中で答えを探す」こういう習慣付けをしていくことが、自主活性型サロン作りの基本です。
 是非是非、サロンで活用されることを願っています。
 今回の内容で、もっと知りたいと言う方はメール下さい。

5.次回案内

 では、次回の案内です。
 次回は、「ドキュメント技術」です。
 記録の取り方、活用の方法等について困っている方も多いと聞きます。
 情報整理も含めて、ドキュメント技術について考察します。
 では、次回もお楽しみに!

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